又しても前回の日記の続きです。
トヨタ自動車 カローラフィールダー・1.5G・CVT(DBA-NZE161G-AWXEK)、
フォード・モーター マスタング・V8GTクーペプレミアム(5thジェネレイション後期型)と見てきた後は、再び新発田市へ。
今度は、4月18日発表・6月24日発売の、スバル XVハイブリッドを試乗しました。
・XVハイブリッド発表 スバル初のハイブリッド車
(carview!、2013年4月18日)
・注目のXVハイブリッド プロトタイプに試乗!
(同、2013年5月23日)
・スバルファンもこれなら納得
(webCG、2013年8月29日)
昨年ガソリン駆動車のXVを試乗していたので、こちらは試乗しないつもりでした。
しかし、ハイブリッドとは言ってもトヨタのそれとは根本的に違い、燃費のためではなく走りのために補助的に使っているというのを各所で見て、一体どんなものか気になっていました。
・【スバル XVハイブリッド 技術発表】吉永社長、「オリジナル」を強調
(Response、2013年4月18日)
・【スバル XVハイブリッド 技術発表】吉永社長「自分たちで開発して本当に良かった」
(同、2013年4月19日)
・【スバル XVハイブリッド 技術発表】吉永社長「どの車種にするか大事な決断だった」
(同、同日)
成程、トヨタの子会社となっており、確かに技術供与は受けたけど、あくまで独自開発なのですね。
同じハイブリッドカーではあるけれど、プリウスやアクアなどとは根本的に違う車と見て間違いないでしょう。
かなり売れているようであり、月産月販目標550台に対して7000台の受注があり、12月にならないと納車できないほどだそうです。
元々スバル初のハイブリッドなので生産工程には色々と余裕がなく、そこへ予想を遥かに上回る受注があったのも、明らかに拍車を掛けています。
スバル初のハイブリッドというのが売り文句となっただけでなく、元々のXV自体が人気だというのも、売れている理由の一つではないでしょうか。
・【スバル XVハイブリッド 発売】2週間で5580台を受注…3割は60歳以上
(Response、2013年7月10日)
・【スバル XVハイブリッド 発売】年内納車ギリギリ…ユーザー層も着実に拡大
(同、同日)
・富士重高橋専務、XV ハイブリッド受注7000台超…納車は年明け以降に
(同、2013年8月1日)
面白いのは、この車は、60代以上の年配者を中心に売れているとのデータです。
実用的で、格好良く、しかし分かりやすい派手さがなく、若々しさと落ち着きという相反する要素が同居しているからですかね。レガシィにもそんな雰囲気がありますね。
度々引き合いに出しますが、ピンク色にして丸型前照灯を付けて「ほら、クルマ好き女子向けだよ~」とか言われても、頭の良い女性ほど逆に敬遠するのと同じです。どんなに年配者に媚びたところで、そんな車は年配者からの支持は得られない。精々若者がネタとして短期間乗り回す程度。
若者や中堅どころが考える年配者向けと、当の年配者が乗りたい車は、往々にして温度差が激しいものです。

今回お邪魔した、
新潟スバル自動車 新発田店です。
もう夕方です。こんなことなら、カローラフィールダーの次に、寄り道していけば良かった。


こちらが試乗車。
グレードは2.0i-L、駆動方式はAWDのみ、変速機はパドルシフト付きCVT「リニアトロニック」のみ、外装色は専用のプラズマグリーン・パール、内装色は専用のシルバーアルカンターラ/トリコット、メーカーオプションであるルーフレール装着。
全長4450mm、全高1550mm(ルーフレール装着の場合+45mm)、全幅1780mm、最低地上高200mm、重量1510kg・総重量1785kg(各種オプション装着により変動)。
型式はDAA-GPE、エンジンは水平対向4気筒DOHC「FB20」、自然吸気NA、排気量1995cc、最大トルク196Nm/4200rpm、無鉛レギュラーガソリン使用、JC08モード燃費は20km/L。アイドリングストップ機能搭載。
車両本体価格\2,550,000(消費税5%込み\2,677,500)、エコカー減税対象車(取得税と重量税が免税)。
基本形はガソリン車と同じなので、特段書くべきことはないですね。相変わらず格好良く、個性的です。メーカーオプションであるルーフレールを付けていたほうが、様になりますね。
ハイブリッドカーであることを自己主張する黄緑色の専用色が良い感じ。緑色の車、もっと増えろー!
細部には、これまたハイブリッドカーには定番の、青いインナーレンズ。
ガソリン車に比べて120kg増・35万円増とのこと。
バッテリーは、エコカーで一般的なリチウムイオン電池ではなく、古典的ともいえるニッケル水素電池を使っているのだとか。メカニズムについてはさっぱり分からないのですが、出力や耐用年数はどんなものでしょうかね?


車内。
2.0i-L、及び2.0i-L・アイサイトの専用色です。ガソリン車や2.0iの黒一色よりも、快活で若々しいイメージですね。
こちらも、ガソリン車とほとんど同じなので、詳細は省きます。

早速運転してみます。
もう夕方なのでライトを点けますが、イルミネーションが綺麗! メーター類は青、計器類は橙と使い分けられており、暗闇に映えます。
色分けされていることで、夜中でも操作を間違えることはなさそうです。お洒落なだけでなく、何気に便利。
こちらもガソリン車のときの記憶と大差ないので、特段書くべきことはありません……と言うか、それこそが特筆すべきことなのですよね!
ハイブリッドというと、どうしてもプリウスを基本に考えがちです。低中速では音を立てずに走り回り、重量感や加速感が感じられず、動いているのか止まっているのか判らない。確かに燃費は良いし、エコカー減税を始めとした様々な恩恵は受けられるけど、それでは車ではなく走る白物家電だと言われています。そして僕もその通りだと思います。
しかしこのXVハイブリッド、ハイブリッドということを全く意識させません。相変わらずうるさすぎず静かすぎず、しっかり走りしっかり曲がりしっかり止まる。実に快適。
快適とは言っても、ラグジュアリーサルーンのそれではなく、車としての基本性能に忠実な、運転がストレスなく楽しいという意味での快適さです。
AWDでクロスオーバーSUVとは言っても、不整地を切り拓くためのそれではなく、基本はあくまで舗装路。
国道7号線“新新バイパス”を、
聖籠インターチェンジまで高速で走っても、終始安定しています。むしろ、あまりにも性能が安定しすぎていて、ついついアクセルを踏み込みたくなるほどです。加速は力強く、どんなにアクセルを踏んでもちゃんと応えてくれます。実に頼もしい。
燃費を稼ぐためのハイブリッドではなく、言わば過給器代わりのハイブリッドみたいなものですね。同じハイブリッドでも、ここまで違うか!
こうなったら、6月20日発表・翌日発売された
本田技研工業 アコードハイブリッドや、7月17日のマイナーチェンジでデュアルジェットエンジンを搭載した
スズキ スイフトも、試したくなりますね。
帰路は下道ですが、視認性は良好です。
住宅街の中をちゃんと曲がれて、ブレーキもしっかり効く。
着座姿勢そのものは、スポーツカーみたいな仰向けに近い姿勢ですが、そもそもの着座位置が高いので広く見渡せます。

これだけ環境意識の高まっている昨今、燃費の悪い水平対向エンジンには分が悪いです。
しかしそれを、ハイブリッドという武器を身に着けて、再浮上しました。
普通なら時流に流されて燃費一辺倒になるところですが、モーターを補助的に使うことで走りを重視し、ブランドイメージも保ったままで。
にも拘わらず、従来の固定客以外の層の心を掴むことにも成功しました。
「ハイブリッド初の4WD」という宣伝文句も有効です。
今の時代は何かというと世界初を謳いたがりますが、その割に実際乗る分にはどうでも良い機能が多かったりして、どちらかというと株主向けのポーズなのだろうなと感じています。
そんな中にあって、ハイブリッドで4WDというのは、雪国の人間にとっては待ち焦がれた存在です。
確かに、これは売れます。
この技術が、いずれ他車へも波及していくんでしょうかね。
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試乗記 | クルマ
Posted at
2013/08/30 16:42:52