7月8日(金)、 元内閣総理大臣安倍晋三氏が、参議院議員選挙の応援演説中に凶弾に倒れるという、前代未聞の痛ましい事件が起こりました。
…事件の背景についてはさまざまな報道がありますが、某宗教団体との関連を疑った犯人が、安倍晋三氏を銃撃した…という見方が有力のようです。
…今回の事件は、日本にとって2つの『国益』を失ったと個人的に思っています。
…それは日本が世界に誇る『安全神話』と、安倍晋三という指導者を失ったことによる『外交能力』です。
…最初に断っておきますが、私は自民党支持者ではありませんし、安倍晋三氏支持者でもありません。
…ただ、私は祖国である日本を愛し、日本人であることに誇りを持っているだけです。
…政治に興味がない人にとって、安倍晋三という人は『長く首相を努めた人』とか『モリカケや桜の人』という印象しかないと思います。
…政治家の評価に対しては歴史が審判を下すと思いますが、個人的な評価としては、安倍晋三氏は非常に外交交渉能力に長けた方であったと思っています。
…安倍晋三氏が首相を努めた7年8ヶ月、日本という国の国際的立場が飛躍的に向上したことは紛れもない事実にもかかわらず、多くの日本人は内政にしか関心を示さず、外交というものに疎いために、この事実に向き合いません。
…日本は島国であり、軍事力や資源が乏しく、食料自給率もG7の中でダントツの最下位であることは誰もが知っているのに、外交の必要性に向き合わない日本人の国民性には呆れるばかりです。
…安倍氏はいわゆる『保守派』の筆頭格であったからか、首相在任中は自称リベラル派や左翼系のマスコミやメディアから叩かれていた印象がありますが、言いがかり的な『疑惑』に苦労させられていました。
…いわゆる『森友問題』は、詐欺師夫婦にまんまと騙された財務省の失態であり、『加計問題』に至っては、自治体の要望を鑑み、文部科学省の利権を剥奪したことによる逆恨みの類いであったことに、ほとんどの国民が気付いていません。
…安倍氏の外交での功績は多々ありますが、特筆すべきはドナルド・トランプ大統領との強い信頼関係だと思います。
…当時、外務省は米大統領選挙でヒラリー・クリントン女史が勝つと考え、トランプ氏とのパイプが全くなく、トランプ氏が当選した直後に右往左往している外務省の役人を尻目に、直接アメリカまで会いに行ったときには正直、驚きました。
…あのひねくれ者のトランプとあれだけの信頼関係を築いたのは、恐らく世界中で安倍氏だけだったのは、誰もが認めるところです。
…安倍首相は後日談として、何故会いに行ったのか?の問いに『泡沫候補と言われた人間が米大統領になった。あなたは興味ないのか?』と語ったとのこと。
…安倍氏の外交に対するエネルギーは、この『好奇心』であり、そして安倍氏の天賦の才能である『人たらし』な性格が諸外国の首脳とウマが合ったのでしょう。
…安倍氏は海外では『タフ・ネゴシエーター』と呼ばれ、非常に評価の高い政治家ですが、個人的には歴代の首相と比べて『ユーモアのセンスに長けている』と感じていました。
…2013年、ブエノスアイレスでのIOC総会にて2020年のオリンピック開催都市が東京に決定したとき、マスコミからの『安倍さんは、2020年東京オリンピックは首相として迎えられますか?』の問いに、『先のことは分かりませんが、少なくとも選手として参加することはありません』と切り返したのを聞いた時に、私は安倍氏のユーモアのセンスに感心したものです。
…最近は人をディスったりする笑いが横行していますが、人を傷付けない笑いこそが本当の『ユーモア』だと思います。
…アメリカとの強固な同盟関係は安倍外交の特筆すべき実績ですが、それ以外にもアメリカ離脱後、まとめるのが困難と言われた『TPP』(環太平洋パートナーシップ)を締結させたのは間違いなく安倍氏の手腕によるところが大きいし、『FOIP』(自由で開かれたインド太平洋構想)などは、安倍氏発案の構想にアメリカを参加させた、前例のない経済・安全保障構想です。
…9月に安倍氏の国葬が行われることが閣議決定されましたが、相も変わらず左翼系メディアは『反対』を唱え、安倍氏の生前の功績に向き合おうとしません。
…日本人は思慮深い人種であり、遺伝子的に『武士の情け』が備わっているはずなのに、どうしてこんなみっともない日本人が増えたのか …遺伝子的に日本人が少なくなったのか、はたまた最初から日本人ではない人種が増えたのでしょうか?
…国葬に反対するのは自由ですが、それなら決断をした岸田内閣を批判すればいいのに、何故亡くなった安倍氏を批判するのか?…それも亡くなった方を呼び捨てにして『アベの国葬に反対します』などという連中は、私は日本人とは認めません。
…今、あなたが自由に発言が出来て、生活が出来るのは、誰かが国を支え守っているからであり、決してあなたの努力だけではないのです。こういう時くらい、ささやかな『敬意』を表することは出来ませんか?
…今の日本の自由と平和は当たり前ではないのです。それはウクライナの現状を見れば明らかです。
…第二次安倍政権で7年8ヶ月、官房長官を努めた安倍氏の盟友である菅義偉前首相は、安倍氏が銃撃されたときに『万が一のことを考え、同じ空気を吸いたい』と奈良県へ向かったことを明かしています。
…安倍氏を批判している連中に問いたい。『あなたには自分自身が万が一の時に、このように思ってくれる友人がいるのか?』と。
…衷心より安倍氏のご冥福をお祈りいたします。
Posted at 2022/07/23 07:23:45 | |
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