
どうにもこうにも、ダサダサのタイトルですが、自分がホントにオッサン化してきたのを気づき始めたのはいつからでしょうか。
三十路を超えたあたりに、「オレはまだ若い」なんて思ったことがあり、後輩にも「若いですねー」なんて世辞を言われた記憶もあるので、もうこの時点でオッサンというセグメントに入ってしまっていたのでしょう。
「オッサンの定義とはなにか」では、先日書いた日記などのように、電車の中で傍若無人に振る舞うことなども一部ですが、その他にもイロイロとありそうです。
例えば、素晴らしいスタイルの女性が歩いていたりすると、機能が落ちているはずの視覚センサーが、突然に超高速オートフォーカス&光学ズームしたり、ナビゲーションが狂って追尾し、スリップストリームから香しいにほひをラムエア加給しようとするケースがあるようです。
さすがに私はそこまではしませんが、電車の横でウトウトしていると、横に座った美しい女性のフレグランスな香りにホワ~っとなっちゃったりします。
ただ、何の気なしにのぞき込んでみると、結構な低年式の旧者だったりもするので、最近の板金修復技術の高さはクルマだけでないのだなぁと、テクノロジーの発達に感心したりもするのですよ。
自分のことで気になるのは、排ガスがヤバいというか、かなり不完全燃焼気味のアフターファイアの回数も増えたことでしょうか。ユーザー車検に行った時、排ガスのテストで使うプローブを手にした時、コレを自分の尻に突っ込んで、×が出たらやだなぁなんて一瞬考えました。
それから、どこからともなくにじみ出る体臭ですね。カミさんに相談したら、最近はペットのエサに混ぜる良いクスリがあるとの答えが返ってきたので、思わず海に向かってダッシュしたくなりましたよ。ホントに。
こうもなってくると、臭いというものが非常に気になります。口には出さないだろうけど、陰でいろいろ言われているんじゃなかろうかなど。
思い出しました。
私が500を物色している2年ほど前、あるお店にMS-8が置いてあったんです。
MS-8というのは、外装こそ落ち着いたクルマですが、内装はインパネシフトにフロントベンチシートとアバンギャルドで。イカしたクルマだと思っていたので、いかにも買う素振りを装って見せてもらうことにしました。
最初は若い兄ちゃんが、やる気なさそーに相手をしてくれたのですが、新車を見たいという客が来たので、そっちの方にすっ飛んで行きました。
代わりに来たのは、そこの工場長だかなんだかのオッチャンです。
このオッチャン、なんとなく高出力酒ターボ仕様に見えましたが、アフター5だけでなく、ヘタしたら昼間も少しタービンを回しているような疑惑も抱きました。
年齢を全く感じさせない機敏な動作で猛烈にMS-8をプッシュするのですが、何だかよくわからんのです。「このエンジンはスゴイですよ。V6で、スンゴイパワーあるんです」とか「これはねー、後席もスンゴイ広いんですよー」など、とにかくMS-8はスゴイと。
さらにエキサイトしてくると、
「これはねー、車幅よりもトランクが広いんですよー」と、意味不明なことまで言い出す始末。
バブル時のマツダは四次元ポケットまで開発していたのでしょうか。
そのトランクを見ていた時、ある異変に気がつきました。オッチャンの口臭がかなり強烈だったのです。それでもオッチャンは接近戦を好むようなので、たまらず「室内を見たい」と運転席にもぐり込みました。
しかしオッチャンは、運転席に首を突っ込むようにして、さらにMS-8のスゴさをアピールします。
「このハンドルの横のスイッチ、これはスゴいんですよー。オーディオの調整ができるんです。でも、これはデッキを変えてあるんで動きませんが」
激臭とズッコケ・セールストークで、意識が遠のきそうになりましたが、私は映画・エイリアンのリプリーのように、エアコンの調子を見る素振りでブロアを全力噴射し、さり気なく窓を閉め切りました。
強烈な口臭から開放され、ホッとした私は、なぜあのオッチャンの口臭を店の人間は誰も指摘したりしないんだろうか…、やっぱり言いづらいのだろうが、明らかに商売としてはマイナスだろうなァ…、なんて考えてましたが、実はこんな油断をしている場合ではありませんでした。
何と、運転席の窓ごしに立っていたオッチャンはしびれを切らし、まるでボンネットを飛び越えるようにして反対側に回り込み、助手席から締め切った室内に乗り込んできたのです。この一連の動作は恐ろしく速く、SWATとかカージャックみたいでした。
ここでMS-8のベンチシートが災いし、オッちゃんはセンタートンネルに跨るほど、ズイと身を寄せてきます。
「このオーディオパネルはねー、スゴいんですよー。フタが閉まるんです!
ガッスンガッスン(乱暴に閉める音)「アレ?」ガッスン!ガッスン!!ベキッ!
「畜生、閉まんねェなー…まぁ、こんなモン、閉まんなくてもいいんですけどねー!」
至近距離から降り注ぐ口臭。たまらず、ベンチシートの真ん中あたりに何があるのかを聞くそぶりで、助手席の端に追いやりました。
「ああ、これはねー、スゴイんですよ。ほら、こうやって小物入れと灰皿とカップホルダーが出てくるんです。スゴイでしょー!でも、このカップホルダーはこぼれるんですけどね。設計不良です。」
何じゃそりゃ~ッ!!
結局、逃げるようにして店を出てきたのですが、いろいろ見たはずのMS-8は、とりあえずはスゴイクルマであるということ以外、何が何だかよく覚えていませんでした。
あ、ヤバイ、仕事しなきゃ。
何にも画像がないのも寂しいので、数年前にやった仕事なんぞ。お題は、山口百恵の歌を若いコは知らない…とか何かだったと思います。
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たのしいじだうしゃ | 日記
Posted at
2005/05/10 13:28:41