
今回はイギリス車をアップします。
オートモビルカウンシル2017では、多くのイギリス車が出品されていました。古いイギリス車には味があります。なんといいますか、「人間に近い」印象です。
== オースティン・ヒーレー ==
スプライト MkⅠ(1960年)

「カニ目」ってやつですね。

小さな車なのですが、存在感がありました。なお、売約済みでした。

横にあるフォード・エスコートMkⅠ、うっかり写真を撮り損ねていました。残念!
== ジネッタ ==
G40R(2013年)

知る人ぞ知るイギリスのバックヤードビルダー、ジネッタ!(って私もよく知らないのですが汗)

正直、今も車を造り新型を出しているとは知りませんでした。

価格が面白いです(笑)

リア。撮り損ねたフォード・エスコートMkⅠも併せてどうぞ。
== BAC ==
MONO(2017年)

イギリスにはこういう、「逝っちゃった」系のスポーツカーが昔からありますね…

スペックも値段も逝っちゃっています。
== ジャガー ==
XK120(1954年)

大きなステアリングが印象的でした。

この直6「XKエンジン」は、改良を重ねられ、のちのEタイプやXJ、さらにはデイムラーDS420リムジンにまで積まれました。
== ランドローバー ==
去年同様、魅力的な初代レンジローバーがずらり。

今回は運転席に乗せていただくことができました。レンジローバーを特徴づける高い着座位置、コマンドポジション。

………高所恐怖症の私には耐えられませんでした(笑)
着座位置が高いのは良いのですが、ウェストラインがとても低く…おっこちそうで怖いです(笑)

インパネのスイッチなんて、「上から見下ろして押す」感じです。並みの車じゃありませんね。
この車は「四駆のロールス・ロイス」なんて呼ばれ方をしていたそうですが、この非常に高い着座位置に座ったオーナーは、隅々まで良く見えるレンジローバーのボンネットを自分の領地のごとく感じながら運転していたのかも知れない。
== アストンマーティン ==
DB4、DB5、DB6

壮観ですね。美しい…

特にこのDB5、濃紺のボディカラーがとても綺麗です。
ラゴンダ(1985年)

しかし、アストンマーティンのなかで最も注目を集めていたのは、DBシリーズよりもむしろこちらでした。

ラ・ラ・ラゴンダ♬
名前と形は知っていても、実車をじっくり見るのは初めてです。これはシリーズⅡの後期型になるのでしょうか。

この、デザイナーのアタマがどうなっているのか心配になるようなデザイン。これを高級車でやるとは。アストンマーティンが高級サルーンを出すからにはハンパなものではダメだということでしょうか。ランボルギーニが同様の高級サルーンを当時出したなら、こんな感じになったのかもしれませんが。
車幅は1.8mに満たず、これは現行ゴルフよりも狭いわけですが、長さは5.2mもあります。そのくせ車高は1.3mしかなく…

長く、低く、角張っていて、実に個性的な…いや異様なプロポーションです。最先端すぎて、誰もついて行けないところにいる感じ。この車をデザインしたウィリアム・タウンズは、他にもシティカーなどでカクカクした作品を残しています。角張ったのが好きなんだと思います(笑)

この小さなグリル、3代目ホンダ・ビガーに影響を与えたのではないかと思っています。ただ、リトラクタブルのヘッドライトは閉じていたほうがさらに先鋭感が増すと思います。この状態だと、なんだか3代目コスモみたいです(笑)

リアスタイルも強烈です。細いリアランプ。なおこの二段積みランプはトランクリッド一体型です。今でこそLEDを使って簡単にできますが、当時こんなデザインを実現しようとした根性が凄いです(笑)
完全に、イカレています!

そのくせ内装は木と革で贅沢の極み(笑)

エッジが効きまくりの外観と比べチグハグだな…なんて野暮な思考など押し流す迫力があります。まさに英国の伝統とパンクロックの融合です(意味不明w)

前後座席共に、パワーウインドウのスイッチはセンターコンソールにありますね。

この車の内装で最先端を行っているのはこのメーター。世界初のデジタルメーターです。今でこそ普通の装備ですが、先鞭を付けたのはアストンマーティン!しかし、信頼性や耐久性はどうだったのでしょうね…
== ロールス・ロイス ==
ファントムⅡ セダンカ・ド・ヴィル(1934年)

ペニンシュラ東京が、所有するファントムⅡを展示していました。ナンバー付きで、婚礼用に実際に使用しているそうです。素晴らしいサービスですね…

コーチビルダーは「パーカー」。同じ型のファントムⅡが、香港と上海そしてパリのペニンシュラにもあるそうです。

日本の地方の結婚式場ではコーニッシュを使っているところもありますが、それと比べてもペニンシュラは格が違います。

日々のメンテナンスが万全であることが、見ているだけで伝わってくる車です。
ワクイミュージアムには、同じファントムⅡでボディ違いの車がありました。
ファントムⅡ コンチネンタル(1930年)

贅沢きわまりないですね。2座です。ボディは「カールトン」というコーチビルダーによるものだそうです。
ものすごく大きく見えますが、長さと幅は現行メルセデス・ベンツSクラスのロングあたりとあまり変わらないそうです。

最近、香港の大富豪がBMW製ファントムクーペをベースに、2座のワンオフモデルを10億円以上で製作させたそうですが、このあたりの車を念頭に置いていたのでしょうか。
シルバーゴースト 「アルパイン・イーグル」(1919年)

文字通り、当時最先端で最も高性能、加えて最も美しかった車。

絵本「じどうしゃアーチャー」のモデルはこの車です。

ロシアでレーニンがコミンテルンを創設した年、大英帝国ではこんな車を造っていたわけです。当時の英国の勢いたるや…

そういやレーニンも、権力を手にして真っ先に買ったのはロールス・ロイスだったとか(笑)
会場を出る直前、非常におもしろい「イギリス車」を見ることができました。最後にその車で締めたいと思います。
== AK SPORTSCARS ==
AK427

これは「ACコブラ」のレプリカですが、製造はイギリスのバックヤードビルダー「AK SPORTSCARS」だそうです。つまりACコブラのベースになった「ACエース」と同じ、イギリス車というわけです。もちろんエンジンはコブラ同様のアメリカンV8ですが、製造はイギリス。右ハンドルのイギリス製コブラです!

非常に造りがよく、魅力的でした!

価格は今後正式に発表するそうですが、1,500万円程度とのこと。

本来はキットカーなのだそうですが、日本向けとしては少量生産の完成車として輸入するそうです。
販売は神奈川の「UK Classic Factory」という会社。これから、メディアへの露出を図り知名度を上げ売り込んでいきたいと、代表の方みずから強く意気込みを語ってくださいました。
以上、イギリス車編でした。長くなりました。
←次は…イタリアorフランス車かな?お待ちください!