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Mark V Collectorの愛車 [リンカーン マークV]

整備手帳

作業日:2021年9月4日

イグニッション・コントロール・モジュール(ICM)交換

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目的 修理・故障・メンテナンス
作業 DIY
難易度

初級

作業時間 3時間以内
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 先日冷却水を交換した際、アイドリング中にエンジン回転が一瞬低下する現象(息つき)が発生しているのに気づきました。

 息つきの発生頻度は1~2分間に1回程度と偶にしか発生しないため、燃料系よりも点火系にトラブルが発生している気がします。

 この年代のフォード車で点火系のトラブルといえば真っ先に疑いの目が向けられるのがデュラスパーク(Duraspark)点火システムに使用されているイグニッション・コントロール・モジュール(ICM)です(写真及び図の赤丸内)。

 ということで、試しにイグニッション・モジュールを交換してみることにします。


 デュラスパーク点火システムとは1973年にフォードが搭載を開始したシステムで、それまでのコンタクトポイントを持つ点火システムのメンテナンス性向上を目的として、ディストリビューター内のピックアップコイルからの信号を基に点火を行うシステムです(日本で一般的にフルトランジスター点火システムと呼ばれているものと同種のものです)。

 その後、1976年にデュラスパークⅡ点火システムに進化し、より高い一次電圧を点火コイルへ供給することでスパークプラグギャップをそれまでの0.9mmから1.2mmに拡大、排気ガス中のHC濃度を低減することに貢献しました(デュラスパークⅡ点火システムを搭載した車両には、より高い二次電圧によるディストリビューター内でのリークを防ぐため、大型のディストリビューターキャップとローターが使用されています)。
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マークVのイグニッション・モジュールは左側インナーフェンダーにボルト2本で取付けられており、簡単に取り外すことができます(写真上)。

 写真中段が取り外したイグニッション・モジュールですが、エキマニからの輻射熱による熱害を多少なりとも軽減するため、以前遮熱板を製作し装着しています( https://minkara.carview.co.jp/userid/1199964/car/2556750/5398326/note.aspx 参照)。

 このイグニッション・モジュールは1973~1987年の間、大半のフォード車に使用されたため非常に多くの種類がありますが、配線グロメットの色(写真中赤丸内)で適用を識別できるようになっています(グロメットは黒・緑・青・赤・黄・茶・白の7色があるようです)。

 そしてコンチネンタル・マークVに限るとグロメットの色は3色あり、それぞれ下記の仕様に使い分けられていました。

〔青色:DY184〕
 1977~1978年の49州及び1979年のカリフォルニア仕様(コネクタ数2個で下図②のタイプ)

〔赤色:DY204〕
 1977~1978年モデルのカリフォルニア仕様(コネクタ数2個で下図②のタイプ)

〔黄色:DY237〕
 1979年モデルの49州で販売されたモデル(コネクタ数3個で下図①のタイプ)

 私のマークVは1979年のニューメキシコ州で販売されたモデルなので黄色グロメットのものが装着されています。
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マークVでは1979年モデルにのみ装備される黄色グロメットのイグニッション・モジュールですが、これはデュアルモード・タイミングと呼ばれる高負荷時や高地でのノッキング対策として点火時期を3~6°遅角させる機能を持つモデルで、吸気管負圧が6in-Hgを下回ると導通するスイッチ(高地仕様車の場合は気圧スイッチ)と接続するためのコネクタが追加されています(図及び写真赤丸内)。

 また、点火スイッチが始動位置で白色配線に12Vが印加されることで、点火時期を遅角し始動性を向上する機能も実装されており、これらの対策によってイニシャルタイミングもBTDC14°まで進められました(これらの涙ぐましい制御は、少しでも点火時期を進めることで当時急速に厳しくなっていた排ガス規制をクリアしながら燃費を低減するために行われたものです)。
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私のマークVではこれまでエンジン回りのトラブルが発生したことは無いのですが、イグニッション・モジュールに起因するトラブルは非常にメジャーであるため、予備のモジュールをストックする中でいろいろな製品を購入してきました(写真上)。

 当初、1979年のマークVに使用できるイグニッション・モジュールは、コネクタが3個付いている黄色グロメットのものであればどれでも良いと思っていたのですが、そうでもないようで試してみると使えないものもありました。

 ①:当初からのオリジナル品(Motorcraft純正 品番 D8AE 12A244-AB)→現在まで使用

 ②:純正NOS品(Motorcraft品番 E8PF 12A244-AA)→エンジンスタート時のリタード機能が作動せず温間時クランキングが重くなる

 ③&④:純正NOS品(Motorcraft品番 D8AE 12A244-AA)→両者共不動(2個とも不良品か?)

 ⑤:社外NOS品(STANDARD MOTOR PRODUCTS LX209 の旧モデル)→正常動作

 ⑥:社外新品(STANDARD MOTOR PRODUCTS LX209 の現行モデル)→正常動作

 そして、今回は社外品ブランドの中では比較的信頼しているSTANDARD MOTOR PRODUCTSの現行モデル(上記⑥の製品=写真下)に交換します。
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写真上はこのイグニッション・モジュールのコネクタですが、抜け止めのロックが非常に強力な上、掴みどころの無い形状で、一度接続したら最後、引き抜く際はハーネスにかなりの力が掛かるため、今回はモジュール側ハーネスを切断し、この部分にコネクタを増設することにします。
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切断した両端に2~4極のコネクタ3組を取り付け、今後、イグニッション・モジュールを交換する際には、こちらのコネクタ部で脱着することにします(予備に積んでおくモジュールも同様にコネクタを交換しておきます)。
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遮熱板を元通り装着し、車両側のハーネスに切断したコネクタを接続(今後は純正コネクタの抜き差しはしなくて済みます)。
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モジュールをインナーフェンダーに固定し、新設したコネクタを接続(写真中)。


 エンジンを始動し暫くアイドリングしてみましたが、今のところ息つきは発生しないようです。

 あとは社外品モジュールの耐久性に不安が残るところですが、価格も安い(RockAutoで$28.79)ので消耗品と割り切って2年毎に交換してもいいかなーっと思っています。

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この記事へのコメント

2021年9月10日 20:41
ご無沙汰しております。
79年のみ3本コネクタとは知りませんでした。非常に詳しい解説で勉強になりました!
配線の途中に別のコネクタを設けるのはいいアイデアですね。この記事を見て、純正のコネクタを取り外すのにかなりの時間とストレスがかかった記憶がよみがえりました(笑)
コメントへの返答
2021年9月10日 23:56
こんばんは!お久しぶりです。

あのコネクタ、防水のためシリコングリスまみれになっていて、左右の爪を2本のマイナスドライバーで起こしながら引き抜くには、ハーネスごと強く引っ張らざるを得ない形状ですよねー。
1~2回ならともかく、これから何度も交換する可能性を考えると国産のコネクタを使った方が良いかなっと思った次第です。

あとはチャイナ製モジュールがどの程度持ってくれるかというところが心配です(社外品とはいえ一応新品部品に交換したのに不安を感じるって・・・いつになったら安心して乗れる状態になるのか(笑))。

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「@デジT さん
コメントありがとうございます。このようなバカげた車が販売されることは今後ないでしょうねー」
何シテル?   01/26 08:26
ごくフツーのしがないサラリーマンです。 少し前まで軽くて速い車が好きだったのですが、いつの間にか趣味で所有する車が2台とも「フレーム構造、車重2t超、規格灯丸...
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