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灸太郎くんのブログ一覧

2025年10月09日 イイね!

2025シンガポールGP 角田の苦戦

先日のシンガポールGP、いつものようにパソコンで観戦していた。

抜けないコースで、直線速度が伸びない傾向のレッドブル車両、予選順位(13番グリッド)からも角田の苦戦は想像できた。

アゼルバイジャンGP同様にセーフティカー出動の可能性とタイヤ劣化の少ない展開を織り込んだソフトタイヤスタートだったが、コース取りで割を食ったのか順位を落とし、ペースの遅いオコンに前を塞がれ、ピットインでアンダーカットを計るも、今度はコラピントに押さえ込まれてしまう。

コラピントのコースアウトでようやく前に出た後は、うっぷんを晴らすような好ペースでハジャーとの差を詰め、いざ勝負というタイミングで、タイトル争いの可能性が残るチームメイトのマックスが、ノリスからの2位攻防戦を繰り広げつつ後方に迫るという不運。

チームメイトに道を譲り、大きくタイムロスした角田に対し、逆にハジャーはここでペースを上げ、大きく差を広げることに成功。

結果として、タイヤ交換を遅らせ終盤ソフトタイヤで勝負を掛けたサインツがごぼう抜きの活躍を見せ、ハジャーまでをかわして最後列から10位入賞。
マックスはノリスの追撃を抑えて2位の座を確保、角田とは1周差という展開。
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ほとんど角田の走行シーンは映らなかった。ラップチャートだけが頼り。
勝者ラッセル(メルセデスGP)や、まさかの見せ場を作ったサインツも活躍ぶりは画面には映らず。

パドックやピットの有名人ゲスト(筆者にはさっぱりわからないが)や、ドライバーの美人ガールフレンド、スタンドの観客の様子は頻繁に映される中、
レース場面の映像は、並びかけるには至らないノリスとマックスの距離をとった攻防が殆ど。
アロンソやサインツのオーバーテイクの見せ場は殆ど逃してしまう実況映像は大顰蹙を買ったことは報道の通り。
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今回角田のレース展開、いちばん不可解だったのは、ソフトタイヤを履きながら初めの2周で大きく順位を落としてしまったこと。
キャリアを通して角田はスタート直後に順位を上げることが多く、アロンソのように4~5台抜いてくることも稀ではなかった。
路面状況は雨上がりだったらしいが、マックスのスタートを見ても、ソフトタイヤのアドバンテージは事実上なかったようで、却ってタイヤ交換のタイミングを狭めてしまった模様。

特に今シーズンはモナコGPの展開が象徴するように、抜けないコースではタイヤを温存しつつ順位を維持。
ペースを管理して後続前車との差を広げて空間を作り、先行するチームメイトがタイヤ交換しても順位を下げないようなチームプレイで上位を狙うような戦術が見られるようになった。
結果としてセーフティカー出動もなく、フタをされた後方車両はなす術なし、というつまらないレース展開。
事故が多いアゼルバイジャンでもレッドブルはソフトタイヤスタートを選択したが、結果はセーフティカーが出ない展開で大きなロスはなかったものの、今回のシンガポールGPはモナコ同様のレース展開となってしまった。

角田にとって救いとなりそうだったのが、タイヤ交換を引き延ばしてペースの上がらないローソンが後続を押さえ込んでいたことで、うまくいけばベアマンあたりの前に出てポイント圏内か、との期待もあったが、チームメイトの選手権争いの可能性のため万事休す。。。
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周遅れとなったことを非難するような意見もあったが、結局は抜けないコースで遅い先行車の累積によるもので、角田のレースペースが原因だったとは言えないだろう。
但し遅いオコンやコラピント、手負いのマシンを駆るハジャーを抜けなかったことは事実。

角田の場合、頻度はローソンほどではないが、並走バトルになると絡んでしまい、健闘を棒に振ってしまうことも少なくないように思う。マルコ博士が懸念するのはその点の成長度合いもあるのではないだろうか。
【追記】
予選で上位に入れず、DRSを使っても前車を抜けない場合、サイドbyサイドに持ち込んで優位なラインを取って前に出るドライビングを身につけないと、上位定着は難しいようにも思える。
今シーズンは予選でわずかなタイム差がグリッド順を大きく左右することが多く、結果後方グリッドからのスタートで、直線スピードが足らずに前に出るのが困難なことが、角田には逆風になっているようだ。

例えばサインツの場合は今シーズンは不運が続いたが、二線級のマシンでも結果としてポイント圏内に進出してゴールする展開が多く、今回はチームプレイの助けもあったが、終盤にソフトタイヤを生かしたオーバーテイクを重ねて、最後列近くから10位入賞を果たしている。【追記ここまで】
アロンソや(以前の)ルイス、マックスが見せるマシン以上の走りとまではいかなくとも、コンスタントに可能性の8~9割方を達成するようなレース運びのうまさがあり、チームから高く評価される所以であろう。

角田本人にも、ファンにとっても厳しい状況が続いているが、改善を信じ、諦めずに進んでいくしかない。
どのチームも全車の走行データは分析しているので、表面的な順位だけに囚われずにドライバー評価をしていることは間違いのないところ。
本人が言うように、改善を積み重ねて、願わくば期待するような好結果をもたらしてほしいものだ。
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【余談】
苦戦が続いている角田に限らず、いろいろなコメントを通してみると、特にラルフ(シューマッハー)やジャック(ビルヌーブ)のコメントは場当たり的で、内容が乏しいように思う。

ラルフは噂レベルの裏付けのない情報が元ネタで、煽り立てているだけ。
我々外野と殆ど同レベル(笑)

ジャックの場合は、例えばチームメイトだったヒルとは違い「速いマシンをあてがわれた時だけ上位を走れた」戦績は、尻すぼみのキャリアが証明するところ。
彼が批判を繰り広げる、制御困難なマシンで苦しむドライバーに対し「どの口が言うか」というレベルなことは衆目が一致するところで、要するに二人とも単なる雑音(笑)気にする必要なし。

意外なのがモントーヤの見解で、現役時代は荒法師的なイメージがあったが、
実際には(現役時代から思慮に欠ける印象の)前二者よりも深く広く物事を捉えているようだ。
レース後の放送での解説も説得力があり、表情も高い知性を感じさせる。
大胆不敵に見えた行動も、実際には(当然だが)考えあってのものであったことが想像できる。

レースに限らず、物事は相手がいる場合、評価は相対的になるもので、それゆえ面白いのも事実。
得をすることもあれば損をすることもあるのは、我々一般社会の生活においても同じで
割を食うことがあってもあきらめずに食い下がる根性が最後はものを言うのかもしれない。


Posted at 2025/10/10 00:20:36 | コメント(1) | トラックバック(0) | モーターレーシング | 日記
2025年10月09日 イイね!

乗って良し。聴いて良し。いじって良し。見て良し。

乗って良し。聴いて良し。いじって良し。見て良し。アフター5(死語?)や週末の友として、長く付き合える存在。

シンプルな構造なので、可能な範囲で部品脱着などしてみてください。
走りの面白さだけでなく、各部の造形や造りの良さ、大胆な割り切り方にもイタリアならではの独創性や美意識、高みを目指す心意気が、きっと感じられると思いますよ!
Posted at 2025/10/09 21:18:09 | コメント(0) | クルマレビュー
2025年10月09日 イイね!

DUCATI SSの整備【81】秋のメインテナンス更新

DUCATI SSの整備【81】秋のメインテナンス更新SSが手元にやってきて約1年。エンジン本体を除きほぼ一通り手を入れてきました。
全く同じ状態で二度は乗らないほど、いつもどこかをいじっていますが
そろそろ整備の更新期間に差し掛かった箇所もあるようです。

基本整備の手入れがしやすいのは、空冷・キャブレター時代のドゥカティの大いなる美点(特権)です。



ドゥカティに限らず、ストレスのない走りは、車両のコンディションと密接に関連しています。
基本を押さえた、ご自身の使用環境やライディングに合わせた整備・調整で、走らせる楽しみは倍増すること請け合いです。
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涼しくなったので、何はさておきタイヤの空気圧はチェックする必要があります。
フロントフォークの内圧も、伸び切り時に大気圧に復元しておきたいところ。
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【スロットルグリップ・ケーブルの点検・給油】
スロットル開け始め、操作の意思と実際のタイミングのズレを感じたので、作動抵抗による重さを疑い、グリップ側を分解して点検しました。
自己所有の車両の場合、急に発生する異変と違い、徐々に劣化していく状況は気付きにくく、
友人と乗り比べなど行って気付くことも多いです。

●スロットルグリップ~ハンドルバー間の状態確認
今回確認したところ、汚れ・錆びは全くなし。動きもスムーズ。
筆者はスロットルグリップ~ハンドルバー間には油脂の潤滑はしません。

油脂分の劣化や埃の付着を嫌うのと、グリップ内の樹脂製スリーブは元来滑りが良いためで、
スロットルグリップホルダー内の摺動部のみテフロン系粉末のスプレーを吹き付けています。
潤滑しない代わりに、スロットルホルダーの内部、ハンドルバー外周、スロットルグリップ(スリーブ)内側の金型合わせ目や抜きテーパー等は削って均し、
軽くスムーズに作動するよう、可能な限り滑らかに研磨してあります。
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怪しい部分を探し、削っては組み合わせて作動確認を繰り返す、かなり根気を要する作業ですが、滑らかなスロットル作動は運転時に必ず報われます。
特にスロットルスリーブの成型時のバリや角の突起をやすりで削った箇所が「ささくれ」になると、摺動部の場合ホルダー内部で引っ掛かったり動きが悪くなったりするので注意します。

グリップホルダー組み付けの際、嵌め合いにもボルト穴にもわずかなガタツキがあるので、作動を確認しながら、動きの良い位置で合わせボルトを締め付けます。

スロットルグリップ内径とハンドルバー外径のクリアランスが大きい場合は、薄いテフロンシートをバーに巻いてやると、ガタツキと摩擦を同時に少なくできます。
但しバーエンド側にテフロンシートが”逃げ出さないよう”配慮は必要。

荷重が掛かりやすいクリップオンバーの場合、使用に伴いグリップラバーが伸びてしまい、スロットルホルダー側面やバーエンドに接触して動きを悪くしていることがあるので、時折確認が必要です(特にヤマハ純正TZグリップは柔らかく伸びやすいので要注意)。

●ケーブルに注油(EPL潤滑剤スプレー)
これは思った以上に効果がありました。前回のケーブルへの注油は、去る年末年始あたりだったと思うので、ちょうど手入れの時期になっていた様です。
筆者の場合、頻繁に手を入れている部分ですが、実際に注油するまで気づきませんでした。

【余談】
ミクニBDSTの場合バタフライバルブを開閉するのみで、スライドバルブのような負圧での張り付きは発生しないはずなのですが、何故か戻し側のケーブルも付属する「強制開閉式」になっています。(この場合、誰もデスモドロミックとは呼ばない(笑))

さらには過剰なほど強力なリターンスプリングが備わっているので、組み付けが非常に面倒な戻し側ケーブルは排除したいのですが、スロットルグリップ側には全閉位置を規制するストッパーがないので、ホルダーごと他車のものを流用する必要があります。
とりあえずリターン側ケーブルは遊びを大きくしてできるだけ抵抗にならないようにしています。

尚、筆者の場合、下の写真のようにスロットルケーブル取り回しの邪魔になる充電レギュレータを車体左側に移設して、ケーブルの曲がりをできるだけ自然に緩やかにして、抵抗なく作動できるようにしています。(段ボールはアイシング対策で試行したもの。為念)
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全閉からケーブルの張りを感じとって開け始める動作ができ、
どの開度からも力を緩めればリターンスプリングの力だけで即閉じることが原則です。
意識して右手を操作しないとスロットルが戻らないのは乗っていて不快、且つ安全上問題です。

キャブレター・ケーブル・グリップのいずれが抵抗になっているのかを切り分けて、原因に対処しますが、特に古い車両や改変されている場合、往々にして複合要因だったりします。

ケーブルやハーネス取り回しに際しては、基本的にはメーカー指定の状態を踏襲するのが望ましく、資料やオリジナル状態の車両を確認することが早道です。

アルミ材の大面積ツインスパーフレームとは違い、鋼管フレームのケーブル取り回しはいろいろな経路が可能に思われますが、長さや角度、経路には自ずと制約があります。
操舵時にケーブルが引っ張られたり、アンダーブラケットとフレームに挟まれたりしないよう、配慮と検証が必要です。

取り回し変更は長さに余裕があることが前提で、筆者の場合、試行(&思考)を重ねて数時間を要することもしばしばです。
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【エンジンオイル補給】
先日レポートしたように、外部オイルラインフィッティングの漏れを対処したばかりですが、
つい先日、ガレージから引き出しながらコンクリート床を見ると、エンジン真下にオイル溜まりといえそうなシミができていてビックリ。
幸いタイヤには付着していないようでした。

どうやら前回走行後の保管中(1週間程度?)にオイルフィルター座パッキン部から漏れたようで、油圧の高い部位において、シールの弱かったところから順に漏れたのかもしれません。
とりあえずフィルターを少し増し締めして漏れは止まりましたが、要経過観察です。
使用中の現行メーカー指定オイル、シェルアドバンスウルトラの浸透性・流動性の高さゆえかもしれません(言い訳がましいが)。
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上の写真、車両直立状態でオイルレベル窓下限ギリギリ見えるかどうかというところまで減っていたので、下限よりやや上くらいまで補充しました。
(以前はオイルラインやセルモーター配線、クランクケースが油汚れに付着したブレーキダストで黒ずんでいたのが、スッキリと乾燥しているのがわかるでしょうか)

個体差はあると思いますが、900MHR、750F1と乗り継いできた中で、いずれも走行によるオイル消費は少なかったので、交換時以外にオイル補充をするのは歴代保有ドゥカティで初めてです。
今回のSSは、積算距離も、筆者自身の走行頻度も歴代保有中一番高いので、経過観察中。

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【キャブレーション見直し】
K&Nエアフィルターエレメント/大幅に切開したエアボックス/静電気除去実験に合わせ、
具体的意図をもってジェットやニードル、スライドバルブスプリングを変更しています。
オリジナルよりも力強さは向上し、スロットルへの反応はどこまでも忠実、3000rpm未満でも平地巡航可能になっていますが、
吹け上がりが重い気がして、本来のドゥカティらしい軽快さ、伸びやかさに欠けている体感でした。

とりあえず、よく使用する領域(開度・負荷・エンジン回転)に広く影響しそうなジェットニードルのクリップ位置を一段上げ、燃料吐出を減らす方向にしてみました。
先日のサイレンサー除電ナット除去と合わせた効果か、吹け上がりが軽く(体感的には速く)なり、負荷が掛かった際の振動が減少し、軽快感が戻ってきました。

代償として、スロットルON/OFF時にスナッチ(いわゆるドンツキ)が起きるようになったので、ひとまずパイロットスクリュー開度を増すことで対処。

筆者はスロットルOFFの後の開け始めの自然即応な反応を一番重要視していて、
もう少しニードルクリップ位置・パイロット系など、調整・追求してみたいと思います。
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調子が良ければ細部まで手を入れる必要性は必ずしも無いのですが、
筆者の場合「余計なノイズなしに、走らせることに集中して楽しみたい」がゆえ、
気が付いた点を対処しています。

もちろん、「自らの意思・発想で」工夫をすること自体が楽しみで、
それを検証するために走らせることもまた楽しみなのですが、
気になることがあると集中できなくなる性分で、
さらに具合が悪いことに「こうするとどうなるだろう?」などと設定変更を思いついてしまうと、
何とかして試さずにいられなくなるので、最終着地点は無いのかもしれません。


涼しくなってきたので、アイシング再発防止策もそろそろ実施したいところです。
いくつかアイデアは温めていますが、お知恵があればアドバイスをいただけると幸いです。

Posted at 2025/10/09 13:54:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記
2025年10月07日 イイね!

DUCATI SSの整備【80】アイドリング回転落ち不良対策

DUCATI SSの整備【80】アイドリング回転落ち不良対策
ちょうど猛暑が一段落してきたのに合わせるように、停止時の回転落ち不良が再発。
具体的には停車直後、2000rpmあたりで数秒経ってからアイドル回転に落ち着くといった現象。
走行自体には不具合はありませんが、信号停止や一時停止のたびに気になります。

ガス欠時にも同じような症状が出ることがあるので、パイロットスクリューで空燃比補正(リッチ方向)するも変化がなく、二次空気吸入、あるいは季節要因か?とも考えつつ、各部を見直しました。

    ◆    ◆    ◆

思い当たったのは、微調整しても一定の角度に勝手に戻ってしまう、他車流用のケーブル式の延長アイドル調整スクリュー。
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上の写真(フレームパイプにマジックテープで括り付けてあるツマミがそれ)のように、
元来車体前方に向かうスクリューを、使い勝手がいいように運転者側に向け、180度に近く曲げて使っていました。
どうやら曲げがきついためか、一定の角度に自然に落ち着いてしまい(微調整しても戻ってしまう)、結果としてアイドル回転が1200rpmを若干上回るあたりに設定されていました。

そこで下のように、ケーブルをできるだけ真っすぐになるよう配置してみると、アイドル回転の極々わずかな微調整までが効くようになりました(水平側シリンダーヘッド先端部のツマミ)。
アイドル回転設定が勝手にずれることもなくなりました。
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信号待ちの際の調整時など、使い勝手は若干低下しますが、暖機後は調整の必要は少ないはずなので、本来の機能を優先します。

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【ミクニBDSTキャブレターの特性?】
直接の回転落ち不良の原因は、ミクニBDSTキャブレターの構造上の特性にあるようです。
個体差や設定によるのかもしれませんが
少なくとも筆者の車両の場合、タコメーター読みで1200rpmを境に、
それ以上にアイドル調整スクリューをセットすると、停車時にアイドル回転まで即座には下がらなくなります。

筆者の想像では、全閉時のバタフライバルブと、低開度時のメインボア内の燃料(混合気)吐出穴であるアイドルポート、パイロット系ポートの位置関係に起因するように思います。

言うまでもなく各部をチェックした上での話です。念のため。
マニホールドなどの二次空気吸入、ケーブルやホルダーの固定不良、ケーブルの折れ曲がり等損傷、キャブレターの負圧室につながるホースの潰れ、バタフライバルブ同調不良、油面(フロート高)設定バラつき、パイロットスクリュー調整等々、
不良個所がないかどうか、吸気系・燃料供給系システム全体を細部までくまなく確認・整備することが先決です。
ジェット類の番手変更などは、特定の目的あってのことで、不調対策では本来行いません。

ミクニBDSTキャブは調整が難しい、といった悩める車両オーナーの意見をWebで目にしたことはしばしばで、筆者も苦労した口です。

現在は標準から少々踏み込んだ設定ながら、アイドリングは1000~1100rpmあたりで不具合はなく、僅かにスロットルを開けば吹かさずとも容易に発進できます。
プラグかぶりやスロットル急開時の息つきは皆無、ON/OFF時のドンツキもほとんどありません。

筆者も研究途上で、判らないことがたくさんあるのですが、まだまだ伸びしろがありそうで、
日常域から全開走行まで幅広くカバーできる高性能なキャブレターと思います。

単純に「アイドル回転が下がらないのは構造上の不具合」などと短絡して理解しないように願います。

Posted at 2025/10/08 18:07:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年09月27日 イイね!

DUCATI SSの整備【79】フットペグ/ペダルの3次元的変更(4)回転式ペダル先端部

DUCATI SSの整備【79】フットペグ/ペダルの3次元的変更(4)回転式ペダル先端部オイル漏れ修理やサスペンション設定変更と並行して、乗車姿勢も随時気付いた点を見直しています。部品交換しなくても調整できる(すべき)部分はいくらでもあります。

【偏芯式フットペグを後方へ調整】膝の曲がりを緩やかにするため。
750F1では、細身のバイクと身体の接触面積が少ないためか押さえが効かず、
制動の際に限らず、不整路面通過時も尻をずらして外側の太ももでタンクを押さえて体を支えたり(真っすぐ座るとニーグリップができないほどタンク後端が細身のため)、
体を支えるため前に蹴りだせるよう前寄りにすべくフットペグのマウントブラケットを自作したりと、
あれこれ工夫はしていましたが、内股の姿勢になるため、やはり膝が痛くなっていました。

倒立フォークSSの場合は、車体(特にフロントフォークとフレーム本体)の衝撃吸収能力が遥かに向上しています。
また、フレーム幅以上にタンクニーグリップ部の幅がかなり広くなっていて、まっすぐ座っていてもとりあえずは押さえが利きます。
さらに現車はフットペグ内幅を狭く、且つシート幅を広げ、シート~フットペグ間も筆者の体型に合わせているため、下半身全体での車両とのフィット感が高く、ブレーキングの際もフットペグを前に蹴りだして体を支える必要は感じません。

そこでペグを少々後ろ寄りにしても問題はなかろうと調整してみると、想像以上に快適で膝がラクで、コーナリング時の違和感もなし。
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S2Rのチェンジペダルを再装着】
但しフットペグ後退分、チェンジペダル(M900標準品)先端が遠くなってしまい、操作に違和感が発生(同軸作動ではないので、ストロークは不変)。
そこで寸法が短くなる、S2Rのチェンジペダルを再度装着してみました。
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【ペダル先端を回転式に改造】
レバー比の都合で作動ストロークが短くなる分、操作入力が大きくなり、貧弱なつくりのペダルの”しなり”が気になります。
そこでペダル先端と爪先との間の”こじる”ような抵抗を減らしてみました。

具体的には、ペダル先端を自由に回転できるようにしてみました
軸ボルトが貫通するゴム内径部に薄板を巻いたスリーブを入れ、左右から締め付けず軽く回るようにします。
FUELの文字が示すように、ゴム部分は使い古しの硬化した燃料ホース(内径約7.5~8mm)です。
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この方式にする前、ゴム部分をボルト/ナットで挟み込んで固定していましたが、
シフト操作(特に蹴り上げ)時にねじを弛める方向に回転力が掛かり、試運転中、二度にわたりペダル先端が脱落・紛失してしまったので、
弛み対策としてゴム部分を自由に回転できるようにしてみたところ、
つま先でこじるような摩擦力が掛からないため、操作感がスッキリとして向上したのは思わぬ副次効果でした。特許を申請したいくらい(笑)

軸ボルトはM6サイズの長めの全ねじ。アップシフト時につま先を下に入れやすく、操作しやすい長さを、何度かの試運転で決定。
万一の転倒時は、ボルトが曲がることでペダル本体や支点に力が掛からないよう配慮。

ボルト頭(ペダル向こう側)はロッドに干渉しないよう薄く加工し、基部(こちら側)にフランジ付きロックナットを使用して挟み込み、剛性感を上げています。
先端外側からはポンチを打ってナットの脱落防止策としてみました。
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【ロッドを車体中心線と平行にセット】
ペダル操作により、特にシフトシャフトにスラスト方向の応力が掛からないよう、
ロッドが車体中心線にできるだけ平行になるように組み付けます。
ペダル軸/連結ロッド/シフトシャフトが上から見て直角に交わるように)
alt
画像検索で形状の違いを調べ上げ、オフセットした形状の他車用シフトシャフト側レバー(アーム)を入手しました。
本来はシフトシャフトのレバーの裏側にロッド(ピローボール)を装着するのですが、
レバー手前側のボルト頭用座ぐり部にスペーサーを入れ、写真のようにレバー手前側にロッドを装着し、各部の干渉を避けつつロッドを車体中心線に平行にしました
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【ペダル高さの調整優先順位】
仲間と走りに出る際など、互いに敵情視察として(?)車両交換をして楽しむこともあるのですが、
案外ペダルやレバーの調整が無頓着だったりするようです。

車両によっては操作時に排気管などに干渉するため調整範囲が限られてしまうこともありますが、
基本的にはクルージング時に足首が快適な高さに合わせ、
且ついろいろな姿勢でペグを踏み付ける際、ペダルを不用意に踏み込んでしまわない位置まで下げることになると思います。

作動ストロークが短くなった分、ペダル操作に要する力は増加していて、内部シフター機構の構造(リターンスプリング)のためか、アップシフトの方がより力が必要なので、蹴り上げ時に力を入れやすいように高さを調整しますが、都度すぐ下にあるスタンドに干渉しないよう確認します。

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現状のペグ~チェンジペダル先端までの軸心間寸法は、約150mm。
ちなみにブレーキ側の寸法もほぼ同じです。
alt
ブレーキ側の操作は踏み込みのみなので、実質寸法は写真のように150mm(ペグとペダル先端の頂部同士の距離)ですが、
チェンジペダル側は爪先をペダル下に入れ、軸心より手前よりで操作するため、アップシフト時の実質寸法は、軸心間よりも5mmほど短くなるので、より力が必要になります。
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現状は、変速時のクラッチ/スロットル/ペダルの連携操作のタイミングが今一つ合わせにくく、
特にスロットル開度の小さい市街地走行でのアップシフトには気を遣います。
その点は、軽く操作できた以前のM900標準車用ペダルの方が扱いやすいです。

【変速操作のタイミングを合わせにくい原因】
●スロットルの操作が重い=リターンスプリングが強く、戻り側のケーブルもありフリクションが大きい上、負圧式のため開度や操作速度によって反応速度も一定でなく、スロットルON/OFFの実際のタイミングはデロルトやFCRよりもわずかに遅れると思われる。

●クラッチが乾式かつレバー操作が軽いため、(以前馴染んだ)操作が重い湿式よりも切れるタイミングが早い

●チェンジペダルのレバー比が小さく、ストロークが短い分、ペダル操作に力が必要。ペダル自体も剛性不足でしなりやすい(=操作力が逃げてしまう)。

ペダルを心持ち早めに操作するなどの工夫はしているのですが、路面の凹凸や、交通状況の都合もあり、毎回ピッタリとは合わずギクシャクすることもしばしば。

逆にオープンロードではスロットル操作も大きくメリハリがあり、ペダル操作のタイミングが取りやすく問題になりにくいですが、可能なら若干ストロークを大きくしてでも、ペダル操作力を小さくしたいところです。

とりあえずは現状で即時可能な何らかの工夫で、対策したいと思います。

Posted at 2025/10/02 19:50:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 整備日誌 | 日記

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