狩野城（伊豆市・旧天城湯ヶ島町）

狩野城は，平安末期（1100年ごろ），狩野氏によって築かれた城です。
標高190ｍの城域には，鎌倉時代に発達した二重堀を備え，本郭・西郭・南郭・中郭・東郭・出丸に区分される中世山城の遺構が，築城後千年近くも保存されている重要な史跡です。
狩野氏は祖狩野維景が駿河守を退任し，初め，市内日向に館を構えたが，その子狩野維職が伊豆押領史を務めるなど，軍事上の必要もあり要害の地を選んでこの地に移りました。最初の城主は2代維職が3代維次と思われます。
維景から5代の孫茂光は，その子親光と共に源頼朝に従い，治承4（1180）年石橋山の合戦に敗北自刀しましたが，子孫は鎌倉，室町両幕府に伊豆を代表する武将として仕えました。
明応2（1493）年からの北条早雲伊豆侵攻の折，城主狩野道一は足利方に付き戦い，明応7（1498）年に敗れて開城しました。その後一族は小田原に移り，後北条氏の重臣として重職を歴任しています。
室町時代中頃から絵師として栄えた狩野派の初代狩野正信は，維景から16代の孫です。
（現地説明板などより）

Photo Canon EOS 5D MarkⅢ
H28.3.4
住所: 静岡県伊豆市大平柿木