桜生史跡公園・天王山古墳(野洲市)
大岩山古墳群中唯一の前方後円墳・天王山古墳
2024年08月29日
大岩山丘陵から富波の平野部には、3世紀後半から6世紀にかけて富波古墳・古富液山古墳・大塚山古墳・亀塚古墳・天王山古墳・甲山古墳・宮山二号墳などの首長墓が連綿と築かれています。
昭和16(1941)年に指定された「円山古墳」「甲山古墳」は、昭和60(1985)年に現存する6基の古墳を含めて名称を「大岩山古墳群」と改められました。
当地には、近江の後期古墳を代表する天王山古墳、円山古墳、甲山古墳の3基の古墳があります。
これら3基の古墳については、平成6(1994)年度から文化庁と滋賀県の補助事業として保存整備を行い、その周辺部については、自治省の起債事業として整備し、桜生(さくらばさま)史跡公園と名づけました。
天王山古墳は大岩山から甲山古墳へ続く丘陵上に、北に前方部を向けた6世紀初頭の前方後円墳です。全長50m、高さ約8m、前方部幅約25m、後円部径24mを測り、前方部の頂きが標高119.9m、後円部の頂きが標高119.2mと前方部が後円部より大きく、また、わずかに高くなっています。
大岩山古墳群中唯一の前方後円墳であり、比較的形状も良く残っているため現状保存を行うこととし、墳丘確認を目的とした地中レーダー探査と試掘調査を行いました。
その結果、後円部からは明確な埋葬施設は確認できませんでしたが、盛土内から須恵器や土師器のほか朝鮮半島の軟質土器や陶質土器器台片などが出土しました。また、自然地形を整形し墳形を整えた比較的盛土の少ない古墳であることがわかりました。
花崗岩の板石が露出していた前方部からは、西に入口を持ち全長約4.3m、部屋(玄室)の長さ約2.4m、幅約1.0m以上の奥壁に向かって左に袖を持つ小さな横穴式石室が発見されました。
石室は板石状の花崗岩を積んで築かれており、通路(羨道)は狭<、短い構造をしています。
開園時間 9:00〜17:00(入園は16:30まで)
休園日 月曜日、祝日の翌日、年末年始等
料金 無料
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R6.8.8
住所: 滋賀県野洲市小篠原4番地1
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