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2014年08月11日

94北往記4。上羽越へ

 いい加減続き物に(^^ゞ。


     4・第2日/羽越路へ

▽新宿駅

※のー‥‥‥
 何のことはない。東京をブラついて余計に疲れただけであった。
 新宿駅西口からコンコースをノタリクタリ歩く頃には野球中継が終わってきている。
 コインロッカーから荷物を取り出してムーンライトの停まるホームに出て来たのは21時頃。発車まで約2時間。
 バッグからサンダルを取り出して半湿りの靴を仕舞込み、ヘッドホンから流れるAMラジオを浸かるように聞き入り、胸元をはだけさせて2lタンクから麦茶を取り出した。
 完全に“冷やし”に掛かっている。

 ラジオから流れる情報は余り抑揚がない。
 お盆明けでもあり、押し並べて平和なんであろう。
 スポーツニュースは白熱している。サンフレッチェもカープも勝って調子がいいが、相手チームのベイスターズは近藤監督がファンに取り囲まれて往生したらしい。
(なお、この近藤監督は次に北海道に行った98年にもロッテを18連敗という奈落に突き落として糾弾されてたなぁ(^_^;)

 兎に角風もなく、自分の熱でうだってしまう。
 日も沈んでもう少し涼しくなってもいいだろうと思うだけである。

 新宿駅のホームは、在来線だけで19本という構成。だが“広い”という印象が不思議と無い。
 周囲を百貨店に囲まれているせいだ。屋根があるせいで高層ビルは拝めないが、屋根に遮られる範囲で建物に覆い尽くされており、それで広さを感じないようだ。まぁ箱庭と言ったところか。むしろ、同じ箱庭でも建物として構築されている阪急梅田駅の方が却って大きさを感じる。

 この時間になると、各特急の最終便を捌いて行く。あずさ、あさま、SVO、その他にも新特急やホームライナーなど普通列車以外の多彩な列車が入ってくる。
 このうち私の待つホームには“ホームタウン高崎”が入ってきた。久方振りに見る485系はボディーカラーも車内設備も一新してその雰囲気を変えていた。
 アコモ改造車というものは、前回の“白鳥”でその雰囲気を味わったが、それ以上に様相を一変している。
 ただ、列車そのものの旅を愉しむ自分はこういう改装を見て少し寂しいものを感じた。
 と言うのも、この列車を見ていると「貴方の移動時間を快適に包むアメニティー空間」と聞こえそうな気がした。
 これだけ室内を快適に改装している事は、裏を返せば列車に乗ることはあくまで移動する為の単なる消化時間であるのだ。

 思うんだが、列車の中ぐらい豪華にせずとも旅をする以上はその空間で愉しむ工夫を某等していた筈だ。4人向き合うボックス席というのはそれだけで工夫の仕甲斐があった。家族で囲むのは勿論、見知らぬ人と語らいが持てるいいセッティングだった。
 だが今の列車・とりわけ程度がよくなる列車程、座席の機能性能はよくなるが、それが旅を愉しくするエッセンスにはなりえていないという事だ。
 それに、今頃は話しかけたところでうざったがられる(T-T)。
(今時ゃみんなスマホやゲームで『武装』してる有様だし(-_-メ)

「旅のスタイルが変わった」と一言で言いたくない哀しさだ。

▽新宿 23:03~村上  6:12・夜行快速ムーンライト(クハ165-196)

※暑いっ!

 そういえばこいつも“旅情を愉しむ”列車じゃあ無いな。
 待ち焦がれた列車・ムーンライトが入って来たのは各方面から来た特急が入庫を終えた後ほど。
 だがこの度は165系・9両編成の威容を持つものの、直江津・新井行き編成の省かれたモノトラック。
 実は村上行きに乗るのは初めてである。
 中に乗り込むとふた昔前の特急が使っていたリクライニングシート。
 こいつが実に落ち着かない。
 クッションもほとんどゴム鞠で3時間とまともに座れない。
 青春18切符で乗れる列車としては確かにバーゲンプライスのクラスだが、今や明らかに221新快速や215アクティーより格下の乗り心地である。
 勿論隔世の観はあるが、JREは夜行列車の定義を取り違えているとしか思えない。

 23時になって潜り込むこの列車。処が成田エクスプレスの遅れで発車時間が延びるとの事。飛行機とNExを使うような奴がこんな安列車を利用するのかな・と首を傾げたが、私も貧乏旅行の分際でTWxを選んだ身であるし、大口は叩くまい。

 斯くして10分遅れで新宿駅を発車したムーンライト。池袋を通過、赤羽を出発する。
 帝都離りて‥‥まさにそんなシチュエーションを奏でてくれるタイムトンネル。ムーンライトの魅力爆発はまさに此処である。
 先程は散々叩いたが夜汽車の魅力にまで冷や水をぶっ掛ける程私も無粋じゃない。
 BGMはニュースがいい・と言いたいが実は、神経疲労の固まりと化した私は景気付けにアニメソングを掛けていた。
 なぜニュースか・と言うが、ビジネスライクな街中を流れて行くと音楽が妙に浮いて馴染まない。大勢の人が蠢く都会にニュースを流すとヒューマンパワーを適度にクールダウンしてくれる。
 だがこの時の私は余程この東京から離れたかったんだろう。ニュースも聞きたくないらしい。

 景気付けどころか、赤羽を過ぎた辺りから気が付けば高崎に到着していた。

 もう一つ気が付いたのだが、新宿を発った時に隣に座っていた女の子がいない!
 いや(^_^;)、その女の子をどうこうという訳ではなく、これは拙いなと思った。
 と言うのも、前項で少し述べたが、足が蒸れたのが祟って全身くま無く汗をかいてしまった。
 はっきり言って臭い。
 女の子にはこれだけでも耐えられんなぁ。
 加えて恐らく寝ている間に鼾をかいたのではないだろうか。
 はっきり言って自慢だが、私は自分のかいた鼾で目が醒めた事が間々ある。
 そんな鼾なら女の子ならずとも逃げてしまうだろうな(T_T)。

 さて、何故高崎で目が醒めたか。どうもこの暫く前で冷房を弱めたらしく、多少蒸してきたのだ。
 周りを見るとまだ周囲の街灯や家屋の明かりはついている。
 25時とは思えない。
 以前直江津までムーンライトを利用したときはこの駅から乗ったっけ。
 以前同様、駅ホームの明かりは殆ど消されており、妙に物静かである。

 高崎は間もなく発車。処が二つ先の新前橋ですぐ停車と相成った。何時になったら発車するのかと思いきや、これがなかなか発車しない。
 途中下りの夜行貨物をやりすごすも更に待ち続け、発車したのは30分後の25時45分頃だった。
 その間、ただ蒸し込むばかりなりの鬱陶しい空気。うんざりしたのか、また発車して間もなく寝入ってしまった。

※上越越え

 高崎を過ぎるとムーンライトは高崎線から上越線にはいる。
 上越線というのは上野(こうづけ)・上州と越後・越州を渡した鉄路なので付いた名前な訳なんだが、私はこういう街道名で特に“じょ~えつ”という響きがあるって言うのが大好きである。私の近くにも“芸備線”というものがあるにはあるが、上越には敵わない。

 暫くして、ボンボリ提灯が幾つも並ぶ町並みに差しかかった。水上温泉である。
 よくもまぁ・うしみつ時(26時半頃)だというのに景気のいいこと。
 とはいえ、嬉しいね。こういう列車旅は寄って行きたい観光どころをやり過ごす必要に迫られる。
 だがこんな雰囲気たっぷりにライトアップしていると“ア・また今度はここに寄って見ようかな”と誘われる。
 勿論なかなか旅行に来られる訳でもないが、ならばせめてその雰囲気をとウイスキーを割って飲む。

 ここで久しく途絶えた対向列車と離合した。上りのムーンライトである。まだ車内の明かりが眩しい。勿論車内の照明は落とされているが、ユニット窓はワイドで特急列車の様に消灯はしていない。

 さてこれから三国峠を越えるために長い隧道を下る。
 だがこんなモノは口を酸っぱくして言っている様に、夜汽車に乗っていたら全然解らない!だんだん気温の下がっていく外気につれ、車内の熱気が退いてきた。以前はガラス窓に露が付いていたが、今回は然程でもない。それまでが暑すぎたのだろうか?
 あの長い清水トンネルを抜けると湯沢のペンション街が間もなく。ところが、最初に見た様な綺麗なライトアップにお目にかかれない。淋しいの一言に尽きるが、先程の温泉街とは対照的だ。
 まぁ蒸し暑さが退いて過ごしやすい温度。これだったら冷房がいらない。
 心地好くなったんでもう一眠り。長岡を通過したのは4時頃だったかなぁ

※♪あ・たーらしい 朝が来た!

 夜明けの目覚めは新津。長岡を通過してから小一時間の後である。AMラジオをいじって何とか地元局を出すが、寝惚けているのか・なぁーにもする気がない。
 25分後には新潟に到着するが、越後平野の広い水田を見渡すばかりで呆とする。
 多分寝ていたのだろう。眠ってはイカーン!と言う訳で、側にあるユニット窓を全開。
 昨日の蒸し切った空気は夜風に冷やされたか、三国の山に取り残されたか、実に気持ちのいい風が入ってくる。
 列車はやはりこうでなくては・と御満悦‥‥‥
 寝るなー!(-_-;#)

 6時を回って朝日の光が強まった。
“榎さんのお早うさん(当時定番の朝ラジオ番組)”なぞ聴きながら北紀行。
 越後平野は遠く右手に山並みを控えるが、それでも広島の狭苦しい平野に見慣れた私の心を広々と解き放つ。

 昨日は山陽・東海道の縦貫だが、今日は羽越路を抜けて念願の北海道上陸を目指す。
 その移動距離は1都6県と昨日ほどでなければ北海道横断のようなキリのよさもないが、この径路無くして宿無し移動は適わない。

 NHKを聞いていなかったが、まさに“新しい朝が来た”某ラジオ体操のテーマソングの世界である。
 昨日は“琥珀色の陽光”だったが、この朝は白々と明けてきた。
 鋭さではなく、明るさと柔らかさが同居するほんのりとしたものである。これがまだ青々とした稲穂に映し出す訳だから、もう気分が休まる。
 東京の疲れはこれで一掃・と言いたかったが、寸もなく村上に到着した。

▽村上  6:17~酒田  8:36・羽越本線(キハ40-582)

※うそ(゜_゜)‥‥‥

 乗り換え時間は5分。
 これだけでも唖然としているのに、跨橋を跨いで隣に居座る列車は“キハ”。

 村上は、先出の米原・熱海と同じく大抵の列車が停められる乗り換え駅。
 ただ此処には物理的に理由があって、架線電流が此処で変えられている。
 だから余程の優等列車でないと乗り換えなければいけない。
 そんな訳で跨橋を駆け上がって駆け付けた列車が、
“キハ”
 嘘じゃろー!
 れっきとした架線を曳いてある所で何が悲しくて“キハ”が居るんだ?

 それに、乗ってみてこれまた二度唖然。車内はただっ広い空間の両側にロングシートが二脚、そして屋根には広島でも見なくなった旋回型扇風機。冷房が無い。

 間もなく列車が発車してやった事と言えば三つ。まず背後のユニット窓を開ける。そして扇風機のスイッチが後ろにあったのでそれをつける。そして、
 スカー、ゴー、ズー。
 寝ェちまったぁわな。一気に疲れたわ。

 しかし、白々と明けた筈の日差しが一時間も経たないうちに鋭くなって瞬く間に車内が蒸してきた。
 だいたい“キハ”は飛び切りの熱源体・ディーゼルエンジンを抱え込んでいる上に暖房の効きを良くするためにエンジン熱が車内に上がりやすくなっている。
 そりゃあ、冬は豪雪地帯だからそんな列車だってアリだとは思うよ。しかし、暑いわ。
 それに折角開けた窓も、ロングシートが災いして風は肩を滑るばかり。その風は扇風機の風を乱して止まない。
 全く涼が採られない。

 一昨年の東北本線の時にも思ったが、JREの普通列車は特急列車との差別化をはかる上で普通列車のクオリティーに線を引いている節がある。
 確かに215アクティーには感心した。列車性能が新車置換えに連れて向上しているはずなのだが、旧型車を使わされている線区には“快適さ”を幾分か犠牲にしている様子が伺える。
 特にロングシートは旅行気分を拘束しているが、此処まで顕著とは思わなかった。

 7時頃けっきょく目が醒めた。
 ぼやいても仕方が無いと思った所で車内販売が入ってきた。

 初老のお婆ぁちゃんが籠を曳いて駅弁を売る。

 つい食指が延びそうになったが、そういえば新宿駅で巻き寿司弁当を買っていたんだった。列車が発車時刻になってお婆ぁちゃんも下車して、汽車は更に北上した。
 鼠ヶ関を過ぎた所で弁当を開けて列車左手に見えた日本海を見ながら朝食と洒落込む。
 青々と映る日本海は遠目から穏やかで水平線がシャープで青空とのコントラストもばっちりだ。
 いい景色で口直しを終えるとまた寝入ってしまった。

----------------------------------------------------------

~後記

 ナンカのんびりとしまったとがっかりが綯い交ぜになった紀行になっちゃってるわ(^^ゞ。
 若いってのが悪い意味で蔓延してる箇所だわねぇ(ぉぃ。
 と言うか、この辺りは次の項でも思い知らされるがくたびれてたんだよねぇ(-_-;)。
 新宿駅の件では今お亡くなりになった列車も散見するし。
ブログ一覧 | 蔵出し鉄旅録 | 旅行/地域
Posted at 2014/08/11 02:23:01

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