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2014年09月04日

94北往記13。さっぽろさぶらう


    14・第5日/マネジメント・ミス

▽札幌の朝

※朝靄の頭の中

 頭上のテレビ塔に掲げられた時計盤には6:19の文字。
 定刻よりバスは15分ほど早い到着である。歩道橋に上がってそのテレビ塔の許に向かう。

 大通り公園。広島の平和大通り同様の100mの道幅の中央に幅60mほどの緑地公園が拡がる。
 平和大通りが本道と側道の間にそれぞれ15mほどの緑地を設けているのとは違って、緑地公園の解放感が大きい。
 テレビ塔はその公園の中の一大アトラクションの如くである。
 平和大通りの側道公園は閑静という意味で寛げるが、ここは喧噪の中の聖域と言える。
 周囲からの遮断でなく解放感の中の憩いが求められる。樹木もその解放感を殺さぬように疎らに植樹してある。

 私はと言えば、芝生の脇に設置してあるベンチに腰掛けてテレビ塔の影でひと休みをしていた。
 正直言うと、私は足裏の痛みで歩くのに耐えられなかった(T^T)。
 マメを潰して少し楽になったと思ったが、時間が経つに連れて痺れが痛みに変わった。
 針で穴を穿つ際、誤って実を刺した(T_T)ところもある。
 座っている分には平気だが、此の足を踏み出すには些か思い切りを要した。

 加えてすぐに歩き出せなかった憂鬱がもう一つある。
 懐に空っ風が吹いている(T_T)。
 この中身は16000円余。
 まだ札幌-大阪間の切符を買っていないので、これを買うと財布の中身は1000円を切る。
 例えばこのテレビ塔、展望台に上がるのに600円を要する。
 とマァ、これ以降は万事この調子で、みだりに金が使えない。

 だが、折角札幌に来て何もしないでは申し訳も立つまい。銭の掛からない観光をしていない訳でもない。
 20分ほどの休憩の後、大通り公園をひとまず出た。

※早朝散策

 まず間近にある名所・時計塔に向かってビデオカメラを回した。
 改修工事直前なので、白壁も赤いスレート屋根も煤けていた。
 だが、端正な佇住まいは気分をすっきりさせてくれる。
 残念なのは、周囲を覆う樹木がその建物を五割以上を隠している。建物の骨格が見て取れない。
 もう一つは周囲をビルに囲まれて窮屈なこと。どうも雰囲気に任せてみられる物では無くなっている。

 少し観光気分がそがれた処、今度は国道36号線を南下した。
 市電を見るため、そして地下鉄で札幌駅に向かう算段で居た。

“中央図書館への/ドリームロード:市電”
 との看板もある札幌市交通局・西4丁目電車停留所。

 停留所に屋根があるだけの無人電停で、終站は上下線が停留所で一本に纏められるかたちを取る。
 無人の替わりに乗車・利用に関する案内が小まめに掲示してある。

 札幌は全国で唯一、公営交通局が路面電車と地下鉄を一緒に運営をしている。
 それだけに市電と地下鉄の相関関係が量れる数少ない処だが、この電停、実情は市電に厳しい。

 それでも運転頻度は10分以下、最高3分間隔。料金170円は健闘している。
 その料金も今すぐ乗れば早朝割引で150円で乗られたが、その後地下鉄も乗るかと思うと躊躇してしまう。
 情け無や(T_T)。見るだけに留めてしまう。

 その後やって来た市電は、ここ特有のスリムなスタイル・欧州風の電車211号車だ。
 モスグレイと黄緑の間に白帯の入った少しクラシカルな色合いだ。
 それが幾つもの交通信号に引っ掛かりながら漸く到着した。
 一応終站引き込み線の手前にもホームがあるが、そこは通り過ぎ、引き込み線に入った。
 ラッシュ時には単行電車3台が捌けるようだ。

 方向幕は“西4丁目-すすきの”とある。
 恐らく此の方向幕はほぼ終発まで変わることがあるまい。
 札幌市電は300m程しか離れていない此のすすきのまでを西に大きく迂回する半環状線だ。
 それまで分岐線も経由線もない一本道。広電に馴らされた小生にはもの寂しい。
 電車左手のドアから降車客を裁き、運転士が運転台交換をした後、反対側のドアで乗車客を受け入れる。
 折り返し発車までは5分ほどだった。
 その後もう一台見届けたがこちらは新製車8512号車である。
 クリーム色のボディーに緑濃淡のストライプ。色合いは広電そのものだったが、スリムで彫りの深いデザインだけは独特だった。

▽札幌無銭放浪記

※嗚呼、銭が無ぇ

 地下鉄利用も考えたが、市電乗り継ぎ270円では財布の紐はほどけない。
 他の交通機関といっても、以前金沢であったように初乗り料金が190円ともなれば目も当てられない。
 貧乏性が身に堪えるが、ここは歩いて行こう。そう思った。
 とは言え、言うは易しの何とやらで実際は足の痛さに辟易している。

 まずは休憩。
 時間も時間だし、朝食と洒落込んだ。
 とは言うものの、日曜の7時台から開いている店など、たかが知れている。
 私は事情があって或る店を捜す。
 何の事はない、マクドナルドである。
 辿り着くまでは時間はそうかから無かった。彼の店は有名店が犇めく区画にあると容易に推せ、その通りあったからだ。

 ではなぜマックかと言うと、財布の中にガソリン兼用のプリペイドカードを忍ばせていたからだ。今、小銭よりもこのプリカの残高のほうが多かった。金銭を切らした時に備えていたカードがこんな形で御登場となり、些か苦笑を禁じえないが、今や四の五言える状態ではなかった。

 だがマクドナルドは開店まであと30分もあった。
 開店前の清掃をしている店員を捕まえては少し無理を言って、忽ちはカウンターチェアにありつき、ここで暫し呆ける。
 開店時間になるとお呼びが掛かったので、注文をして飯にありついた。
 バーガーセットが飯かどうかは些か疑問があったが、えびすやで昨朝朝食を頂いて以来の机に向かっての食事。飯と言えると思う。

 さて、札幌終発点は言うまでもなくJR駅である。
 ここを終点に札幌観光を・と考え直さなければならなかった。
 と言うのも、残金を切らすなんて、千円はおろか5000円も考えていなかった。
 多分2日目の東京-函館間の浪費が効いて居たように思われる。
 当初の残金の1/3となった金銭管理の杜撰さはちっと激しい。

 とまれ、地下鉄市電の乗り放題や、ビール会社各社の直営ビヤガーデン堪能も消え去った以上、見て愉しめる処を選って観光する他無いだろう。
 まずは足元に頓挫する大荷物をどうにかしたい。
 そこで、此処から札幌駅までの観光スポットをと見てみた。
 とは言え、距離も近くて上手い具合に径路が取れない。
 そこでひとまずは北海道旧道庁を目指す事に決めた。

※嗚呼、健康も無ぇ

 そう気張って歩き始めたものの、足裏の痛さは旅を愉しむそれではなかった。

 大通りをそんな調子で抜けると、煉瓦造りの3階建の建物が交差点に現れた。
 北海道警札幌中央警察署であった。
 交差点にそって辻面が丸くなっており、そこが正面玄関になっている。
 その玄関廻りは雰囲気だけだが先代の警視庁本舎の面影に似ていた。
 10段ほどの階段を上がると二本の石柱がある玄関間口。ガラス戸が一般的ななか、幅が狭いながらも重厚な玄関戸がある。窓サッシこそアルミに差し替えられているが、明治時代といっても違和感の無いクラシックさを持っている。
 今度は時計台と違って周囲が開けているので雰囲気も抜群。ビデオの広角レンズで映すと辻面の丸さとその上の青空のコントラストが綺麗である。思わぬ拾い物だった。

 その中央署の裏にある北海道放送本社を過ぎると、目当ての旧道庁舎はそこである。

 最初に目に入ったのは街並みの中に唐突の大池だった。その向こう側に煉瓦造りの大きな三階の建物が聳える。
 それが旧北海道庁だ。
 この時間にもなると流石に人通りも増えてきた。門扉に辿り着くと他の観光客もゾロゾロ此処にやって来た。

 改めて仰ぐ庁舎は朝日を浴びて煉瓦が赤く映えていた。
 二階建ての母家、その上の屋根には屋根裏部屋の出窓がせり出す。
 各出窓の上には明治政府や旧帝国陸軍を示す赤い星があしらってある。
 サッポロビールのトレードマークはまさしくこの赤い星なのである。

 庁舎中央にはモスグレイのドーム屋根があり、その登頂には濃紺の7芒星の北海道旗がたなびく。
 懐の深い前庭と相俟って荘厳すらある。
 明治21(1888)年の建立にしては頑丈すぎるほどの重厚さ、ビデオの色合いが飛んでしまうほどの鮮やかな赤煉瓦は圧巻すらある。無論手入れしてこそとは思うが、いい建物をいいように使えばこそ建物が活きてくる証であろう。

 背後には現用北海道庁と建設中の北海道警本部がある。高さではこの旧庁舎を圧倒こそするが、旧道庁は“マス”で勝負している。その重厚感は背後の2庁舎が及ぶべくもない。

 さて、中に入って見ようかと思った矢先、不吉な予感がした。
 下っ腹が重い(T_T)。
 どうも食べ物に対して飲み物の摂り過ぎなのだろうか、腹具合がすぐれない。
 便意は我慢できようものだが、余り調子がよくない。
 中にはいるのは燃え盛るような足とお腹の緊急信号を受けてためらった。

 悲しいことに、そのまま札幌駅に入ってけっきょくは二度と出てこないことになる。

※嗚呼、根性も無ぇ

 足と腹を何やら引きずる格好で、ひとまず札幌駅に向かった。

 札幌駅は根室駅に別れを告げて以来久方振りの駅、それも大きなターミナル駅である。
 日射しが強まるなか、涼を求めるように中に入る。

 駅内に入って大腸の掃除を終えると、コインロッカーを捜し始めた。

 が、やめた。

 我ながら何を考えたか、駅コンコース東通りを駅北口に向け歩き始めた。

 此処は近年高架工事が完了したばかりで、工事中にホームとして使われた場所はイベントホールになっていた。
 この途上タカキベーカリーの経営するリトルマーメードを見てほっとする。
 恐らくこの安堵感・ホームシックが市中観光断念の第一因だったと思う。

 駅北口のみどりの窓口、此処はツインクルプラザと呼ばれる。
 此処にきた私は胸元の財布に引導を渡すべく、大阪までの切符を買い求めた。
 予想通り、財布の残りは600円ほどになってしまった。市中観光断念第二因。

 このツインクルプラザで私はまた休憩と相成った。
 此処には各特急の予約状況を電光掲示していた。これを見て私はハタと首を傾げた。

“トワイライトEX”予約“○”

(-_-;)
 ハテ、これはどう言う事であろうか。
 周知の方も多いと思うが、このトワイライトの指定券は相次ぐ予約から取得が難しく、所謂プラチナチケットと化している。
 それが此処に来て“予約可”と言うのが腑に落ちなかった。
 BコンパートなどのB寝台や、A寝台個室にも空きがあるとのことだ。

 余りにも疑わしくて係員に聞きそびれたが、ひょっとして乗車当日のキャンセル待ちはけっこう“イケル”のではなかろうか。
 余りにも予約が至難な故に、乗車予定の方が追い付かなくなるのは充分考えられる。

 私もこの切符を落としたくないからJTBとJRみどりの窓口で予約を頼み、結果JTBで大当たりを引き当てて、みどりの窓口に白眼視の中“Bシングルツイン”を払い戻した経緯がある。この手合いは少なからずあるかも知れない。

 ちなみにこの時刻は9時半頃。

 冷房の効いた此処に頓挫していると、日射の強くなった市街に出るのが億劫になった。
 それに、これ以上出歩いてもし発車時間に間に合わなかったら大間抜けでもある。
 痛めた足で急ぎ足に追われると考えるだけでも寒気がする。

 一寸北口を見回して、ローソンを認めると、そこだけ向かった。
 財布の残りからもうまともな食事をする事は不可能である。
 腹の足しになるような袋菓子を此処で買い込んだ。
 こんな時に買うのが、この年始めの大阪へのドライブの時に試した“おにぎりせんべい”。
 こいつは材料がそのまま焼きおにぎりなので軽食代わりにイケル。
 運動するのでなければ60円のもので一食持ち堪えることも出来る。
 こいつと後少し買い足した。財布の残りは半分の300円余になってしまった。

--------------------------------------------------

~後記

 ちょっと間が空いてしまって申し訳がないm(_ _)m。
 もうすっかり・と言うか、旅行に行った期日をすっかり抜かしてしまった(T_T)。

 もうあほでしょ(^_^;)?
 札幌行って市電と時計台と道庁だけ見て飯はマック。
 帰って親からも怒られましたがな。
「財布にお札も残っていないなんて」
 と。

 所持金300円でTWxに乗ろうなんざど~ゆ~神経してんだって言われそうだ。

 しかも読み返して。
 時刻は9時半。
 TWxの発車は14時過ぎ。

 その間なにやってんだヨってな話が次一杯です(^^ゞ。
ブログ一覧 | 蔵出し鉄旅録 | 旅行/地域
Posted at 2014/09/04 21:38:02

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