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シケイカ★フェンダーミラー将軍・発動篇のブログ一覧

2025年09月18日 イイね!

光る風邪、薫る風邪。精神が肉体をも凌駕する草ヒロ探索

子供から移された風邪で39℃の発熱。
コロナもインフルも陰性、だが出勤停止――よし、チャンスだ!!
そんな時に「岐阜方面に草ヒロ探索へ行こう」だなんて、正気の沙汰じゃない。アホのすることだ。

だが――生命の衝動は理屈を超える。

39℃の熱? そんなもの命の鼓動が高鳴っている証にすぎない!
「解熱剤で下がるはずがない」だと?――おまえの心が冷えているだけだ!

覚悟がある者は、発熱を理由に歩みを止めたりはしない。
300キロの下道往復さえ、覚悟があれば“逝ける”!
どうせ家に帰ったって、子守りでロクに休めやしないんだ!!

そうさ、無茶なのは百も承知のうえ。
――だが、それでも今しかないと、胸の中で早見優が囁く!!

■バス停横のリーザ・オキシーⅡ

バス停横をヒントにストリートビューを虱潰しに探し、つい最近ようやく位置を特定できた――有名物件のリーザ・オキシーⅡ。




昭和63年、前年に400台限定で販売された初代オキシーが好評だったため追加された特別仕様車。標準車には設定のない黒内装、スポーティなエアロパーツ、そしてターボ――まさに当時の若者向け特別仕様車を象徴する1台。


現車はかつて何段も積み上げられた車の一番上にあったが、リーザの下にあったミニエースを引き取ったマニア氏がいたようで、いまは大地に降り立っている。


550時代のリーザはNAモデルなら21世紀になっても時々見かけたが、維持に手間のかかるキャブターボは車齢10年前後でほぼ絶滅したように思う。
それを2025年に再び見られようとは――光る風、薫る風とはこの風向きか。


■660規格のリーザ・オキシー
こちらも有名物件、某鉄道路線沿いに鎮座する660規格のリーザ・オキシー

660モデルは、生産期間がわずか1年4ヶ月。しかも新規格対応のL200ミラの陰に隠れ、エンジンもお買い得仕様のチャチャと同じNAに。
そのため選ぶ人は少なく、むしろこちらの方がレアと言えるかもしれない。(しかも5MT)

ちなみに、リーザにはかつて北米輸出計画もあったらしい。(ただし価格が格上のシャレードとバッティングする為、中止。)
この新規格対応の大型バンパーで仮想USDM仕様を作ったら面白そう。

管理された駐車場に20年近く放置されながらも撤去されない、こいつの闇は深すぎる...!(よく見ると横のキッチンカー、窓が破られていないかい?)

軽スペシャリティーの系譜だと、リーザの純粋な後継車はオプティだろう。だが「軽のスペシャリティー」という枠で見れば、テリオスキッドも後継の一つと言えるのでは。


なんたってインドネシアのワイド&ロングボディのテリオスこと、タルーナには、オキシーという上級グレードが存在するのだから。

リーザ=OXY
タルーナ=OXXY あれ?Xが増えてやがらぁ。

■酒屋の看板娘L200ミラウォークスルーバン
同時期のダイハツ車だと酒屋の看板娘的存在、L200ミラウォークスルーバンも目を引く。

配達用として使われていたと思われるが、昨年2月で車検切れ。ご隠居のようだが、それでも愛されているのだろう。

(現地で後ろにフェンダーミラーのハイラックスがあったのに、全く気づかなかったのは――熱のせいとはいえ不覚)

■ユーチューブ物件のバネットラルゴ


スーパーサルーンターボの4WD AT。詳細は専門職の方にお任せしようと思う。


■B12サニーフルオート・フルタイム4WDスーパーサルーン
通りすがりの道端に、あり得ぬ光景が。
草ヒロではないが、B12サニーの フルオート・フルタイム4WDが静かに佇んでいた。

3桁ナンバー――マニア氏の所有なのか。
あまりのレアさに、思わず息を呑む。その存在までもが運命に導かれた証のように思えた。

■完全オリジナル物件、畑のシケ物置な二代目ミラージュ1.5CX

見える、見えるぞ――キヨシローとエリマキトカゲの蜃気楼が!

初の愛車は、これと同じ最初のマイナーチェンジ後のミラージュサルーンCXエクストラ(カタログの表紙と同じデジパネ、ガンメタツートン)だったので感慨深い。

当時は車検に20万円かかると言われ泣く泣く手放したが、今なら自分でどうとでもできただろうに――なんとも惜しい。

そうして錆びた鋼がなお生命の証明を見せる光景に、熱も忘れて立ち尽くす。

なぜ岐阜へ? どうしても譲れない事情があったからだ。

テリオス純正ラゲッジマット――デッドストック未使用品が、わずか800円。



だが適合は“キッド”か、それとも“テリオス”か――このゼブラ柄であれば“キッド”用であろうが、現物確認なくしては未来は選べない。


そして現物を前に、確信は歓喜へと変わる。
間違いなくキッド用、しかも純正箱付きだと!!




まるで運命がこちらに生命の意思を託した証のようじゃないか――そうだ。それが生きるって事だろ?

――そうして無理を重ね、限界を超えたその果てに。身体はついに、鎖のように動かなくなった。

だが――悔いなど、ない。

白衣の天使? そんなもの、求めてはいない。
再受診した病院の駐車場で――伊東美咲ピンクのデミオが、確かに微笑んでいたからだ!!

あぁ……2004年、再販モデルだけに許された、ボディ同色のPIAAホイール――その輝きは、運命をも揺さぶる光。

それさえあれば、まだ立ち上がれる。

2025年07月11日 イイね!

一汽華利(FAW Huali)   达路特锐 (DARIO Terios) スペアタイヤカバー

ある日、ボロボロのハードタイプスペアタイヤカバーの下から出土した、ほぼ新品状態の純正ソフトタイプカバー。
ラッキー!…と思ったのも束の間、気づけばジワジワと紫外線で色あせが進行中。

これはマズい。大至急、カバーのカバー(!?)を調達せねば!というわけで、 ネットは広大だわ…… 妙なヤツを発見してしまいました。


━━ダリオって、ダレヨ?!━━

「DARIO(达路)」は、かつて中国で展開されていた若者向け自動車ブランドです。
製造元は、「眉毛ハイゼット」や、アレなお薬キメてハッピーなL900ムーヴこと「幸福使者」を製造していた「一汽華利」。

この一汽華利は、トヨタと提携していた第一汽車グループの一員であり、その関係性から、ダイハツが中国市場に本格参入する際、トヨタ、レクサスに続く“第3のブランド”として「DARIO」を展開しました。
いうなれば、北米における「サイオン」の中国版といった位置づけだったのでしょう。

ブランド名の「DARIO」は、スペイン語の「Diario(毎日)」に由来した造語で、ダイハツは「おしゃれで、楽しく、スマートな、オリジナリティーあふれるカーライフを提供する」というコンセプトで命名したとのこと。

そして、その第一号モデルに選ばれたのが、J100系テリオスだったのです!


K3-VEエンジンは中国製ですが、ほとんどの部品を日本から輸入する、ノックダウン方式で生産されたため、見た目はダイハツエンブレムも含めて後期型テリオスそのまんま。


違いといえば、ステッカーやエンブレム、ボディカラー、シート表皮くらいで、もはや“間違い探し”レベルです。
駆動方式は2WD(FR)と4WD、トランスミッションは5MTまたは4ATを選択可能でした。(ターボ仕様は未設定)

2003年1月にダイハツが正式提携を発表し、同年10月から年1万台規模の現地生産を開始。
「トヨタ・テリオス」として一汽トヨタの販売網で展開される、盤石の体制が整えられました。


しかし当時の中国では、SUVそのものの認知度がまだ低く、メインターゲットだった若者層にとっては、11万〜15万元という価格は高すぎて大失敗(ちなみに同時期の夏利=シャレードは約4万元)。
その結果、2004年に約6500台を販売しただけで、生産は打ち切られることに。

2006年には、DARIOブランド自体も消滅となり、ダイハツは中国市場から姿を消すことになりました(※2009年にブーンでの再進出計画があったが、リーマンショックで白紙化)。

その後、話は思わぬ方向へ。
ポルシェ・カイエンのコピー車で知られる衆泰汽車(Zotye)が、ダリオと台湾ダイハツからテリオスの生産設備を買い取って魔改造。

「Zotye 2008 → 5008 → T200」へと進化していくのですが、それはまた別の地獄の話。

そんな、20年も前に消えた、ダリオブランドのスペアタイヤカバー。
正真正銘の純正パーツなわけがないと思っていたら――案の定、中華のお家芸、コピー品なんだなぁ、これが。

触った感じからして、ただのPVC製の汎用品に“それっぽい”柄をプリントしただけ。作画崩壊したキャベツみたいなダイハツマークに、甘々なマスキング。

そりゃ、税関で知的財産権絡みで引っかかるのも納得。いや~実にコピー品らしくて、「こういうのでいいんだよ、こういうので」って感じ。

しかもお値段、送料込みでたったの685円。

内訳は、コンビニ決済手数料150円+無料扱いの送料は実際には3.64ドル(約529円)かかってた…って、ん?実質6円だと・・・これ、本体タダみたいなモンやん!?

「幻のブランド」 「中国自動車史」 「伝統芸のコピー品」
ヤック・デカルチャー!!よもや、スペアタイヤカバーひとつで、危険な中国文化の深淵に至ろうとは。
これはもう、中華“眉毛ハイゼット”の亡霊が、「おいでよ、僕の夢の中」と囁いたとしか思えません(笑)

こんなん、もはや裏ムーヴならぬ、裏テリオスキッドと言っても過言でもないのでは!?
Posted at 2025/07/11 19:09:57 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2024年03月13日 イイね!

レースゲー世界はモブ車に厳しい世界です

かつての栄光は何処へやら。
今や斜陽となった感のあるレースゲームの潮流は、自身を含む40歳前後の車オタクのオッサンの成長と共にあったようなものでしょう・・・葉っぱとか鍵のエロゲもな。

スーファミのマリオカートに始まり、実車のNAロードスターを使用したリッジレーサーの筐体、セガラリーなどのアーケードゲーム(今の若者はコインゲームと言うそうな)、そして据え置き機の名作たち。

そんな中でも、特にプレイステーション用ソフトとして発売された初代グランツーリスモは、まさにシンギュラリティな存在でした。
それまでのゲームとは一線を画す、美麗なグラフィックで現実に街中を走っている車を操る衝撃と喜びは、免許取得前の多感な14歳には筆舌に尽くし難い感動体験でありました。

それから雨後の筍のごとく現れる、実車再現型レースゲームたち。
激化するシェア争いは差別化を促し、マニアックな街中の背景に映ってそうなモブ車を再現するキテレツなゲームがあらわれるようになります。

グランツーリスモに対抗意識バリバリなドリキャス用ソフト、SEGA・GTに収録されたJT150ジェミニの3ドアハッチC/C、なぜイルムシャーじゃないの?

SEGA・GTには、U41ミニキャブトラックもいたりします(意外とレースゲーは軽トラの収録が多い)

期待の新作グランツーリスモ2は収録車種が激増、B15サニーVZ-Rを筆頭に新規格軽自動車の一斉収録など、国内外メーカーのモブ車が一杯でハッピー!!

内容的にも、ゲームにかける製作陣の熱い思いが透けて見えるようで、今でもグランツーリスモシリーズで一番の神作だと思うのです。

製作陣の熱い思いと言えば、Genkiソフトの首都高バトルシリーズや街道バトルシリーズも凄いものでした。
アンダーグラウンドな題材もさることながら、サーキットではない実在の公道を好きに走り回れる、今で言うところのオープンワールド的な縛りのない世界観にド嵌まりしたものです。やっぱり自動車が題材なら、自分でドライブして好きな所に行きたいじゃないですか。

そんなGenkiソフトも車種設定がヤバかった・・・AE82のカローラFX、AE92のレビン/トレノや初代アルシオーネなんて序の口。

まさかの、カルタスクレセントハッチバック!!


よもやの、RZ-1!!


だから思ったんです、思っちゃったんです。きっといつかはモブ中のモブ、シャレードで色んな道をドライブできるゲームが出来るだろうって。
でもそんな願いは叶う事無く、免許を取って実車に乗れるようになると同時に、すっかりゲームもしなくなってしまいました。

さぁ、長い前置きはここまで。ここからが本題です。
つい先日、発熱して出勤停止になり、感染対策で家族とも別室で隔離生活を送っていて、本当に暇だったんです。

暇を持て余していると人間、ろくな事を考えないもの。なるべく手を出さないようにしていたというか、嫌悪感すら抱いていたスマホゲームをやってみようと、突然思ったのです。
そこでいくつかレースゲームをダウンロード。最初は面白がってやっていたのですが、資本主義の当たり前か課金前提のゲームバランスの影響で、なんか薄っぺらというか、ちっとも面白くないのです。

諦めずに色々ダウンロードするも時間の無駄にしかならずに辟易。
そうした無為な気持ちで、何も考えずにダウンロードしたのが、オーストラリアのゲーム製作会社Timbo Jimboの配信している「static shift racing」(スタティック・シフト・レーシング)でした。

ローディング画面の時点で他のスマホゲーとは一線を画す、オーラというか熱量を感じるのです。
この手前から3台目の車種は大改造されているけど、ピラーの感じからA175ランサーEX?まさか奥のセダンはワンダーシビック?

ワクワクしながら始まったチュートリアル。

あれ?なんか既視感のあるテールやトランクの造型だな~と思いつつも、黄色でオーバーフェンダーが付いている事から、えらくデフォルメされたランチアデルタだな~としか思ってなかったんです。

そしてチュートリアル終了・・・

アイエエエ!?シャレード!?シャレードナンデ!?

きっとこれは妖精さんのしわざ。20年近く満たされない欲求が熱のせいで暴走し、脳ミソがエラー吐いているのに違いありません。おお、ナムアミダブツ!なんたる禍々しい光景か!



G11シャレード前期CXやん!!
「MATUDOKI・RUSE」(マツドキ・ルース)なんて架空の初期車ですが、凄いビートが聞こえてきそうだぜ!!

サイドマーカーの位置や微妙にフロントが間延びしたスラントノーズな事から、おそらくモデリングデータが後期だったのかと思われます(後期はノーズが長い)

でも前期ノンターボ車ならではの六角形ペンタゴン穴のグリルまでキッチリ再現されているのなら、そんなのは些事と許せてしまえます。

しかもちゃんとCBエンジンが再現され、走行中は本物からサンプリングされたであろう独特の3気筒サウンドが堪能できるのです。(他の車でもエンジン音がシャレードなのがご愛嬌)

TJスペックって、普通に考えたらTimbo Jimboの略なんでしょうけど、まさか中華の天津夏利の型式のTJじゃあるまいな〜

それだけでも発狂モノなのに、オープンワールドの街中や峠を走り回ってバトルやトライアルをクリアすると開放される、カスタムパーツの数々に怯えろ!竦め!
これは、シャレード原理主義者による陰謀なんだ、わたしは詳しいんだ!

G11シャレードならではの、ドルフィントップ。


ノー・ノー・ボーイな後期化も自由自在。




ターボグリルにホワイトパック化。


前期デ・トマソターボ専用グリル。


後期デ・トマソターボバンパー。


デ・トマソターボ風リアスポイラー。


5ドアなのにデ・トマソターボ風サイドステップ


デ・トマソターボ用リアバンパー

海外マニアが作ってる、5ドアのデ・トマソターボが出来ちゃいます。

これも海外マニアがやってるのを見たことがある、G100シャレードGT-tiバンパー流用。(インタークーラー導風口がRH側にもあるのが惜しい)


モデラー氏が歴代シャレードへの造詣が深い事を感じさせる、初代シャレード後期風の斜めスリットグリル。


極め付きの純正フェンダーミラー!!

まさかド初期のカタログモデルの5ドアCXドルフィントップまで再現可能とは!!

そして課金アイテムとしてお出しされる、幻のグループBカーシャレード926R!!(ランサーEXだと思った車の正体)


ソシャゲで課金なんか絶対にしないと誓っていたのに〜マニア様”拷問“の時間です~くっ殺せ。

これぞ、「シャレードマニアの、シャレードマニアによる、シャレードマニアの為のゲーム」

ところがギッチョン!!
初期車にはシャレード以外に、ワンダーシビックのセダンまでもが選択可能なのです。ナニソレ、コワイ!


微妙に語感や意味がシビックっぽいパブリックとは素晴らしいネーミングセンス。当ゲームでも課金アイテムとして用意される3ドアハッチだと他ゲームでも見かけるのですが、セダンとなるとシャレードに匹敵するチョイスでナイスだね。

こちらもカスタムでセダンSi化したり、後期化やUS仕様を作れちゃうのでメチャクチャ遊べそう。



モチロン、この手のゲームでお約束の、AE86、S13、FD、インプにランエボあたりの定番車も収録されており、マニアック過ぎないようにバランス調整されてるんですが、それ以外にも他ゲームでは見かけない顔ぶれがチラホラ。

81チェイサーは、前期化できなかったりサイドウィンドワイパーが無かったりで、拘りという点では少し残念な仕様。


六本木カローラなBMW3シリーズは、ワゴンボディのツーリング化も出来るんで、広報車の赤ボディ・白メッシュホイールが作りたいな~



グラフィックが使い回せるのに中々見かけない、北米仕様の240SX、いわゆるワンビア。


14台しか収録してないのに濃すぎ、ヤメロー!ヤメロー!こんなのってないぞ…Timbo Jimbo=サン、いい加減にしろよ・・・イイゾ、モットヤレ!!


Posted at 2024/03/13 18:51:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2023年07月06日 イイね!

中華のミニバン型シャレード② チャイニーズ・バレット(中华子弹头)CHB6401TAのすべて

「竜頭蛇尾(りゅうとうだび)」
初めは勢いがよいが、終わりのほうになると振るわなくなること。頭は竜のように立派なのに、尾は蛇のようにか細くて、前と後とのつりあいがとれない意から。

・・・かつて名実ともに、そんな中国の故事を思い起こさずにはいられない、中華シャレードのミニバン型コピー車が存在していました。


●チャイニーズ・バレット(中华子弹头)CHB6401TA

天皇陛下のインテグラ(DA型)のフロントフェイス。


スプリンター・カリブ(E90型)のリアスタイル。


そしてシャレードの経済性と耐久性(汚ねーエンジン)





かくして、その実態は!?




北京中華汽車のチャイニーズ・バレット!!


「北京中華汽車」は、アメリカで複合材料を専門とする科学者として成功した、唐金生という人物が1994年に設立した会社です。

唐氏は、それ以前の1980年代にも「深圳中国汽車公司」というメーカーを立ち上げていました。

「深圳中国汽車公司」が1987年~1988年に生産した中華BS111Vは、1986年に販売された天津ダイハツの初代夏利をFRPでコピーした、最も旧い中華シャレードコピー車の1台と思われます。


ただコピーするだけではなく、ソシアル風セダンやピックアップなども生産されていました。


う〜ん、何たる尊厳破壊!!

天津ダイハツが1989年にG100シャレードベースの2代目夏利の生産に着手する以前、1988年には既に欧州仕様(ヘッドレスト形状より)をコピーしたピックアップボディを試作。

パワートレーンを輸入したと思われる木箱にダイハツの刻印がある辺り、おそらく何らかの形でダイハツが関与してるんじゃないでしょうか?

しかし「深圳中国汽車公司」は、政府から安全性に問題ありとされ全国に自動車を販売する許可を得ることが出来ず、失意の唐氏は自動車への複合材料の「焼き入れ」理論に興味を持ったゼネラル・モーターズの招致でアメリカに渡る事になります。

そしてアメリカで有名な科学者になった唐氏は、1992年に中国自動車業界にカムバック!!
アメリカ帰りというネームバリューを活かし、あっさり政府から自動車生産許可をもぎ取るのです。

「チャイニーズ・バレット」は、中国にとって革命的な自動車となることを目標に中央政府から各種の政治的支援や資金援助を受け開発され、唐氏の専門分野を活かした一体成型のFRP製ボディに、ダイハツとのコネクションを活かして入手した夏利のパワートレーンや各種パーツを組み合わせて、1996年より販売が開始されました。

【外装】
厳密にはミニバンじゃなくてステーションワゴン?
でも日産プレーリーにインスパイアされてハイルーフ化してるらしいんで、やっぱりミニバンという事にしておきます(笑)



こうも様々な要素が露骨にパクられるなんて、逆説的に言えば当時の日本の自動車産業が世界に与えた影響が偉大過ぎるのでは・・・しかし、あのトヨタですら最終ヴィッツで払拭面積を確保するのに難儀したと言われている1本ワイパーは、まともに使いモンになったんだろうか?

ドアパネルだけは夏利のプレス品をそのまま使用。横から見るとシャレードのバリエーションなのが、よく分かります。

FRPのボディは錆びないけど、ドアだけグサグサ。

いくら草ヒロでもシャレードは、こんなに錆びないので製造品質は中華クオリティ。なんでもベースの夏利もホワイトボディが雨ざらしだったんだとか。

一体成型ボディの弊害で、まさかのリアゲート無し!?

剛性は高そうですが、トランクの荷物を出し入れするのに一々リアシートを倒さなくゃいけないのは使い勝手最悪かと。

テールレンズは上海GMで生産されていたシボレー・ルミナAPVの物を流用しているようです。


【内装】


内装は、汎用品と思われる4本スポークのステアリングを除いて、シートやドアトリムなども夏利と完全に共通です。

【マイナーチェンジ】
発売翌年の1997年、流石にインテグラをパクったデザインにクレームが入ったのか、ヘッドライトが一般的なものに差し替えられ、それに伴いバンパー形状も変更されています。


1998年には、新たに始まった環境規制に対応する為、EFI化がマストとなった結果、エンジンを日産製GA16DE(パルサーX1Rと一緒のエンジン)に換装、同時にフロントマスクが近代化されています。

FRP製軽量ボディ(800kg)にテンロクツインカムとか、絶対速いヤツですやん。

【輸出仕様車】
正式に輸出された訳ではありませんが、1997年にGMが研究用として購入した個体が、アメリカ大陸の土を踏んだ最初の中国車になったそうです。



【試作車】
インテグラ顔のソシアル、こっちはハイルーフじゃないので車体骨格自体も夏利のコピーかと(もちろんFRPボディ)

それより、後ろに写ってる「力のキャリィ」(ST20?)っぽい箱バンのフロントドアノブが国内仕様と違うのが気になります。(日本仕様・縦型 中華仕様・横型)

1997年に北京タクシー管理局は、チャイニーズ・バレット5台購入につき、ちょっとやそっとでは認められない新たなタクシー運行の認可を1台分割り当てると規定する方針を発表しました。その為、北京のタクシー向けだけでも約2000台が発注されたと言われています。

そうやって官民一体となり鳴り物入りで登場したものの、ボディにクラックが入る、自然とガラスが割れる、ドアが閉まらなくなるなど、あまりにも品質が悪過ぎて多くのタクシー運転手や乗客からブーイングが続発。
しかも殆ど手作業で樹脂の積層をしていた為、生産効率も上がらず500台程度が生産されただけで、敢え無くチャイニーズ・バレットの生産は1999年に終了、翌2000年に北京中華汽車の工場は閉鎖されてしまいます。

ですが、そこはコピー大国な中華大陸のこと。
シャレードをコピーしたチャイニーズバレットのさらにコピー車が爆誕!!止まるんじゃねぇぞ。


●ボーラ・シードゥン(宝来喜登)EQ6400PL

2002年3月28日に開幕した順徳国際自動車展示会の外ホールにて、シトロエンや日産を現地生産していた「東風汽車集団」の小型商用車部門と、謎の新興企業「珠海雄牛高機能複合材料有限公司」が共同開発した新型MPVが、事前告知なしで突然発表されました。

あれ? 

見てのとおり、生産中止となったチャニーズバレットの生産設備や基本構成をまるっと流用して、いっちょ上がりしたんでは?


当時最新トレンドだった、プジョー206のチャイニーズアイを逆輸入した中華車という高度なギャグ?


リアスタイルのモチーフがスプリンターカリブなのは同じながら、デザインがE90型からE110型っぽく進化、今度はちゃんとリアゲートを備えるように改善されました。


価格は夏利の半額程度でしたが、高級モデルにはABS、パワーウィンド、パワードアロック、革シート、パワーステアリング、CDも装備し、2002年5月1日に販売を開始、年産2000台を予定します。

さらに同社のゼネラルマネジャー尚忠旭氏は、2002年下半期に5万~8万元相当のセダンの生産プロジェクトを始動、その後に約20万元相当のオープンスポーツカー(中身はシャレード)や50万元以上の超ロング(6、8メートル)リムジンなどを順次投入し、3年以内に自動車生産を1万台以上に拡大する計画をブチ上げます!!

まさに絵に書いた餅、お可愛いこと。
因果応報と言うか、やっぱり必然だったのか、元ネタが厄ネタであるだけに品質の重大な欠陥は相変わらず、僅か2546台のボーラ・シードゥンを生産しただけで、あっという間に合併会社は解散してしまうのでした。

そんな両車も、品質問題や大都市圏での公害防止条例による強制廃車処理により現在では殆ど残存せず、歴史の闇に消えていったかと思いきや、世の中には奇特な方がいらっしるものです。

アセットコルサというレースゲームに有志がモデリングした「チャイニーズ・バレット」が参戦!!


オリジナルのノンターボ1リッターでは勝負にならないことから、エンジンは後期の日産GA16DEの他、何とシャレードGT系に搭載されていたCB70型1リッターツインカムターボも選択可能なのだとか。


シャレードと一緒の内装まで再現され、ファンタジーと割り切っても胸熱過ぎる


シャレードの登場するゲームというとPCエンジンのゼロヨンチャンプがありましたが、まさかこんな形で遊べようとは、良い時代になったモンです。
Posted at 2023/07/06 22:00:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2023年06月18日 イイね!

中華のミニバン型シャレード① アンダー(安達爾)AAQ6370のすべて

アグネス・ラムのCMが印象深い、G200系シャレードベースのミニバンこと、最後のシャレード直系「G」シリーズとなる、G300系パイザー。


コンパクトサイズのミニバンの先駆けとして、1996年のデビュー直後こそスマッシュヒットを飛ばしますが、その後はライバル車に埋没。
いつものダイハツ白ナンバー登録車のお約束コース、ドマイナー街道に1台さまご案内〜になったのでお馴染みかと思います。

わたしも、かつて前期1.5CX・シャンパンゴールド・4駆・MT・サイドウッドパネル仕様を譲っていただき乗っていました。今でも手元に置いておけばと悔やんでいる、パッケージングと走りのバランスに優れた良い車だったんですがねぇ。

しかし、そんなシャレードベースのミニバンが、大好物のG100系にも存在していようとは、このイカ男の目をもってしても読めなんだわ!!

とは言っても日本国内や欧米での話ではなく、毎度お馴染みの魔改造車の坩堝(るつぼ)、中華の地での話なのですが・・・

かの地で、国民車として愛された天津ダイハツ製シャレード「夏利」(シャーリー)。


惜しくも2016年に製造が終了し、2020年には製造メーカーの「天津一汽夏利」自体も、親分の「FAW」(中国第一汽車集団)から1元(約20円)で身売りされ「夏利」ブランド自体が消滅してしまった訳ですが、往時の「天津ダイハツ汽車」は提携元のダイハツに内緒でこっそり夏利の生産ライセンスを小規模メーカーに供与する事業で儲けていたようなんです。

今やベンツやボルボの筆頭株主となった「吉利」(ジーリー)、最初の量産車となった「豪情」や、それをベースとした一連のシリーズも、まさにそのケースだったようで。

ベンツ顔のシャレードとかいう真夏の夜の悪夢。こんなコンプレックス丸出しのデザインをしていた会社がベンツの親分になろうとは、なんと因果な。(吉利のシャレードシリーズもオモロイので特集したいな~)

もちろん、ライセンス供与を受けていたのは一社だけではなく、中華のお約束でもある非公式なコピー車も合わせれば、名状しがたいシャレードのようなナニかが無数に。

粗悪なコピー車の一例、作画崩壊したキャベツのようなシャレード(笑)

人民解放軍・第5408工場に源流を持つメーカーである小規模メーカー「リンコン」(陵港)が90年代初頭に生産していたKJ6380型ハッチバックなんて、もうナニが何やら?

おまけにソシアルとは似ても似つかない、6ライトのセダンボディ(ショートボディとロングボディの2種類)の存在も確認されています。

おそらく中身は長安アルトのコピーと思われ、ヘッドライトユニットやテールランプだけはサプライヤーから購入した夏利の本物っぽいところが、実にチャイナクオリティ。

主にタクシー用途に用いられ、一部は公安局のパトカーとして採用されていたようです。


━ そんな、イカがわしい魔改造車の中に、ミニバン型シャレードも存在していました!! ━


■アンダー(安達爾)AAQ6370

安徽省の大都市、安慶市に本拠を置く、小規模自動車メーカー「安徽安慶汽車工業」は、現地生産された日本の軽バン(特に天津ダイハツ製まゆげハイゼット)をベースに、都市圏で主流となっていたミニバス型タクシー「面的」で問題視されていた安全性の低さを是正すべく、1991年に次世代型タクシー車両を目指した5人乗りミニMPVの開発に乗り出します。

それに伴い、安慶市は1993年に「全市の力を利用し、全市の知恵を結集し、安慶市の自動車産業を発展させる」との目標を掲げましたが、小規模メーカーの宿命から、全てを自社開発する事は難しく、プラットフォーム、パワートレーン、各種パーツを夏利TJ7100から流用する形で開発が進められました。

車名も安慶市民から公募された「無事到着すれば安慶は繁栄する」という意味の語呂合わせの「安達」(アンダ)に一旦は決まったものの、商工局から黒竜江省に安達市がある為、行政区と同じ名前は使えないとダメ出しを食らいます。
そこで、苦し紛れに「安達」(アンダ)に「爾」(エー)を加えた安達爾(アンダー)が誕生します。


1995年にアンダーは正式に発表、奇しくも本家パイザーと同じ、翌1996年に生産が開始されました。


【外装】
う〜ん、フロントのブリスターフェンダーからリアまで続くサーフィンラインが、実にシャレード風味。



ちゃんとシャレードとしての要素が残されている辺り、雑なカーコラにしか見えなくて、とってもキモい(褒め言葉)

リア周りはもっと顕著にシャレードまんまで、テールゲートやテールランプは夏利の部品を流用。ルーフがどれだけ高くなっているか、よく分かります。(クリアテールは非オリジナル)




【内装】
ダッシュボードもエクステンション噛ませたシャレード。

デフロスターが仕事してない気が・・・

リアシート空間は、流石にミニバンだけあって広くて快適そう。

でも着座位置自体はシャレードと同じで、無駄に頭上空間が広いだけかも?初代ムーヴの試乗記で必ず指摘されていたポイントなので、妙なシンパシーを感じずにはいられません。

【パワートレーン】
エンジンも 、シャレードのCB型由来の993cc 3 気筒、47馬力に4速マニュアルが組み合わされ、車重はシャレードより150kg程度重い950kgだった為、動力性能はお察しの通り(最高速度110km)

【マイナーチェンジモデル】
2001年頃、マイナーチェンジを実施しています

コーナーレンズが夏利と同じ物に変更された他、ダッシュボードが新造されました。

近代化を図ったんでしょうがクオリティ低過ぎなプラスチックのお化け、これならシャレードのダッシュボードの方が良かった気が?

こんなんでも発売直後は当初の想定通り、7つの都市が一度に100台以上をタクシー用に発注。1996年の安慶汽車工場の年間生産台数は 1,136 台に達し、生産額は 8,000 万元を超え、わずか 3 年間で生産額は 100 倍近くに増加する好調なスタートを切ります。

しかし好調だったのは最初だけ。
大手メーカーが小型MPVの販売に乗り出すと、あっと言う間に販売不振による赤字に転落。2003年6月に「安徽安慶汽車工業」は倒産し、アンダーの総生産台数は僅か5000台程度に終わってしまうのでした。


ククク・・・だがな奴は四天王の中でも最弱。
まだまだ夏利ベースの中華魔改造車の世界は奥深いのです。

次回は、天皇陛下のインテグラ(DA)のフロントフェイス、スプリンターカリブ(AE95)のリア廻り、2代目プレーリーのユーティリティを持つ、ミニバン型シャレードをお送りしたいと思います。

それでは皆さん、See you nextバイバイ。
Posted at 2023/06/18 23:37:37 | コメント(1) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記

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