(313)自動車CMシリーズ～15～

前回の続き

今回紹介するCMは、



1985年9月から1988年1月にかけて発売されたホンダのJW1型初代トゥディです。
CMに出てる方は、歌手の今井美樹さん。
当時は歌手デビューする前で、モデルや女優活動をしていました。
そしてCMに使われている楽曲はこちら…



1985年9月発売、来生たかおさんの18枚目シングル「はぐれそうな天使」です。
来生たかおさんは主に作曲家活動をしており、以前に紹介した薬師丸ひろ子さんなど、様々なアーティストに楽曲提供をしてヒット曲も出しています。
来生さん自身も、薬師丸さんのときにも言いましたが「夢の途中」などヒット曲を出しています。
元々はこの曲も楽曲提供だけの予定でしたが、歌い手が決まらなかったため来生さん自身で歌うこととなったといいます。
　

そしてトゥディについて。



JW1型トゥディは、4ナンバーの軽ボンネットバン（商用車）として発売。
登場当時のホンダの軽は、



軽トラやキャブオーバーのライトバンがあったアクティやストリートのみで、



軽ボンネットバンは1974年まで発売されたライフステップバン以来11年ぶりでした。
JW1型のトゥディは、丸形ヘッドランプはエンジンフードとフロントバンパーにまで食い込み、リアコンビネーションランプはリアバンパー内に設置。
またフロントワイパーはシングル式とユニークな仕様で、全体にスラント&ショートノーズデザインのスタイルが印象的な車であります。
シリンダーが水平近くにまで前傾されたエンジンの下にデファレンシャルギアを配置することによって、エンジンルームの全長を抑えて広い室内空間を実現。



CR-X（2代目）よりも長い2,330mmのホイールベースと広いトレッド（前:1,225mm・後:1,230mm）により、最小回転半径は大きかったものの、当時の軽自動車を凌駕する操縦安定性を確保しました。
いわゆる『M・M思想』（Man-Maximum・Mecha-Minimum）に基づき開発されたこのレイアウトの発案者は、



後の本田技研4代目社長、60年代の第1期ホンダF1プロジェクトに関わり、NSXの開発企画などにも関わった川本信彦さんでありました。
ちなみに、



無限からJW1向けのRoopaというボディキットが発売されていました。
ウーパールーパーをモチーフにしたデザインで、



後部の灯火機類はマツダ・ポーターキャブのものが流用されていました。



そして、CMは



同じ曲ながらアーティストが来生たかおさんから変わりました。
歌っているのは…



岡村孝子さんです。
1986年3月に、3枚目シングルとして発売されました。
シンガーソングライターである岡村さんのソロ名義で発表された曲の中では、唯一作詞・作曲に関わっていない曲です。