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2024年04月28日 イイね!

セリカGA61型 プロペラシャフトOH作業


セリカGA61型は人気車種の一つで、プロペラシャフトを心配される方が増えているようです。あまり間隔をおかずオーバホールのご相談がありました。

今回も車両情報を教えていただけました。
1983(昭和58年)年式 セリカ GA61型
1G-GEU型エンジン 5MT
86300km走行

1G-GEU型エンジン紹介
1G-GEU型エンジンはヤマハが開発した直列6気筒2000ccエンジンで、当時最新鋭の技術(DOHC、4バルブ)が盛り込まれて高性能エンジンでした。

融雪剤の影響が強い地方で20年以上不動車として放置されていたセリカGA61型を起こされたそうですが、サビが強く出ていることを心配されていたことと、ジョイント内部の潤滑状態を心配されてオーバホールを検討されたようです。

依頼品が到着したので外観を観察していきます。
比較的低走行であるわりにウエイトの端部やパイプ部にサビが強く出ていて、ジョイント部分も状態が心配になるほどサビが出ていて融雪剤や放置の痛々しさを感じます。首振りは引っかかりやクリック感など出ていて動きの滑らかさは失われつつあったようでした。


早速非分解方式のジョイントを分解していきます。
スパイダーのキャップ部分がサビの影響なのかもろくなっていて割れてしまい抜き取りが大変だったところが何か所かあり苦労しました。スパイダー内部はもちろんかなりの距離を無交換で走ったエンジンオイル並みに真っ黒になり、グリスの粘りはほとんど感じられませんでしたが、流れ出てはいなかったので潤滑が失われておらず摩滅などによるヨークの破損などはなかったので一安心です。


ヨーク部のサビや積もった油分の多いホコリをでるだけ清掃して新品ジョイントを組んでいきます。センターベアリングは比較的最近に交換済みだったということでとても軽く回転していました。パイプ部のサビがとてもひどく落とすのになかなか苦労しました。




新品スパイダーを組み込み、回転中心を0.01mm程度まで時間をかけて位置決めして固定を行い、回転バランス調整を測定限界近くへ納得するところへ持っていき完成としました。純正軸より相当高精度・低振動に仕上げています。


長く不動車だったものを起こすのは大きな労力が必要と思いますが、再出発に向けて大きな一歩を踏み出せて、これからも長い期間をセリカにはがんばってほしいものです。

Posted at 2024/04/28 23:29:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ
2024年04月27日 イイね!

スカイラインER34型 プロペラシャフト第一軸製作


チューニングショップからER34型プロペラシャフト第一軸の製作依頼がありました。定期的に製作依頼をいただき、気に入ってくださっているようです。

ER34型のMT用プロペラシャフトはすでに純正部品は廃番になっていて、古さを感じさせる中古シャフトでもかなりの高値になっているそうです。ER34型はMT化のベース車両として人気が高いそうで、この第一軸プロペラシャフトはとても貴重な部品になっていると聞きました。個人的にはかなりの年数使って潤滑状態のわからない中古シャフトは心配を感じてしまいますが…

構成部品は在庫していますので新品製作をしていきます。
強度と振れ精度を両立し、回転バランスを測定限界近くまで詰め、なめらかに走ってほしいという思いを込めて製作しています。


このショップ様からはJZX110用シャフト製作も相談されていますので、現在構成部品を検討中です。

Posted at 2024/04/27 00:54:05 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ
2024年04月21日 イイね!

セリカGA61型 プロペラシャフトOH作業


5年ほど前からプロペラシャフトが心配だったという方からオーバーホール依頼をいただきました。

依頼車両は、
昭和60年式(1985年)
セリカxx 2000GT ツインカム24
GA61型 1G-GE型エンジン
5MTミッション
車重 1230kgほど
現走行距離 約23万km
マフラー以外は完全ノーマルとのことです。
1G型エンジンは直列6気筒のようで鼻が長いですが大変スタイルもよく直6エンジンの滑らかさも際立っていそうです。


プロペラシャフトはたぶん今まで無交換だったと思われますが、点検でジョイントが渋いのではないかと感じられたそうで、以前から私にオーバーホール依頼をしようと考えていたととても嬉しいお言葉をいただきました。

整備工場で外されてご送付いただきましたので外観や現状動作の点検をします。
外観にはヘコミなどありませんでしたが、若干サビや塗装の白化が出ていてジョイントの外観もくたびれた雰囲気が漂っています。首振りはおおむね良好ではありましたが、トランスミッションから出たすぐのところの第一軸ジョイントに強めの渋さが感じられました。センターベアリングは数年前に交換されたそうで問題なさそうとのことで今回継続使用することになりました。






非分解方式ジョイントをバラしていき、潤滑状態をチェックします。
グリスではなく茶色のオイルになっていましたが、スパイダーの軸部にテカリなどもなく潤滑が切れていませんでしたので、雪や雨の影響は少なかったと思われます。


サビが浮いている純正ウエイトを取り除き、新品スパイダーを組み込んで回転中心をほぼ振れゼロまで時間をかけて追い込んでいきます。回転バランスは測定限界近くまで追い込んで完成軸としました。




返送したシャフトを装着された感想をお伝えいただきました。
「ようやく取り付けました。
なんかすごいです!めちゃくちゃ静かです!雨でそこまで回転を上げられなかったのですが、整備工場のおっちゃんも試運転して驚いていました。一番感じたことは車体が100kgくらい軽くなったような印象です。週末いつも通っている峠の上り坂をすいすい上ります!まだキツネにつままれたような感じですが、じっくりと実感していきたいと思います。」(ほぼ原文)
名車の再出発に立ち会うことができました。

今までのオーバーホール完了品でも車が軽くなった、前に進みたがるようになった感じがするという印象を何度かお聞きしてきましたが、シャフト自体は現車装着されていたものをジョイント交換と回転バランス調整でなぜこんなに体感が変化するのか不思議です。

Posted at 2024/04/21 22:39:18 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ
2024年04月16日 イイね!

ランクルFZJ80G型 ダブルカルダン加工


整備工場様から電話をいただき、ランクルのダブルカルダンジョイントへの変更を考えているという内容でご連絡をいただきました。

ベースのシャフトが送られてきましたが驚きました。同じ仕様の車が二台あるということで新品フロントシャフトが二本きました。新品をお預かりするまでになったのかとなんだか出世した気分になりました。


ランクルはフロントとリヤでフランジ寸法が変わっていますので在庫を確認しましたが、ダブルカルダン加工の依頼は最近盛り上がってきているようでフロント側のジョイントがわずかになっていましたが、今回はあまりお待たせせずに手配ができたので一安心でした。

寸法の変更はなしということで、長さが変わらないように注意しながら切断し、振れを極小にしながら溶接をしていきます。伸縮部が大変長いのでバランス重りをつけるところが片側にほぼなく、このシャフト形状は毎度苦労しますが良好な回転バランスに仕上げて完成させます。


角度がきつめなフロント側での加工依頼が多いですが、常に駆動しているリヤ側シャフトをダブルカルダン化すると、加速の滑らかさ、燃費向上など著しく走り心地が向上するのでフロントよりリヤをまずダブルカルダン化すべきだとまで言う方までおられます。どちらのジョイントもできるだけ在庫を切らさないようにしていますので、お尋ねください。

Posted at 2024/04/16 20:32:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ
2024年04月12日 イイね!

ソアラGZ20 プロペラシャフトOH作業


旧車販売に強い販売店様から振動問題が発生しているというソアラGZ20型のプロペラシャフトについてご相談をいただきました。

ソアラはえらく格好いい車ですね。バブル時代を体現したハイソカーという扱いだそうですが、今自動車メーカーが販売したらものすごく売れそうな気がします。
私は特にリヤから見たデザインがとてもいいと感じます。
ソアラ E-GZ20 2.0ツインターボL(GAZOO記事)

今回ご相談あった車両は、たぶんツインターボのグレードではないだろうと思われますが、お客様が購入された車両を一緒に試乗した時に50km/h前後で振動を感じたのでセンターベアリング交換を行ったところ、振動が70km/hくらいにシフトしてしまい、プロペラシャフトを根本的に治療しないとだめだという店長判断になって私にご相談をくださったそうです。

送られてきたシャフトを観察します。
特に第一軸にサビが強く出ており、第一軸と第二軸のデフ側のジョイントは軽い首振りでしたが、中央部はクリック感が強く出ていて内部は劣化したオイル状になっているんだろうなと想像がつきました。




センターベアリングは交換済みとのことでとてもスムーズに回転していました。かなり複雑な形状で、補強の役目を持たせているのかなと思いました。


非分解方式のユニバーサルジョイントでしたが、十字スパイダーにもサビが強く出ていて今まで頑張ってきた歴史をねぎらいたくなる雰囲気でしたので、三か所すべての交換を提案し、了承をいただいてからバラしていきます。後ほど回転バランスも取り直しをしますので、純正でつけられていたウエイトもすべて取り除いていきます。


スパイダーのキャップ部がもろくなっていて割れてしまったり固着でなかなか動かず抜きずらかったりなど、取り外しは簡単ではありませんでしたが、様々な抜き治具を駆使して抜き取りました。


内部の状態は予想した通りで粘りは完全になくなり、茶色のオイルになっていました。でも潤滑があったので摩滅などによる破損がなかったのはとても喜ばしいことです。


スパイダーは幸いにも在庫品が使えたので新品に交換し、驚きの軽い首振りとまったく引っかかりのないスムーズな動きであることを確認して自己満足をしたあと、回転中心を0.01mmほどまでじっくりと詰めてから固定し、測定限界近くまで回転バランスを追い込んで完成としました。


第一軸に大きめの振動が出ていたので、振動は第一軸が原因だったかもしれません。今回超低振動軸となったので、実車に装着してもらってからどのような結果になるかを緊張感をもって見守りたいと思います。

日本の自動車黄金期を支えた車がプロペラシャフトを通して生き返っていくのを感じるのは強く深い感慨を感じます。

Posted at 2024/04/13 00:19:59 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ

プロフィール

「等速ジョイント プロペラシャフト製作 http://cvw.jp/b/277037/43253398/
何シテル?   09/11 17:18
メリオス有限責任事業組合 です。 群馬県で車体加工車の仕事をしています。 http://merious.com/ プロペラシャフトの奥深さに取りつかれ、超...
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