ヒーターバイパスソレノイドバルブ取付①(心臓バイパス手術)
目的
チューニング・カスタム
作業
DIY
難易度
中級
作業時間
12時間以上
1
NA、NBロードスターに乗っている方は、真夏エアコンをガンガン効かせたいと思っても、だんだんと足元が暑くなってくるのを感じていると思います。そしてそれと共にエアコンの効きも悪くなってくる。
じゃあ、ヒーターの温水を室内に引き込まないようにバイパス経路をつくってしまえ!そしてバイパス経路ON/OFFを運転席のスイッチで切替えられるようにする!!これがこの改造のコンセプトです。
完成前後の写真です。
ウォッシャータンクがあった場所に
ジャガーS-type用のヒーターバルブ(ヒーターバイパスソレノイドバルブ)を装着しました。
ウォッシャータンクは、ロードスター定番のスズキ カプチーノ用を購入し移設予定です。
はい、現在ウォッシャー使えません。
後日追記:ウォッシャータンク移設しました。
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まずは簡単に、ロードスターのヒーター・エアコンのしくみから説明します。
ロードスターのスイッチパネルと室内のヒーター・エアコンユニットが対応するように図を描いてみました。
①ブロワファンのスイッチを入れると、内気循環/外気導入の切替えに応じて、空気を取り込みます。
②A/CスイッチをONにしていると、コンプレッサーが回り、エバポレータという小さなラジエターのような部品がキンキンに冷えます。そこを空気が通り抜け、冷たい風になります。(A/CスイッチOFFだと常温のエバポレータを空気が通り抜けるだけなので温度は変わりません。)
③エンジンの暖気が終わると、エンジンを通過した冷却水(LLC)は90℃~100℃近い温度になってヒーターコアを通過します。これが諸悪の根源なのですが、真冬でA/C OFFの場合、このヒーターコアを空気が通過して暖かい風になります。温度調節レバーを一番左(MAX COOL)にすると室温+αくらいのなまぬるい風が、レバーを一番右(MAX HOT)にするとすべての風がヒーターコアを通過するので、真冬のオープンでもコーヒーを保温できるほどの暖かい風が出てくる訳です。
一方、真夏にA/CスイッチONにすると、キンキンの冷たい風が、温度調節レバーに応じて、ヒーターコアの暖かい空気と混ぜられて、温度調節できる訳です。
ヒーターコアもエバポレータと同様に小さなラジエターのようなものです。冷却水が流れている訳ですから、こちらはホントに小さなラジエターなのです。
もしエンジンがオーバーヒートし、何とか自走でだましだまし家や整備工場まで行きたいとき、A/C ON、MAX HOTにすれば、冷却水の温度は多少下がるはず。冷却水が抜けてなければですが…
話がそれました、本題にもどります。この猛暑では、ほとんどの方が温度調節MAX COOL固定で乗っていることと思います。でも常にヒーターコアはアツアツです。風が通過しないとはいえ、プラスチックの板切れ一枚で隔てられているだけです。いや、ヒーターコアのうしろ側は隔てられてさえいません。この熱気がせっかく冷やした空気を無駄に温め、さらに足元全体をモワーっと暑くする原因なのです。じゃあ、このアツアツの冷却水がヒーターコアを通過しないように、バイパス経路をつくり、温度調節したくなったときは運転席のスイッチで切替えて、ヒーターコアに冷却水を取り込めばよいと考えました。
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ジャガーS-type用のヒーターコントロールバルブです。詳細は関連URLのページをご覧ください。
AmazonでDuokonというブランド(おそらく中国のコピー品)が549円というとんでもない値段で売られています。私はこれを買いましたが、不安な人は純正品やもう少し値段の高いコピー品を購入してください。
BOSCH製純正品:2万~3万円くらい
コピー品:8千円前後
ジャガーS-type用にこだわる必要もありません。このバルブは、さすが高級車だけあって、運転席用・助手席用2系統のヒーターコアの温度調整ができるように、2個のソレノイドバルブが付いています。ロードスターには当然2系統必要ありません。安いからこれを選んだだけです。
フォード フィエスタ用のものが、ソレノイドバルブひとつで2500円ほどで売ってますね。詳しく調べてませんが、もしかしたら使えるかもしれません。
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これがジャガーS-typeの冷却水経路です。ヒーターコアが一つしかないように見えますが、一つのヒーターコアが2分割された構造になっているのか、実際は2個のヒーターコアがあるのかわかりません。ロードスターでは当然1系統だけでよいので、2系統の出口をひとつに合流させてから、ヒーターコアに入れることにしました。
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これがロードスターの冷却水経路です。エンジンの熱を奪って熱くなった冷却水が、2枚目の図のヒーターコアを温め、ウォーターポンプへと帰っていきます。
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ヒーターコントロールバルブを設置したイメージです。ソレノイドのスイッチがOFFの場合、エンジンから出た冷却水は、HOT WATER INというところに入り、二又の出口から出てきます。これを先ほど言った通り合流させ、ヒーターコアへ行きます。暖房や冷房の温度調整でぬるくなった温水が、またコントロールバルブに戻ってきます。そして、WARM WATER RETURNという出口からエキマニ付近の金属パイプをとおり、ラジエターで冷やされた冷却水と合流し、ウォーターポンプへと帰っていきます。
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ソレノイドのスイッチがONになると、二又の出口が閉じられ、前の図でいうHOT WATER INとWARM WATER RETURNがバイパスされ、冷却水はヒーターコアを通過することなくウォーターポンプへと戻っていきます。
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これが、ソレノイドON/OFFを切り替える(=バイパスのON/OFFを切り替える)スイッチです。
どこかで見たことあるロゴですが、スイッチを入れてもウォッシャーからビールは出てきません。
②へつづく。
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