暖機途中のエンジン不調
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
先月、車検整備へ出した後、突然のエンジン不調が発生。当初は整備に関係する復元不具合かと疑ったのですが、結果は違っていました。
ファーストアイドルから暖機までの間に限って起こるエンジン不調の症状として、
朝一番でコールド(冷間時)スタートし…
2
1.ファーストアイドル1200rpm程度で安定
※以前より少し回転数が低くなった気も…
外気温が高くなったせいもあるかと…
2.時間が経つにつれ、水温が上がりエンジンが暖機されてくると徐々に回転数が低がり(下がり出しまでは正常)、そこからエンジン不調が発生。
※回転が下がりだすのが少し早い気がします。
3.水温計の針の目視位置で大体55°〜70°付近(針が動き始めるかどうかのあたり)から回転がバラツキ(息付き?)はじめ、回転数が低下しエンジンが停止しそうなくらいの回転数に!
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4.エンジンが停止するくらい回転数が低くなり、そこからISCVが働くので回転数が急激に上昇、(約1300〜1400rpm位)
※綺麗なハンチングでは無く、ボッボッボッから、ボワーンという感じ
※エアコンONでもOFFでも症状は同じ
※アクセルを踏むと息付きしながらなら吹け上がる
5.一旦、回転数が上がったと思ったら、そこから回転がまた落ち込み、暫くの間、同じ現象の繰り返し(約十数回ほど)
(時間にして完全に暖まるまでの2分間位?)
6.そうこうしている内に水温が上がりきると、アイドリングが安定(800〜850rpm位)ベースアイドルの設定値。
エアコンONの時のアイドリングは、アイドルアップが働き、900〜950rpm位で安定。走行中も自動でコンプレッサーのクラッチがON-OFFするのでアイドルアップもちゃんと働いてる。
※なのでISCVは正常と思われる。
そして走りだして…
7.完全に暖機された状態から走っていると吹け上がりも良く調子が良い。エアコンのアイドルアップもOK
信号で停止していてもアイドリングは安定していて、スタートの際も息付きは無く気持ち良く吹け上がる。
但し、エンジン始動して暖まる前に走り出すと途中からこのエンジン不調が起こる為、アクセルを踏んでも回転が追従して来ず空ぶかしして回転数を上げてやらないと少しの間、走り辛いです。(アクセルを踏んでいてもガクガクしてアクセルとエンジン回転が同調しない感じ)
4
※ISCV、イグニッションコイルは、昨年新品へ予防交換済み
※水温センサー、O2センサーも一昨年前にヘッドG/Kオーバーホール時に交換済み、サーモスタットも交換済み
※燃料ポンプ、燃料フィルターも昨年予防交換済み
症状は必ずこのタイミング、このパターンで決まって起こる。
状態の加減に大小の変化はなく、症状は全く同じ。
想像するところ、温度感知系〜ECUへ至る過程、温度変化で影響するエアー系統に不具合が発生している疑いが高いと考える。
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試み1
スロットルボディ、ISCVを外して汚れを確認するも昨年のISCV交換時に綺麗にしており問題無し。
試み2
続いてECUのデータ消去を(リセット)してみたら、症状が和らいだ気がしたので数日様子見としたが、翌日、また同じ現象が発生。
試み3
今度は試しに手持ちのECUへ交換してみたが、起こる症状、現象は同じで全く変化無し。
※ここでECU不良の疑いはなしと判断
試み4
次にエアフロメーター を疑い清掃するも変化無く、その後、手持ちのスペアと交換してみるも全く変化なし。
※エアフロの不具合も無しと判断
そもそもエアフロが原因なら通しでエンジン不調になる筈…
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整備書に記載の冷間時のアイドル不安定項目、トラブル診断での疑わしき箇所として、ISCV、エア•バルブが二重丸で最も怪しく、その次はECU、水温センサー、バキュームホースの亀裂、またはホースの接続不良となっている。
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なので順を追って見て行く事に…
確認/判定
ホース類の確認
バキュームホース、エアーホースの亀裂、接続状態の確認をするも異常は無さそう
ISCVの確認
まず、ISCVのコネクターを外すと回転数は上昇するのでOK、昨年新品に変えてるしね。
※ISCVの疑いはこの時点で無しと判断
次にエア•バルブの確認/点検
1.冷間時、ダイアグノシスコネクターのGND端子とTEN端子を短絡する。
2.エンジンが温まるにつれ、回転数が下がるか?
回転が下がるなら、エア•バルブは正常、次のステップへ!
※次の点検項目は点火時期のチェック
回転が下がらないならエア•バルブを点検する。
結果
冷えてる状態でダイアグノーシスを短絡しエンジンを始動したところ、暖機後のアイドル回転数のまま!(冷えてるので弱々しく安定して回ってはいるが…)
高い回転数になっていない、これが正しいのか?
冷間時なのに、すでにアイドル回転数の設定値になってるので、この後、暖まってもこれ以上回転数は下りようが無いが…
って事は、エア•バルブが働いていない…
冷間時、(夏で気温が高いとは言え)、朝一番に始動したからクーラント(冷却水)は熱を持っていないので幾らかファーストアイドルの回転数が高くなるものと思われるが…
補足
後に新品のエア•バルブを装着しダイアグノーシスを短絡させエンジンを始動した所、若干高め(約1000rpmくらい)を指し、暖まるにつれ回転数はアイドル設定値まで徐々に下がりました。
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という事で、整備書に従いエア•バルブを外しバルブの稼働点検を実施。
1.エア•バルブを0°まで冷やす
2.エア•バルブの先端部(冷却水が通る部分)をドライヤー等を使用して暖める
3.黒色の樹脂が矢印方向(図では左方向)へ数ミリ動く事を確認する
本体を冷蔵庫で冷やした状態からドライヤーを使って本体のワックスが入ってる辺りを温めて中の弁が数ミリ左側へ移動すれば良いとの事だが…
新品と現品で比較してみた
まずは新品…
※判り易くするためサインペンで印を付けてます。
•新品は、冷やした時点でバルブの位置がかなり右寄りになった
•暖めると左側へバルブが動いたのを目視で確認できた
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と言う訳でエア•バルブの作動不良が原因と断定、新品に交換したところ、若干の同期ズレ感はあるものの症状はかなり和らいだ結果となった。
が、しかし完治と言えるレベルではなかった。
※後にコレが主原因では無い事が判明します。原因のひとつでは有ったのですが、複合的に悪さをしでかしている箇所がありました。
以前に新品へ交換した社外品のO2センサーが故障してました(なんだか短命でした)
http://minkara.carview.co.jp/userid/2790076/car/2389037/12409715/parts.aspx
因みにエア•バルブ交換後は必ずECUデータのリセットを行って、ベースアイドルの調整を行いましょう。
また、点火時期も合わせて確認しましょう。
新品部品への交換は、8ミリのスパナとプライヤーがあれば作業できます。
但し、スパナだけだと固定ボルトの頭を舐める可能性がありますので他の工具を用意する方が賢明かもしれません。
長々と記述しましたが、同じような悩みを持たれるオーナー様方の参考になればと思い、記事にさせて頂きました。
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