2009年09月24日
結構しんどい一ヶ月
さてさて。
またまたえらく開いてしまいましたね。
先月のお盆前に、うちのジジイ(父親)が退院してから、仕事も溜まっていたので、それにかかりきり。
特に、一件個人再生を仕上げるのに大変でした。
ああいう裁判所での手続きは、訴訟ならまだしも、自己破産とか個人再生(※民事再生の中の個人向けの手続き。借金が住宅ローンを除いて5000万円以下の方で、一定の収入がある場合、住宅ローンを除く借金を5分の1から10分の1にした上で、原則3年間で返して残りは免責する再生手続きのこと)は、書記官の書面審査から裁判官の判断となって色々な決定が出るんですけど、この書記官が実にやかましい。
ワタクシたちの業界の中でも、特に大阪地方以外ならご存知ではないこともあるんですけど、実は、意外なことに、日本一忙しい裁判所は大阪地裁堺支部なんですね。
裁判官は勿論、書記官の数に対して事件数が異常に多いからです。
堺支部の建物が、同じ敷地内とはいえ、新築の庁舎に引っ越した直後に、自己破産申し立てをしたことがありました。
…さすがに二週間たってもなんにも言ってこないので、電話をかけたら、疲れ切った声で「まだ読んでないんですぅ~~(涙)」と言われました。今考えると当然ですね(笑)。引越し作業に忙殺されていただろうし(笑)。しかし、本当は二週間経って読んでいないというのは、大阪地裁本庁の第6民事部では考えられません。※同時廃止手続きなら当日、それも出してから一時間程度で方針が決定するからです。
※『自己破産=借金が無くなる』という図式で一般的に考えられる場合がほとんどで、ご相談を受けると3人に2人はこのように勘違いされる。しかし、これは完全に誤解。そもそも破産手続きというものは、申し立てを行い、裁判所から破産手続開始決定が下りると、破産者(個人も会社などの法人も同じ)の財産を破産者から切り離し、別個の法人のような破産財団という集まりに換え、裁判所から管理人である破産管財人(※裁判所に管財人登録をしている弁護士から選任。この管財人にかかる費用は破産者が裁判所に納付しなければならない)が派遣され、破産財団の財産を換価、つまりお金に換えて債権者(お金を貸している人)に借金の大きさに比例して分配する。財産が無かったら、債権者に手続きの状態を説明(債権者集会)して破産手続きが終了し(前者を手続終結、後者を破産手続廃止という)、借金ができた理由に免責不許可事由(※ギャンブルに狂ったとかメチャメチャ高価なものを買い捲ったなどの事情)がなければ、裁判所から免責許可決定(※法的には借金はこの世に残るけれど払わなくてええからね♪という法的拘束力を持つ決定)が下りることになる。つまり、これだけの手続きがあって終わって初めて借金が無くなるということになる。本来、裁判所で破産手続が開始され、廃止されるまで時間があるのが普通で、原則的な手続き。これを異時廃止という。しかし、個人の場合、配るような財産もなく、当然管財人を入れるのに費用倒れのケースが殆どなので、破産手続開始決定と同時に廃止が決定される。手続きの開始と終了が同時なので、これを同時廃止という。実際、法人の破産(…今、一件請け負っているんだよなあ)や財産がある人の破産は少なく、この同時廃止ケースが大変多い…というより圧倒的。で、大阪地裁本庁の第6民事部では、この同時廃止に関しては、申し立て当日、それも出してから一時間程度でそのまま終わらせることを原則としているからたまらない。ただし…一日で終わらせるだけの申し立て書類には、それ相当のテクニックと綿密さが必要。実際には後日色々と提出させられることも少なくないが、提出した側にも責任があると思う。また、免責不許可自由があっても、裁判官の面前での口頭審尋により、事情を事細かに聴かれた上で強く反省を求められ、しかる後に裁量免責を貰う方がかなり多い。
堺に出したものの場合、電話で読んでいないことを確認してから数日して、事細かな質問状(※提出しなかったら管財事件にするよ~♪という脅しつき(汗))が送られて来ました。
このケースでは、口頭審尋にもなるかな?と思ったけれど、何しろ忙しい堺支部。裁判所の命令で、本人直筆の作文というほとんど聞いたことが無い、丸で小学生の反省文を書かせて事無きを得るという実に奇異な経験をしましたね。
裁判所の書記官、特に堺の場合、個人再生でもそうですが、びっくりするくらい事細かに提出書類を読み込んでいるんですよ。ですから、ちょっとでも疑問が生ずると、かなり詳細な質問状が来るんですわ。
このように、この手の手続きを成功させるためには、書記官にいかに文句を言わせないかにかかっています。
そのためには、疑問となる点には全て最初から詳細に説明し、場合によっては証拠になるものを添付するという作業が必要です。
ですので…
異常に分厚い提出書類を毎回作成してしまう癖がつきました。
※いや~~~~~。本当に嫌な受付書記官も多い。一度、経験したくない大喧嘩したことがある(汗)。受付書記官よりも上の席次の書記官に、事前調査で話し合って決めたことなのに、ツンツンとしてえらそうな女性書記官に「ありえない!」と突っ撥ねられかけたことがあった。しかし、そのまま通っているんですよねぇ(笑)…その時は「あんたの上司に聞いてきたんですけどねぇ。で?どこが間違っているの?」と怒ったら、ワタクシよりも激怒して上司にご注進。で、叱られて戻ってきて、しょげ返りながら「それでいいです」などと言っていた。恥を知れ(笑)。反対に、常識から考えると信じられないほど、計算書などの数字から疑問点を暴き出す人もいる。中々有能というべきだろう。そういう書記官からの突込みには、こちらも当然文句の言いようが無い(笑)。ところで、ワタクシの場合、こういう腹立つ経験から、どうしても奴等に文句を言わせない!という誓いを持つようになった。だからこそ、最初から先回りしてかなり詳細に説明する陳述書や別紙説明書などと証拠を付けて説明するため、その場で同時廃止が決定してしまうことも多くなった。通るたんびに「ザマーミロ♪」という気分なのは言うまでも無い(笑)。だから、他の申し立てに比べて、相当分厚い申立書になってしまい、一度、「…二件分ですか?」と呆れられてしまったことがあった(笑)。でも、その後、付けていた書類全てが役に立っているんだから、全然無駄ではありませんよ~。
今日提出した個人再生申し立ての場合、A4コピー紙500枚一冊をほぼ使い切りました。
…勿論、他の個人再生では聞いたことがありませんし、今日他に見た中でもダントツです(汗)。
これも、事前相談で「付けろ!」と言われたものを全て付けたからなんですよ(怒)。
このような事をする度、ワタクシ、フラフラになるので、精神的に落ち着くのはやっぱり出し終わった後なんですよ~。
いや~。
疲れました。
さてさて。
これからは、3件の個人再生、3件の自己破産、20件以上もの過払い金の訴訟です…死ぬかも(涙)。
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閑話休題 | 日記
Posted at
2009/09/24 23:26:48
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