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soundproの愛車 [メルセデス・ベンツ Sクラス]

整備手帳

作業日:2025年4月26日

フロント系全スピーカー交換+多チャンネルDSPでS500をサウンドアップ♪

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目的 チューニング・カスタム
作業 ショップ作業
難易度

中級

作業時間 12時間以内
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メルセデス・ベンツS500の事例ご紹介です。

Sクラスは、メルセデス・ベンツ最高位のモデルとして1972年に産声を上げました。
21世紀に入ってすぐの2002年。よりラグジュアリー性を高めたモデルへの需要に応えるべくマイバッハが登場したことで、フラッグシップの座を明け渡すこととなりましたが、あくまでもSクラスをベース車とした派生モデルであることを鑑みると、依然としてラグジュアリーセダンの根幹をなすブランドであることは、異論のないところでしょう。

Sクラスは1972年の発売以来、6回のフルモデルチェンジを経験しており、現行は7代目(2020年−)のW223型です。
近年のメルセデス車全般に見られるSensual Purity (官能的純粋)思想によりデザインされた、曲線を多用したボディをまとい、ダッシュボード中央にそびえ立つ12.8インチ!というぶっちぎりサイズの有機ELディスプレイが眼を惹きます。

このモニターを通じて、COMMANDシステムに司られるテレビ・カーナビ・ラジオ・ハンズフリー電話といった、近年の乗用車に備わる基本的な機能を利用できるほか、MBUX(Mercedes-Benz User Experience)と称される、メルセデスのインフォテインメントシステムによって、自然対話式音声認識機能、タッチスクリーン、タッチパッドなど、運転者が直感的に操作できる機能が提供されています。


現在のSクラスには、大きくワケてS400/S500/S580の3グレードがラインアップされていますが、今回ご紹介するのはS500の4MATICです。
Sクラスのオーディオシステムの構成は、400dと500の標準オーディオが9スピーカーで、それ以外は15スピーカーを操るBurmester(ブルメスター)ハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムが搭載されています。(この上に4D(四次元!?)サラウンドシステムもあり)

今回のS500は15スピーカーの3Dサラウンド搭載車で、量産車ならではのアンビエントなゆったりした指向性の音で包んでくれますが、オーナー様は、もうちょっと個性が欲しかったのか、音質アップを検討されることとなったようです。
ご縁のあった業者さんに相談したところ、設置済みのスピーカーの交換は出来ないので、上述の「4Dシステム」用のツイーターの増設を薦められたそうです。約28万円と高額ではありますが、施工をお願いしたものの、多少の不具合があって、満足ゆく状態にはならず意気消沈。。

そうこうしているうちに、当店のサイトでS500の施工事例を発見!すべてのスピーカーを交換して、DSPを搭載して一元的に制御している様子を目の当たりにされ、一も二もなくご連絡いただく展開を迎えました。


ご相談の趣旨としては、見つけていただいた事例と同様に、全てのスピーカーの入れ替えと、DSPアンプ搭載という方向でお考えのようでしたが、せっかく付けた「4Dツイーター」がもったいないのでオブジェとして残し、交換用ツイーターはピラー埋め込みにしようという話になりました。
そうすると、インストール費用が少し追加になるので、リヤ方面のスピーカーの交換を省いてコストを調整することにして、プランが固まりました。
結局のところ、
〇フロント3way(ツイーター・スコーカー・ウーファー)の交換
〇センタースピーカーの交換
〇12アンプ内蔵DSP投入
〇上記フロント系7スピーカーとリヤの4スピーカーをDSPアンプで制御
という内容になりました。

費用面では、27万のDSPアンプ、フロントで7つのスピーカー、両ドアデッドニング、25mのケーブル、施工費用一式で800,800円(税込)となりました。

それでは施工の様子をどうぞご覧になってください♪
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以下、コンポーネント紹介です。


〇ヘッドユニットとDSPアンプ
12.8インチディスプレイから操作するBurmesterハイエンド3Dサラウンドサウンドシステムです。
ブルートゥース接続などのインターフェースはシステム側で担い、物理的なコンポーネントとしては、左リヤフェンダー部分にセパレートアンプが設置されています。

ここから、全15スピーカーに向けてスピーカーケーブルが伸びて(一部分岐しているため、根本で15chあるわけじゃありません)いるわけですが、このうち、フロントのツイーター・スコーカー・ウーファー・リアの合計8chをDSPアンプに入力しました。(全く同じ信号が複数のチャネルから出力されているのがわかったので、明確に異なる信号のみ取り込みました)
それぞれの入力信号と、合成される出力信号との関係は、システム図でご確認ください。

使用したDSPアンプはヘリックスのV-TWELVE DSP MKII(税込275,000円)です。
これは今回のように、沢山のスピーカーがついているクルマをターゲットとして開発された商品です。入力はスピーカー出力で12ch(RCA出力で6ch)に対応し、プロセシングできるチャンネル数は、内蔵アンプの12ch+RCAプリアウトの2ch=14chまで対応できるようになっています。

今回は、前述の通り入力側で8ch使い、出力側は11個(フロント7個・リヤ4個)のスピーカーを鳴らす接続になっています。

〇スピーカー
BLUE MOON AUDIOで揃えました。
フロント3wayのうち、高域のツイーターと低域のウーファーは、2wayモデルのVX165 Active(税込110,000円)、中音域のスコーカーは8cm口径のMX080(税込42,900円)で構成し、センタースピーカーとしてもMX080を使いました。
リヤ側については、リヤドアの10センチ口径と、リアトレイの8センチ口径が取り付けられていますが、いずれも純正のままとしました。
DSPによる制御は、フロント3way+センターの7ユニットと、リヤの4ユニットの合計11ユニットに対して行っています。

スピーカーのフィッティングについては、ポン付けできるようなところは一つもないため、全てにおいてバッフルをカスタム製作して、取り付けました。
スピーカーケーブルは、コストを抑えるために極力、純正ケーブルを活かしましたが、DSP⇔純正アンプ間の信号のやり取りのために★20mほど追加することとなりました。


以上をもって、DSP活用による8ch入力→11スピーカー駆動という、多チャンネルアンプを積むラグジュアリーカーの典型的なシステムが組み上がりました。
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フロントドアの外観です。

ブラックとシルバーのコンビネーションがかなりの迫力を醸し出しています。
ミラー裏についているのが、業者さんに後付けしてもらった4Dサラウンド用のツイーター(約28万円!)です。
さすが純正ですね。下方のスコーカーの三角グリルと呼応して、ラグジュアリー感を醸し出しております。

3wayのうち、低音域のウーファー(純正システム上の機能としてはサブウーファー)は、運転席と助手席のキックパネル(つま先の壁)に埋め込まれています。
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ドアトリムを取り外したところです。

ご覧のように、スコーカー(ドアスピーカー)は、インナーパネルに設けられた3本足のヤグラの上に取り付けられています。
この写真だと宙に浮いて、宙ぶらりんな感じに見えますが、ドアトリムを戻すと、スピーカーの正面がドアトリムの裏側にフィットしますので、インナーパネルとドアトリムとの空間をエンクロージャーとするスピーカーとして、それなりに機能してくれます。
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インナーパネル側の作業が終わったところです。

スコーカーがブルームーンオーディオのMX080に代わっています。
「ヤグラ」への固定に当たってはMDFで製作したバッフルを使っており、ユニットとバッフルとの固定には接着剤を使っています。

上述のとおり、スピーカーはある程度、ドアトリムの(スピーカーグリルの)裏側に接近しますが、完全にぴったりという訳ではありません。
従って、スピーカーが前方に押し出した空気の一部がスピーカーの裏側に回り込んで、運動が相殺される現象が発生してしまいます。
これを抑制するために、バッフル面には、audiotechnicaの サウンドプルーフィングウェーブというスポンジ素材を貼って(挟んで)、密着度を高め、スピーカーの前後の縁切りをしています。
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防振加工後のトリム裏の様子です。

ドアの鉄板(インナーパネル)にスピーカーがついている車の場合、そのインナーパネルと、外側の鉄板(アウターパネル)の2枚でスピーカーボックスを形成することになり、(ハイエンド指向でない限り)ドアトリムの防振の必要性は低いのですが、この車の場合、インナーパネルとドアトリムとでスピーカーボックスを形成することになるため、ドアトリムへの防振はマストになります。

写真を省きましたが、内装の裏には、純正の吸音材が一面に貼られていたので、きれいにはがして施工面を露出させます。
その後、共振しやすい平面部分を中心に、防振材を貼っていきます。
この後、吸音材を戻して完了です。
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ウーファーにアクセスするために、足元に移動します。

写真は助手席の足元で、中央奥に見えるのが純正のサブウーファーです。
この状態にするには、お察しの通りフロアカーペットをはがすのですが、実際はバスタブ状に成型された大きな「部品」なので、はがすというより、外すといったほうが適当かもしれません。

右側に見える箱は電源ボックスです。
これをずらしてから、ウーファーユニットを抜き取ります。
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ウーファー交換後の様子です。

前カットで取り外した純正スピーカーアッシーから、スピーカー部分を外してバッフル部分だけにし、そのバッフルにVX165のウーファーを取り付けています。
当然ながら、ポン付けはできませんので、バッフルの形状に合わせて製作した細目のバッフルを組みこんでから、スピーカーをねじ止めしています。

取り外した純正スピーカーのスピーカー部分のみを取り外して、MDFで制作したバッフルを接着して市販スピーカーをねじ止めして固定します。
取り付け場所が奥まっているので、つま先で突いてしまうことはなさそうですが、念のために、スピーカーに付属しているグリルを取り付けておきました。
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お次は運転席側です。

助手席側と同様に、純正スピーカーアッシーが取り付けられています。
助手席側では、電源ボックスが障害になっていましたが、こちらは運転席だけあって、アクセルペダルが邪魔になっております。
でも、なんとかかわせるんだろう!?と思いきや、外さないとダメなんですね。なんかドイツ車の設計ってこういう融通の利かないところがあります。。
とは言え、フライ・バイ・ワイヤ式といって、電気ケーブルで繋がっているだけなので、金属製のロッド式にくらべると、脱着は楽です。
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ウーファーユニット交換後の様子です。

助手席側と同様に、取り外した純正スピーカーアッシーからスピーカー部分のみを取り外し、同じ工程を経て、特製スピーカーアッシーをくみ上げます。
所定の位置に取り付けたら、アクセルペダルを付け戻して、足元関係は完了です。
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純正のセンタースピーカーユニットです。

ダッシュボード上面に設けられた、だいぶ大き目のスピーカーグリルを取り外すと現れます。
このベンツに限らず、BMWにも言えることですが、近年の欧州車は、車両クラスに関係なく、新しく設計される車のスピーカーを共通化する傾向が強まってきています。

このセンタースピーカーも好例で、W205で搭載されて以降、Cクラス、Eクラス、Sクラスと、同じユニットが使われています。
このW223のリアトレイに装着されているスピーカーもこのセンタースピーカーと同じものが装着されています。
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交換後の様子です。

純正のバッフルと同じアウトラインで作成したバッフルを使って、ブルームーンオーディオのMX080を取り付けました。
コネクターは、最近、車両側の純正カプラ(オス)に嵌合する、ユニット側のメスカプラが入手できるようになったので、車両側のスピーカーケーブルを傷つけることなく、カプラ―ONで交換できるようになりました。
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ピラー周りの状況です。

左下のシルバーが、Burmester 4D Tweeterです。
まあ28万ものお金がかかっているし、夜のイルミネーションはきれいなので、オブジェとして残すことにして、肝心の新ツイーターはピラーに埋め込むことにしました。

ピラーの下の方にツイーターを格納するリングを固定し、パテで成形してレザーを貼って仕上げています。
VXツイーターは比較的大きめなのですが、ピラーの幅が太いので、しっくりと収まっていていい感じです。
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最後はトランクに移動して、DSPアンプの設置状況をご覧いただきます。

ご覧のように、トランクのフロア下の収納スペースの中央に、DSPアンプを設置しました。
今回使用したHELIX V-TWELVE DSP MKIIは、12chものアンプを内蔵してあるだけあって、220×44×220(mm)と大型サイズです。本体の寸法だけで言えば、シート下に置けなくもなさそうですが、ケーブルの取り回しを考慮するとやはりトランクの一択になります。

また、最近ご紹介の機会が多い、純正のスピーカーケーブルを活用したインストールの場合、純正アンプから出力されるスピーカーケーブルから信号を取り込んで、DSPでの調整後、同じスピーカーケーブルに戻すという接続をするため、自ずとセパレートアンプの至近がDSPの設置場所として最適になるという事情・都合もあります。

なお、純正ケーブルだと、ドアのスコーカーとミラー裏のツイーターのケーブルが共用になっているため、DSP導入によって両者を個別に制御するために、別経路にしてやる必要があります。そのため、ツイーター用として、トランクからAピラーのところまで、新規にケーブルを引いています。
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今回はメルセデス・ベンツS500 4MATICのサウンドアップ事例を御覧いただきました。

カーオーディオの音質向上において、最も優先順位が高いのはサウンドアッププログラムとしてご紹介しているようなスピーカー交換+ドア防振ですが、当コーナーに登場する機会の多い、小型-中型車、そしてスポーツ系のクルマのスピーカーだと、最小セットでフロント2way、仕様によっては3way、そしてリアのフルレンジが交換対象になります。
チャンネル数にして4つ(2way)から6つ(3way)くらい。MAX8(3way+リヤ)つくらいでしょうか。(パワードサブウーファー除く)

市場全体においても、やっぱりこのグループがボリュームゾーンになりますので、複数のスピーカーを制御するためのDSPも、8ch+パワードサブウーファー用プリアウト1chを扱える9chを上限とした仕様の商品が豊富です。

中心があれば、その上もあるわけで、豪華なオーディオシステムを搭載しているラグジュアリー系のカテゴリにおけるサウンドアップは、交換するスピーカー数がたくさんになりますし、それらを制御するためのDSPも、より多くのチャンネルが扱えるタイプが発売されています。(お金持ちの皆さんに向けたマーケティングという側面も当然ありますね)

今回のS500は、その典型的な事例と言え、全15スピーカーのうち、ドライバーをリスナーとした場合の寄与度の高いフロント系の7個を交換し、リヤ計の純正スピーカー4個を加えた合計11個のスピーカーに対して、最大14ch(プリアウト2chを含む)まで扱えるDSPで制御しています。
最近では、さらにキャパの大きなHELIX V-EIGHTEEN DSP(20ch対応・18chアンプ内蔵)(税込330,000円)という大英帝国みたいなのも出てきております。

このように沢山のスピーカーを交換する場合、取り付け方法がある程度標準化されている、フロントドアのスピーカーとツイーター以外の大小さまざまなユニットを交換することになります。そういうこまごましたユニットに対応するとなると、今回の事例の足元ウーファーのように、アッセンブリー形式の純正スピーカーユニットにカスタムバッフルを組み込んでスピーカーだけ入れ替えたり、ドアスコーカーやセンターのようにブラケットの形状をそっくりコピーしてバッフルを作るなど、純正スピーカーの取り付け方法をきれいに踏襲して施工することになります。

純正と全く同じサイズの社外スピーカーがあればそう難しくないでしょうけれども、実際には径が多少違うのでバッフル制作の調整が必要ですし、パフォーマンスのよいスピーカーは総じてマグネットが強い分、奥行きが深いので、クリアランスを見極めて工法を検討・調整する必要があり、一定の図画工作パワーが必要になります。
こういった現物合わせが多くなる仕事は、(台数を重ねればテンプレート化できるものの)序盤ではどうしても作業効率が低下し、所定の利益を確保しにくいのが正直なところですが、幸か不幸か、当店は手のかかる仕事ほど燃えてしまう傾向があるので、そこそこの作業品質を維持できてると思います。



以下にスピーカー多めの制作例を複数挙げさせていただきますので、参考までにご覧になって下さい。

○10スピーカー交換・センター追加・パワードサブウーファー・DSPアンプ駆動
ポルシェカイエン
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=854

○12スピーカー全交換・DSPアンプ駆動
BMW M2 CS
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=794

○11スピーカー全交換・DSPアンプ駆動
メルセデスベンツ S500
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=709

○全12個中11個交換・純正アンプ駆動
BMW 760Li
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=549

○全12個交換・DSP駆動
ジャガー Fタイプ R RWD COUPE
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=519

○全16個中フロント側8個交換・DSPアンプ駆動
BMW X7
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=660

○全14個中13個交換・純正アンプ駆動
プラド
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=651

○全12個中フロント側6個交換・DSPアンプ駆動
パナメーラGTS
https://www.soundpro.jp/install/ditail.php?id=592

仕事のボリュームが大きい分、フルにやると総額が大きくなりますが、オーナー様のご希望とご予算に応じて柔軟にプランさせていただきます。
どうぞお気軽にお問い合わせください♪♪
メールフォームはコチラです。
https://www.soundpro.jp/contact/index.php
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