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イイね!
2013年09月10日

あの日観た作品の本質を僕はまだ理解出来ていなかった。

「劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」





 夏の終わりを告げる8月31日という、この作品らしい日に公開されました。

 私がこの日の為に色々と準備して来たのはご存じと思います。

 ところが、ひも解いているうちに今まで気づいていなかった「今の自分だから」理解できたという発見が次々と出てきたのです。


 2011年4月に「ノイタミナ枠」で放送されてから今まで、何となく「この作品、好きだなぁ・・・」的に接して来ました。この作品は「名作」と言われておりますが、それだけに逆説も多く存在します。私の「何となく」は恐らく逆説も理解できるからだと思うのですが、その理由が「今だからこそ」理解出来た気がします。


 長くなりますが、そんな想いをまとめてみました。あくまでも個人的な見解ですが、もしご興味がありましたらお付き合いいただけたら幸いです。

 尚、劇場版の内容にも触れなければ説明できない部分もありますのでご容赦くださいませ。


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【概要編】

 劇場版は「TV版」をご存じない方でも観られるように総集編的にまとめられており、更に「あの日」から1年後のお話に繋がっています。もちろん、作品を知っていても「めんま目線」で語られる事で新鮮な感覚で観られますし、効果的に新規映像で補足されております。
 「めんまへの手紙」というのは2011年9月に秩父で開催された「ANOHANA FES.」で披露された朗読劇ですが、更に洗練されて映像化されたのは嬉しいですね。

 表紙はあの場面イメージのようですが、あれは必要だったか賛否あると思います。。私は否定派です。あそこで綺麗に終わらせて、姿を表さないで欲しかった。だって、手に持っているものを見れば「まだ生まれ変わっていない」という事でしょ?良い事じゃないですよね。



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 この作品との出会いはニコ生で放送されていた「電波研究社」での新番組紹介コーナーでした。

 当時はあまり深夜アニメを観ていなかった私でした。「PV」を観ていても「キレイな画だなぁ」とか、何だか気になる程度でしたが、REMEDIOSの劇伴を聴いているうちにだんだん引き込まれて行き、めんまが秩父鉄道の柵の上を裸足で歩いているのを見て「あれ?この作品はもしかして?」と単なる青春作品ではない何かを感じて観始めました。




 深夜番組にして異例の瞬間最高視聴率5.5%という注目度の影には、名作「Stand by me」「黄泉がえり」の焼き直しにしか見えないとか、明らかに泣かそうとする展開が嫌だとか、女装って何なの?とか、様々な酷評も目にしました。

 確かに「橋」を駆け抜けた先にまだ見ぬ希望の世界が待っている的なベタ感はありますね。

 「あの花」は面白いし、感動もするし、確かに好きな作品なのですが、私もそんな「違和感」を感じていたのでのめり込むまでは行きませんでした。結局「何故好きなのか?」自分の中で説明出来なかったのです。


 最終話の後、渋谷に行く用事があったので当時PARCOにあったノイタミナショップに行きました

 詳細はリンク先の過去記事を読んでいただければ分かるのですが、こうして振り返ると「あぁ、やはり良い作品だったんだなぁ」と思うようになり、その後の再放送でようやく全話しっかり観ることが出来ました。

 その後は友人にも恵まれ、作品を色々な角度から観るようになり、自分自身も深く追求するようになりました。

 そして劇場版公開を前に現在放送中のノイタミナでの「スペシャルOA」です。

 最初はノイタミナ枠を使ってでもファンを拡大し、劇場に結びつけたいという目的の再放送だと思っていましたがとんでもない。

 新規OP映像と共に劇場版の主題歌『サークルゲーム』を当てており、その映像と歌詞は明らかに劇場版を意識したものです。初見の方はもちろん普通に楽しめますが、既に内容を知っている方は全く別の想いでご覧になったのではないでしょうか?(これは後程詳しく書きます)

 結果を承知した上でもう一度観ると、今まで見えなかった伏線などが見えてくるのは当然ですが、とにかく面白いようにパズルのピースがハマって行ったのです。それが加速した結果、この夏は秩父やお台場など、精力的に動いて実際に肌で感じてみたのです。そうすると、製作者側の想いが理解できるようになり、ようやく見えてくる部分もあるのです。


 そして発売されたBD-BOX



 この作品はBD画質でどうしても持っていたかったのですが、以前はいろいろと余裕が無かったので購入していませんでした。しかも特典に「ANOHANA FES.」等盛りだくさん!それぞれ単品でお持ちの方はお怒りでしょうが、このタイミングで発売してくれて本当に良かった。。

 という訳で、「めんまへの手紙」もじっくり予習出来た訳なのです。

 この「めんまへの手紙」はオリジナルスタッフによる公式モノですので、これを元に劇場版が作られたのですね。予告編のセリフは「そのもの」でしたから・・・

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【製作編】

 長井龍雪 (監督)
 岡田麿里 (脚本)
 田中将賀 (キャラクターデザイン・総作画監督) 


 「あの花」はオリジナル作品です。原作が無い分、何の制約も無く好きなように出来るのがポイントです。30代後半、同年代の信頼し合う3人がお互いの想いをぶつけて作った作品。

 だからブレが無く、想いがストレートに伝わって来るのですね。

 しかも岡田さんは秩父の出身です。

 これは私が秩父へ行って感じた事です。秩父は都心に1本で出られるのですが、微妙な距離感があってしかも地形的に閉塞感があります。トンネルを抜けて町へ出て行ったり、出られずに籠って居たり、そういう葛藤を描きやすい場所なのかも知れないと思いました。


 夏の終わりの秩父の自然。夏の終わりは切ない感覚に襲われます。

 超平和バスターズに訪れたひと夏の奇跡。それぞれの心にある深い傷と奇跡の狭間で激しく揺れ動く気持ちと、互いに打ち解けあっていく様子。そういった心理描写が長井監督は本当に絶妙で、特に独特で大胆なカット割りしかり、「超電磁砲」を観ているので余計に感じます。

自分が「禁書」より「超電磁砲」が好きな理由もそういう事なのかも知れません。

 こういう観方、2年前は出来ませんでした。そして恐らく、この3人衆より下の年代の方々には伝わらないでしょう。。

 それこそが以前の未熟な私が感じていた「違和感」なのだと思います。そして劇場で若い方を中心に聞こえた、「よく分からなかった」などの感想だったり、酷評なのだと思います。

 「あの花」は間違いなく「大人アニメ」なのです。

 かつて誰もが若かりし日に体験した失敗や葛藤、そういうものが自然と思いだされるから涙が勝手に出てくるのだと思います。そういう経験を積んでいない方には伝わるはずもないのです。

 基本的な話ですが「ノイタミナ作品」なのですから、そのコンセプトからすれば酷評を恐れず前進する作品であって当たり前なのです。


 演じる声優陣も絶妙な演技が素晴らしいのですが、このメンバーじゃなかったら全く違う「超平和バスターズ」になっていたのですから不思議なものです。特に女性陣は幅広い才能でそれぞれ大好きな方達です。私にとって、その原点がここだった。。


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 この2年間、全力で暴走して来た結果どうやら「見る目」が養われたようです。

 素晴らしいものを素晴らしいと感じる力、理解力が得られたのは、こんな私に飽きれもせずお付き合いしてくださる皆様のおかげです。本当に有難うございます。


 さて、長々と書き綴ってきましたが、ここで一区切りとさせて頂きます。

 今回はあくまでも導入です。次回「私らしい」切り口で具体的に掘り下げてみようと思います。
恐らくそちらのほうがご興味ある方もいらっしゃるかと(^^;


 ではまた。


ブログ一覧 | 映画 | 音楽/映画/テレビ
Posted at 2013/09/10 01:13:01

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この記事へのコメント

2013年9月10日 4:00
こんばんは。いつもBlog拝読しております(^^)
あの花、私も大好きな作品なのですが、イナカ住まいゆえにイベントなどにも参加できませんし、この作品は好きなのですがオンエア当時に一度通しで見ただけで、まだ見なおしてないんですよね。
なので、好きだけど劇場版に行くほどではないかな、と思っていたのが正直なところ。

でも、ここのところいろんなところで目にするようになったレビューを読んでいると、むくむくと劇場版を見に行きたい! っていう衝動に駆られ・・・どこで上映してるのかチェックしてみたら・・なんのことはない、徳島では上映する映画館がありませんでした orz

とりあえず、BD待ちにするにしても、もういちどこの作品はテレビ版を見なおしてみたいな、という思いを強くしつつ、忙しい毎日の中で今オンエアされているアニメ作品を追いかけるだけでヒーヒー言ってるのが現状だったりします(^_^;) 

コメントへの返答
2013年9月10日 6:51
コメント有難うございます。

恐らく、ろくむしさんの「好き」と私の「好き」は同じような感覚なのだと思います。そういう意味で書かせて頂きます。

実は公開ひと月前までは観に行くか悩んでました。
それがこんな感じな訳で(^^;;

スペシャルOAが全国で放送されていないようなので、OP映像を知らない方はこんな感覚は持たなかったかも知れませんね。

作品というのは放送されてから世間の評価と共に成長する訳で、劇場版はやり残した部分、伝えておくべき部分を見事に補完しています。
かつて興味を持たれたのであれば、絶対に観るべき名作に育ちましたので是非。
逆にTV版は後から観るのも面白いかも知れませんよ。
2013年9月10日 8:43
このブログは深いですね。まだ言葉にできていないところが多数ある様な気がしますが、仰りたいことは伝わりましたが、ここでそこまで掘り下げると長くなるのでいずれ…σ(^_^;

長井監督といえば、「あの夏で待ってる」も長井監督です。
当時は、「あの花」のスタッフが「夏まち」を作ったとまことしやかに噂が流れてましたが、長井監督という一点だった気がします。カット割りは大胆で心理描写を描くための繊細な部分の使い分けがうまいですよね。

そして、カットの中に現地の舞台を登場させるポイントも「夏まち」と共通して重要なところで背景として入ってきたりします。だから舞台を探訪する私たちも、より意味の深いものになるんだと思いますよ。



「よくわからなかった」と感想を持っている人はいるでしょうね。多分、頑張って理解しようとするからそうなるんですよね。
わからないなら見たまんま、感じたまんま、心の動くままでいいのに…捉え方は人それぞれ、それでも、わかろうとするならば、もう少し紐解かないとならないんですよね…

そして、カップル率高かったですね。現地も映画館も…パルコも…σ(^_^;

次回は楽曲かしら、楽しみにしております。



さて、ここはお任せして、私はそろそろ旅へでないと、不可視境界線で待ち合わせをしているので(´ー`)
コメントへの返答
2013年9月10日 23:42
結局、何が言いたいのか分からない内容になってしまいました。
これでも3回書き直しているのですが、分割する事で何とかまとまりました。

もちろん、ハッキリ書いていない部分もあります。

「夏待ち」はあえて触れませんでしたが、やはり「面白いけれど違和感だらけ」で観てました。
いや、声優陣と楽曲が良かったのですよw

長井監督の手法で「顔を隠して表情を伝える」というのがあると思うのですが、不思議と顔が見えてくるのですよね。

前回書いた蒸しパン実験のように、細部に渡るこだわりもステキです。バイト先の背景なんて興奮しっぱなしでしたよ(^^;

色々な場所を探訪したり、劇場に行くと様々な生の声が聴こえて来ます。実はそういう意見が今回のブログ内容を考えるキッカケになりました。

我々世代と、若者の評価があまりにも違うので・・・

そして上映中に会話しているアフォやポップコーンをバリバリ食っているのも若者ばかりでした。

そんな余裕、無いはずなのに・・・



2013年9月10日 18:21
すみません、追加いたします。

「夏まち」との共通点は、田中氏も…でしたね。
こちらは、羽音たらく氏がキャラクター原案として立っているので、それほどキャラデザとしての田中氏の存在感は「あの花 」にくらべると小さいかなーと思ってます。

それでも、キャラクター達に眼鏡を効果的に使うとか、うねうねした髪型とか…ひょっとすると田中氏のアイディア?ともとれたりしますよね。

連コメ失礼しました!

コメントへの返答
2013年9月11日 0:10
先日書いたように、キャラデザから総作画監督まで一貫している「あの花」には画そのものに説得力があります。つまり、作り手の想いがそのまま伝わってきます。

そういう意味ではちょっと弱いかも知れませんね。

「夏待ち」は脚本が黒田洋介氏なので意味不明、消化不良感もあったかな。。

そしてメカデザの海老川兼武氏とか、「ガンダムOO」の2人か絡んでいたのでちょっと違う感覚で観ていたのかも。
2013年9月10日 21:34
久々の大暴走?!と期待したら”つづく”でしたか^^;

最後まで観なかった前科を持つ自分が言うのもアレですが、良い作品だなと思うだけで済ませるのはもったいない何かを持っている作品だと思います。
劇場鑑賞に誘っていただいたから気付けたのですが^^;

そこから掘り下げるかどうかは個人の自由ですが、暴走(考えること)を続けた結果、見えてくるものがあるということですね。

自分ももっと観てみたくなったので、BD BOXを今日ポチりました^^
コメントへの返答
2013年9月11日 0:15
暴走というよりは結構冷静に分析していたり。。

この日の為に「これだけは観ておくべき」と言っていたのは今思えば感覚的だったのかも知れませんね。

掘り下げるつもりは無かったのですが、製作側の意図が次々に見えるようになったという感じです。

今回のブログではもう一度自分自身を見つめ直しただけなのです。
2013年9月10日 22:59
アニメは好きですが、そっち系の情報にアンテナを張っているわけではない自分。
4月枠見逃し、途中ちらっと気にしながらも、途中からもなぁ… なんて思いつつ、7月枠も中途半端になってしまっていたので…


観たい(>_<)!!


今から観るなら映画先観るのもありでしょうか(@_@;)?
コメントへの返答
2013年9月11日 0:20
自分もアンテナを張っているつもりは無いんですよねぇ。。。

ただ、気になったことをそのままにしないだけ?

この作品は映画だけ観るのも有りだと思います。
そしてもし気になったのならば後から細かく観て行くと良いですね。

きっと「優しい気持ち」になれますよ♪

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