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2018年03月16日

定位の上下って,あるのかないのか?②



 そもそものきっかけはこのCDだった。冨田勲の事実上の遺作「イーハトーブ交響曲」は,批判はあるらしいけれど,自分は冨田ワールド全開の感動作だと思う。3/11を目の当たりにして,どうしても書かざるを得なかった老作曲家は,東北へ贈る曲として宮沢賢治をテーマに選び,そこへ未来との架け橋,使者として初音ミクを連れてきたのだろう。

 また,ミクは,異世界との交信役という位置づけもある気がする。

 録音もすこぶるいい。東京オペラシティコンサートホールでのライブ録音。「客席で聴いている」という音がする。


 画像を見て頂くと,舞台上にオケ,その後ろ壁際に大人の合唱団が並ぶ。普通と違い,左端がテノール,その右隣にソプラノ,続いてアルト,一番右側がベースだ。そしてオルガン席と言って,指揮者の正面側にあるパイプオルガンのコンソールの両側に二階の座席があり,そこをつぶして児童合唱が配置されている。初音ミクのスクリーンはオルガンコンソールのところにあり,その両側にあるスピーカーからミクの声は出ているのだろう。

 

 曲を聴き込むうちに,児童合唱の定位と,大人のコーラスの場所が上下に分かれている気がしてきた。オケの和太鼓は奥まったところにあり,音色もそういう音がしていて,場所的にも辻褄が合っている。ミクの声も正面やや上方にちゃんとある。
 ただ,「高い音は上に定位し,低音は下に」ということも,世の中普通にあることで,そう言うシステムで「自車のシステムは,上下の定位も表現できている」と勘違いしている人もいるようだ。
 
 もしやそれではないかと,注意深く聴き進めると,児童と同じ音域で歌っている「大人のソプラノ」は,明らかに下の方に定位している。

 音高で上下が決まっているわけではないのだ。

 冨田氏はLP時代よりオーディオ的にも意欲的な試みをたくさんしている方であり,野外ライブでスピーカーを付けたヘリコプターを飛ばし,聴衆の頭上から天の音を流したという伝説まである。
 今回そういうお遊びは曲趣にそぐわないのでやっていないと思うが,児童合唱(天使)をより天に近い場所に配し,「銀河鉄道の夜」の場面で「カンパネルラー!!ジョバンニー!!」などと叫ばせているところなど,魂の昇天のイメージなどを表していると思う。

 そういう音響配置的なことには,必ずこだわりのあった作曲家だったと思う。

 ならば,収録音源にもそれを求めたのは当然だ。

 マイクポジションはどうなのかと想像すると,極めてワンポイントに近い収録だと思う。

 ホールの残響をよく収めた録音だと言うことが,定位をよく表していることにつながっている,よい例ではないかと思う。

 2chステレオで3D音響がちゃんと成り立っている名盤だと思う。

                        (続く)
ブログ一覧 | 音楽 | 音楽/映画/テレビ
Posted at 2018/03/16 12:34:42

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この記事へのコメント

2018年3月16日 12:51
自分なりの実験結果!

実験内容:
①ホームで逆立ち。
②スピーカーを上下逆。
結果:
①う~ん。なんか気持ち悪い。長くは聴けませぬ。
②極端な違和感は感じないけど、広がりが変な感じ。逆位相のような。
これは、上下の以前の問題。

結論、なにもわかりませぬ。。

ぉしまぃ。



コメントへの返答
2018年3月16日 13:36
左右のスピーカーを入れ替えるのは考えましたが,逆立ちとは!
そこまで体を張るとはさすがです!

 スピーカーを上下逆という発想もなかったです。つまり,高い定位の成分を下に出すという発想でしょうか?
 それで違和感があると言うことは,何か関係があるのかも知れませんね!!

 ただ,な~さま,この実験って,上下の定位のある音源を掛けているという前提でのものですよね!?
2018年3月16日 14:31
は~ぃ。

音源は、見上げたオーロラと天井に突き抜けるコーラスです。

もう少し頑張って、逆立ちしてみます~笑!!
コメントへの返答
2018年3月16日 15:46
 頭に血が上りますよー!!

 ところで,よく考えたらスピーカーを上下さかさまにしても,音場情報は床方面にはいきませんよね。JBLの4312でしたっけ,そういうのもありますもんね!!
 
 あの音源なら間違いありませんよね。ただ,あれだと,聴く人がちゃんとしてないと高さを認知できないかも知れないですね!
2018年3月16日 21:38
先日静岡、お疲れさまでした。「音の上下の定位」の件。自然界での定位は無限大に存在するし、我々人間の聴覚も認識できます。
が、Stereo再生と言う2次元での再生では上下定位は存在しないです。それらしく認識してしまうのは、高域のスピーカーが上部に位置し、低域はその逆。だから目をつぶって試聴すると横180°の広がり感しかないはずです。もし上下定位があるとすればリスニング環境の反射や吸収によって生じるものだと思います。
また、大人のソプラノと児童の声では、音域は同じでも声帯がすでに違うので倍音成分が変わってきます。よって大人の方が低い帯域も混ざっていると思います。
我々の録音する音声コンソール(レコーディングコンソール)には「定位=Pan pot」と言う機能があり、エンジニアの感性で自由に定位を決めることが出来ます。(横180°=一直線上の任意の場所)この定位をどこに設定するかによって、臨場感のあるSoundになったり、ドライなSoundになったりします。楽曲のアレンジと並行して、音創りをする上で重要なパラメーターです。このPan機能自体、左右100%=L/R各90°の定位が出来るようになっています。(サウンドチェックの時、フェーズ・モニターと耳で判断しながら決めていきます)
また、コントロールルームのメインモニターを上下逆にセッティングしているスタジオも沢山あります。それは、リスニングポイントがどうしても低い位置にしか取れない場合に採用されます。つまり、スピーカーの指向性は、あくまでも高域で決定しているという事です。

人間の自然界の定位を追及しているのが、NHKのSHV(スーパーハイビジョン)の音声で採用されている22.1Chです。この再生方式だと360°球型の指向性で再現できます。NHKはこのレコーディングの為に360°Pan機能を持たせたコンソールを特注しました。
コメントへの返答
2018年3月16日 22:42
 ご専門の立場でのご意見というのは,なかなかして頂けるものではないということ,:承知しておりますので,その分,逆に恐縮します。貴重なご指摘,ありがとうございます。
 そうなんです,自分が以前,何かで読んだのは,つねさんのおっしゃる通り,またしくそういうのなんです。
 ただ,そういうことを念頭に置いてもなお,「上から聴こえて来てしまう」ものが,まだこの後もアップしようかと思っているのだけでも何枚もあって「しまう」んです・・・・自分の中で説明がつかないんですね。
 可能性として,バンドの演奏などの,楽器をトラックごとに録音していきパンポットで・・・というようなオンマイクのマルチトラックレコーディングの話ではなく,自然界の音を,少ないマイクでそのまま録音したものを,ストレートに再生した場合,定位の奥行き方向の差が生まれるのと同様に,何らかの「音質的な何か」によって,聴く側が「高さを認識できるなにがしかの情報」が含まれていて,それを感知するということは,ありえないでしょうか?それによって,脳内で「高さ認識」をしているということが?
 音像はないけど音場の広がりはある,という事なのかも知れませんが,体験上,正直あるんです。やはり,想像力の賜物に過ぎないんでしょうか?
 あ,ツィーターが下にあるスピーカーの件,職場に4312でしたか,ありましたのでそれは普通に理解できます。
 
 この後,「音場的」に高さがよく出ているCDと,摩訶不思議ながら「目の前一面から虫や鳥の声が降ってくる」というCDなど,もちょっとアップさせてください。いずれも,ナマロクに近いものです。
 できれば,マーラーの8番のソプラノソロやら,アレグリの「ミゼレーレ」に出てくる,小アンサンブルの話などを,小出しに出しつつ,その「摩訶不思議(本命)」に辿り着こうと思ってましたが,先を急ぎたいと思います。
 もうしばらくド素人の戯言にお付き合いいただき,さらに専門家としてのご示唆を頂ければ,なおありがたいです。

 まあ,ないもんはないんだから,ということなのかもしれませんが・・・・
 

プロフィール

「@マゼラン工房さん 元合唱団員?」
何シテル?   08/11 10:25
 2019.8 250000㌔を共にした前車から乗り換え,スバル エクシーガクロスオーバー7で,新たな旅に出ます。  ※ 2020/08/05 東北遠征2...
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