カオデの調整のやり方です。ただ,もう生産終了から何年も経っている製品「カロX」でのことですから,「何をいまさら」かもしれません。
ただ自分としては,未だにちょっとしたことで少しずつ進歩があっておもしろいということと,まだまだカロでがんばってらっしゃる方や,過去に使われてた方にアドバイスでもいただけたらなと,アップしてみました。「ご意見を頂きたい」というスタンスです。
ただ実は,こういうのって,結構恥ずかしかったりします。だって・・・・・・
「デジタルだけどイコライザーは使ってません。使わなくて済むようにするのが技術です。」
とか
「タイムアライメントは,劣化するだけだから使いません。」
なーんてこと,さらっと言われる方から見られたら・・・・・
でも思い切って出しますと・・・・・,
左チャンネル。
右チャンネル。
2.5kHzだけはどうしてもあんなに下げないとダメなんですが,それ以外は意外とまあまあですよね。でもこれ,裏がありまして,パラメトリックイコライザーを併用しているんです。
左チャンネル
右チャンネル
以前は,パラメトリックは低域のみに使ってまして,200Hz以上の調整はグラフィックだけでやってました。それだけだとやっぱりずいぶん凸凹だったものです。
凸凹になる原因は,推測なんですが,「ユニットの取り付けが強固過ぎるから」なんだと思います。
これも想像ですが,メーカーがユニットを製品化する時,「ユーザーはどんな取り付け方をするか」ということを想定して作るもんだと思うんです。いわゆる「普通のつけ方」で,いい音になるように作るもんじゃないでしょうか。ツイーターなんか,ピラーの「カバー」につけたりしますもんね。
ところが,自車の場合は,金属部品を土台に使ったりして「振動の起点は動かないように!」って,これでもかと固定しちゃってます。
こんなヘンタイな使われ方を,メーカーが想定するはずはありません。
結果,余分な共振がなくストレートで,ハイスピードな鳴り方になる反面,ユニットとしての素性が露わになってしまうんだと思います。その結果が,本来吸収されて減衰すべきところが,まだ伸びてしまっている,ということになり,それがピークに繋がっているのではないか,ということです。
まあ,それだけじゃなくて,-18じゃなくあえて-12で繋げてるからかも知れません。
まあ,いずれにせよ,両刃の剣である自車の取り付け方法を補うためには,まずはグライコだけで音を作ります。
すると,相当な凸凹になりますので,その凸凹加減の曲線をよく見て,パラメトリックで「まとめて補正」できそうな「山」を,左右それぞれ3か所ずつ探します。
グライコのカーブの山の,逆の山をパラで作って,差し引きゼロにする,ということです。
そして,どうしても補正しきれない部分だけを,グラフィックで追加補正する,というやりかたです。
カロXはパラメトリックでは3か所しか調整できないのが残念なところです。
ただ,たった左右3か所ずつでしたが,これを耳だけで調整していくのは至難の業でした。
もちろん,調整の順序としては最終ステージです。
それで結果ですが,グライコのみから「グラ+パラ併用」にした最大の変化は,生々しさでした。グラだけの時はきれいでしたが,いかにも「カロッツェリアでございます」という感じだったものが,生き生きと立体的になりました。好みはあると思いますが,自分は断然併用の方です。音も太くなった気がします。
ちなみにクロスオーバーはこんな感じです。
スコーカーのハイカットは4kHzの-12dBで落としてるのに対して,ツィーターのローカットは,8kHzで切っています。この方がイコライジングが楽でした。
ついでなのでアライメント値も載せときます。
こんなのは車によってまちまちですので,参考にもならないと思います。実測値と近似の値ですが,不思議なことに,最終的には「リスニングポジションを多少変えることの変化」よりも,「アライメントを数センチ変えることによる変化」の方が断然大きいということです。
これも手前味噌な考え方ですが,TAって,ユニットから耳までの距離もあるけれど,それは実は「直接音」の事しか想定していない考え方であると。耳に入る音っていうのは,直接音だけじゃないわけで,一次反射・二次反射といろいろある。それはTAでは補正しきれません。そのとき重要になるのは実は,「各ユニット相互の位置関係を整えるためのTA」という発想で,これだと要は,反射音も含めたところでの「ベターな」アライメント値にならざるを得ない,ということではないでしょうか。
またまた長文になってしまいました。古い機材でまだまだ頑張っておりますが,まだまだよくしたいので,ご意見よろしくお願いします。
さて,ここで疑問なんですが,ものの本によると,グライコは例え31バンドだろうが,一つの部分をいじると,その周辺の周波数に影響が出ると。特にオクターブ上への影響は常に考えとかなくちゃですよね。一か所でもそういうことがあるものを,横並びに並ぶ周波数をみんないじってしまうと,周辺への影響が複雑に干渉し合って変なのが出てくる,みたいなことなのかも,と思います。
で,それよりもパラメトリックで,ごそっとまとめてやっちゃった方がシンプルだ,という考え方で合ってるのかどうか,そこらへんが知りたいところです。
ついでですが,ショップ系コンペティティブな方々などで,これしきの情報が「ノウハウの流出だ!!」などと,目くじら立てることなどはありませんよね?ハイレゾでDSPなどで,リモコンなどではなく,ノートPCやマイクによるオートイコライジングなどされている方からすると,なんてレトロな!というぐらいな感じですよね。
Posted at 2018/06/19 22:24:47 | |
トラックバック(0) |
カーオーディオ | クルマ