忌野清志郎

1960年代後半～RCサクセション、1980年代後半～ザ・タイマーズの中心人物として活動する。

わりとちゃらんぽらんで飄々としてるのが持ち味だったが、RCサクセション後期～反戦・反体制ソングが目だつようになり「清志郎もなんかおかしな方向に行っちゃったな」という世評を受けるようになる。
これは母親の遺品整理の際に第二次世界大戦中の恨みつらみが書かれた日記を発見し、それを読み強い衝撃を受けたためとされる。

ザ・タイマーズでは土木作業員衣装に全共闘学生運動を思わせるいでたちで反権威的主張を放送事故すれすれのパフォーマンスで行っていたが、当時はまだ各TV局、余裕があったせいか懐が深く、意外とNHKなど好んでしばしば忌野清志郎のライヴを放送していた。

ただ、当時の曲やパフォーマンスを振り返るに、左の人特有の「自分は賢くて周りはバカ」という思いこみ、ゆうたら頭の悪さは感じさせない。
見えてくるのは「誠実さ」であって、これは周囲に対する誠実さではなく、音楽に向き合う態度の誠実さ、もっと突きつめると自分自身の生きざまに対する誠実さであって、それだから主義主張はともかくも、という人からも「いいねェ」「やるねェ」と思わせる雰囲気を持ち合わせている。