50年以上前の学生時代に愛用していた、トランジスタ・ポケットラジオを見つけて入手しました!私が電気工作やオーディオに興味を持ち始めた、中学から高校生時代には誠文堂新光社の「初歩のラジオ」を愛読していました。 ある時読んでいた「初歩のラジオ」のニュースに、「台湾製格安トランジスタラジオが、秋葉原でなんと500円で新発売!」の記事が出ていました。
当時ラジオの深夜放送が生き甲斐の、10代の青少年達にとってのトランジスタラジオは必需品でした。 しかし国産メーカー品は最低でも5,000円近くしたので、おいそれとは購入できない高級品でしたから、500円というのは驚愕の価格設定でした。 さっそく秋葉原に出かけ、とても小さなオレンジ色のトランジスタ・ポケットラジオを購入しました。
購入したラジオはトランジスタ 6石(懐かしい言い方)のスーパーヘテロダイン式で、単3電池1本で受信できました。 小さなケースにメカがギュッと詰まったポケットタイプで、感度も良かったですが各部の取付けなどが甘くて、何度も修理した思い出があります。 結局修理不能になりもう1台購入した覚えがあります。 左写真は外見がほとんど同じの香港製類似品です。
今回たまたまリサイクルショップで、同じ色のケースに入った、改良型のポケットラジオを見つけました。 ジャンク品でしたがとても懐かしくて購入しました。
(分解すると右写真の、矢印部分の裏蓋をケースに止める、ツメが2ヶ所折れていました。)
購入したポケットラジオは、香港製の「AITRON」というブランドでした。 本体ケースやオレンジの色は、昔持っていたラジオと同じですが、チューニングとボリュームのダイアルとパネルがメタル調です。 また同じ6石のスーパーヘテロダイン式ですが、単3電池を2本使う3V電源方式に改良したモデルでした。 よくまぁこの狭い中に電池を2本れたなと思いながら、裏蓋を空けて電池を入れて、おもむろにボリュームスイッチを入れると、ちゃんと音が鳴ってラジオ放送を受信しました。 やや不安定ですが、50年以上経過したトランジスタラジオとしては立派です。
このラジオの様に非常に古い乾電池を使う商品は、電池の液漏れで電池収納部周辺が、ダメージを受けている場合が多いですが、このラジオは電池を抜いて保管していたらしく、奇跡的に全く液漏れの跡がありませんでした。
各部の状態をチェックするために、基板を取外して内部を見ていきます。 昔のラジオに比べ今回のラジオは単3電池2本になり、基板が電池1本分小さくなったため、コードも短く配線がギリギリです。
このため分解時に誤って断線したので(右写真の矢印)、外れそうなコード類も一緒にハンダ付けをし直し、またテフロンテープで絶縁部分も補強しました。 ケースなどの外装は50年以上経過している割に綺麗ですが、一応クリーニングして新品同様?にしました。
入手したAITRONラジオの唯一の問題点は、裏蓋をケースに止めるための、ケース側の2ヶ所ツメが折れていることです。 この原因は電池を2本にしたため、裏蓋の取付けがきつくなり過ぎたせいだと思います。 そのため反対側の折れていないツメを参考にして、型を作り「プラリペア」で新らしいツメを作り、無理無く取付けできるようにしました。(写真左と中央)
全体のリペアが完了してから、再度電源を入れて選局してみると、かなりクリアに各放送を受信出来るようになりました。 また、電池2本の3V仕様のため、1.5Vよりも高感度になっているようで、私の住んでいる柏でも全放送局を室内で受信できました。
今回久しぶりに大昔のラジオを弄りましたが、デジタル全盛の現代でも、やっぱりアナログのラジオは楽しいなぁと実感しました。
Posted at 2024/03/31 10:37:17 | |
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