鬼才逝く

芸術家でありデザイナーでもあるH.R.ギーガー氏がお亡くなりになったそうです。
今週月曜日に自宅の階段から転落、搬送先の病院で亡くなったとか。
享年74歳でした。

ギーガー氏といえば忘れちゃならないあのエイリアンのデザイナーであり
その後のSFクリーチャーに多大な影響を与えたお方です。

私はかなり昔ですがギーガーズ・エイリアンという画集を買ったことが有ります。
どうやら今もアマゾンで購入はできるみたいですね
ほとんどプレミア価格ですが・・・



エイリアンのデザインってよく見ると人間がオドロオドロしいと思う物を
組み合わせたに過ぎないのですが、その合わせ方がとても巧みで
今まで見たこともない「異星人」を表現することに成功しました。
「人間は自分が見てきたモノの範疇でしか表現をすることはできない。」
けだし名言だと思います。
例えば宇宙人を見たとか、UMAを見たという人もその姿を表現する際、
既存の地球上の生物などの一部を引用した「〇〇のような」という表現しか出来ませんよね。
ヒトの想像力は無限だがその具体的表現に完全なオリジナルはあり得ない。
ということを如実に言及した氏の言葉と作品は実に感慨深いものがありました。

クルマのデザインも時に斬新なモノが現れたりしますが、そういうものにもどこかに
過去からの引用なり影響が見え隠れしたりするわけで
そういう所を考察する楽しみ方もあったりするわけです。
もっともあからさまなパクリには一文の価値も無いと思いますが・・・

さてSF界に1つのエポックメイキングを残したギーガー氏ですが
今後彼を超えるSF的デザインが登場することはあるのでしょうか？
映画を観る機会が少なくなったので最近の事情には明るくないのですが
SF映画というジャンル自体が私が一番ハマっていた80年代に比べ少なくなったような気がしてなりません。
よくSFを「エセエフ」なんて揶揄する言い方がありますがエセだって良いんです。
説得力のある表現ならばエセがホンモノ以上の価値を生むことだってあるわけですから。