まとめ記事(コンテンツ)

2015/09/06

ジムニーで行く、北海道キャンプツーリング(最終回) [エピローグ]

1
さて、やらわかの北海道ツーリング紀行も長々とキザな(笑)文章を書き連ねて来たが、ここにきて最終回である。

最終日、フェリー「すいせん」乗船口に並ぶ。
この日の走行距離は500キロ。
もはやクルマを降りる気も起らず、運転席に座ったまま、車内を片づける。
TVが繋がらないので、アンテナを伸ばし、AMラジオでNHKニュースをつけた。
北海道近海で炎上中のフェリーは数日経った今も鎮火の見通しが立っていない。
2
乗船許可が出たので、船内へ。
フェリーは満載であったが甲板作業員はジムニーを見つけると、細い隙間をどんどん奥に誘導する。
そこにはまるで軽自動車専用のようなスペースがあり、ぴったりそのスペースにジムニーは収まった。

船室に向かう途中、関西のテレビ局の中継車が積まれていた。
急にさっきのニュースが自分のすぐ近くで起こったことであることを実感する。
もしかしたらこの満載具合も、事故が影響しているのかもしれない。
3
そのまま自分の個室にたどり着くと、殆どそのまま眠りについた。
翌朝、洗濯をし、風呂に入って、朝ご飯を食べる。
甲板に出ると、もはや北海道の姿はどこにもなく大海原が広がるのみだ。

昼食代わりに甲板で潮風を浴びつつジンギスカンを食べながら、ビールを呑み、大変リラックスした頭で(やらわかのバカ頭は少しアルコールが入った方がマトモ)、この旅のことを振りかえっていた。
4
思えば、色々なところを走ったものだ。一週間で2500km。
ある時は地平線まで続く直線路を走り、山を越えるためにダートを走り、砂浜を走り、クルマを降りて歩いた。
またある時は廃線跡に栄枯盛衰を感じ、過酷な自然で咲く花の世界に心奪われた。
北海道は一度としてそうしてよそ者が勝手なことをする事に対して、みやみに干渉してこない素晴らしい土地だった。
しかも絶対的に土地が広いというのに、人家近くの草木は良く刈り込まれよく手入れされ、よそ者を受け入れるだけの懐に深さを感じた。
5
ところで、旅の喜びとは何だろうか。
立花隆がその著書で「旅することのいちばんのよさは、あらゆる日常の束縛から離れた精神の自由さにあると思う」(「思索紀行」p25)と書いている。
全く旅の本質を言い当てた名文だと思う。
まさに「思い立ったが吉日で」行きたいところに行くことこそ、生きている実感を感じる瞬間なのだ。
6
僕はこの旅の中で「ああ、俺はなんて自由なんだろう」と幾度のなく心の中でつぶやき、その空気を吸い、その充実感をかみしめていた。
もちろん長くこういう旅を続けたかったが、こういう旅でこういう気持ちになるだけの心の豊かさを実感できただけでも良かった。
7
敦賀港入港の数時間前、夕焼けを見るために甲板に出ると、蒸し暑い風が体にまとわりついた。
折角クリアになった旅の喜びを、この蒸し暑さで溶かすようなことになってしまってはもったいない。

きちんと写真と文章で残そうと決めたのは、この瞬間だった。
8
・・・というわけで、こうして自己満の文章が長々と続くことになってしまった良い訳(笑)を最後に、やらわかの、「ジムニーで行く、北海道キャンプツーリング」の最終回としたい。
最後まで小生の駄文にお付き合いいただいた方、またメッセージや「イイね」を付けて下さった方、ありがとうございました。

イイね!0件

はてブに送る
はてブに送る

オススメ関連まとめ

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

最近見た車

最近見たクルマはありません。

みんカラ+新登場

リンレイ
リンレイ

カーグッズ

ニュース