まとめ記事(コンテンツ)

2010/09/06

クーペの花道⑨「ハチロク」の呪縛



某豆腐店の配送車として今でもマニアに絶大な人気を誇る「ハチロク」ことレビン&トレノ(AE86)
しかし、このクルマを世に送り出す時、メーカであるトヨタもまさかこれほど根強い人気で「伝説」ともいえる存在のクルマになろうとは思わなかったと思います。

当時、トヨタは販売の大黒柱であるカローラをFF化してモデルチェンジ、しかしFFでのスポーツモデルに懸念があったのかレビン&トレノのFF化は行いませんでした。
かといって新規設計のFRシャーシを投入するにはコストが見合わない・・・恐らくそんな理由で旧世代のTE71のシャーシに新設計の4AGエンジン、そして新しいボディーを纏った「ハチロク」が誕生したのでしょう。
そんなトヨタの事情で誕生したハチロクですが、ライバルが次々にFF化していくなか「安価な小型FR」としての存在感を増していきます。
そして、旧世代の足回りゆえの限界の低さ(私にそんなこと言えるテクは無いですが(笑))は逆に「ドリフトマシン」として人気を集めます。

しかし、そんなハチロクもカローラのモデルチェンジにより終わりを迎えます。
流石に2世代続けてのキャリーオーバーは厳しく新たなレビン&トレノはFF化文字通りのカローラ一族に戻ります。

AE92。時はバブル期、「ミニ・ソアラ」的なクーペデザインと手頃な価格は「デートカー」としての人気を集めました。
私の周辺にもこのクルマを買った人が何人かいましたが、若者にクーペが人気だった時代、多くのAE92が街を走っていたものです。
しかし、その数の多さゆえに逆にモデルとしての存在感が示せず、ハチロクの熱烈なファンはFFのAE92は受け入れられずその販売面の成功とは裏腹に影の薄いモデルとなってしまいました。
そして、再び迎えたモデルチェンジ、

AE102、開発時期がバブル期真っ只中ということもあって、新開発の「スーパーストラット」「20バルブDOHC」など新機軸は満載、しかし登場したのがバブル崩壊の頃で時代の流れにそぐわず先代ほどのヒットとはなりません。
さらに、この頃から若者のクーペ離れが始まります。
かつては「デートカー」といえばクーペ、「憧れ」のソアラ、「頑張って」セリカ、「お手軽な」レビンがその代表だったのが、パジェロやレガシイTWといったRVがそれらに取って代わろうとしていました。
そして再び迎えたモデルチェンジ

AE111、この頃にはバブルも崩壊、本家のカローラともども素人目にもコストダウンを感じさせるモデルチェンジ(軽量化など開発陣の努力は感じますが・・)では人気が出るはずも無く伝統の「レビン」「トレノ」の歴史は終焉を迎えるのでした。

こうやって振り返るとトヨタの事情で登場した「時代遅れのFR」が偶然ともいえるタイミングの良さで一部のファンの熱狂的な支持を得たことで以後のモデルの開発を難しくしてしまったのではないかと思います。
本来カローラのスポーツモデルであったレビンが「レビン=ハチロク」の呪縛に囚われ開発陣もファンも行き場を失ってしまったのではないでしょうか。

それは、大ヒットしたモデル全てに言えることでしょうが・・・
Posted at 2010/09/06 17:04:26

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