まとめ記事(コンテンツ)

2021/11/30

最初にして最高の大人のアニメ

機動戦士ガンダムを初めて観たとき、私はまだ子供だった。
当時のロボットアニメは善と悪がハッキリしており、「正義が必ず勝つ!」の一点張り。
単純明快でした。
そんな時代に人間模様を丁寧に描いたガンダムは子供には難解であり、最初は全52話の予定だったのに、途中で打ち切りになって、43話が最終話になりました。
しかし、それだけ奥が深いからこそ今でもファンから語り継がれる金字塔のロボットアニメになったんだと思う。
敵であるはずのジオン兵にも自らが信じた正義があり、誰が正義で誰が悪かという単純な物語ではない。
そして登場人物には色んな背景があり、生命があり、生きている。
そんな登場人物が死亡するシーンがショッキングなほど丁寧に描かれている。
これは子供のアニメでは今まで無かったことだ。
だがガンダムではこのようなシーンは数多く存在する。
その中から私が子供ながらショックを受けた(感動?)シーンを紹介したいと思う。



●ガルマ・ザビ「シャア! 謀ったな!」

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主人公アムロ・レイの宿敵であるシャア・アズナブルによる、ジオン公国の中核と生る一族であり、父の仇だと目している、ザビ家への復讐の第一弾。ターゲットとなったのは、軍士官学校の同期である、四男のガルマ・ザビ。

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ガルマはシャアに、アムロたちの母艦・ホワイトベースを撃破すれば「ジオン十字勲章もの」とそそのかされ、罠にハメられる。最後、ホワイトベースに体当たりを試みるが、撃墜される。


●ランバ・ラル「兵士のさだめがどういうものか、よく見ておくのだな」

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ザビ家の三男であるドズル・ザビから、ガルマの仇討ちの命を受けた、ランバ・ラル。連邦軍との激闘の末、ホワイトベースでの白兵戦で、リュウ・ホセイに撃たれ負傷する。ラルは、手榴弾のピンを抜き自爆した。

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●クラウレ・ハモン 「ほんと、好きだったよ、坊や」

愛するランバ・ラルと、ギャロップといった主力兵器を失うも、最後までホワイトベースとガンダムの撃破を諦めないハモン。残された兵力で、事実上の特攻を仕掛けることになるがそのとき志願兵を募る場面が秀逸です。

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「よく準備をしてくれました。ガルマ様の仇討ち部隊として地球に降り立ったものの、我々はまだ任務を終わっておりません。
一見小さな作戦ではありますが、敵は連邦軍の最新鋭戦艦とモビルスーツです。ジオンの国民は我々の戦果に期待しております。
ランバ・ラルは、私にもったいないくらい実直な男性だった。あんな心を寄せてくれた人のためによしんば、砂漠で散るのも後悔はない。
この作戦に不服がある者は参加しなくとも、ランバ・ラルは怒りはしません、私もです」

残された兵士は誰一人として不服を述べる者はいません。
ラルへの信頼、そしてハモンへの忠誠がよく分かるシーンです。
補給も受けられず、帰還すら約束されないこの戦闘。
ハモンもひとりひとりに直接声をかけ感謝と士気向上に努めます。

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しかしガンダムの背後を付き、最後のとどめを刺す瞬間にリュウ・ホセイのコアファイターに体当たりされ戦死します。


●リュウ・ホセイ「人間にはな、言葉があるんだ」

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アムロと向き合う事を避けて来たブライトに対しては「ブライトはアムロとゆっくり話し合った事ないんだろ?それじゃあ虎はおとなしくにはならん」と、剛直すぎるブライトの態度をいさめ、歩み寄る必要性を説いた。
しかしブライトは「野生の虎でも檻に入れておけば自分の立場が分かってくる」と突っぱねてしまう。
それに対して「言い逃れに聞こえるが」と抵抗し、「人間にはな、言葉があるんだ」とブライトを説くリュウは、アムロの良き理解者であった。
リュウはアムロの危機に救援に向かうが、コア・ファイターの弾は既に尽きており、アムロを守るためそのまま特攻し戦死するのであった。
アムロ・レイたちにとって良き兄貴分だったリュウは味方の窮地を救い、壮絶な戦死を遂げた。

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その後、南米・ジャブローにある司令部でホワイトベースの面々は正式に軍の一員となり、階級を与えられることになる。その最後につけ加えるように、戦死したリュウ・ホセイが「二階級特進」し、「曹長」から「中尉」に昇格することも伝えられた。
これを聞いたアムロは怒りをあらわにし、「二階級特進だけで……それだけでおしまいなんですか!」と辞令を読み上げた士官に食ってかかった。


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●ミハル・ラトキエ「アンタと会えてよかったと思うよ」

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ミハルはベルファスト近郊に暮らす貧しい民間人ながら、幼い弟と妹を養うためにやむなくジオン軍のスパイ活動に手を染めホワイトベースの艦内に潜入します。
そこで顔見知りのカイ・シデンに発見されるがカイは、ミハルがスパイであることに勘づきながらも彼女を自室にかくまいます。一方ミハルは艦内に自分の弟や妹と同じくらいの幼い子どもがいることを知り、ホワイトベースの情報をジオンに流した自分の行動を後悔するのです。スパイとして活動していたミハルは、カイ・シデンとの出会いもあり、連邦軍の攻撃に参加。カイが操縦する輸送機「ガンペリー」が攻撃を受け、電気回路が故障。ミハルがデッキへ移動し、手動でミサイルを発射するが、爆風にあおられ、機体から放り出されて死亡します。


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●マチルダ・アジャン「戦いは破壊だけでも、人間ってそれだけでは生きていられないと私には思えたからよ」

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アムロとの会話で出てきた台詞です。

アムロ「なぜ補給部隊に入ったんですか?」
マチルダ「そうね。戦争という破壊の中でただひとつ、物を作っていく事ができるから、かしらね」
アムロ「物を作る?」
マチルダ「戦いは破壊だけでも、人間ってそれだけでは生きていられないと私には思えたからよ」

マチルダ中尉は、不時着して孤立したホワイトベースの修理と補給の特命を受けて派遣された軍人です。
ジオン公国軍の歴戦のパイロットであるガイア、オルテガ、マッシュからなる「黒い三連星」と呼ばれる3機のドムが、修理の終わっていないホワイトベースを急襲。この危機的な状況にマチルダ中尉は輸送機のミデアを発進させ、1対3の戦いを強いられたアムロの援護に向かった。
そしてアムロのガンダムとドムの間に割って入るカタチで強行突入したマチルダのミデアだったがドムに捕まり、無残にもマチルダのいるコクピットを叩きつぶされて機体は爆散しました。


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その後、アムロの奮闘で窮地を脱したホワイトベース隊は、マチルダをはじめとする戦死者に哀悼の意を表してクルー全員が敬礼。

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セイラは己が不甲斐なかったことをマチルダに謝罪しながら涙を流し、アムロはマチルダの名を絶叫しました。


●スレッガー・ロウ「悲しいけど、これ戦争なのよね」

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宇宙要塞ソロモン攻略戦において、スレッガーはGファイターで出撃し、次々と敵モビルスーツを撃破。戦況も連邦軍が有利に進めていたが、ソロモンの防衛司令官であるドズル・ザビが自らモビルアーマー「ビグザム」で出撃すると戦況は一変。

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ドズルが搭乗する大型モビルアーマー「ビグ・ザム」の圧倒的な能力に、劣勢の連邦軍。
ビーム兵器を無効化する「Iフィールド」を展開し、強力なメガ粒子砲を放つビグザムによって連邦軍艦艇は次々と沈んでいく。

戦場では誰かがやらなければ誰かが死んでしまう。
スレッガー・ロウ中尉は、「やつのためにこれ以上の損害は出させねぇ」と、戦闘機・Gアーマーで特攻を敢行。
自らの命と引き換えに「Iフィールド」を無効化した。

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40年経った今、記憶を振り返ってみても凄い考え尽くされたアニメだったんだなと思う。
初めての大人向けロボットアニメが突き抜けていて未だにこれを超える大人向けのロボットアニメが登場しない。
凄いことだ!




Posted at 2021/11/30 18:30:22

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