まとめ記事(コンテンツ)

2024/09/23

ステンメッシュのオイルフィルタって速くなるの?燃費上がるの?

ステンメッシュタイプのオイルフィルタのメリットがどこまで本当か気になったのでロスの低減効果を計算してみました。


■いきなり結論
多く見積もって1馬力弱(300W弱)
厳しめに見積もると0.1馬力未満(50W未満)

少しだけアクセルを踏んで吹かした時はレスポンスの違いが分かるかもしれない。
アクセルを踏み込んで加速すると誤差レベルで恐らく体感できない。

燃費10%向上はアクセルをほんの少しだけ踏んで巡航する場合にはあり得る
ただし、どんな運転でも10%改善するわけではない。

そんな感じです。
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※私は純正フィルタユーザなので実際には使ってません
※計算ミスやシミュレーションモデルの要素に抜けがあるかも知れません
※FA20、FA24あたりの特性の場合の結果です。
 排気量やオイル流量が違うと異なる結果になるかも知れません。
※ステンメッシュを批判する意図はありません。ただの興味です。



■モチベーション
レスポンスが良くなるってどんな特性が効いてるの?
どれくらい速くなるの?
燃費良くなるって本当?

イロイロ気になり始めました。

ゆっくり夜も眠れません。
3D CADの勉強も手につきません。



■計算してみよう
いつものシミュレーションです。
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今回はポンプ流量リリーフバルブ開弁圧をFA20ターボに合わせました。

海外のサイトを参考にしてFA20ターボの値を使いました。
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開弁圧700kPa
開弁圧以降は他の弁のスペックを参考にそれっぽく設定。
このあたりのページにお世話になりました。
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これでエンジン回転数を変化させると油圧、流量はこんな感じ。
流量は60L/min@6700rpmとなるようにポンプの特性を調整。
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オイルフィルタ部分の損失は
リリーフバルブの開弁圧160kPaとなるようフィルタ自体の抵抗を設定。
これは、フィルタが詰まり気味&オイルが硬めで早々にフィルタのリリーフバルブが開く状況でフィルタレスにした場合の損失低減を多めに見積もるため。
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↑リリーフバルブが開いて一部のオイルがバイパスされる


こんな感じでポンプの仕事量(圧力×排出量/効率)を計算すると、
ポンプの損失は最大5馬力(3500W)程度(一番下のグラフ)
※多めに見積もるためにポンプの効率は30%程度で計算
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この時点でどんなにフィルタに損失低減効果があっても5馬力未満は確定。


ちなみにフィルタ部分の損失は0.15馬力(100W)程度。(一番下のグラフ)
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■フィルタレス化
フィルタの損失を0にしてオイルポンプの負荷がどれだけ下がるか見てみます。
※効果を多めに見積もるために損失0で計算してますが、HPによると損失1/7とのこと

オイルフィルタの損失0へ↓
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↑損失0なので圧は上がらずリリーフバルブは開かない。


オイルポンプの圧、流量。
余りさが無いように見えますが抵抗が減ったので、
リリーフバルブが開く回転数が1000rpm程度高回転側にずれてます。
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■比較
同様にポンプの仕事量を計算して、フィルタレス化前後で比較。

リリーフバルブの開弁までの部分で若干差があるが、0.4馬力程度の差。
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ワット表示だとこんな感じ300W未満。
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■体感できない?
こんな微妙な差は体感できないんじゃ?
燃費10%向上も?
 ⇒ これはアクセルの踏み方によるかもしれません。


FA24のスペック:240Nm、70kW@3000rpm

これに対してアクセル開度/要求トルクマップから出力を推定してみると、
・アクセル10%
 要求トルク約20Nm ⇒ 5.8kW
 -300W/5.8W=-5%

・アクセル5%
 要求トルク約3Nm ⇒ 0.9kW
 -300W/0.9kW=-34%

アクセル10%未満の領域で巡航する分には燃費10%改善は無くはないかもしれません。
※かなり甘く見て効果を多めに見積もった場合です
もしかすると、レスポンスアップもアクセルをちょっとだけ踏んで空吹かしすると分かりやすいかも?



・アクセル全開100%
 要求トルク240Nm ⇒ 70kW
 -300W/70kW = -0.4%
 うーん。差はあるけどこの程度の差は体感はできないと思います。
 この差が素直にタイムに現れるレベルのドライバーって…


■むしろこっちの方がメリット?
油圧回路全体の損失が減るからエンジンブロック側の高回転側の油圧が上がる(オイル支流量が増える)
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この変化はサンドイッチブロックの油圧変化でも間接的に推測できます。
油圧上昇カーブの傾きが小さくなるのと、変曲点が高回転側にずれる
 → 高回転の流量増
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■結局ありなの?なしなの?
フィルタのろ過性能
損失低減とそれによる流量変化。

86レースで使われてる!とか
あの有名人がお勧めしてる!とか
レスポンスアップ最高!とか
エンジンルームがカッコよくなる!とか
オイル交換で金属ゴミがでない!とか
純正最高!とか
速くなる可能性があるものは全て正義!とか


みな重視するところが違うから自分で考えて判断するしかない。
オイル関連は特に宗教的な色合いが強いので、
自分が信じると決めたら信じる。
信じないと決めたら信じない。


こんなブログを書いておきながら言うのもなんですが、
信じてる/信じてないどちらに対しても改宗を進めるのは野暮ってもんです。


ただこれだけは伝えたい
売る人は嘘はつかないけど、真実を全て教えてくれるとは限らない。


以上です。
Posted at 2024/09/24 01:11:14

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