まとめ記事(コンテンツ)

2024/10/10

熱するか、冷やすか?


では、「バーナーと冷却ケミカル、どちらが良いのか?」ですが、ネット上では(そもそも理屈が解っていないので)火気厳禁な場所か否かで使い分けろ、とステレオタイプな事が書かれています。

ですが、例えば、錆でボロボロになっているマフラーのボルト&ナットだったら、バーナーで赤くなるまでガンガンに熱しないとダメかもしれませんが、通常はそこまで熱する必要はありません(※)

つまり、小型のヒートガンやターボライター、ミニバーナー等でスポット的に温めれば十分なので、使用厳禁な場所は限られます。
逆にそれで緩まなければ、仮に相手がナットならナットブレーカーでぶった切る方が結果的に早い(なお、ナットブレーカーですが、汎用性を考えればO型よりもC型の方がお勧め)


それでは何を基準にすべきかというと、対象物の大小です。

エンジンブロックに刺さってるボルトであれば、ボルトを冷やす方が早い。
逆にナットであれば、ナットを温める方が早い。
熱伝導率は材質に依りますが、当たり前ですが同じ材質でも質量や厚みが影響するため、逆をやろうとしたら当然時間がかかるし、相手材へも熱が伝わりやすくなります。


(※)
前回紹介した凍結浸透ルブのようなケミカルは、概ねマイナス40度くらいに下げるようなので、常温を25度とすれば、-60~70度の降下温度で隙間を作り(+潤滑剤の助けを得て)ナットを緩ませるようにする商品であることがわかる。
逆に言えば、熱する場合は100度くらいに熱すれば、隙間は出来るという話になる(ちなみに、鉄が赤くなるのは550℃~)

一方、バーナーでどのぐらいの時間熱すれば100度に達するか?ですが、
・ある消防局の実験では、ガスコンロでフライパンを空焚きして200℃に達するまでの時間は、鉄製のもの(917g)で50秒。
・ガスコンロの標準火力は約3kw、一方でバーナー(ガストーチ)は1200~1500kcal/hなので、kwに換算すれば1.4~1.7kwぐらいで約半分。
つまり、単純計算で、約1Kgの鉄製フライパンを50秒温めれば100度になるぐらいのパワーがあるので、少々オーバースペックです。

因みに、冷却系ケミカルが-40℃ぐらいなのは、おそらく潤滑剤の流動点との絡みで、前回紹介したラストブリザードの方が低いのは、より低温流動性の高い潤滑剤を使用しているからだと思います。

冷やすだけが目的なら、フマキラーの凍殺ジェットが-55℃(30℃からの降下温度が-85℃)なので、そちらの方が効果が高いかと。
値段も1,000円ぐらいで半額だし、いずれもHFO冷媒を使用しているのは同じでしょうが、凍殺ジェットは溶剤不使用らしく、冷却ケミカルと違い周辺がベタベタにならないという利点(言い換えれば弱点)はあります。
もちろん自己責任で・・・



Posted at 2024/10/10 13:11:47

イイね!0件

はてブに送る
はてブに送る

オススメ関連まとめ

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

ニュース