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まとめ記事(コンテンツ)
2026/02/20
【摩擦力とタイヤ】 おまけの話
ネット上で「グリップ力が低いタイヤも高いタイヤも、グリップの限界を迎えていなければ、制動距離は同じだ」と頑なに主張する人がいました。
冷静に考えればおかしな主張だと解るはずですが、本人は陰謀論に嵌るのと同じで、確証バイアスに陥っているのでしょう(笑)
この人の主張を図にすると、

ですが、実際には次の図のとおりになります。

ブレーキの場合、自分で踏む力を加減してしまうので、ハイグリップタイヤにしても効きが良くなったのか否か解りにくい面はありますが、コーナリングで考えれば、明らかに曲がりやすくなる(アンダーが減る)のは、多くの方が経験済みかと。
【改めて物理的に考えると】
前々回に書いたように、ブレーキを掛けると(車に加速度が加わると)、回転体であるタイヤは滑りを伴いながら転がります。
言い換えれば、転がり抵抗に滑り抵抗が加わった状態ですが、この場合は転がり摩擦で考えず、滑り摩擦で考えます。
※この滑りが100%になった時が、タイヤがロックしたときです。
・制動距離=速度の二乗÷(重力加速度×滑り摩擦係数×2)
この式は、一般的には急制動時の制動距離を示したものと捉えられていますが、式自体は急制動時にのみ成り立つ訳ではなく、例えばハーフブレーキングの時でも成り立ちます。
つまり、ここで言う滑り摩擦係数は、動摩擦(滑り率100%)の時の係数ではなく、滑り率によって上図のように変化するので、本来は一定値ではありません。
※摩擦係数が一定でない場合、通常は測定結果に基づく平均値等を用いますが、急制動時の制動距離を考える時には、便宜上、滑り率100%の時の係数を使うこともあるようです。
また、摩擦係数は当然ですが、(タイヤ以外に)路面によっても変わります。
例えば、圧雪路や凍結路で制動距離が延びるのは、この滑り摩擦係数が大幅に下がるからです。
※摩擦係数が1/2になると、制動距離は2倍に増える。

路面別の(急制動時の)滑り摩擦係数
※ブリヂストンのHPより引用
余談ですが、アイスバーンでは重いクルマの方が明らかに制動距離が延びますが、上図からも解るように、凍結路ではタイヤのグリップ力が殆ど働かず、ほぼ走行抵抗だけになるために、荷重移動(慣性力)の影響が大きく表れるからです。
※摩擦係数が1/10になると、荷重移動による制動距離の差も10倍になるため、結果として目立つという話。
【それでも納得できない?人へ】
昔から、1本だけ違う銘柄のタイヤを入れるなと言われますが、あれも1本だけ摩擦力の高いタイヤ、或いはその逆のタイヤを履くと、全体のバランスが崩れてしまうからです(今はVSCが標準なので、あまり影響ないかもしれませんが)
※殆ど読む人はいないでしょうが、タイヤカタログの巻末に小さな字で「同じ車軸上に異なるタイヤを使うな」との注意書きがありますが、その理由については「タイヤ性能が異なるため、車の安定性を損ない、事故等につながる恐れがある」と明記されている。
なお、ネット上には、自らを車屋だと名乗る人もいましたが、その人もよく解っていないようでした。
※承認欲求だか何だか知らないが、ネットというか世の中には雉が多い?
Posted at 2026/02/20 11:11:29
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