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まとめ記事(コンテンツ)
2026/03/09
バッテリーの内部抵抗の話 (応用編)
1 バッテリーの内部抵抗の本質
ところで、「放電とは何か?」と聞かれれば、「負荷を繋ぐことで電流(電子の流れ)が生じることだろ」と答えると思いますが、今回はちょっと化学的に考えてみます。
まず最初に、バッテリーが放電すると、正極・負極ともに酸化還元反応により硫酸鉛(PbSO₄)が生成されます。
参考)
【保存版】 誰でも解る!バッテリーの充放電の仕組み(化学反応編)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2036415/blog/48284192/
化学反応と熱については、中学の理科で学ぶようですが、化学反応により熱を発するのが発熱反応であり、熱を吸収するのが吸熱反応です。
※例えば、ホッカイロなんかは、この発熱反応を利用している。
バッテリー放電時の化学反応も発熱反応ですが、この場合ホッカイロのように熱エネルギーに変えるのではなく、主に電気エネルギーに変えて取り出していますが、これがバッテリーの放電です。
※化学エネルギー→電気エネルギー(充電の場合は逆)
つまり、バッテリーの内部抵抗(放電時)は、この発熱反応によるエネルギーの内、電気エネルギー以外の熱エネルギーなどに消費してしまったエネルギー損失の事を言います。
2 内部抵抗の具体的な内容
さて、基礎編で書いたように、バッテリー(電池)の内部抵抗には、反応抵抗、拡散抵抗、オーミック抵抗の3つがありますが、言い換えると下記のようになります。
・反応抵抗(活性化損失、活性化過電圧)
活性化エネルギーによる損失
・拡散抵抗(拡散損失、濃度過電圧)
溶液内のイオンの移動による損失
・オーミック抵抗(電気抵抗損失、抵抗過電圧)
極板内などの電荷の移動による損失
これらを、放電時に注目しながら、順番に細かく見ていきます。
※興味のない人は、以下は全て読み飛ばしてください。
(1)活性化損失
水素と酸素が出会っても簡単には燃焼(爆発)しませんが、それは何故かと言うと、ある物質が他の物質へと変化するためには、外部からのエネルギー(熱エネルギーや電気エネルギー等)が必要になるからです。
※化学反応は分子同士が激しく衝突することで起こるが、衝突した際に発生するエネルギーがある一定値を超えた時に初めて反応が起こる。
金属結合にしろイオン結合にしろ電子がかかわっているので、バッテリーの化学反応では、この電子の授受により酸化還元反応が起こりますが、まず最初に原子間の組み換えが起こりやすい状態(活性化状態)にならないと、反応自体が起こりません。
そのために必要なエネルギーが活性化エネルギーであり、それによる損失が活性化損失(活性化過電圧)です。
※触媒を用いると、この活性化エネルギーが下がるので反応速度が上がる(反応が促進される)
ところで、冬よりも夏の方がバッテリーが元気だと言うのは、周辺温度が高いほど活性化エネルギーを持つ物質が増えるために、酸化還元反応が活発になり、取り出せる電力量も増えるからです。
一方で、同じ周辺温度では、放電電流が増えると活性化エネルギーによる損失も増えるので、放電効率は下がります。
※酸化還元反応で発生したエネルギーが、次の反応のための活性化エネルギーにも充てられる事で順次反応を起こしているが、その供給量が一気に増えるため、電気エネルギーとして取り出せる割合が下がる。
従って、放電電流を増やすと、放電容量は5時間率容量で計算したものよりも少なくなります。
(2)拡散損失
実際に放電する場合、反応物質さえあれば活性化エネルギーによる損失だけで済みますが、反応するための物質がなければ、今度はそれを集める必要性が生じます。
バッテリーの電解液は電気的には中性ですが、放電が始まると極板付近で酸化還元反応が起き、極板付近のイオンの濃度が低下します。
そのため、電解液の中で電位差が生じるので、水溶液中のイオンが電位差(濃度差)を埋めるように移動し、極板付近でまた新たな酸化還元反応が起こります。
このように水溶液中のイオンの移動を起こすために消費されるエネルギー損失が、拡散損失(濃度過電圧)です。
放電電流が増えるほど濃度過電圧も大きくなるのは直感的にも解ると思いますが、車で始動用電源として使う場合には、短時間の間に大電流を流す必要があるため、濃度過電圧も大きくなります。
※そのため、放電して比重が低くなったバッテリーでは、エンジンを始動できない。
(3)電気抵抗損失
基本的には、一般の電気抵抗(ターミナルや極板などが持つ電気抵抗=熱エネルギーによる損失)のことですが、バッテリー特有の現象として、電導パスの減少に伴う抵抗成分の増大があります。
サルフェーションは今や車好きなら誰でも知っている言葉ですが、その元となる硫酸鉛(PbSO₄)は、冒頭にも書いた通り放電による化学反応により生成され、両極板の表面に付着していきます。
硫酸鉛は本来は絶縁体ですが、電子はごく薄い層であればトンネル効果という現象で通過できますが、厚くなると通過できなくなるので、電気の通り道(電導パス)が減っていきます。
つまり、放電が進むほど、電荷の移動に対する抵抗が大きくなるということです。
これらを併せた損失が、電気抵抗損失(抵抗過電圧)です。
Posted at 2026/03/09 10:53:12
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