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2026/03/06

バッテリーの内部抵抗の話 (基礎編)


バッテリー(電池)の内部抵抗ですが、一般的な抵抗(電気抵抗)とは中身が異なります。


(1)一般的な抵抗と電池の内部抵抗の違い

同じ「抵抗」という言葉から、電池の内部抵抗も電流と電圧さえ判れば、オームの法則で計算できると考える人が多いですが、この内部抵抗を電気工学などの物理的な観点から見ると、
・電池の内部に存在する、電流を流す性能を示す仮想の抵抗
・V=E-rI(Eは起電力、rは内部抵抗)
となります。

一方、化学的な観点から見れば、実在する抵抗(エネルギー損失)であり、具体的には、
・反応抵抗(反応エネルギーによる抵抗)
・拡散抵抗(溶液中のイオンの移動による抵抗)
・オーミック抵抗(金属中の電子の移動による抵抗)
の3種類に分けられます。

まあ仮想でも実在でも、どちらでもいいのですが、電池の内部に存在する抵抗(エネルギー損失)のため、前回も書いた通り、電池にテスターを繋げても流した電流は充電反応に使われるため、内部抵抗だけを取り出してその抵抗値を計測することはできません。
※起電力を12.6Vと仮定すれば、r=(E-V)/Iより、ある電流で放電した時の内部抵抗は求められるが、あくまで計算上の(相対的な)抵抗値でしかなく、殆ど意味がない。

従って、内部抵抗を完全に把握することはほぼ不可能なのですが、専用のテスターを使えば、ある程度は正確に測ることができます。


(2)内部抵抗と放電曲線

内部抵抗については、一般的に「バッテリーの劣化に伴い、徐々に増えていくもの」だと捉えている人が多いと思います。
※実際、CCAテスターは内部抵抗を測定し新品時と相対比較することで、劣化診断をしている。

一方、放電が進むにつれて電圧(起電力)は下がっていきますが、これも一時的に内部抵抗が増大するためです。
※これを知らない人が、パルス充電したらCCAが上がっただのと騒いでいますが、充電すれば内部抵抗は減るので、(特に数値補正されない安物中華テスターの場合は)CCAが上がるのは当たり前。

つまり、内部抵抗は充放電により都度変化するが、バッテリーの劣化に伴い、内部抵抗のベース値も徐々に上がっていくということです。
※人間の血圧みたいな感じ?(高齢者には高血圧の人が多い)

で、実際に(一定の電流で)放電し続けたときの電圧の変化を示しているのが、下に示す放電曲線です。


放電曲線の例(「産業用蓄電池について」note電気うなぎさんの記事より引用)

・放電初期の①では、主に反応抵抗により電圧は急激に下がる。
・安定期の②では、オーミック抵抗と拡散抵抗が徐々に増えていくため、電圧は漸減していく。
・③では、オーミック抵抗と拡散抵抗が急激に増大していくため、電圧は一気に下がり放電終止電圧へと至る。

つまり、放電が進むと電圧が下がっていくのは、内部抵抗が増えていくからなのです(V=E-rI)

因みに、バッテリーの充電後電圧を測定する際、整備書に「一旦軽く負荷を掛けて、サーフェイス分を取り除いてから」と書かれているのは、①を取り除くためです。
※①を除かないと、見掛け上の(使えない)電圧を測っていることになるので無意味。

なお、劣化して容量低下したバッテリーは、②を維持できる時間が短くなっている事を意味します。
※そのため、充電器で充電しても、短時間で満充電となるが、実際には殆ど充電できていないという事が起きる。


以上が、バッテリーというか電池の内部抵抗の基本です。

Posted at 2026/03/06 08:51:22

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