まとめ記事(コンテンツ)

2026/03/28

そもそも、剛性って何?(2)


剛性について考える前に、まずは強度(応力とひずみ)の話から。


【外力、内力と応力】

外力とは、言葉の通り外部から加わる力のことで、内力とは、その反力です。

次に応力とは、この内力を(仮想断面の)面積で割ったものですが、具体的には「部材内に発生している、単位面積(mm^2)あたりの力」のことで、垂直応力を例にすれば、以下のように表されます。
・応力σ[MPa]=内力P[N]/断面積A[mm^2]

また、外力には引っ張る、曲げる、ねじるなどさまざまな種類がありますが、応力は垂直応力σ(引張応力、圧縮応力)とせん断応力τに分けられます。
※実際には曲げると同時にねじる力が加わるなど、複合的な力が同時に加わるが、常にこの二つを考えれば良い(曲げ応力を独立させている場合もあるが、後述するが曲げ応力は引張応力と圧縮応力に分解できる)


【応力、ひずみとポアソン比】

外力により変形を受けた際、変形の度合いを表すのが「ひずみ」ですが、これも応力に対応して垂直ひずみε(引張ひずみ、圧縮ひずみ)とせん断ひずみγに分けられます。

ひずみとは、具体的に言えば、変形量を元の長さで割ったものです。
※このひずみの縦と横との比率が、ポアソン比ν(=横ひずみ/縦ひずみ)

垂直応力と垂直ひずみの関係は、
・σ=E×ε(E:ヤング率)
また、せん断応力とせん断ひずみの関係は、
・τ=G×γ(G:せん断弾性係数)
になります。
※ヤング率とせん断弾性係数は、材料固有の定数。


【応力ひずみ曲線】

応力とひずみの関係を示したグラフを、応力ひずみ曲線と言います。



↑引張試験の例(画像は土木LIBRARYより引用)

応力は、このように強度を評価する際の指標に使われます。
なお、σ=E×εであることからも解るように、弾性係数が同じならグラフの傾きも同じですが、強度が大きい材料の方がB点(弾性限度)やF点(引張強さ)がより高い位置にきます。
※材料によっては、図のような降伏現象が見られないこともある(例:脆性材料)

弾性限度は荷重を取り去ればひずみが元に戻る応力の最大値であり、引張強さは応力の最大値で、これが強度(終局応力)となります。
※永久変形が残ってはいけない部材では前者が、荷重を支えるだけでよい部材では後者が基準強度になる。

「安全率」と言う言葉を耳にしたことがあると思いますが、これは許容応力(想定される最大の応力)に対して、基準強度がどれだけ余裕があるかを示す率です。
・安全率=基準強度/許容応力
※建築基準法では、エレベーターのロープは安全率が10以上必要だそうです。


では次に、曲げ力が加わった場合の応力とひずみについて考えてみます。


【曲げ応力と断面係数】

例えば、柱から突き出した梁に上から力が加わると、梁は先端が下がるように曲がって変形しますが、このとき部材の上面は引っ張られますが、部材の下面は圧縮されます。

つまり、断面には引張応力と圧縮応力の2つの応力が発生しており、梁の上面で引張りによる垂直応力が最大に、下面で圧縮による垂直応力が最大になります。
なお、横から見て中央の長さが変化しない面(引張応力も圧縮応力も掛かっていない面)を中立面と呼びます。

これらの垂直応力を合わせたものが「曲げ応力」ですが、上面あるいは下面における最大曲げ応力σmaxは、断面係数Zと、曲げモーメントMにより求めることができます。
・σmax=M/Z
※曲げモーメントMは、梁にかかる荷重とその出っ張り長さの積(W×L)

断面係数Zは断面の形状のみで決まる値で、例えば、(上から荷重が掛かった場合の)長方形の断面係数Zを求める公式は、以下の通りです。
・Z=b×h^2/6(b:幅、h:高さ)

同じ曲げモーメントの場合、断面係数が大きい方が最大曲げ応力は小さく(=ひずみが小さく)なります。

そして長方形の場合、向きを変えれば、断面係数も変わります。

↑画像は、ものづくりウェブより引用

破線を中立軸(中立面と仮想断面の交線)とした場合、左の方が断面係数が大きくなります。
これはまあ直感でもわかるでしょうが、知っていると日曜大工などでも役に立つと思います。

(続く)

Posted at 2026/03/28 11:42:26

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