まとめ記事(コンテンツ)

2026/01/21

コンデンサとアルミテープチューン(3)


さて、導体においては静電誘導が起こると書きましたが、誘電体の場合にもこれと似たような現象が起きます(誘電分極)


【誘電分極】

誘電体には自由に動き回れる電子がありませんが、外部電場の影響を受けると、分子や電子の配置が僅かに変化して、内部に正電荷と負電荷の偏り(電気双極子)が生じますが、これを誘電分極と言います。

誘電分極は、元々電荷の偏りを持っている分子(極性分子)が整列したり、あるいは分子内の電子が偏るために引き起こされます。
前者が配向分極、後者が電子分極と呼ばれ、それぞれ異なる周波数帯や温度域で主導的に働きます。


【比誘電率】

誘電分極は静電誘導(静電平衡)とは違って、完全な平衡状態には至らないので、すべての電場(電気力線)を打ち消すことはできません。
これをどれだけ打ち消せるかを示す指標が、分極率を表す比誘電率です。

コンデンサの間に誘電体を挟むと、この誘電分極が起きるのですが、電気力線を一部打ち消すことで、例えば電池で両極に同じ電圧を掛けている場合、蓄えられる電荷の量がその分だけ増えます。
※比誘電率が2なら、電気力線が1/2に打ち消され、2倍の電荷が蓄えられる。

なお、誘電体の中には、外部電場を取り去っても自発的な分極状態を維持できる「強誘電体」と呼ばれるものが存在します。
チタン酸バリウム(BaTiO3)が有名ですが、下記のように非常に高い比誘電率を示します。


【各コンデンサにおける比誘電率】

・アルミ電解コンデンサ(酸化アルミニウム)
概ね6.0~10.0(周波数や温度で幅があるため。以下同じ)

・フィルムコンデンサ(例:PP)
概ね2.1~2.6

・セラミックコンデンサ(例:チタン酸バリウム)
概ね1,500~15,000

つまり、同じ面積の極板を持つコンデンサでも、誘電体次第で静電容量を大幅に増やすことが出来ると言う話です。


【おまけ・・・アルミナとは?】

ところで、アルミナって研磨剤とかの成分(研磨粒子)に使われていたりするのでご存じの方も多いと思いますが、酸化アルミニウム(Al2O3)のことです。

アルミは空気に触れる事で表面が酸化し安定しますが、自然に出来る被膜は1~3nmと非常に薄いのですが、アルミ電解コンデンサの陽極(アルマイトと同じ電化処理)だと~1μmぐらいです。
※陰極は自然に出来る被膜のみ形成される。因みに、原子の大きさは0.1nmぐらい。

なお、昔のSSRなどの多ピース型アルミホイールの板リムは、表面保護のためアルマイト処理がされていましたが、この場合でも厚さは数μm~数十μm程度です。


【おまけ2・・・コンデンサ鳴きについて】

圧電体と呼ばれる特定の誘電体の結晶では、外部から加えられる振動や衝撃等によって双極子の持つ分極に変化が加わり、空間電荷がこれを補正するまでの短時間だけ外部結晶表面に比較的高い電圧が生じます(圧電効果もしくはピエゾ効果)
※初代セルシオのB仕様(バネサス)に、圧電体素子を使ったピエゾTEMSが搭載されていた。

圧電効果は可逆反応であり(運動エネルギー⇔電気エネルギー)、圧電体の結晶は電圧、つまり外部から加えられる電場に応じて変形します(逆圧電効果)
チタン酸バリウムは圧電体の代表格ですが、セラミックコンデンサの場合、この変形による振動が基盤と共振することで、異音が聞こえる事があります。
※交流成分による電圧変動に伴い変形を繰り返すため。

私はこれを某車のECU(三菱電機製)で経験しましたが、酷いときはエンジン始動直後にブーンと大きい音が鳴り、その後ジーと鳴き続け、やがてジ、ジ、ジとなって消えます(通常は数分、長くても5分程度で鳴き止む)

ECUを開けてみた訳ではありませんが、エンジンを切ると(ACC)鳴き止むのと、再始動時には鳴きが出ないので(ということは、温度=膨張率に影響される)、セラミックコンデンサによる鳴きで間違いなかったと思います。
※個体差なのか、それとも基板の設計が悪かったのか、専門家ではないので判りませんが。

Posted at 2026/01/21 21:15:26

イイね!0件

はてブに送る
はてブに送る

オススメ関連まとめ

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース