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まとめ記事(コンテンツ)
2026/08/08
ダウンフォースを考える(2)
以前、ブレーキについて散々書き連ねましたが、「重い車ほど制動距離が延びる(制動距離は質量に比例する)」は間違いで、確かに運動エネルギーは質量に比例しますが、一方で摩擦力も質量に比例するので、「質量が倍の車は倍の摩擦力を得られるから、制動力は(原則的には)変わらない」とする話をしました。
参考)
ブレーキ強化で制動力向上!?
https://minkara.carview.co.jp/summary/15167/
つまり、制動力=摩擦係数×重力加速度×質量となりますが、ここでの重力加速度×質量は垂直抗力の事であり、逆に言うと質量を変えずに質量以上の垂直抗力が得られれば、制動力は上がり、制動距離も短くなります。
「そんなうまい話がある訳ないだろ?」と思われるかもしれないが、これがあるんです。
そう、それがダウンフォースです。
実際に、これは約25年前のデータですが、F1では既に最大の駆動加速度が1.3G、制動加速度は3Gにも達していたそうです(注)
※これは巨大なウイング等によって強力なダウンフォースを得ているから。
そもそも前回、なぜ飛行機の翼を例に揚力の話をしたかというと、実はウイングはこれを逆さにした形状のものだからです。
※なので、同じ理屈で下方向に車体を押し付ける力が働く。
これによって、最高速付近では実際の質量の何倍ものダウンフォース(垂直抗力)を得ているので、本来のタイヤのグリップ力で得られる摩擦力の何倍もの摩擦力を得られる訳です。
つまり、ウイングの本当の役目は「揚力で車体が浮き上がるのを防ぐため」ではなく、「揚力を積極的に利用し、車体を路面に押し付けて強大な摩擦力を得るため」というのが正解です。
(注釈)
1G≒9.8m/s^2なので、例えば0→100km/hまで加速するのに10秒かかる車と3秒かかるの車を比較すれば、加速度=速度の変化/時間なので、
・27.8(m/s)/10(s)≒2.78(m/s^2)になり、約0.28G
・27.8(m/s)/3(s)≒9.3(m/s^2)になり、約0.95G
逆に、100km/hからの制動に3秒(平均-0.95G)掛かる場合の制動距離は、
・27.8(m/s)/2×3(s)≒41.7m
になります。
また、もし制動時に平均-3Gの加速度が得られるなら、100km/hからの制動を僅か0.95秒&13.2mで止まれる計算になります。
※F1の-3Gはあくまで最高速近辺での最大の制動加速度なので、減速するに従いダウンフォースが減ることで制動加速度は(√)逓減していくので、実際はもっと時間も距離もかかる。
Posted at 2026/08/08 16:30:30
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