まとめ記事(コンテンツ)

2026/08/07

ダウンフォースを考える(1)


ダウンフォースを考える前に、まずは揚力を考えてみます。


(1)揚力って何?

1980年代、若者の間でFFファミリアが大売れした頃から、主にファッションでエアロパーツを組むのがブームになりましたが、当時読んでいたドライバーには「車は高速になれば揚力が発生するので、車体が浮き上がってそのせいでふらつくが、リアスポイラーで車体の浮き上がりを抑え、アンダースポイラーで車体の下に流れ込む空気を減らせば、高速でも車体が浮き上がらず安定して走行できるようになる」みたいに書かれていました。

まだ中学生だった自分は、それを読んで「そうか、車の下に空気が流れ込むから、揚力が発生して車体がふらつくのか」と単純に理解した気になっていましたが、あの時もっと深く考える力があれば、もっと違う人生だったかもしれません(笑)
※塾の同級で休み時間にニュートンを読んでいる奴がいましたが、開成→現役で東大に行きました(一方、自分が読んでいたのはドライバー・・・)

で、揚力って何?って話ですが、たとえば飛行機ですが、あんなに重い物が何故飛べるのかというと、翼によって揚力を得ているからですが、これは翼の下側の圧力が上側の圧力よりも高いために働く、上向きの力になります。


(2)ベルヌーイの定理(流体のエネルギー保存則)

これは、流線上における流体エネルギー(運動エネルギー+圧力エネルギー+位置エネルギー)は、常に一定になるというものです。
・運動エネルギー1/2ρv²+圧力エネルギーP+位置エネルギーρgz = 一定
ρ :流体の密度、v :流速、P :圧力、g :重力加速度、z :高さ
※厳密に言えば、理想流体での話。

水平に置かれたホースの一部を踏むとそこだけ流速が上がりますが(運動エネルギーの増加)、これを流体のエネルギー保存則に当てはめれば、その分だけ圧力エネルギーは減少します。
※素人考えだと、踏んづけている分だけ圧力はむしろ上がりそうですが。

ではここで、夏休みの自由研究ではありませんが、空き缶を少しだけ離して二つ並べて、その間に息を吹きかけると、どうなるでしょうか?

赤色のボタン:缶同士が離れる
緑色のボタン:缶同士がくっつく
黄色のボタン:缶が二つとも倒れる
さて、正解はどの色のボタンでしょうか?

(ここで締め切りです)

正解は緑色のボタンで、空き缶は互いに吸い寄せられてくっつきますが、これは缶の間の流速が速くなることで、圧力が(周りの大気圧より)下がったためです。
※黄色のボタンを選んだ人は、肺活量が多すぎ(笑)

と言う訳で、このベルヌーイの定理に従い、翼の上側と下側では流速が違うから(上側の方が湾曲している分だけ速く流れるから)揚力が働くのだとする説明が多いのですが、それだと高校生レベルの理解で終わってしまうので、もう少し掘り下げてみます。


(3)流線曲率の定理

ベルヌーイの定理があくまで同じ流線上における話だったのに対し、流線曲率の定理は周辺にある流線との関係を示すものです。

翼のような曲がった板に流体が流れると、流線も板に沿って曲がりますが、流線の曲率の中心方向に向かうほど圧力が低くなります。
※流線が曲がると流れる空気にも遠心力が生じるため、中心方向に向かうほど空気が薄くなり気圧が下がるので、流線の外側より内側の方が圧力は低くなる(圧力勾配)

翼の上側について考えると、翼に近い方が(大気圧に対して)圧力が低くなりますが、下側について考えると、逆に翼に近い方が(大気圧に対して)圧力が高くなります。

そのため、翼の上側の圧力<翼の下側の圧力となるために、上向きの力(揚力)が発生することになりますが、この時の流速が大きいほど、また曲率半径が小さいほど、圧力勾配は増えます。
※流速の二乗と曲率の積に比例する(曲率は曲率半径の逆数)

なので、飛行機のフラップを下げれば逆に上昇するのは何故かと考えた時、ベルヌーイの定理ではすっきりと説明できませんが、流線曲率の定理を用いれば、曲率が大きくなることで圧力勾配、即ち揚力が増えるからだと理解できます。
※但し同時に空気抵抗も増えるので、両者のバランスを取る必要がある。

つまり、飛行機の翼は流線を曲げることで圧力差を作り出し、揚力を発生させている訳です。


↓揚力について興味を持たれた方は、こちらもどうぞ。

社会人からの物理と数学
https://youski.hatenablog.com/entry/2018/08/04/132003

Posted at 2026/08/07 13:01:22

イイね!0件

はてブに送る
はてブに送る

オススメ関連まとめ

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

ニュース