まとめ記事(コンテンツ)

2011/05/12

No.13 CT200h TNP基礎講座 「エンジン停止走行比率は環境に合わせて」

バックナンバー No.05「THS2におけるTNP向上の基本」に「モーターによる巡航走行の距離をどれだけ長く稼げるか」がTNPのキーポイントであると書きました。

また、バックナンバー No.10 「基本走行パターン」では巡航走行時、エンジン走行距離とそれに続くモーター走行距離の比率は1:2が好ましいと書きました。

しかし、エンジン停止走行(モーターあるいは滑空)の無理な引き伸ばしはストレスになることが多いです。モーターで速度を維持しずらい中高速の速度域においては、特にです。


今回は、そのモーター走行引き伸ばし比率を緩和する方法についてお伝えしたいと思います。


まずは、その根拠となる理屈について説明します。

エンジン走行時の充電パワーと瞬間燃費については、バッテリレベル(BL)との相関性があります。

低BL(BL2~4)では、エンジンパワーをHVバッテリの充電に振り分ける比率が高くなります。

瞬間燃費計を観察しているとわかりますが、低BLではエンジン走行時の瞬間燃費が悪く、高BL(BL5以上)ではエンジン走行時の瞬間燃費が良いです。

反面、低BLでは、短いエンジン走行距離で必要な充電量が得られ、モーター走行距離を稼ぎやすいというメリットがあります。


実際に、具体的な数字で計算してみます。

1)低BLの場合

 エンジン走行@13.3km/L → モーターで2倍の距離を走行すれば40km/L

2)高BLの場合

 エンジン走行@20.0km/L → モーターで1倍の距離を走行すれば40km/L


このように、エンジン走行時の燃費が良い状態であれば(高BL)、モーター走行を無理に引き延ばす必要がなくなってきます。


では、どのように実践すればいいか?

わざわざ高BLに持っていく必要はありません。
モーター走行引き伸ばしを無理にやらなければ自然とBLは高めになってくるはずです。


一点だけ注意するとすれば、つなぎのエンジン走行が短すぎるのはNGです。
短くズバッと加速する場合は3秒以上、そうでなければ10秒以上は守りたいものです。

エンジン始動時、結構大きい電力消費が発生するので、頻繁なエンジンオンは不利だからです。



今回のまとめです。

走行速度域によってエンジン走行距離とモーター走行距離の比率を変えてみましょう。

・55km/h以上で走行する場合は、エンジン走行比率を高めてみる(高BL)
  (エンジン効率のいい速度域)

 エンジン:モーター=1:1以上

・45km/h以下で走行する場合は、モーター走行比率を高めてみる(低BL)
  (モーター効率のいい速度域)

 エンジン:モーター=1:2以上

・中間域はお好みで



注意点

 上記の走り方で、思った通りにBLが推移してくことを確認のこと

 1回のエンジン走行の時間を短くしすぎない(エンジン始動時の電力ロスの影響)
  → 加速なら3秒以上、巡航なら10秒程度以上



バックナンバーはこちら
No.12 CT200h TNP基礎講座 「発進加速について」

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Posted at 2011/05/12 07:57:24

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