
今回はちょっとまじめな話。
今日は学校公開日で、いわゆる授業参観が出来る日。
一年に一回、子供達の授業中の雰囲気や、担任の先生の様子をLIVEで見ることの出来る貴重な日だ。
ボクは特に教育熱心っていうわけでもないから、先生の教え方がどうとか子供の授業への取り組み方がアレだとか、そんな細かいことをチェックするつもりもなく、ただ普段の子供達から聞く学校の話を、よりリアルに捕らえたくって行ってるようなものだ。
それでも、今日の道徳の授業にちょっとアレ?って感じることがあった。
授業の題材に取り上げられたストーリーとポイントは、次のようなモノだった。
・舞台は児童が33人のとある学校の5年生のクラス。
・40日後に30人31脚の大会があるので出場することになった。
・当然3人は大会に出られない。
・クラスの中に、不登校の子が1人。足が不自由な子が1人。運動が極端に苦手な子が1人。
・他のキーマンとして、運動は得意だけど強気すぎてクラスメイトから疎まれてる子が1人。
・結局大会には、不登校の子、足の不自由な子、運動の苦手な子を除いた30名で参加。
・出ない3名は、応援を頑張るという分担。
・試合直前の練習で1人怪我をしてしまったので、足の不自由な子が試合に出場。
・当初メンバーの時は優勝候補レベルだったが、試合の結果は良くなかった。
・それでも選手、応援者とクラス一丸になって出場したことに全員が満足感を感じた。
さあ、みんなはどう感じた?という授業だ。
道徳の授業として取り上げるストリートしては、何の問題もないし、ボクも特に何も思わないで授業を聞いていたんだけど・・・。
何が違和感かっていうと、みんなの感想と担任の先生の考え方の誘導の仕方。
先生に指されて意見を求められた子は、若干のニュアンスの差こそあれ、おしなべてこう答えていた。
「だれがダメだとか決めるんじゃなくて、全員で参加できたことが良かった」
そしてその答えに先生は、
「そう、30人で戦ったんじゃない。33人で戦ったんだね。」
ふーん、何の問題もないけど。。。。
うむ、総論としては問題ないし、そういうチャンスは平等とか、仲間はずれにしちゃいけないだとか、の感覚を養ってもらおうという趣旨も重要だから分かるんだけど、なんか物足りない。
その物足りないところは、結局33人のクラスで30人しか出られない状態でどう考えるか。
しかも運動が苦手な子以外は、むしろ出場することに意欲的な気持ちを見せているというシチュエーションで。
というところをあまりにも触れられ無さすぎたところ。
本当なら、勝ちを意識した弱肉強食的な考え方とか、勝負というよりイベントとして全員参加を楽しむ考えとか、色んな意見があるはず。それを先生のバイアスを掛けた誘導で画一的な意見しか出せないような雰囲気になっていることが、ちょっと違和感だった。
「ゆとり」とかそういう色眼鏡で見たくないけど、それって以前問題になった、平等を意識しすぎて徒競走で手をつないでゴールしたっていう現象から、まだまだあまり変わっていないような気がしたから。
これが、まだ小学6年生の授業だからで、中学ではもっとずばり行きますよ、っていうのなら問題ないと思うけど、このまま社会でるまでいったら問題かも、と思った。
現に会社の若手達には、そういう教育をされてきたんだなっていうのを色濃く体感させられるわけで、あまり無視も出来ない現実がそこにあると感じているから。
ちょっと飛躍しちゃうかもしれないけど、最近多いのは批判や評論はするんだけど、じゃあその問題の解決方法を提案してくれよ、っていうと黙っちゃうっていうやつ。
理想ばっかりで、直面したくない現実から目を背けてしまうというか、汚い現実を自発的に自分の手で泥まみれになって一つ一つ解決していくプロセスを嫌うというか、そういう発想がそもそも無いっていうか・・。
って感じることが多くてね。
なんとなく、この授業の進んだ方向が、ボクが日々直面している現実につながっているような気がして、ちょっと恐怖を感じたというのが正直なところ。
この先生が、あるいは、今回の授業がタマタマそういう風に感じただけというのなら、良いのだけれど・・・。
まぁこの手のことは、本来なら親が教育しなければいけないんだろうけど、集団としての考え方はやっぱり学校で教わることの影響が大きいからね。
そんなことを感じた授業公開日だったのだ。
ちなみにボクだったら、こう考える。
ちょっと中途半端かもしれないけど・・・。
・不登校の子もふくめて足の不自由な子、運動の苦手な子がばらけるように、11人のチームを3つくって、10日後にクラス内予選をする。
・そして3位のチームから3名を除く。
・3名を補欠にする選抜する方法は、そのチームに委ねる。
これならチャンスは平等だし、勝ちへの意欲も捨てないでいけると思う。
っていうように、もっと突っ込んで考えた意見が出て欲しかった。。。
もちろん、こういう意見には反論多数あると思うけど、それを戦わせるのがいいんじゃない?
そもそも、正解も間違いもないんだから。