フィクションのような、ノンフィクションのような。
どうもハードボイルドになりきれない。ある時、後輩に世間話の中で「夜景と、夜明けの町のコントラストが好きだ」と言うと、ロマンチストだと言われた。その通りなのだろう。
70~80年代のニューヨークが舞台の探偵ハードボイルド小説を気取り「この凍てつく極寒のわが町で、1日にバーガー3つとコーヒー3杯を頼める内はとても仕事を受ける気にならない」なんて格好つけてみても。
この数年一番長い付き合いだったが数ヶ月前に仲違いして終わったと思い、連絡先を消した自由恋愛の女から「謝りたい」なんて、今更も今更な連絡が。それでも、そんな今更でも俺に連絡してくるなんて、さぞ困ってるんだろうな、と。近年、やっとその手合いの連絡先を捨てられるようになったのに。
どうも、お人好しは捨てられない。頼りにされて悪い気はしないなんて甘いも甘い考え。結局、ロマンチストなので12月クリスマスの季節のような土産を片手に往年の日産スカイラインに乗り込み、スタッドレスのノイズを聞きながら黄昏の町を流す。履き替え前のスポーツタイヤはスタッドレス並みのノイズと思っていたが、やはりスタッドレスの方が煩い。何か考えようにも、煩さに掻き消されてしまう。
久々に会ったその姿はいつもと変わらず。あの時より痩せても太ってもなく、良い女だ。態度も特に下手に出てくることなく、普通だった。強いて言えば、出会った頃のように愛想が良い。俺自身、会いに行くと決めたのだから格好つけて心を広く、愛想笑いの一つもしてやればいいのに、結局俺は仏頂面のままで自由恋愛。
女は元々特段サービスが良い分けではなくこちらから色々要望してコトが進んでいたが、会わないうちに色々覚え直したのか、仏頂面のままの俺のご機嫌取りなのか、頼んでもいないのに最初から最後まで独身の男心を擽る今までで一番「良い女」を演じていた。素の姿を知っている俺からすれば、演じているのがよく分かる。嘲笑しそうになるくらい、手のひら返しだ。
それでも、お人好しが捨てられない。ハードボイルドになれない。「また、来るかなぁ」などと言ってしまう。どんな理由でも、良い女から頼られて悪い気はしない。それが古い男ってものではないだろうか?でもなければ、今時、こんな燃費が非常に悪く、間も無く製造から25年経ち骨董品などと揶揄されるスポーツセダン、日産スカイラインなど公私で乗るものか。
燃費悪いなぁ。ガソリン高いなぁ。寒いなぁ。
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Posted at
2024/12/25 23:18:58