
午後も少し回った埠頭に一台の車が停まっていた。その車にもたれ、お互いに背を向け合っている男女。
「ぢゅ~~~」
サングラスの女はカップに挿したストローからコーヒーの残りを吸い上げる。その軽く咥えたストローに、彼女の厚い唇に塗られた口紅が移る。
「んがっ、むご」
サングラスの男はバーガーにかぶりつく。首のしこりを取る様に、骨を鳴らしながら頭をゆっくりと回す。ルーフには紙袋が二つ。二人は食事をしている様だ。女は、ストローを咥えたまま言った。
「良い天気ね」
「しょうだな」
男は咀嚼しながら生返事で、しかし間髪入れず答える。女は目だけを動かし、目の前に広がる海、その上に架かるレインボーブリッジ、そして快晴の空を見た。女はまた男に声をかけた。
「ねえ」
「なんだ」
男は、今度は口の中にあるバーガーを飲み込んでから答えた。女は、
「…私で、良かったの?」
先程と同じ調子でそう聞いた。男はそれを聞きつつ、バーガーを齧ろうとした。が、その動作を止めると、
「ああ」
そう答え、バーガーを齧った。
「…そっか」
女は小さく頷き、顔を僅かに男の方に向けた。
「いったい、何度聞きゃ気が済むんだ」
男は背を向けたままバーガーを食べていた。その時だった。車内から何か呼び出し音の様な物が聞こえた。警察無線だ。
『警視庁より各局、警視庁より各局。江東区…』
無線から流れる声が、東京中の警察官に事件が起こった事を知らせる。
「はぁ…」
それを聞いた女は、小さくため息をついた。男は初めて振り返り、女に言った。
「お前がつまらん事言うからだ」
男はそう言いながら、ルーフに散かしたカップや包装紙を紙袋に詰め、運転席に乗り込むと同時に後部座席にその袋を放る。
「い~いじゃなぁい」
女は初めて笑みを浮かべ、明るい声で言いながら助手席に乗り込むと同時にシートベルトを締め、足元に転がしてある赤色回転灯をルーフに載せる。男はシートベルトを締めると無線機を取り、言った。
「こちら17号車、現場に近い。今から向かう」
はい、久しぶりにカタカタ打ってみました(笑)。
前回のイラストをコピックで塗りなおしました。
いやー、コピック高けぇ!!普通の文房具屋に売ってなかったので、久々にア○○○トに行きまして買ってきました。一本約270円×…え~、17本くらいだったかな?そう、このイラストだけでもそれだけ使ってます。ベーシックセット的な物も売ってたんですが、使いたい色がなかったので一つ一つ。
しかし、いやぁ~良いですねぇ~。昔何で買わなかったんだろーなーと思いつつも。
ま高校生の頃は、ぽんと5000円近くの買い物はできんです(笑)。
てワケで、本日の一曲。
鈴木聖美で「Wait And See」
ドラマ「あぶない刑事」の終盤で流れる「締め」の曲でした。メロディが少し寂しさを感じさせるんですが、甘くもあります。
嗚呼~、現実でも女性と一緒に聞きたいなぁ~あ(笑)。
ま男同士、ユージとタカの気分で聞いても良いんですが(笑)。
レンタルで見つけるのは難しくなってきましたが、ユーチューブやネットでは見つかりますので、是非探して聞いてみてください。
とゆーワケで、本日の一曲。
鈴木聖美で「Wait And See」
♪~
Posted at 2011/09/15 22:09:32 | |
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