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警部補のブログ一覧

2013年01月30日 イイね!

「17th PCT」第X話「Heartbeat Of Life」

「17th PCT」第X話「Heartbeat Of Life」 僕は、背中にそれを隠しながら係長のデスクに近づく。書類と睨めっこをしていた係長が顔をあげた。
「どうした?」
「係長、どうですこれ?」
僕は久々に仕上げた力作を係長に差し出した。車の形をしたぬいぐるみだ。「ぬいぐるま」という商品名で売られてる物もあるが、それはかなりリアルに作られているけれどそれに負けないぐらいの出来だ。
「なんだこりゃ?パトカーか?」
「はい!あえて道路パトを作ってみました」
「何作ったあ?自分でか?」
「ハイ!」
「なんだぁ、字まで縫ってある。上手いモンだ」

僕はここぞとばかりに胸を張る。けれども係長は苦笑する様に言った。
「いつまでも彼女ができんワケだ」
「え!?どっ、どーゆー意味ですかそれ?」
すると女さんが寄ってきた。
「あら、カワイイじゃな~い。これ、34君が作ったの?」
「え?ええ、ハイ、まあ……」
それを見ていた係長が言った。
「その様子じゃ家でひらひらのエプロンつけて何でもできそうだな?」
「あら、女の子は家事ができる男の子は大歓迎よ?」
女さんはそう言いながら、僕が作ったパトカーのぬいぐるみを犬や猫を可愛がる様にしている。係長が続けた。
「そりゃ君はそうかもしれん。しかしだな、そんなんじゃ女は寄ってこないぞ~」
「どうしてですか?」
「だって、男が家事がなんでもできて、更に自分より上手くできたら面白くないだろ?私は必要じゃないのかなー、と思うかもしれない。趣味でぬいぐるみ作れる男はそうそういないぞ?」
「いや、僕は手先器用なんで、成り行きと言いますか……」
女さんが、ぬいぐるみを僕の頭に押し付けながら言った。
「今時の男の子は違うのよ」
「そんなもんかねえ」
「あ、ところで34君。これ私にくれない?この人の家の中、殺風景でね~」
女さんがぬいぐるみを両手で持って言った。見かけとは裏腹に可愛い仕草と思ってしまう。
「え?あ、あ~…その」
「何?」
「え~と、一応あげようかと思ってる人がいてですね…」
「あ~!アレでしょ、墨東の」
「え!?いや小早川先輩になんてそそそそんなことおもおもおも」
「あら、墨東の小早川さん、とは言ってないわよ?」
「あばばばばばばばばばばば」
狼狽する僕に、係長が腕時計を見ながら言った。
「おい。そろそろ、権兵衛と巡回行ってこい」
「えっ?あっ、は、はい!」
「権兵衛!」
「はいよ。34、行くぞ~」
係長から声をかけられた権兵衛さんがデスクから立ち上がり、ドアへ向かう。僕もすぐに追った。


13:15、昼食を終え、再びパトロールに戻る。今日は権兵衛さんの運転するギャランで動いている。権兵衛さんが片手で缶コーヒーを飲みながら言った。
「最近はこの辺りがやたら物騒だな」
「でも、その場で対処できる事件なんで助かりますね」
「コロシだと帳場が立つからな」
権兵衛さんが気だるそうに片手でハンドルを握る。正直、僕も皆も疲労が積み重なっていた。最近、突発的な事案が頻繁なのだ。逆に各署はパトロールを強化しているので、幸いにもそのほとんどをその場で対処できている。しかし、僕がいるこの17分署の管内ではこの二週間近く、かなり凶悪な事件ばかりだ。早い話、犯人が拳銃を使っている事件がほとんどだ。地域課、そして僕ら刑事課は生きた心地がしない。こんな事がいつまで続くのだろうか。けれど、そんな状況の中でもぬいぐるみなんかを作る暇がある。いや作れてしまう。普通の神経なら無理だ。僕もすっかり警察官という生活に馴染んでいると感じる。そんな事を考えていると、権兵衛さんの声に現実に引き戻された。
「あらら、おいおい!引ったくりだ!」
「え?」
権兵衛さんの視線の先を追うと、そこは歩道で、黒いダウンジャケットを着た男がマウンテンバイクに乗り、手には赤い手提げバッグを持っていた。その後ろでは、毛皮のコートを着た丸いご婦人が金切り声をあげていた。
「行くぞ!」

権兵衛さんがアクセルを踏み込み、ギャランが加速する。僕はシートベルトを外し、回転灯をルーフに載せる。普段なら歩道に乗り上げて道を塞ぐ所だが、こんな時に限って路駐と人混みがある。ダウンジャケット男を追い越し、少し引き離した所でギャランが急停車した。権兵衛さんが言った。
「そら行けっ」
「行きますっ!」
僕もいい加減慣れた物だ。言われなくとも意図を理解できる。飛び降りるとまさにナイスタイミング、真横からダウンジャケットにタックルをかました。二人揃って盛大に転がる。しかしダウンジャケットはまだ諦めていない。奴はすぐに立ち上がると走り出した。僕もマウンテンバイクを払い除け、追う。
「まあてーー!けーさつだーーっ!!」
転がった際にぶつけた節々が痛むが、気力でねじ伏せる。陸上をやっていたわけではないが、昔から足には自信がある。けれどもダウンジャケットも必死で、中々の足の速さだ。
「くぉらあああああああああ!!!」
僕が怒鳴る。ダウンジャケットは一瞬振り返ったが、止まる気配はない。待てとか止まれと言って、言うことを聞く犯罪者はまずいない。腰のグロックで撃ってやりたいがそうもいかない。ダウンジャケットは角を曲がり、狭い裏路地に入る。刑事ドラマ宜しく、ゴミバケツを蹴飛ばし、飛び越え、追う。男が路地が出ようとしたその時だった。赤灯を回したギャランが現れ、ドアがダウンジャケットを殴り倒した。権兵衛さんだった。
「うりゃーーーーーっっ」
僕は吹っ飛ばされたダウンジャケットに組み付くと、そのまま袈裟固めをかけた。これは余程体格の差や力の差がないと逃げられない。
「俺はドアを蹴破るタイプじゃないんでね」
権兵衛さんが、出しかけた銃をホルスターに戻しながら言った。
「ドアで殴るタイプですか?」
僕は冗談を返すが、少しだけ息が上がっていた。



17:21、今日はこれで帰れそうだ。係長からも帰って良いと言われた。椅子から立ち上がると、女さんに声をかけられた。
「34君、忘れ物よ?」
「え?あ、すいません」
それは僕が巡回前に自慢していた「ぬいぐるま」だった。からかわれていたのと捕り物があったことで、すっかり忘れていた。
「美幸ちゃんによろしく~」
「みっ!?やっ、いや、だ、だから違いますってば!」
苦笑いして誤魔化すが、実はその通りなのだ。小早川先輩には、尊敬と…その先は言うまい。僕は実に単純な理由だが、パトカーに乗りたくて警察官を目指し、運よく採用された。地獄の警察学校を卒業し、初任の署での交番勤務を終えて希望した先は交通課だった。理由は勿論、パトカーに乗りたいからだ。願いが叶い、墨東署の交通課に配属された。そこで、小早川美幸さんに出会ったのだ。容姿端麗であり、何よりも車がとても好きな人だった。だからこそ尊敬するが、色々と接してもらう内に、次第に……。ふと顔がにやけていることに気がつき、頬を引張り引き締めながら、玄関を出て駐車場に向かう。僕もいい加減良い大人だ。風が冷たかった。僕の愛車は、ホンダのトゥディだ。これも小早川先輩の影響だ。
「けれど、小早川先輩は…」
そう、小早川先輩は、白バイ隊の中嶋先輩と…。それでも、想いは変わらない。僕は彼女を尊敬している。それは間違いない。自嘲の溜息が出た。真面目に仕事をしていれば、いつか小早川先輩と同じくらい素敵と思える人と出会えるかもしれない。そんなことを考えながら、トゥデイのドアを開けた。



To next time
Posted at 2013/01/30 21:53:23 | コメント(2) | トラックバック(0) | 「17th PCT」 | その他
2013年01月28日 イイね!

「17th PCT」第X話「ROCK MY LOVE」

「17th PCT」第X話「ROCK MY LOVE」 「えー?」
シリンダーが回り、ハンマーが弾丸を叩く。ダブルアクションで発砲。
「だからさあー!」
発砲。スライドが後退し廃莢。
「何ぃー?」
発砲、俺のスミスは弾切れ。ゆうたろうのベレッタにはまだ残弾がある。熱くなったシリンダーをスイングアウトさせロッドを押し込み廃莢、6発の44マグナムの空薬莢が落ちる。そして台に置いたスピードローダーで装填する。ただでさえイヤープロテクターをしているのに、更に射撃をしながら会話しているのだ。地下鉄の車内の方がまだマシに会話できる。
「何だって?」
手首の振りで満腹になったシリンダーを戻し、銃を構え、先ほどと同じ様にダブルアクションで発砲する。
「お前と!女!」
ゆうたろうは焦れた様に連射した。再びスライドが後退し、9ミリパラベラムの空薬莢がリズミカルに床に転がる。
「いったい!」
スライドが後退したままになり、弾切れを知らせる。マガジンリリースを押し、空になったマガジンを外す。
「いつ結婚するんだ!?」
発砲、着弾が狙いより僅かに逸れた。6インチでシングルアクションで発砲しても逸れていただろう。奴の言葉が、やたらはっきり聞こえたからだ。


再び装填し、銃をホルスターに入れる。射撃場を後にし、刑事部屋まで戻る。丁度昼時だ。
「この署内でお前達の仲を知らない奴なんてもういないぜ?いい加減決めちまえよ」
「そーだなー…」
ゆうたろうの言葉が耳に痛い。小指で耳の穴を掻きながら生返事を返す。俺だって考えないワケではない。しかし、お互い不思議なことに、そう言った単語はどちらとも出てこない。喫煙兼休憩所に通りかかると、そのお題となってる女が缶飲料を片手に、リモコンでテレビのチャンネルを回していた。
『お昼やーすみはーう』
『今のお台場の気温は』
『元気ハツラツ!オロナミンC!』
『今日は何の日、ふっ』
『この事件に対し警視』
『ファイートォーー!!』
『のゲストはこのか』
『イエェェェェェェェェイ』
女は俺たちに気がつき、リモコンを持ったままの手を軽く振った。俺は頷きかけるように応えた。アイツが飲んでいるのはきっと甘いジュースだろう。見かけによらず甘い物には目がない奴だ。刑事部屋に戻るが、強行犯係は誰もいない。権兵衛と34はパトロール中だ。


女と出会ったのは、この分署が初めてだった。女は当時、内務調査に属しており、俺の係をターゲットにやって来た。成る程、確かに他の刑事達より成果を上げているかもしれないが、それに合わせだいぶグレーラインの仕事だろう。俺の心情としては、悪党相手には「やり過ぎ」なんて言葉は必要ないと考えている。当然、女とは衝突も衝突を重ねる。しかし、彼女もただの杓子定規ではなく、やはり「警察官」である。俺の行為を許しはしないが、理解はしてくれた。そして、知らない内にお互いに想う様になり、現在に至る。しかし、あいつが異動願いを出して俺の所に残ったのには驚いた。


14:49、ゆうたろうを連れ、分署17、俺のスカイラインでパトロールに出ていた。最近はやたら物騒な事件が多い。先日も、女と34がハリウッドばりに派手なカーチェイスと銃撃戦をやらかしたばかりだった。少々腹が物足りなかったので、車を止めホットドッグをかじりコーヒーを啜っていた。ゆうたろうが欠伸を噛み殺しながら言った。
「ところでさ、結婚話なんだけど」
「またそれか」
「今まで付き合ってきた女の中でも、一番上手く行ってるじゃないか」
「まあなあ」
「一緒に飯食って風呂入って寝てさ。あ寝る前に特命係長か。もういい歳なんだから」
「ご心配ありがとう。お前の方はどうなんだよ?」
「俺はもとっくに諦めたからいいの」
俺は空気を入れ替えようと、窓を開けた。外の冷たい空気が入ってくる。
「ま確かに、ハッキリさせないととは思う…。ただ」
「ただ?」
「今までがさ、結婚って単語出すと、何故か決まって別れるハメになる」
「ま、そうだったよなあ」
「分かってんだから、言うなよ」
「いやでも今度はきっと上手く行くって!」
「まその内考えるからさあ」
その時だった。向かい側に見える銀行からけたたましい非常ベルが響き、同時に銃声が聞こえた。周囲の人間が何事かと振り向きあるいは立ち止まり、店の中から飛び出して来る者もでてきた。俺とゆうたろうが目を凝らすと、銀行前に停まった一台の外車が気にかかった。ドライバーは派手な髪型でミラータイプのサングラスをしている。更にそいつは、しきりに銀行の入り口を気にしている。アクセルを吹かしてる様で、車体が揺れている。その位置からなら歩道も突っ切れる。俺は言った。
「あれ、仲間だな」
「だろうな。応援呼ぶか?」
「騎兵隊を待ってる暇はない」
俺は残ったホットドッグとコーヒーを口に押し込むと、空になったカップを投げ捨て、エンジンをかけると同時にギアをドライブに入れサイドブレーキを外し、アクセルを踏み込みスカイラインを発進させる。

同時に、阿吽の呼吸でゆうたろうが回転灯をルーフに載せる。犯人らに気づかれぬ様にサイレンは鳴らさなかったが、瞬く間に外車に接近すると歩道に乗り上げ、その外車の進路を塞ぐような形で停車する。
「降りろ!」
ゆうたろうが飛び降り、ドライバーに銃を向ける。ドライバーは、いきなり赤灯を回した車が現れそして銃を突きつけられたことに面食らった様で、口を開けたまま固まってしまった。降りもしないが両手を挙げたまま動きもしない。俺もショルダーホルスターから銃を抜きつつ降りる。すると銀行から、帽子を被りマスクをつけ、そして大きなバッグを下げてショットガンを構えた男が、ステップを踏むように後ろ向きに出てきた。
「んごくな!」
俺はまだ口の中に残るホットドッグの屑を飛ばしながら怒鳴り、銃を向ける。男は振り向き様にこちらに向けて発砲してきた。それとほぼ同時に俺も発砲した。ほとんど反射的だ。被弾した犯人はどつかれた様に後ろに引っくり返る。一応は銃を向けた時点で右肩を狙っていたが、果たして何処に当たったかは分からない。俺は運良く無傷だった。
「ああーああー!?」
いきなり、ゆうたろうが慌てた声を上げる。処置が甘かった。俺たちはショットガン男に気を取られ、その隙に共犯の外車は逃げようとした。ドライバーは外車を後退させ、他の車に衝突するのにも関わらず、そしてタイヤから白煙を上げスカイラインをかわして逃走を開始した。すかさず俺とゆうたろうが外車に向けて、タイヤを狙い連射する。しかしドラマや映画の様に簡単にはいかない。バンパーに穴を開け、テールランプを砕き、トランクを羽上げた所で右後輪を捉えた。ハンドルを取られた外車は消火栓に衝突し横転した。破損した消火栓が盛大な噴水となった。
「あっち頼む。俺はショットガン野郎を見に行く」
俺はゆうたろうにそう言うと、ゆっくりとショットガン男に近づいた。俺の弾丸は狙い通り、右肩に当たっていた。マスクは苦しかったのか外した様で、まだ若そうな顔が見えた。男は冷や汗を流しながら倒れており、ショットガンは手から離れていたが、僅かな距離だった。転がったカバンからは、奪ったであろう札束が溢れていた。男は近づいた俺を見上げ、そしてショットガンと見比べる。俺は銃のハンマーを起こし、それを奴の頭に狙いをつけながら言った。
「昔、この場面とそっくりな映画を見たことがある。勿論、倒れてるのは銀行強盗で、そいつに銃を向けてるのは主役の刑事」
男は俺を睨んだ。俺は続けた。
「お前、銃は詳しいか?俺が持っている銃が何発撃てて、今までに何発撃ったか分かるか?」
男は俺を睨む目をショットガンに移す。俺は言った。
「だがな、こいつはマグナム44といって、今でも世界最強の拳銃の一つだ。お前の頭なんざ簡単に吹っ飛ぶんだ。さあ、どうする?」
男は再び俺を睨み付けた。その手が僅かに震えている。俺を睨む目は逸らされ、しかしショットガンに移ることもなかった。俺は銃を下ろし、ショットガンを拾い上げた。遠くから、サイレンの音がいくつか聞こえてきた。
「……おい」
男が掠れた声を出した。
「ハッタリだろ?」
ひきつった笑顔を浮かべる男に対し、俺は再び銃を向け、そしてハンマーを起こした。シリンダーが回る。男のひきつった笑顔が、今度は声のでない叫びに変わった。そして俺はトリガーを引いた。
「ひっ!?」
男は目を瞑った。しかし44マグナム弾が奴のドタマをぶち抜くことはなかった。男は恐る恐る目を開いた。俺は笑みを浮かべ、背を向けた。男が何か言った気がした。一番に駆けつけたパトカーはうちの署の物だった。駆け寄ってきた係員にショットガンを渡した。
「ああ~もお~びしょ濡れだぜ」
悪態をつきながら、ゆうたろうが戻ってきた。
「だからお前をそっちに行かせたんだ。濡れたくなかった」
俺は笑いながらそう言い、銃のシリンダーをスイングアウトさせ、手の上に廃莢させた。弾は一発だけ残っていた。しかし奴が舐めた口を利いたので、リボルバー特有の動作を利用し脅してやったのだ。









22:18、後片付けに始まり書類の作成、そして他の連中の書類を整理し、ようやく帰宅した。明日は公休で、できるだけ処理できる書類は処理しておきたかった。女は先に帰っていた。当たり前だ。俺が先に帰したのだ。食事は済ませていた様だ。アイツは料理が苦手で、食事は外食か出来上がってる物を食べる。俺も同じだ。上着を脱ぎ捨てホルスターも放り出し、ソファーベッドに座った。目の前のテーブルの上に、帰り道で寄ったファーストフード店で買ってきたバーガーとコーヒーを紙袋から取り出した。

「またハンバーガー?」
女がソファーを挟み、俺を背中から抱く。手にはカクテルグラスを持っている。中は濡れていた。XYZを作ったのだろう。俺は体のこともあり酒は極力控えているが、女はイケる口だ。
「俺もそうだが、誰かさんが料理できないからな」
「何よソレ、嫌味?」
「それ以外は完璧なんだがね」
「悪かったわね」
女はそう言いながら、微笑んで俺の頬にキスをした。俺も女の頬に返し、お互い喉を鳴らす様に笑う。ふと、ゆうたろうとの話を思い出した。結婚の単語を言ってみようか。そう思った。
「…なあ」
「なあに?」

女が、自分の頬を俺の頬にぴったりとつける。風呂はまだ入っていない様だが、代わりに、まだ落とされていない化粧や香水の甘い匂いで頭の中が満たされる。そしてアルコールが入り、暖房で温まったのとはまた違う、やや熱い女の体。もう一度考えた。俺は昔から先の事を考えられる頭じゃなかった。今もそれはほとんど変わっていない。そして、今までの女性との付き合いから結婚という言葉がトラウマになっている。結婚の言葉を出すと、どういうワケか決まってそれまでの関係が壊れることになった。神のジョークにしてもいい加減付き合えない。こいつはどうなのだろう?今まで、結婚したいとも子供が欲しいと言ったことがまったくないとは言い切れない。二人とも、今時の結婚やら出産の適齢期なんてものからは過ぎている。俺の親父達は他界、女の方はお袋さんが健在らしい。だが、お互い愛し合いこうして暮らしている。なら、なんの問題もないじゃないか。世の中、同棲のままの男女がいないわけじゃない。結局、何度目かのゆうたろうや周囲の心配を他所にした、いつもの答えが出た。俺は女に言った。
「…明日休みなんだよ」
「アタシも」
「そうだっけ?」
「そう」
「そっか。じゃあ昼過ぎまで寝てても平気だな」
「そぉねぇ」
お互い見つめあい、意図が噛み合う。含み笑いをしながら軽く唇をつける。一回、二回、三回目は唇を吸い込んだ。XYZの味がした。女が呻く様な声を漏らしながら、ソファーの背もたれを跨ぐ。俺はそれに手を貸そうと女の腰に手を回す。女はグラスをテーブルに置いた。その横の手付かずのバーガーとコーヒーは、後で温め直すことにした。


To next time
Posted at 2013/01/28 22:50:56 | コメント(6) | トラックバック(0) | 「17th PCT」 | 日記
2013年01月23日 イイね!

「RUN A RISK」

「RUN A RISK」ハイ、麻宮センセの展示会に触発され、えっらく久々に一枚描いてみました。しかし色々手抜きな上に、手直ししたい・しなきゃいけない場所が多々、いっそ描き直した方がいいんでないと思うんですが、

めんどくせぇ。


の一言で自分に納得させる(笑)。
ちなみに、配置は恐れ多くもその麻宮センセの「彼女のカレラ」の、単行本初期の表紙を参考にさせて頂きました。つまりパクリ(笑)。キャラの配色なんですが、個人的にこの男キャラのシャツ専用色としていたこの……、え~、青系の色なんですが、女キャラの服の配色が思いつかず、こちらも面倒になったので、初めて使いました。男がシャツが青系、スーツが黒に対し女をシャツを黒、スーツを青系で逆にして使いました。しかしやはり色塗りは苦手だ……。

そういえば、久々にR31欲しいーとか書いた記事から急に愛車のイイネが増えだし、嬉しいやら不思議やら(笑)。

ってかファンも増えてる!!??びっくり!
Posted at 2013/01/23 22:49:21 | コメント(1) | トラックバック(0) | イラスト | その他
2013年01月18日 イイね!

「灯すALL GREEN」

「灯すALL GREEN」この日はコーヒーに始まりコーヒーに終わりました。











実は私、思うところがあって、転職いたします。そちらには3月からお世話になるんですが、事業所が関東一帯(一部甲信越)にあり、果たして何処に行かされるのか。この手のは、まあー、まずとぉーーくの地方から。で年数を重ね、徐々に地元近くに戻ってきたり。ちなみに、私が親父二号と慕ってる今の上司はその昔、故郷の北海道でとある職業に採用されましたが、「人数の都合」により埼玉に来ることになったとか(笑)。


さて私。




長野です。



マジ?
雪国っすか。俺生まれてからずっと埼玉なんですけど。長野っすか。



ゆうたろう「週一で遊びに行くからー(棒)」
権兵衛「甲信越じゃん!」





あっはっはっ(涙)。ってワケで、手に入れられる範囲でなんとかスタッドレスタイヤを用意し日産さんで作業。




その後、その日は暇人していた権兵衛を連れ、







はい。やっとこさ到着しました東京は青山。なんのためかって?


これ↓


麻宮騎亜先生、「彼女のカレラ」の原画展です。色々やることがあって、開催されていることをわりと忘れてました(笑)。しっかし一般を通った、いや車で来たのが間違い(笑)。久々に新宿を通りましたが……………やはりごちゃごちゃで分からん。タクシードライバーでさえ間違えますからね(笑)。
間違いなく住所で検索したナビ(井上喜久子)も周辺に到着したと伝えますが、実際は全っぜん遠いです。どゆこっちゃ。仕方なく、昔取った杵柄。地図を参考に、看板や電柱等にある住所で現場(会場)まで歩きました。出発した時間が遅く、ギリギリの時間で到着。そういえば、神南って地域、本当にあるんですね。


いやー生の原画見せられると、素晴らしい!と同時になんか描きたい!となるワケです。これでも絵描きの端くれなんで(笑)。また、単行本の表紙に使われていたイラストの原画はけっこう明るさが違い、ここで気がついた点も多いです。表紙なのにこんなに細かく所も描いていたのか!?と。

え?表紙なんだから細かく描いて当たり前だろって?


違うんです。

ちなみに「彼女のカレラ」が掲載されていたのは「週刊プレイボーイ」です。単行本の表紙の構成は、登場人物とその愛車で、尚且つ女性キャラクターばかり。

勘のいい人は私が何を言いたいか分かるでしょう(笑)。


まあ、劇場版「サイレントメビウス」で、全国の銀幕だってのに主役の女キャラを湯気ぼかしも無しでひん剥いた上にあんな触○プレイ擬きをやらかした麻宮先生ですもんねえ(?)。

失礼しました(笑)。


最後は購買を漁ります。私はクリアファイルとポストカードを購入。ちなみにどれもこれもコ○ケ宜しくそこそこのイベント価格(笑)なワケですが、クリアファイルにあっては登場キャラ3人分購入したもんだからお会計が高いこと高いこと(笑)。残念ながらパンフはまだ販売していませんでした…。

今回は数年前のハマと違い入場料を取られたんですが、それはコーヒーor紅茶の引換券になっていました。ってワケで、コーヒーに始まりコーヒーに終わったワケです。






暫くは、ベイエリア、そしてこの町とはお去らばか………。







ま来れなくはないんですがね(笑)。





しかし、信号待ちで私の前にいた普通の個タク。ドライバーがノリノリでヘッドバンキングしていたのは笑いました。
Posted at 2013/01/18 21:47:08 | コメント(4) | トラックバック(0) | その他、複合 | その他
2013年01月11日 イイね!

うおおっ

うおおっ右折専用レーンに停車している車。左折して対向車線に進入した俺のスカイラインのヘッドライトに一瞬照らされたそれは、











かっこつけてる場合じゃございません。


グレードは不明。

4ドアハードトップ。

ガンメタ(たぶん)。

純正アルミとリアスポ。

恐らくどノーマル。

そして後期型。








喉から手が出るほど欲しいR31スカイライン4ドアハードトップの後期型じゃございませんか!!しかも(恐らく)どノーマル!!素晴らしい!!!!!






ほしーなー。
Posted at 2013/01/11 23:30:15 | コメント(3) | トラックバック(0) | | クルマ

プロフィール

「本人じゃないカバー版とはいえ、この時期に広末涼子の曲をリクエストするリスナーもそれを選ぶ某ラジオ番組もすげーなー。と25年前のスカイラインスーパーサウンドシステムで聞きながら。」
何シテル?   04/18 17:27
警部補です。 ある時は、墨東署の警部補。 またある時は、ベイエリア分署の警部補。 またまたある時は、17分署の警部補。 しかし、その実体は! ...
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