【レポート】日本企業の英語化に拍車!? ホンダが会議での公用語を英語に
(autoblog、2013年11月27日)
たまに海外発のビジネスサイトを見ると、日本企業の社内英語公用化を望む声を、よく見掛けます。
それは海外だけの思想ではなく、日本の中でも、A層と呼ばれる一部の富裕層が、それを声高に叫んでいます。
楽天ホールディングスがそれに舵を切って、ユニクロ、日産自動車、ブリヂストンなども、今や英語を社内公用語にしています。
まあ確かに、利点があるのは判るんです。
それほどの大企業であれば世界中に支社や支店や工場があり、現地採用した外国人従業員も増えていることでしょうし。
出身国も母国語も風習も違う者同士が意志疎通するためとして、多くの国が第二公用語として用いる英語は、打って付けです。
個人の身においても、英語が話せるのであれば、昇進や資格取得や転職にも有利ですしね。
でもだからと言って、英語を話せたからと言って即ち英語的な思考が可能になるというのは、発想の飛躍にも程があるのではないでしょうか。
そういうものは、後付けで知識を身に付けるよりも、幼少期から欧米の教育環境に身を置くとか、根本的な部分から染めていかないと。
と言うより、個人的には、極論日本人は英語が苦手でも構わないと思っています。
だから英語の社内公用語化にも、「それってそんなに大事かなあ?」と、疑問しか感じません。そういうのは、必要な部署に必要な人材を配置して必要な教育をするのが、効率的では。
そもそも、英語を社内公用語にしたそれらの企業は、今どんな惨状に陥っていると思いますか?
・楽天が英語を公用語化したことで「取り残されてしまった」社員たち TOEICの点数で全てが決まり鬱病に
(暇人\(^o^)/速報、2012年11月4日)
・楽天、 英語の次はコンピュータ言語(Java)の公用語化を検討中
(同、2013年1月9日)
・楽天 すべて英語で入社式
(同、2013年4月1日)
・【悲報】楽天がアメリカ進出 → アメリカ人 「楽天なんて発音できない!」「スパムメールやめろ!」
(同、2013年4月4日)
・楽天・ユニクロ社長に「英語公用語化」反対の手紙を送った理由
(PRESIDENT Online、2013年1月25日)
・消える楽天らしさ 英語公用語化で社員ため息\(^o^)/
(アルファルファモザイク、2013年7月1日)
勿論英語は出来たほうが良いに決まっていますが、それはあくまで手段の一つに過ぎないはず。
なのに、「グローバルなオプチュニティでコンセンサスをシェア」した結果が、欧米進出の失敗や、中国市場での凋落なのかと。
世界中で日本企業へ熱い視線が送られているのは、日本文化がクール・ジャパンと呼ばれ、その一環として日本企業へも注目されているからですよね。
「小さくて、便利で、使いやすくて、壊れにくくて、なのに安い! 日本製って凄いんだ!」と、世界中から憧れられている。
だから世界中の人々が日本のアニメを見て、日本の漫画を読み、日本の文化に憧れ、日本の展覧会へ足を運び、日本製を欲しがる。日本製品を所有したり、日本の大学へ留学したり、日本企業で働くことは、海外では羨望の的なんですよね。
・
レクサス、米で2年連続品質1位 「トヨタ」は3位
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年2月16日)
しかしそのためには、日本語が最大の障壁。世界でも有数の、言語や文法が独特の、日本語が。
だから自分たちが食い込むためには、日本語の壁を切り崩さなければならない。
だから「最低でも社内で英語を公用語にしないと、世界で取り残されるよ」と、英語コンプレックスを持つ経営陣を煽る。
それは大学生や従業員の立場だけの話ではありません。
海外の投資家や資本家にとっても、日本企業の秘めるポテンシャルは、垂涎の的。
根こそぎ毟り取らずにはいられない。
だから敵対的買収をしたり、外部取締役に自分たちの国の人間を送り込んだり、経営コンサルタントが欧米流の手法を吹聴したり、欧米の大学で経営学を身に付けた人間を経営者に据えたりと、あの手この手で浸食しようとする。
新自由主義経済や
TPPなぞは、その最もたるものです。

経団連とマスゴミと一部の売国議員が移民を増やせ移民を増やせと政府に要望しているのは、それで人件費の安い外国人を大量に雇いたいからなのですよね。
現状は、日本企業で働く外国人は、一部のエリート。日本に来る時点で既に“超”が付くほど優秀であり、その分賃金や待遇は高い。
しかし、末端の従業員に至るまで全て低賃金の外国人で揃え、しかもそれを日本から出て行かなくとも手っ取り早くつまみ食いできるのなら、企業としては願ったり叶ったりでしょう。そしてその分人件費の高い日本人は全員クビ。
そのためには、全てをフラットにする必要がある。
言葉の壁をなくし、文化の違いをなくし、円安や円高といった為替の変動をなくし、国境をなくし、全てを単一の規格や思想に均したい。そのほうが企業としては儲かるから。
その際、文化や言語といったものは、非常に邪魔。
・絶対に移民政策が止まらないのは、裏に重大な理由があるから
(DARKNESS、2013年10月15日)
・私たちは、もうブレーキのきかない暴走機関車に乗っている
(同、2013年12月5日)
英語の社内公用語化と、
1000万人移民受け入れ運動は、実はセットなのです。
英語を母国語としない以上、我々日本人はネイティヴスピーカーと比べて、生まれながらにして大きなハンディキャップがあります。
そこには文化的な隷属関係が、自ずと生じてしまう。即ち、英語が出来なければ進学も就職も昇進も儘ならないようであれば、それは英語圏の事実上の植民地。
逆もまた然り。

どこまでいっても彼ら少数派は搾取する側で、どこまでいっても僕ら多数派は搾取される側。
でも、個人的にはそれで良いと思っています。
要は、日本製品や日本文化や日本企業は、そんな欧米流経営手法とは一線を画したガラパゴスだからこそ、世界中から珍重されるのだから。
・
日本人が英語話せない理由wwwww
(アルファルファモザイク、2013年12月29日)
日本人だって、ドイツ車だからこそ乗りたいと思うし、フランス映画だからこそ見たいと思うし、ブリティッシュロックだからこそ聞きたいと思うし、中華料理だからこそ食べたいと思うし、アメコミだからこそ読みたいと思うもの。
それはなぜかと言えば、相手が別の意味でガラパゴスだから。
斯くの如く、ガラパゴスというのは、グローバルにおいて強みにはなっても、弱みには決してならないもの。
ガラパゴスの魅力を世界にアピールするのと、社内英語公用化は、本来全く関係がないのです。
スズキの
鈴木修会長・兼・社長は、海外に留学して欧米流経営学を学んできた優秀なはずの役員たちを、次期社長候補として育てようとしない理由がこれです。
日本企業は日本企業であること自体が既に強みであって、凡百のグローバル企業になっては埋没するだけだから。
世界に打って出るのと、グローバル企業になるというのは、同音異義語だというのを理解しているから。
冒頭のホンダのニュースは、海外支社や海外工場とのオンライン会議において、英語を社内公用語とするという内容でした。
それはそれでむしろ当然のことだし、ホンダのことだから、やるとしても適材適所で上手くやりそうな気がして、何となく不安視はしていませんが(さしたる根拠はない)、今後これがどう転んでいくのでしょうか。
元マイクロソフト日本法人代表が明かす 時代に求められる成功者の前提条件とは? ――株式会社インスパイア創業者・成毛眞氏【前編】
(DIAMOND online、2011年9月28日)
マーケティング・アナリスト三浦展氏に聞くビッグデータ活用の「勝負所」 “不合理で感覚的な”価値が問われている
(同、2013年12月10日)
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2013/12/25 16:07:47