フォード、次期型「マスタング」の画像と概要を発表!
(autoblog、2013年12月5日)
【ビデオ】クーペに続き新型「マスタング」のオープンが公開!
(同、2013年12月10日)
フォード、次期マスタング公開キタ(゚∀゚)!! 右ハンドルもクル━━(゚∀゚)━━!?
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年12月7日)
そういえば、今年は午年だったんですね。
昨年の様にこちらを元日日記にすれば良かったのに、すっかり忘れていた(´ω`)
マッスルカーを象徴する一台、
フォード・モーター マスタングのモデルチェンジが、昨年12月5日に正式に発表されました。
6thジェネレイションとなる次期型、欧州車的な佇まいです。
ヘッドランプは切れ長となって側面へ流れるように回り込み、台形状のシャークバイトグリルは上下に薄くなり、その中に納まるフォグランプ(日本仕様ではドライヴィングランプ)は廃されてフロントバンパースポイラー左右にビルトイン、“シャーク・ノーズ”の逆スラント角度は浅くなり…。全体的に流麗で、洗練され、無駄がなくなりました。
大人気となった現行5thジェネレイションの面影を残しつつも、ヘリテージよりもモダニズムを強調しています。
現在のフォードの統一デザイン文法“
キネティック・デザイン”との関連性も窺えます。そのせいで、フュージョンをクーペ仕様にしたみたいです。
正式発表よりも遥か以前のスパイショットでは、
「何これ? 劣化アストン? 劣化R35型GT-R? ジェネシスクーペ?」
と不安しかなかったのですが、市販車はそこまでのものにはならず、胸を撫で下ろしていますw
(まあ、単に見慣れただけかも知れませんがw)
・ファンサイトに掲載された新型フォード「マスタング」のレンダリング画像
(autoblog、2013年10月18日)
・脱U.S.A! 次期マスタング! 俺「だっせー欧州の車みたい、カマロやコルベットを見習え」
(乗り物速報、2013年10月24日)
とはいえ正直、アメ車としての凄味やマッチョテイストは薄れてしまったので、個人的には少し残念な感もありますね。
5thは「これぞマスタング!」だったのが、6thは「マスタングみたいに見える欧州車」。
細長い吊り目も、流行と保安上によるものなので、マスタングとしての個性が薄れてしまった。ぱっちりとした大きな瞳で、且つ垂れ目でなくては。
しかしトレッドは拡幅され、特にリアフェンダーの膨らみと、“コーク・ボトル”のくびれは強調されているとのことです。やはり古き良きアメリカンマッスルはこうでなくては。
内装も変わりました。
現行型は外観同様こちらも初代を現代的なアレンジで以て甦らせたものでした。
直線基調で、スイッチに至るまで左右対称で、文字盤はクラシカルで、エアバッグ内蔵であることを思わせない丁字型スポークステアリング…。
そしてそれ故、右ハンドル仕様はなく、カーナビはオプション、しかも今時オンダッシュナビという。
正にガラパゴス。
それが今度は、こちらもまた現行型を踏襲しつつもよりモダンに。
今度はちゃんとインダッシュナビになってる!w やっとキャメーロやチャレンジャーに追い付いたw
エアコン吹き出し口が、インパネ上部中央に三つ並んでおり、しかも円形になりました。航空機のコックピットがデザインモチーフだそうであり、よってこれはメーターをイメージしてるんですかね?
インパネスイッチとその周辺も、計器盤を思わせます。
6thマスタング、世界戦略車として、その歴史上初めて右ハンドル仕様が用意されるとのこと。変速機も今の時勢に沿い、パドルシフト付き6ATが主流になるようです。
しかし一番の見所は、エンジンですね。
5thは、5.0リットルV型8気筒と3.7リットルV型6気筒の二本立てによる、アルミニウム製DOHC自然吸気NAブロック。
それが6thでは、それらに加え、2.3リットル直列4気筒直噴ターボ“
エコブースト”も用意されるとのこと。
現在のフォードを支え、欧州で流行のダウンサイジングターボエンジンを、遂にマスタングにまで導入してきました。
ついでに、四輪独立懸架サスペンションにもなりました。
6thは世界戦略車として売っていくそうであり、その本気度が推し量れます。
今のフォードを支えているのは欧州支社。
同じフォードでも実質的には別会社に等しいといいます。フォーカスやエクスプローラーやクーガやエッジやフィエスタといった人気車種、キネティック・デザイン、エコブーストエンジンといった、世界中から高い評価を得ているものは総じて欧州フォード主導で開発したものです。更には、
C-MAX・ハイブリッドやフュージョン・ハイブリッドといったハイブリッド車種まで。
どれも北米本社だけでは絶対に生まれなかったでしょう。
どんなに5thが大人気だったとはいえ、それはあくまでマニアックな人気であって、フォードの全てを覆すほどには至らならなかったはず。
しかし欧州フォードの実績があったからこそ、こうして6thを世界中で売ることが可能になったのですね。
見た目は初代の伝統を受け継ぎつつも、中身はマスタング史上最大の革命です。
かと言って、全てのパワートレーンをエコブーストに一本化するのではなく、ちゃんとマッスルカーの醍醐味であるビッグブロックも残してあるのが、良心的。
これが日本車だったら「All or Nothing」であってファンからの顰蹙を買うところでしたが、こういうのは車大国アメリカならではです。
さて、モデルチェンジを控えた5thは、棚卸一掃セールに取り掛かりだしたようです。
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「フォード・マスタング」に赤と青の限定モデル
(web CG、2013年10月29日)
昨年10月13日に、何度目かの限定仕様が発売されました。
日本では只でさえ外装色数もオプションも特別仕様も少なく、本国仕様の“フルチョイス・システム”などどこ吹く風です。6MTさえ限定50台の「パフォーマンス・パッケージ」で初めて選べる程度。
今度の「アピアランス・パッケージ」も似たようなものですが、こちらの見所は外装色です。
本国仕様の、前期型のシェルビー GT500や、中・後期型のボス302エディションに設定されていた、グラバー・ブルー(水色)の国内初導入です。
一本の白いレーシング・ストライプと、白い円形ゼッケンを入れて、黒いホイールを履かせたくなってきます。
よく日本車はガラパゴスだとして槍玉に挙げられがちですが、実は同じくらいにアメ車もまたガラパゴスです。
アメリカは国土が広大だから、国内需要だけで欧州市場に匹敵する売り上げがあったので、進化する必要も世界へ打って出る必要もなかった。
しかしその間、着実に成長していた日本車や欧州車に出し抜かれ、国内販売は低迷。外貨獲得へ向けて否が応にも動き出す必要に迫られた。
欧州市場ではB~Cセグメントを主力とし、中国市場でも富裕層向けにフルサイズセダンを売り込んでいる。
そこで最も力になったのが、逸早く外の世界へ飛び出しており、外の世界を知り尽くしていた存在だった。フォードには欧州支社があるし、日本のディーラー数もGMやクライスラーよりも多いから、まだ救いがあります。
小型化、右ハンドル、パドルシフト付き多段式AT、インダッシュナビ、小排気量ターボ…。
ガラパゴスであることを辞めて世界へ駆け出そうとする野生馬は、その歴史上最大限に生まれ変わります。
個人的には勿論歓迎なのですが、しかしガラパゴスであったほうが逆に価値があるものですし、何より折角の持ち味を棄ててグローバル化しては欧州車との
コモディティ化は避けられないから、程々にしてもらいたいところです。
フォードには微妙な匙加減を期待します。
…でもどうせ、日本じゃどんなに安くとも、450万円からのスタートなんだろうなあ…。
86&BRZくらいのディメンションで、込み込み250万円だったら、日本でも現実的だし、ポニーカーに相応しいのになあ…。