
昨日は、6月19日に発売になった、
ダイハツ工業 コペンローブを試乗してきました。
単純な、人気車種の復活というだけではありません。
経済性やファミリーユースだけをひたすら重視した軽トールワゴンがこれだけ席巻している中で、実用一辺倒ではない、こういった嗜好性の強い車種への需要が高まってきたというのは、それだけ日本が安定してきたということを象徴しています。
勿論個人的にスポーツカーやオープンカーが好きだというのはありますが、よりマクロ的視点においても、二代目コペン発売は意義深いです。
その後もS660が控えており、二代目カプチーノの噂もあります。
軽スポーツ復権の、これは第一弾です。

今回お邪魔した、
新潟ダイハツモータース ダイハツ新津です。


こちらが試乗車。
駆動方式はFF、外装色はクリアブルークリスタルメタリック(オプション塗装)、乾燥重量は870kg、燃料タンク容量は30L、JC08モード燃費は25.2km/L、変速機は5MT、型式はDBA-LA400K-KMPZ、標準小売価格は\1,819,800(消費税8%込み\1,830,600)。
メーカーオプションの、純正ナビ・オーディオ装着用アップグレードパック、ブラックインテリアパック、装着。
(・∀・)から(`Д´)になり、スポーツカーらしい精悍な表情になりました。
初代が愛嬌ある顔付きだっただけに、賛否両論渦巻いています。しかしこれは、後に初代リスペクトデザインが発売されることが明らかになっており、その点で往年のファンを心を掴みつつ、外装交換による可能性の広がりを意識させます。
また、既に試乗した人々によれば、車自体の完成度は高く、デザインのせいで当初は否定的だった先入観を打ち砕かれたとか。
そんな計算に基づく自信があったからこそ、ファンから反発を受けそうなこのモデルを、敢えて先に出してきたのでしょう。
ランプやグリルなど、前後で意匠を共通にしているんですねえ。
歌舞伎の隈取みたいで、面白いです。
サイドミラーとアクティブトップは全車共通の黒、ドアアウターハンドルも銀。
外装の全てを同色にしないのは、コストダウンの一環なのでしょうね。
しかし違和感はなく、むしろ流行りのツートーンカラーとなって、結果的に華やかになっています。

ウィィィーン
フロントウィンドウとアクティブトップの接合部のストッパーを外し、センターコンソールのスイッチを操作すると、20秒で開閉。
軽量化や、ライトウェイトオープンカーらしい雰囲気を味わおうとすれば手動式なのでしょうけど、日本は高温多湿でいつ雨に降られるとも分からないので、お手軽な電動式が相応しい。
且つ、メタルトップであれば、炎天下でも遮熱効果が期待できる。キャンバストップでは、幾らクーラーを効かせても、天井から熱が伝わってくるといいますからね。


比較的乗用車的だった初代に比べ、特徴的です。
中央吹き出し口が一つになり、カーナビ画面がダッシュボード上にそびえ立ち、何よりセンターコンソールの狭さが際立ちます。
これは小さな車なのだと演出しています。
センターコンソールは空調系のスイッチで占められ、オーディオは全てナビ画面のタッチパネルで操作。
すっきりしています。
それにしても、カップホルダーがセンタートレイの後ろにあるのが、解せぬ…。
腕をシートの後ろへ大きく回り込ませなければ届かず、使い勝手は良くありません。
狭い車室内で、肘に当たって倒さないようにとの配慮でしょうか?
それでは出発。
おおっ凄い、低中速のトルクがあって、力強い!
出だしだけでなく、走り出してからの加速も、中々に鋭い。
確か、現行
ムーヴ(DBA-LA100S/LA110S後期型)系のターボエンジン「
KF-DET」を専用チューンしたんでしたっけ?
駆動方式もFFだし、ルーフも共通塗装で手間を省き、既存プラットフォームを上手く活用したからこそ、軽スポーツの中では市販化一番乗りを果たせたのでしょうね。
いわば、中身は実質的にはムーヴ・ターボ&ムーヴカスタム・RSと言っても良さそう。
その割にと言うか、だからこそと言うか、中々しっかり走ってくれます。裏を返せば、それだけムーヴの素性が良いということでもありますね。
シフトストロークも、適度な硬さがあり、小気味良く決まります。
AZ-1&キャラはとんでもなく渋い上にそもそも入りにくい欠陥構造をしてるし、トヨタの場合は柔らかいからなあ(´Д`)
恐る恐る発売したCR-Zは6MTの比率が6割とか、
オーリス・RS(DBA-ZRE186H-BHFNP-S)への6MT搭載や、
ヴィッツ・GRMNターボ(DBA-NCP131)は5MTしかないとか、
5MT仕様であるマーチ・ニスモS(DBA-K13改)の初期受注は8割とか、最近はMT復権が話題です。この二代目コペンも、こうして5MTがあるのは、楽しいですね。
逆に、
S660は近代的なパドルシフト付きCVTのみになりそうなので、尚更差別化となるでしょう。
古典的とか前時代的とか非効率的とか言われようと、この手の車はMTだから味わいがあると。
足回りも硬く、道路の凹凸が突き上げとなって直に伝わります。
快適性を求めた車じゃないから、むしろこうでなくては。
オープン状態で走っているからか、排気音も直に聞こえてきますが、これがまた軽らしからぬ図太い音で、気分が盛り上がります。
ボディもがっちり感があり、乗り味は重厚です。
軽のはずなのにどっしりしています。
実際、只でさえアクティブトップがあるのに、更に初代よりも重くなっているそうですが、それをものともしない走りです。

乗り味といい操作性といいデザインといいツートーンカラーといい、1年半前に試乗した、
BMW ミニ・クーパー・クーペ・6AT(CBA-SX16)を思い出しました。
(車格は異なりますが)
それにしても……
オープンカー最高!
どこまでも広がる青い空! 頬を殴る風! 目まぐるしく流れていく風景!
限りの無い自由を象徴しているかのようです。
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「 ヒ_i〉 ゝ 〈
ト ノ iニ(()
i { ____ | ヽ
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| i /(●) ( ● )\ {、 λ
ト-┤. / (__人__) \ ,ノ  ̄ ,!
i ゝ、_ | ´ ̄` | ,. '´ハ ,!
ヽ、 `` 、,__\ /" \ ヽ/
\ノ ノ ハ ̄r/:::r―--―/::7 ノ /
ヽ. ヽ::〈; . '::. :' |::/ / ,. "
`ー 、 \ヽ::. ;:::|/ r'"
世界は俺のものだーーーーー!!!!
(※洋画『タイタニック』より)
と叫びたい衝動に駆られます。
軽トールワゴンやミニバンはよく、車室内空間や荷室をmm単位で競い、いかに広々としているかを謳っています。
それで言うなら、オープンカーの右に出るものはありませんね!w
遮るものが何もないのだから、文字通り無限の開放感があります。
・車は車内の広さが一番の贅沢である
(車速報、2014年6月8日)
・車は車内の広さが一番の贅沢である
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2014年7月31日)

ああーっ!Σ(゚Д゚|||)
オープン状態の全体像を撮るの忘れてたよウワァァァハァハァハァーーーンン!!。・゚・(ノД`)・゚・。
アアアアアーーー!!!!
文字通り…、命懸けで……ウワアアアアン!!
気を取り直そうとしたものの、どうしても悔やまれ、結局別のディーラーへも梯子しましたw

こちらは市内中心部駅前の、
新潟ダイハツモータース 本社ショールームです。
正面からはガラス張りの壁ばかりで味気ないので、車の停まっている裏側を。



こちらにあるのは、外装色はマタドールレッドパール(メーカーオプション)、変速機は7速スーパーアクティブシフト付きCVT、型式はDBA-LA400K-KBPZ、標準小売価格は\1,798,200(消費税8%込み\1,942,056)。
メーカーオプションの、純正ナビ・オーディオ装着用アップグレードパック、装着。
同じ車種でも、色が違うので、イメージも違いますね。
プロダクトイメージカラーはリキッドシルバーメタリック(うっすら水色っぽい銀)ですが、個人的にはスポーツカーには赤や青や黄色などの原色です。
こちらは内装色が標準仕様なので、ココアブラウンを基調とし、本革シートとドアトリムはタン。豪奢な雰囲気を醸し出し、冒頭の1台目とはイメージの違いに拍車を掛けます。
黒ずくめの外装色に、シートを赤くしても良さそう。

ところで、こちらのディーラーには、色こそ異なるものの、初代コペンが停まっていました。
新旧コペンのツーショットです(*゚∀゚)


カタログは箱入りで、新聞の形を取った広告もあります。
公式サイトにもある文言ですが、運転することの楽しさを強調しています。
燃費一辺倒ではない、実用本位でもない、嗜好品といっても分かりやすい高級さでもない、スポーツカーといっても分かりやすいスペックに頼っていない。
所有欲を満たして人生に潤いを与えてくれる存在。
ヒートアイランド現象による灼熱地獄で、排気ガスを直に浴び、信号が多くストップ&ゴーを頻繁に繰り返し、歩道橋の子供から唾を吐かれたり大型車ドライバーから吸い殻や空き缶を投げ入れられたりされやすく、オープンカーは都会には合わないでしょう。
しかし峠道がすぐ身近にあり、車を複数所有せざるを得ない地方なら、趣味用のセカンドカーとしてこういった嗜好性の強い軽は打って付けです。
しかもこの二代目コペン、只買って終わりではありません。
「
コペンサイト」に見られるように、オーナー同士の交流を促すコミュニケーションツールとしての役割も担っています。
そもそも名称からしてが、「
Community of
Opencar life」の略ですからね。
良き相棒になるでしょう。