
祝日だった4月29日から、ゴールデンウィーク最終日である6日までは、激務でした。
06:00~21:30勤務で、お昼休憩は30分だけ。しかも休み時間というのは建前であり、実際には食事を10分で済ませて職場に戻らなければならない。
仕事内容も、自分の本来の持ち場に集中できるのならまだしも、実際にはあちこちの部署を駆けずり回らなければならない。
お盆や年末年始も同様であり、なのに特別手当の一つも出ない。そもそもの給料が安い。
10日と24日も、休みではなくなった。更に今後、13日付けでまた一人辞める。人材の流出が止まらない。
疲れと、フラストレーションから、心身共に蝕まれてきます。
そんな中、3日がなぜか休みとして宛がわれていました。
只でさえ忙しくて忙しくて人手が足りない時期なのに、何を考えているのやら…。
でも、たまにしかない休みなのと、何よりフラストレーションから苛々して仕方なかったので、数少ないリフレッシュの機会を満喫することにします。
と言いつつ、計画性も下準備も何もなく、思い付きだけで行動したので(それほどまでにストレスが溜まっていたのです)、車のガス欠・財布の資金繰り・スマホの電池残量の心配が、終始付き纏っていましたがw

また訪れました、
フォード新潟 新潟店です。
目当ては勿論マスタング。
以前公式ブログを読んでいたら、新旧マスタングを並べて飾っているとのことだったので、ずっと気になっていたのですよね。
・
ショールーム情報
(フォード新潟スタッフブログ、2015年4月2日)

撤去されていやしないかと心配でしたが、配置こそ変わったもののまだ展示中で、良かったです。

並べて展示されていた5thジェネレイションは、後期型で70台限定の、
V8GTパフォーマンスパッケージ・6AT。
“リヴィング・レジェンド”計画の名の下に、マスタング黄金時代の再現が堪りません。重厚長大なアメリカンマッスルです。
これでもヘリテイジを尊重していた前期型に比べれば、随分モダンにシャープになりました。勿論、個人的な好みは前期型ですけどね。
パフォーマンスパッケージは、レカロ製専用バケットシートと、専用アロイウィールと、ブレンボ製大型ブレーキと、専用チューニングサスペンションと、日本仕様で唯一の6MTが選べる(展示車は6AT)。
同じく日本仕様で唯一緑色(「ガァタ・ハヴ・イット・グリーン」。直訳すると「絶対欲しい緑色」)が選べるものの、6ATのみの限定色(先だって2013年3月16日に
40台限定発売した際は、6MTに設定)。
専用装備以外は、以前取り上げた
V8GTクーペプレミアム(後期型)と同じなので、割愛。


そしてこの度日本デヴューした、350台先行予約限定の、
50イヤーズエディション(以下、「50YE」と略)。
日本仕様は、本国仕様ではオプションであるパフォーマンスパッケージが標準装備。
従来のマスタングは、エクステリアデザインの各所は鮫に喩えられていました。逆スラントノーズは「
シャーク・ノーズ」、大型台形フロントグリルは「
シャークバイト・グリル」と。
それが今度の6thジェネレイションは、ボンネットのプレスラインなど、各部がまるで鮫の鰭のように鋭角状に尖っており、より鮫を思わせる攻撃的なスタイリングです。
・次期フォード・マスタング!? 米誌が画像を入手
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年10月28日)
・フォード、次期マスタング公開キタ(゚∀゚)!! 右ハンドルもクル━━(゚∀゚)━━!?
(同、2013年12月7日)
・フォード 、新型マスタングのエンジンスペック公表 2.3L直4ターボあり!
(同、2014年7月19日)
・フォード、新型マスタング日本導入! 来年後半にはマスタング初の右ハンドル発売予定
(同、2014年11月7日)
・生まれ変わったフォード新型マスタング 「マスタングらしさ」とは?
(同、2014年12月24日)
6thジェネレイションとなったマスタングは、生まれ変わりました。
●5.0L・V型8気筒・自然吸気
●3.7L・V型6気筒・自然吸気
は二本柱として継続して搭載されるものの、新型は
●2.3L・直列4気筒・直噴ターボ
までが選べることに。
欧州支社が主導となって企画・開発し、現在のフォードの世界戦略車における主流となっている、過給機付き小排気量エンジン「
エコブースト」です。
アメリカンマッスルが直4だの燃費だのダウンサイジングターボだの、矛盾以外の何物でもありませんね。
でも決して否定的になることもありません。税金面で二の足を踏んでいたファンもこれで買いやすくなったことでしょうし、スペック面でもV8に次いで大馬力であり、決して引けを取りません。
何より、アメ車が効率や合理性という概念をやっと身に付けたのかと、或る意味感慨深くなります。
勿論、「V8・OHV・NAこそがアメ車の醍醐味であり、マスタングは終わった」と評する向きも多いですが、しかしそもそもダウンサイジング直4は、オイルショックの只中に生まれた2ndジェネレイション“マスタングⅡ”で既に通った道なのですよね。
これは、これからのマスタングは、ガラパゴスなマッスルカーから、世界戦略車(グローバル・カー)としてモダンなスポーツカーになるという、フォードの意思表示です。
映画やレースの影響なのか、マスタングは意外や欧州でも人気があるそう。
1stジェネレイション発売当時は、アメリカではマスタングクラスが参戦可能なレースがなく、よってマスタング初のレース参戦は欧州での「
ル・トゥール・ド・フランス1964」だったことも、関係しているのでしょうかね。
・ヨーロッパの人が憧れる車、第1位は意外にも・・・
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年10月4日)
しかし欧州では、メーカーがラインナップする全車種を合わせた排気量が厳しく制限されており、また大排気量車には重税が課せられており、それらとの折り合いとして小排気量ターボをラインナップに加えているといいます。
そんな欧州の地でも売り出すために、小排気量ターボと、右ハンドルを、6thジェネレイションではラインナップに加えることになりました。
右ハンドルの副産物として、日本や豪州でも売りやすくなるのを当て込んでいることでしょうしね。欧州以外でも無理なく販売できると。
……なのに、値段は相変わらず500万円近くするのね(´ω`)
そして早速、名立たるチューナーたちが、この新型マスタングを料理しています。
・米ヘネシー社がスーパーチャージャー付き「HPE700 マスタング」を発表!
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2014年10月9日)
・フォード マスタング高性能版「シェルビーGT350R」登場!!
(同、2015年1月15日)
・【LAオートショー2014】「マスタング」をベースにフィスカーがデザインした"究極のマッスルカー"
(autoblog、2014年11月24日)
・最高出力は730hp! マスタングをベースにした新型「サリーン302」の最上級モデルがお披露目
(同、2015年3月25日)
・最高出力670hp! 米チューナーが手掛けた新型「Roush Stage 3 マスタング」
(同、2015年5月13日)
細部を見ていきます。

灯火類は、LEDをふんだんにあしらい、モダンです。
シャークバイト・グリル内にあったフォグランプ(日本仕様では法規上、デイタイム・ランニング・ランプに変更)は、一般的なフロントバンパースポイラーの左右端に装備。

テールランプは、伝統的な縦長3連ながら、形状自体はモダンを通り越して先進的に。
彫りが深く立体的で、魚の鱗が逆立ったかのようです。
洗車が大変になりそうですw
5thジェネレイション中期型からは、いわゆる「流れるウインカー」になりましたが、それは6thジェネレイションも同じようです。

ルーフは、中央が一段窪んでいます。
合理性を突き詰めて、空力を考えた形状です。
アンフィニ RX-7(E-FD3S)の「トリプルバブルルーフ」や、トヨタ 86&スバル BRZの「パゴダルーフ」と、理論的には同じですね。
ハイマウントストップランプは、5thジェネレイションではトランクとリアスポイラーとの間にあったのが、リアウィンドウ上端の車室内に。
5thジェネレイション中期型にはあったリアアンダーディフューザーが復活。
しかもこれ見よがしな、ボディ同色。これは、ボディカラーはブラック以外を選ばなければw
大口径イグゾーストパイプが、迫力です。
欧州で義務付けられているバックフォグランプを装備。本当に、世界で売ることを前提としているのですね。

アメリカではバックカメラ装備が義務付けられており、5thジェネレイションではリアスポイラー中央にあったのが、「
デッキリッド(リアガーニッシュ)」上端に。
1stジェネレイションのフューエルリッドを模した円形エンブレムは先代同様ながら、50YEは専用のものに。
次は車室内。

相変わらず、分厚くて重いドアが堪りません!
効率化を求めるあまり、日本車や欧州車と大差なくなっては有難味がなくなると思っていたのですが、杞憂だったようです。
この感触だけで胸が高鳴ります。
ソフトパッドが奢られ、ドアトリムには本革や布が張られ、アルミ加飾が施され、見た目も重厚です。


50YE限定装備として、前席には専用エンブレムが押印。
見た目は普通のシートでありながら、その実体をすっぽりと包み込むバケット型です。乗り降りの際に、サイドサポートが体につかえるほど。
前後可動は電動、リクライニングは後席の乗り降りがあるからか手動。


相変わらず後席は凄く狭い。
もはや、後席というより、後席の形をした荷物置き場。
頭が天井にぶつかり、足元のクリアランスに至っては皆無に等しい。子供ですら座れそうもありません。
5thジェネレイションにはあったヘッドレストさえありません。
だったらいっそのこと2シーターと割り切っても良さそうなものですが、これには理由があります。
まず、マスタングは「
ポニーカー(日本でいうところの
スペシャルティカーに相当)」として、スポーツカーとも異なる緩さが特徴であり、よって伝統的に4シーター。
もう一つは、アメリカでは2シーターには高い保険料が課せられており、その対策でもあります。
バックレストは可倒式であり、倒せばトランクスルーになるのは、5thジェネレイションと同様。

内装も大幅に変わりました。
左右対称のダッシュボード「
ツイン・アイブロウ」は1stジェネレイションからの伝統ですが、懐古調だった5thジェネレイションから、随分モダンに。
シルヴァーカーボン加飾と、銀メッキで縁取られた円弧と、シルヴァースティッチが、漆黒の内装の中で際立ちます。
追加メーターをイメージしたのか、送風口が円形をしており、等間隔で並んでいるのが、若干クラシカルな味わいです。
助手席側には50YEの専用プレートが装着。
タッチパネル式大型液晶ディスプレイが標準装備されてあるのが進化を感じさせますが、これはバックモニターにしかならず、カーナビは別途装着しなければならないそう。
何やってんだよ(- -;)

ステアリングホイールは、伝統的な丁字型。
しかし裏にはパドルシフトが隠れており、ステアリングスイッチも格段に増えています。
メーターも、形状も文字盤もクラシカルだった5thジェネレイションに比べ、随分今風に。

インパネスイッチは、例によって左右対称ですが、周囲と併せて円筒形状となるよう統一されています。
エンジンプッシュボタンもこちらにあります。
面白いのは、一番下の列は古典的なトグルスイッチ! これのみクラシカルな味わいであり、特別感があります。
これは「
セレクタブル・ドライヴィングモード・スイッチ」といい、路面状況や走行スタイルに応じて車の特性を変えることが出来るものです。
「ノーマル」「スポーツ+」「スノー/ウェット」「トラック」を、スロットルレスポンス、パワーステアリング、シフトスケジュール、アドヴァンストラックを、自動的に変えてくれます。
シフトレバーも、MTレバー、それも古い球形シフトノブによく似た形状になっています。

そうやっていると、セールスマンの方が気を利かせてガラス扉を開けて、店外にある車両とのツーショットを撮りやすいようにしてくれました。
もうすっかり顔を覚えられたなあ…w
外にあるのは、外装色はブラック。
売約済みと聞いていたのに、後で家で調べていたら、試乗車だったんじゃないですかー!
しかも僕が訪れた正にその日に入ったばかりの、ほかほかの卸したて。
乗りたかったなあ…(´ω`)
・
ゴールデンウィーク!
(フォード新潟スタッフブログ、2015年5月4日)

試乗車の一段奥には、売約済みの、5thジェネレイション後期型・
V6GTクーペプレミアムが。
セールスマンの方は、僕がこちらのことを指していると間違えたのでしょうかね?
シャークバイト・グリルを縁どる銀メッキや、専用18インチアロイウィール、ヘッドランプカバー含めて、全て黒尽くめで凄味があります。
そんな中で、内装色のサドル(茶色)と、フェンダーバッジが、際立ちます。

一方、中古車広場に目を向ければ…。
4thジェネレイションが! 近隣歴代マスタング揃い踏み!(;゚∀゚)=3
しかもこれは、「
TAINAIカスタムカーミーティング vol.5」の出展車両じゃないですかー!
なぜここに…。オーナーは既に手放していたのですね…。

以前来た際は
先行パンフレットでしたが、今度は本カタログ。

5thジェネレイションからのお馴染みの5色に加え、50YE限定色として、「コンペティションオレンジ」と「トリプルイエロー」が設定。
本国仕様の
フルチョイス・システムには及ばないものの、これだけでも価値がありますね。

オプションとして、リアスポイラーは大小2種類が選べます。
レーシングストライプも継続して設定。アメリカンマッスルにはこれがないと締まりませんね。
5thジェネレイション後期型以降黒しか選べなくなったものの(白はそれ程売れなかったのでしょうか)、50YE専用アロイウィールの色ともお揃いになるのが、お洒落と言うか、厳ついと言うか。

特に、黄色い外装に黒いストライプを施せば、マスタングの名を一躍轟かせたボス302(写真は、5thジェネレイション前期型の「サリーン パーネリー=ジョーンズ・リミテッドエディション」)の再現となります。
そのためにも、限定色を選ばない理由はないでしょう(*´∀`)b