フォルクスワーゲン会長「不正に関与したのは数人の従業員。組織ぐるみではない」
(痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2015年9月23日)
独フォルクスワーゲン社長が辞意
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年9月24日)
フォルクスワーゲンのマーティン・ヴィンターコルンCEOが排ガス不正のスキャンダルで引責辞任
(autoblog、2015年9月26日)
フォルクスワーゲン、ディーゼル排ガス不正問題で更に3人の幹部を処分
(同、2015年9月28日)
フォルクスヴァーゲン・コンツェルンの排ガス不正事件は尚も延焼中ですが、その最中、
マルティン・ヴィンターコルンCEOが、声明を発表しました。
当初は引責辞任を否定していたものの、直後に結局辞任。
後任は、子会社ポルシェでCEO職を担っていた、マティアス・ミュラー氏。
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フォルクスワーゲン、新CEOにポルシェCEOのマティアス・ミューラー氏を起用
(autoblog、2015年9月28日)
不正が発覚してから、一週間と経っていませんよ。
明らかにこれは、沈みかかった泥船から逃げたのですね。
本来なら敢えてVWコンツェルンのCEOの座に就いたままで謝罪と賠償に徹するのが、あるべき責任の取り方だと思うのですが、それは日本人としての価値観なのでしょうか。
疑惑の渦中では不正を否定。
不正が発覚しても辞任を否定。
アメリカだけでなく世界中での不正が明るみになって、遂にはドイツ政府ぐるみが疑われ始めた途端に、引責辞任。
その時その時で態度をころころ変えて、会社の存続のためではなく、自分一人の保身に奔走。
分かりやすすぎます。
それよりも何よりも、疑惑を払拭するために放った台詞が、信じられません。
彼に言わせれば、これは一部のエンジニアが独断でやったことであり、そのせいでVWコンツェルン全体(フォルクスヴァーゲン、アウディ、ベントレー、ブガッティ、シュコダ、ランボルギーニ、セアト、ポルシェ)が危機に瀕したと。
んなわきゃねーだろ!!
世界を股に掛ける超巨大企業ともあろうものが、たった数人のエンジニアの勝手など、決して通るはずがないし、仮に通ったとしてもすぐに屋台骨が揺らぐわけがない。
そうならないように、それこそ何重にもチェック体制が敷かれているもの。
それが企業の常識です。
ましてや、関連企業やサプライヤーに対しては、
ISO9000や
ISO14000などを取得させ、環境対策や品質や納期など、大変厳しいノルマとリストラを課しているのだから。
親会社それも大都市のホワイトカラーであれば、尚更自身は出来ているはず。
どう考えても、組織ぐるみでなければ不可能なことです。
だからこの事件は悪質だというのです。
仮にヴィンターコルンの発言が事実だったとするならば、
それはそれで大問題です。
たった数人のエンジニアの勝手を許す体質だというのだから。
しかもそれに対し、上司も管理職もCEOも販売店も、現場のディーラー整備士さえも、今まで誰一人として見抜けなかったと来れば。それも7年も。
随分と好い加減な企業風土です。
マニュアルもない、社内規則もない、チェック体制もない、監査役もいない、セキュリティもない、コンプライアンスもない、コーポレイト・ガヴァナンスもない、上意下達もない、信賞必罰もない。
当然、ヴィンターコルンの統率力もマネジメント能力もない。
監督不行き届き以外の何物でもなく、管理職としての資質を疑います。
そして肝心要のリーダーは、リーダーシップを振るって信頼回復と会社再建に努めることをせず、
「知らない」
「分からない」
「関係ない」
「そんな報告は受けていない」
「一部の部下が勝手にやったこと」
と他人のせいにして、自分はさっさと逃げた。
5850万ユーロ(日本円にして約78億6000万円相当)もの退職金をもらって。
最後の最後まで、顧客やファンへ対する裏切りを、一言も謝らないまま。
VWコンツェルン、少なくともヴィンターコルン体制では、今までもこうやってきたのでしょう。
部下や現場や下請けといった、逆らいたくとも逆らえない弱い立場の者のせいにして、自分たちはなあなあでやり過ごしてきた。
こんな無法な企業体質と無能なリーダーの下で、よくもまあ世界一にまでなれたものです。

これと同じ風景は、以前も見た覚えがありませんか?
はい、日本マクドナルドが昨年起こした、
廃棄鶏肉再利用事件を思い出させます。
サラ・L・カサノヴァCEOは、当初は一貫して疑惑を否定。
しかし疑惑が事実であることが明らかになって、ようやく重い腰を上げて記者会見したものの、出てきた言葉は
「返金は考えていない」
「これは現地の作業員が勝手にやったことであり、我々は悪くない。むしろ被害者だ」
「自分も子を持つ母親であり、だからこそ食の安全を脅かすサプライヤーの勝手は許せない」
といったもの。
組織を率いるリーダーとしての謝罪の言葉は一言もなし。
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【悲報】マクドナルドカサノバ社長「チキン問題のことは、忘れましょう!」 FC・幹部社員向け経営方針説明会で
(暇人\(^o^)/速報、2015年3月8日)
あれで日本の顧客は、却って怒髪冠を衝いたものでした。
その結果、経常利益の減少と、従業員と客の双方から離れられた。
今や首の皮一枚で辛うじて繋がっているも同然であり、もはや青息吐息。
働くって、何なんでしょうね…。
上司の命令は、どんなに理不尽で非常識でも、従うしかない。自分一人の勝手で動いて良いわけがない。
組織の一員として働くというのは、そういうことだから。
逆らえば懲戒解雇。
たとえそれが正義感から来たものであったとしても、上司の言うことを聞かない従業員など、どこの会社も欲しくはない。
そして業界というものは、一介の人間が思うよりも、ずっと狭い。組織に反旗を翻した従業員の評判などあっという間に広まり、その人は業界に二度といられなくなる。
ましてや自主退職でも会社都合でもなく、懲戒解雇ともなれば。
かといって従えば、問題が発覚したときに、
「うん、確かに、そういう命令を出したのは俺だ。でも従ったのはお前だろ? じゃあお前が悪いんじゃねえか」
と言って、責任者はその責任を一切取らない。
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社 会 人 に な っ て 気 付 い た こ と
(大艦巨砲主義!、2015年9月30日)
VWの従業員は、全員こんな思いをしながら働いているのでしょうか…。
豊田章男「VWの苦境につけ込む火事場泥棒のようなことは断じてやってはならぬ」
(痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2015年9月26日)
それにしても、
モリゾウさんは、根っからのお坊ちゃま育ちなのですね。
普通なら、今こそ商機と捉えるものであり、現に各社この好機を逃すまいとアピールに余念がないのに。
・【韓国メディア】アメリカでVWディーゼル車販売中断、韓国勢に追い風か! →【韓国車】『エンジンに欠陥』~アメリカで現代ソナタ47万台リコール
(保守速報、2015年9月26日)
・メルセデス・ベンツ、10月1日に日本でディーゼル車発売
(乗り物速報、2015年9月29日)
・テスラCEOイーロン・マスク氏、「VWのスキャンダルは化石燃料車の限界を示した」と発言
(autoblog、2015年9月29日)
これが奥田体制だったら、何と言っていたことか。
トヨタは本当に変わりました。
やはりこの人も、今の時代・今のトヨタに、求められた人なのでしょう。
或いは社内できな臭い動きがあり、プリウス集団訴訟事件の矢面に立たせることで早々に失脚させようとした政治的意図も、古参役員たちの間ではあったといいます。
米下院公聴会ではたった一人で、陰湿で理不尽な言いがかりを寄って集って浴びせられ、四面楚歌。
それでもひたすら愚直なまでに誠実さを貫く姿には、心を打たれました。
その後のトヨタグループ総会において、
「公聴会では一人だったが、心の中では一人ではなかった。皆さんや、まだ見ぬ世界中のトヨタファンがいてくれたから」
と言って、満場の拍手喝采を浴びながら、感極まって男泣き。
思わずこちらまで、こみ上げてくるものがありました。
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アメリカ人 「政府と国民は必死にトヨタ車の悪いところ探したが何も見つからなかった」
(乗り物速報、2015年9月26日)
確かに、お坊ちゃま育ちです。
しかし、真のリーダーです。
∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´・ω・) < モリゾウさんの爪の垢を煎じたお茶ドゾー
( つ旦O \_______________
と_)_)
各方面では穿った見方が多いし、そう受け取られるのも仕方のないことですが、個人的にはこの一言で益々好感度が上がりました。
こういうリーダーの下で仕事をしたいものです。