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ふじぃのブログ一覧

2016年04月30日 イイね!

三菱の燃費不正

三菱の燃費不正三菱自動車、燃費試験で不正行為 4車種の生産・販売停止
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2016年4月20日)





三菱自動車工業も、燃費不正に手を染めましたか…。
残念です。




1980年代の三菱は、パリ・ダカールラリーやWRCなど、世界中のラリーを席巻しました。
出自も、由緒正しい財閥系であり、文字通りの名門。

それが、1990年代後半以降は、どうにもぱっとしません。
マイナーチェンジでさえ頻度が少なく、ましてやモデルチェンジや新車発売に至っては。
その一方で、パジェロランサーエボリューションギャランフォルティスなど、廃止される車種は後を絶たない。
メーカーの威信が賭かっているはずのフラッグシップモデルでさえ、他社からのOEM。

中国やアメリカや新興国では魅力的な車種を次々と投入しているのとは対照的に、国内市場をほとんど見捨てていると言っても過言ではない状態。
或いは三菱グループという安定した供給先があるからか、まるでやる気を感じない。悪い意味で守られた存在。
話題性に事欠くので、わくわくするメーカーでは最早なくなってしまいました。

三菱自動車が『今後1年半以内に米国市場から消滅するであろう10ブランド』のひとつに
 (乗り物速報、2013年5月31日)
背水の三菱自動車、日産へ身売り5つの根拠
 (同、2013年10月22日)
三菱自動車 国内販売5000台に届かず、シェアは1.4% 4月実績
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年6月1日)



そこへきて、これです。




発端は、日産自動車との、軽自動車専門の合弁企業「NMKV」。
第三弾は日産主導で開発を進めていた折り、デイズ(三菱名:eKワゴン、三代目)を日産社内に持ち込んで研究しようとしたところ、あまりにもカタログスペックと違いすぎることから、不正が発覚したそうです。


しかも、話はどんどん拡大していきました。
発表当初は、eKワゴン&デイズと、eKスペース&デイズルークスの、計4車種。
それが、社内調査をしただけでも、ミラージュ、デリカD:5、アウトランダーPHEVを除く全車種で不正をしていたことが判明。
それも25年も前から。

三菱自、ミラージュ デリカD5 アウトランダーPHEV以外の全車種で不正試験 リコール隠し後の2002年から
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2016年4月21日)
三菱自動車の燃費不正「25年前」の1991年から
 (同、2016年4月26日)

【三菱自動車】燃費の不正操作は62万5000台、該当車は生産・販売停止へ
 (乗り物速報、2016年4月21日)


これほどの長期間、それもほぼ全車種でやっていたということは、どう考えても組織ぐるみです。
なぜ誰も気付かなかったのか…。




いえ、恐らく、皆気付いていたことでしょう。
しかし、正義感のある社員が「俺たちのやっていることは間違っている!」と異議を唱えようものなら、パワーハラスメントないし左遷をされて、多勢に無勢で押し潰されていたのではないでしょうか。

“朱に交われば赤くなる”。
社風に馴染めなければ去るしかないのが、雇われ社員の性。
そして誰でも職を失うのは怖いから、染まるしかない。

だから、仕事上のネガティヴポイントを見付けて上申したとしても、皆その責任を押し付けられるのが嫌だから、何かと理由を付けてネガティヴポイントなど始めからなかったかのように振る舞う。
外部監査役も、「三菱グループにいれば一生安泰だから」と言って、一日中コーヒーを飲みながら雑談するだけで、全く働いていなかった。
恐らくそんなところではないでしょうか。


現に、新型RVRの開発において、進捗の遅れを正直に上申して相談を仰いだ社員は、速攻でクビになったのは、記憶に新しいところです。

三菱自不正問題 燃費目標達成へ、上層部からの開発部門への強いプレッシャーか
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2016年4月24日)


今度の燃費不正にしても、開発部長が自分一人でやったと言っていますが、常識で考えて、これほどの不祥事をたった一人の社員で出来るはずがないのです。


設備はない、資金はない、期間はない、メンバーは少ない、ノウハウもない、他社に一歩も二歩も三歩も後塵を拝している。
三菱の開発費はトヨタの十分の一しかなく、しかも年々削られているというのは、有名な話かと。
会社からのバックアップがないのに、遥か彼方を先んじている他社に、追い付くどころかスタートダッシュの時点で追い越せと無理難題。
出来なかったら、バックアップしてくれなかった会社ではなく、無理難題を押し付けた上司でもなく、現場の人間のせいにされる。

技術的なブレイクスルーがあったわけでもないのに、先行する他社も顔負けのペースで、やればやるほど燃費が良くなる。
管理職や役員も、誰も不自然だとは思わなかったのでしょうか。
三菱の管理職や役員は、それ程までに無能揃いなのでしょうか。



勿論、仕事であるからには、或る程度のプレッシャーは付き物です。
しかし三菱の場合は、脳味噌まで筋肉で出来ているような、精神論が大好きな体育会系ブラック企業のようです。
自ずとプレッシャーの概念が変わってきます。



人間が“三つ子の魂百まで”なのと同様、今更社風を変えることなど不可能。
まして三菱のような超巨大財閥ともなれば。




当然、相川哲郎COOも、知らなかったはずがありません。
技術畑からの叩き上げであり、若い頃はミニカトッポeKワゴン(初代)の開発主査だった人です。
であれば尚更、たとえ本人は真面目にやっていたとしても、周辺の何らかの気配だけは感じていたとしてもおかしくはない。

フォルクスヴァーゲンが排ガス不正で世界中から大顰蹙を買った理由も、当時CEOだったマルティン・ヴィンターコルンが、技術開発の出身であり、しかし下請け会社であるボッシュの責任にした上で、自分一人だけ逃げたからです。


或いは、益子修CEOの置き土産だったのかも知れません。
益子氏は自動車嫌いであり、自工への人事を屈辱的に捉えていた節があった。
しかも三菱商事出身の元銀行員であることから、数字にはうるさく、国内市場を見捨てることに躊躇なかった。
その後任として社長に就任したからには、自由度などたかが知れています。

そういえば、益子氏が代表取締役社長であったのは、2005年1月1日から2014年6月1日。
歴代社長の中で最も在任期間が長い。
そして何より、この度の燃費不正の期間と、符合する。


確かに、経営トップというものは、何だかんだ言いつつも結局“神輿”でしかない。
一歩間違えれば裸の王様になりかねない。
だからこそ、役員たちが会議で報告してくる数字を鵜呑みにするのではなく、常に現場を皮膚感覚で知っておかなければならないのですが。


財閥系であるからには、倒産だけは絶対にないでしょう。
外資に買収される心配もありません。
しかし今は、三菱重工業は船舶産業で苦戦を強いられており、三菱商事と三菱東京UFJ銀行も今期は赤字の見通しだといいます。
かつてのリコール隠しのときとは違い、他の三菱グループが助けてくれる余裕は、今回もあるとは限りません。

その上で、オーナーへの保障などで、今後茨の道が待っています。

エコカー減税分、三菱自動車に請求へ
 (サイ速、2016年4月22日)
三菱自動車「車両買い取り」なら経営大打撃 対策費は数千億円規模に膨らむ恐れ
 (乗り物速報、2016年4月23日)
大手中古車業者 三菱車の買い取りを拒否 保証の関係で在庫は産廃処分される可能性も
 (同、2016年4月29日)


中には、PHEVの特性を知ってか知らずか、ここぞとばかりに言いがかりを付けてくるクレーマーまで紛れ込んできます。

三菱アウトランダーPHEV、カタログでリッター67キロ、実燃費は15キロ程度と大きな隔たり…過去に購入客から苦情も
 (サイ速、2016年4月26日)



車好きであり、信念を持って入社してきた。
親の代から車造りに関わってきた、いわば純血種。
社長になって日が浅いうちに起きた事件。
問題の車種が開発・販売されていた時期に社長だった人物は逃げ回っており、自動車評論家もマスコミも誰一人として取材しない。

何だかモリゾウさんと重なるものがあります。
苦しいのは百も承知ですが、そのモリゾウさんを見習って、何とかして良い方向へ導いて欲しいものです。
PHEVがあればまだまだ戦える。





個人的には、今の自動車はどれも優秀だから、燃費などそれ程神経質にならなくても良いと思っています。

こち亀の両津がド正論、新車のリッター30kmなんてあてにならない、今あるものを大切に使うのがエコ
 (乗り物速報、2016年4月29日)


JC08モード燃費は当てにならない」と憤慨する声をよく聞きますが、そんなの当たり前です。
実際に車を使う場面では、色々な環境に住んでいる色々な人が、十人十色の使い方をする。
住宅街の中の直角カーブだらけで細い道を走るときもあれば、未舗装路や雪道を走る場合もある、カーブばかりで高低差の激しい山道を走るときもあれば、ほぼ直線の高速道路を100km/h程度で巡航するときもある。
一人で乗る場合もあれば、大人数で乗る場合もある。
自分とは運転の癖が違う人に貸す場合もある。
夏はエアコン、冬はヒーターも使う。日本は高温多湿なので、気候や気温は一定ではない。
実生活では様々な状況があるのだから、“机上の空論”の通りにならないのは、当然の話です。


車好きにとっては常識でも、しかし車に関心がなく、むしろ「家計を圧迫するお荷物だけど、必要だから買わざるを得ない」という一般層(特に主婦)にすれば、燃費は重大な関心事の一つ。
そして、カタログスペックというものは、具体的な数値に表れるだけに、誰にでも判りやすい。

その結果、今の燃費競争は、どこか歪なものに。
外装を1mm単位で薄くするとか、ビスを1本単位で減らすとか、燃料タンクを小さくするとか、シートのヘッドレストをなくすとか、タイアを細く小さくして破裂寸前にまで空気を詰めるとか…。
どこか病的であり、健全な競争には見えません。

三菱は、というか責任を取って辞めていった社員は、歪んだ燃費競争の被害者であるように僕には思えてなりません。
Posted at 2016/04/30 15:39:17 | コメント(2) | トラックバック(0) | 政治、経済(自動車関連) | クルマ
2016年02月22日 イイね!

ベンツも排ガス不正

ベンツも排ガス不正メルセデス・ベンツにも排ガス不正疑惑、米国で集団訴訟
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2016年2月20日)

メルセデス・ベンツにも排ガス不正疑惑、米国で集団訴訟
 (乗り物速報、同日)





(ノ∀`)ノ∀`)ノ∀`) ジェットストリームアチャー

嗚呼ベンツよお前もか。


フォルクスヴァーゲンの排ガス不正問題が取り沙汰されて、未だ決着も付いていないところへ、これです。

アメリカだけでなく、足元の欧州でも、世界中で不正をしていたり…。
クリーンディーゼルエンジンだけでなく、通常のガソリンエンジンでも不正していたり…。
VW本体だけでなく、傘下のアウディやポルシェも同様に不正をしていたり…。
そのせいで10兆円もの制裁金を課せられたり…。
ユーザーだけでなく株主たちからも集団訴訟されたり…。
不正をしていた車が造られていた時期にCEOだったマルティン・ヴィンターコルンは、けじめを付けるどころか、「一部の現場が勝手にやったこと。俺は何も知らないし、何も悪くない」と言って、その日のうちに5850万ユーロ(日本円にして約78億6000万円相当)もの退職金をもらって逃亡したり…。
数年前からトヨタが把握して、EU環境当局に告発していたのに、長い間握り潰されていたり…。
ドイツ政府ぐるみで、VWの不正を見逃すよう、アメリカにロビー活動していたり…。
高級車部門であるランボルギーニとベントレーを、手放すことで調整していたり…。
欧州版エコカー減税みたいな制度を悪用し、不正に受け取っていた(即ち脱税に相当)として、VWではなくなぜかオーナーが罰せられたり…。
VWに融資していたドイツ銀行も、中国に入れ込みすぎたせいで火の車であり、助けるに助けられない状態だったり…。
追い詰められたからといって、欧州統一基準ではなく独自基準で、公開の場ではなく密室で他社を調査して、日本車もやっていると逆恨みして八つ当たりしたり…。
三菱のリコール隠しにはよってたかって執拗に攻撃を続けていた日本の自動車評論家たちが、なぜかVWにだけは常軌を逸した甘さで庇ったり…。

不正そのものよりも、その後の対応の拙さで、VWの企業イメージが大幅に失墜しました。


そんな中で、メルツェーデス=ベンツは、
 「うちのブルーテック(MB製ディーゼルエンジン)は大丈夫。むしろ日本に積極的にディーゼル攻勢をかける」
と高らかに宣言していました。

そこから一年足らずで、これです。





昔はベンツというと、「怖い人が乗っている怖い車」というイメージでした。
メッキ処理されて大型で推し出しの強い、威圧感あるフロントグリル。これ見よがしなボンネットマスコット。艶やかで塵一つない、真っ黒い外装。フルスモークされたウィンドウ。
ヤクザ、チンピラ紛いの土建業者、ブラック企業の社長、成金、現在でいうところのマイルドヤンキー、そういった人々の御用達。
高級輸入車の代名詞として誰でも知っているものの、イメージとしてはお世辞にも良いものではありませんでした。


それが最近では、本当に変わりました。
大きさも価格も手ごろな小型車もラインナップし(これは欧州排ガス規制の縛りもあるのですが)、更なる小型車ブランド「スマート」を展開し、認定中古車を輸入車への登竜門として売り込もうとしたり。


日本向けにも、色々と考えてくれています。
小型車から高級車まで揃えたり、ミニバンを発売したり、アニメーションでPVを作ったり、『スーパーマリオブラザーズ』とコラボレーションしたり、CMにPerfumeを起用したり、遂にはTポイントサービスに加入したり…。

メルセデス・ベンツ、日本専用のクリーンディーゼルを搭載した新型「Vクラス」を発表!
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年10月19日)
ベンツやBMWが300万前後で手に入る? 意外とお手頃な外車のエントリーモデル
 (同、2015年11月15日)
ベンツはなぜここまで日本で強くなったのか
 (同、2015年12月14日)

ベンツやBMWが300万前後で手に入る? 意外とお手頃な外車のエントリーモデル
 (サイ速、2015年11月15日)
メルセデス・ベンツ、Tポイントサービスを導入
 (同、2016年1月26日)

ベンツ「新型Aクラス」発表:『ディーゼル』なしも最重要モデルに!16年ぶりの輸入車首位も決定的!
 (Ethical &LifeHack、2015年11月28日)


それは勿論、日本で実際に売れているから、ローカライズが可能なのですが。
そしてローカライズされているから、尚売れる。
それだけでなく、親しみやすさを前面に押し出そうとする現在の広告戦略には、1980年代に染み付いたネガティヴイメージを覆そうという思惑もあるのでしょうか。


個人的にはベンツにはそれ程興味を惹かれないのですが、そういった日本法人の企業努力が窺えるのが、好印象でした。
勿論、全ての基礎を作ったのはヤナセです。

それだけに、このニュースには、残念です。
不思議と怒りは湧いてきません。




結局、オリンピックでもF1でもサッカーでもスキーでもスケートでもメジャーリーグでも、白人はいつも同じ。
日本人が勝つと、自分たちに有利なようにルールそのものを変える。それでも日本勢が追い上げてくると、またルールを変える。その繰り返し。
しかも、そのルールを他人には守るよう強いておきながら、自分は「間違っているのはルールのほうだ」と言って、破ることに躊躇しない。
だからドーピングだの買収だのが、後を絶たない。

或いはこれは、いわゆる「法則発動」でしょうか。
世界中でチャイナリスクが叫ばれているにも拘わらず、あまりにも中国・韓国に肩入れし過ぎると、彼らの厄が自らにも伝染してくるので、中韓に関わる者は全員不幸になるという法則。

今はまだ疑惑段階でしかなく、はっきりとした情報が明るみになったわけではありません。
しかし、これから、日本の自動車評論家たちによる見苦しいまでの擁護が、また始まるのでしょうか…。
Posted at 2016/02/22 23:59:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | 政治、経済(自動車関連) | クルマ
2016年02月15日 イイね!

アメリカでも「若者の車離れ」

アメリカでも「若者の車離れ」トヨタ、北米若者向けブランド「サイオン」廃止
 (サイ速、2016年2月4日)

トヨタ、米国若者向けブランド「サイオン」廃止
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、同日)

トヨタ、若年層向けブランドのサイオンを廃止 「FR-S」「iA」「iM」はトヨタ・ブランドへ移行
 (autoblog、2016年2月6日)

トヨタ、「若者離れ」深刻…肝入り施策が軒並み失敗、ブランドからもひっそり撤退
 (乗り物速報、2016年2月14日)






 ※ザイオンとは、シオンの英語発音。
  シオンとは、旧約聖書において、紀元前607年のバビロン捕囚により故郷を追われたユダヤ人たちに、唯一神ヤハウェが与えたとされる「帰るべき約束の土地」の名。
  現在のイェルサレム。





トヨタ自動車の、北米とカナダにおける若者向けブランド「サイオン」が、8月を以て廃止となるそうです。

また一つ、歴史から消えてゆくブランドが。
寂しいことです。


トヨタは高年齢層・高学歴層・高所得者層・保守層に人気があるのは、アメリカでも同じだそうです。
しかし幾ら金払いが良いからといって、高年齢層ばかり相手にしていては、いずれ顧客と共に緩やかに老衰してゆくのみ。
ましてトヨタのようなお堅いイメージを抱かれがちな企業であれば、尚の事若者を呼び込むことに意識的であらねばならない。
なので、若年層向けブランドとして、2003年に設立されました。
日本でいうところのネッツ店に相当するでしょうか。

ターゲットとなる若年層は、具体的には「ジェネレイションY」、すなわち日本でいうところの「ポスト団塊ジュニア」に相当し、1970年代後半から1980年代前半にかけて生まれた世代を指します。
これらの世代は、世界中で好景気に沸きたち、潤沢で享楽的なサブカルチャーに浸りながら育ってきました。
冷戦が終わり、ソ連が崩壊してロシアをはじめとした東欧諸国に分離独立され、ベルリンの壁も崩壊して東西ドイツが統一されるといった、歴史がドラスティックに変わる瞬間を多感な時期に目撃してきた。
家庭用テレビゲームや家庭用PCが普及し、携帯電話やインターネットを使いこなすようになった最初の世代とも言われます。
だからなのか、自動車に限らず、上世代が培ってきたそれまでの社会通念や常識が良くも悪くも通用せず、マーケティングには苦慮するといいます。





そんなジェネレイションYの生活様式や趣味嗜好を徹底的に研究して造られたxB(日本名:トヨタ自動車 bB、初代)は、大ヒットを記録。
外装色は豊富であり、TRDやモデリスタといったトヨタ純正のみならず、社外品でもドレスアップパーツが潤沢なので、自分好みにカスタマイズが可能。
それまでの自動車文化とは若干趣を異にするインテリア。
普段使いのみならず、レジャーやアウトドアでも使える実用性。
真四角のエクステリアにはわざとらしい造形は一切なく、にも拘らず何となく悪っぽい雰囲気が微妙な匙加減で漂うのは、唯一無二の個性として見る者を惹き付けるものがあります。

また、本来のターゲット以外にも、思わぬところで好評。
トールワゴン型なので乗り降りが容易で見晴らしは良く、箱型ボディは車両感覚が把握しやすく、タイアは四隅に配されて前後オーバーハングは極力短く、後席や荷室も広すぎず狭すぎない絶妙さ。
日本の車両区分においては5ナンバーサイズのコンパクトカーになるので、税金や維持費がリーズナブル。
見た目や、mm単位でのスペックではない、真の実用性があります。
なので、若者のみならず老若男女に、そしてアメリカのみならず日本でも、広く受け入れられるという、トヨタにすれば嬉しい誤算も。

これがサイオンの方向性を決定付けたとも言えます。
今でもサイオンを象徴するイメージリーダーです。



そして、スポーツカー好きにとっては、日本で絶滅したセリカが、tCと名前を変えて復活したのが、嬉しい話でした。

セリカも、その長い歴史の中で、時代や他車との関連性から、コンセプトを様々に変遷させてきました。
雰囲気を楽しむファッションカーから、GTカー、スポーツカー、スペシャルティカー、ライトウェイトクーペ…。
しかし各世代に共通しているのは、若者向けを意識した、その時代その時代での未来感溢れるクーペという点。
初代ダルマセリカは旧車の定番であり、歴代のスポーツモデルはWRCで活躍し、最終七代目のT230系はスポコンの素材として日米で根強い人気。

tCもそんなセリカのコンセプトを受け継ぎつつ、サイオン流にアレンジ。
日本を始めとしたアメリカ以外では販売しない、サイオン初の完全専用車種。
サイオンの例に漏れず、豊富なオプションやアフターパーツを駆使して自分だけの一台を造ることが可能であり、カスタムカーの素材としても人気。
当時アメリカの若者に人気だったという、ミツビシ・モーターズ・US イクリプスや、ヒョンデ・モーター ジェネシスクーペに対抗。
2ndジェネレイションは、サイオン共通の真四角デザインとなり、現行後期型へのマイナーチェンジではマークX風のヘッドランプと86(ハチロク)風のグリルを備え、お揃いにフェイスリフト。
そういえば、「tC」という名称は、「トヨタ・セリカ」の頭文字とも符合します。

しかしそれも、FR-S(日本名:トヨタ自動車 86)の投入により、需要を互いに食い合う事態に陥っていたのではないかと想像されます。
サイオンブランドが廃止されても、取り扱い車種はトヨタブランドで継続販売することが決まっていますが、tCだけはモデルチェンジを待たずに廃止。

46年に渡るセリカの歴史に、今度こそ終止符が打たれます。






xBのような、Bセグメントサブコンパクトカーに絞ったラインナップだったのが、或いは裏目に出たのかも分かりません。
C-HR(クロスオーバーSUV)や、iM(オーリスのサイオン仕様)、iA(海外専売であるマツダ デミオセダンの車台にヤリスセダンの外装を被せた、サイオン専用セダン)を投入して、車種に広がりを持たようとした矢先での、廃止決定です。
スバルとマツダを救ったという“選択と集中”も、時と場合によりけりのようです。

【レポート】北米トヨタCEOが「今後もサイオンはプレミアム・コンパクトに注力する」と発言
 (autoblog、2014年11月12日)



サブコンパクトカーと言っても、モデルチェンジないし新車を発表するたびに、ボディは年々肥大化。
アメリカでは小さく、日本では大きいという、“帯に短し襷に長し”という状態に陥っていた。
xBに至っては、2ndジェネレイション(日本名:トヨタ自動車 カローラルミオン)は大きくなったのみならず、重くなり、その分鈍重で非力になり、燃費も悪くなり、内装も明らかなコストダウンが窺えた。

社会情勢や、何よりメインターゲットが車に求めるものが、サイオン設立当初とは変わってきたことも勿論あるでしょう。

挙句の果てには、本家本元のトヨタブランドでさえも、カローラ(北米仕様)などの若者向け車両を投入して、同一メーカー同士でパイを奪い合うという、歪な現象が生じていました。

【試乗記】「完璧な道具だ。喜びは小さいが...」 新型トヨタ「カローラ」に乗る
 (autoblog、2013年10月5日)
北米 トヨタ カローラ に「TRD」…CVTを6速MTに変更
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年11月15日)





しかしながら、この件は、単に一ブランドの廃止というだけに留まらない話を秘めています。
要は、それほどまでに、車好きな若者は、自動車大国アメリカでさえも減っているということを示唆しているような気がします。
辛うじていたとしても、元々車に対する興味が薄いのと、そもそも車検制度がないので、安かろう悪かろうで気軽に乗り捨てできる韓国車に流れてゆき、オーバースペックな日本車は敬遠されがち。


何より、シェールオイルの採れるアメリカでは、今や日本以上の原油安
プリウスをはじめ燃費の良い小型車が売れなくなり、ビッグブロックを搭載したフルサイズのSUVやピックアップトラックが、最近また売れてきたといいます。
ますますサイオンが売れなくなる土壌が形成されていた。


かてて加えて、少子高齢化と、それに伴う「若者の車離れ」は、アメリカとて例外ではないということ。
俄かには信じられませんが、なんでも、アメリカでさえも免許取得率は年々減少傾向なのだとか。

あまりに日本と違いすぎてビックリ!衝撃的なアメリカの車事情
 (乗り物速報、2014年2月28日)
米で免許保有率が大幅に低下、若者の運転離れが進む
 (同、2016年1月23日)


自動運転が発達してきているのは、これとも無関係ではなさそうです。


それに何より、日本もそうなのですが、若者向けブランドを作って「若者の車離れ」を食い止めようとしても、もはや一企業の手に負える問題では既にないのです。
社会の問題であり、企業による雇用の問題であり、政治の問題。

若者はお金が無いので新車が買えず、上の世代が手放して中古車となったものを買い、改造を施して乗り回していたのは、今も昔も同じ。
ただ、昔の企業は、余程出来が悪くない限りはどんな人でも一律正社員として囲い込み、一定の地位や教育や給料を与える代わりに、変わらぬ忠誠を求めていた。
だからローンなどの審査も通りやすく、遊びたい盛りの若者にすれば安心して無駄遣いが出来た。
そしてそれは経済を回し、社会に良い循環を生み出していた。

今の企業は、従業員を人材ではなくコストと見做しており、首を切る口実を求めて虎視眈々としている。
自社の発展に貢献してくれた名もなき技術者や期間工たちを、「膿」呼ばわりしてことごとくリストラして、にも拘らず結局自力では再建出来なかった、シャープや東芝がその好例。
だから折角大学を卒業しても、一瞬でも気を緩めると、たちまちブルーカラーの派遣やパート、最悪ニートに堕してしまう現実がある。
僕らの世代では大学さえ出れば一生安泰だと言われていたのに、時代は変わりました。
現に若年層の非正規雇用と、自殺者数は、年々増加傾向。
医療費全額負担や年金削減など、将来への不安を募らせる政府の方針が、更に拍車を掛けます。
そんな状況では、家の次に高い買い物など、したくとも出来るはずがないでしょう。


魅力的な車を発売することは車屋としての本分ですが、それと同時に自社の従業員の待遇を良くすることも、企業としての社会的な責任でもあります。
少なくとも、トヨタのような超巨大企業のホワイトカラーであれば。
彼らは従業員であると同時に、お客様でもあるのだから。


そういえば、本場ビッグ3による、同じく若年層向け小型車ブランドである「ポンティアック」「オールズモビル」「サターン」「マーキュリー」「ビュイック」「プリマス」も、既に廃止されて久しいです。
サイオンだけが例外であるはずがありません。




確かにサイオンブランドは、アメリカにおけるトヨタの裾野を広げることに貢献しました。
サイオンユーザーの70%は、それまでトヨタ車など買ったこともない、文字通りの新規顧客。

本家たるトヨタブランドや、ましてやレクサスブランドでは、やりたくともやれなかった新しい試みをするための社会実験場としての役割も果たした。
収益性が高いからといって、安易な高級路線に最後まで迎合しなかったのも、好印象です。

その意味では、表向きこそ廃止であるものの、決して悪い話ばかりではないのでしょう。
Posted at 2016/02/15 22:21:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 政治、経済(自動車関連) | ビジネス/学習
2016年01月27日 イイね!

フォード日本撤退

フォード日本撤退【速報!!】フォードが日本から撤退!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 (ねたAtoZ、2016年1月25日)

【悲報】フォードが日本から撤退・・・
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2016年1月26日)

米フォード、日本とインドネシア事業から今年撤退へ=内部文書
 (乗り物速報、同日)

「日本市場は閉鎖的」 米自動車大手フォードが日本から撤退へ
 (保守速報、同日)

「日本市場は閉鎖的」 米フォードが日本から撤退へ
 (痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、同日)

フォード「日本市場は閉鎖的」…日本から撤退へ
 (サイ速、2016年1月27日)






何とも衝撃的なニュースが舞い込んできました。
フォード・モーターが、今年一杯で日本とインドネシアから撤退するとのことです。


フォードといえば、アメリカを代表する自動車メーカーの一つであり、ビッグ3を成す企業の一つです(もう一つはジェネラル・モーターズ、もう一つはフィアット=クライスラー・オートモービルズ・US)。
歴史を遡れば、自動車黎明期からずっと車造りを続けてきた、由緒正しい企業です。
現在世界中の製造業で一般的となっているベルトコンベアー式の流れ作業や、品質管理工程、マーケティング・リサーチ、アフターサービスを確立させました。
しかも、“自動車育ての親”自動車王ヘンリー・フォード一世が1903年に創業した、いわば純血種でもある。

日本へは、日露戦争後の1905年に導入。
現在の正規日本法人は、1974年に設立。
他のアメ車メーカーは日本市場において苦戦する中で、フォードは中々に巧く立ち回っていました。
ですがそれも、今年一杯の撤退が決まったことで、116年もの歴史に幕を下ろすことになります。





フォードは、CAFE(アメリカ企業別平均燃費)やEURO6(欧州排ガス規制)など世界中の燃費規制と環境技術へ対応するために、ダウンサイジングターボエンジン「エコブースト」を開発。
それを一車種だけでなく、様々な車種に水平展開。今やフォードの看板商品です。
排気量が少なくなったことで、日本でも税制面で維持しやすくなったはずです。



マッスルカーを代表する一台であるマスタングにも、現行の6thジェネレイションではエコブーストを搭載。
更には、イギリス、オーストラリア、そして日本に輸出するために、半世紀に渡る歴史上初めて右ハンドル仕様を設定。
ガラパゴスなマッスルカーから、グローバルなスポーツカーになりました。

イクスプロウラーも、現行の4thジェネレイションでは、大幅に刷新。
モノコックフレームを用い、前輪駆動プラットフォームを用い、例によってエコブーストを搭載。
そして現代におけるトレンドである、路面状況に応じて設定を変更できる電子制御式サスペンションと、多段式ATをも装備。
作業効率と量産性が向上し、街乗りも快適になり低燃費に。

他にも、イコスポートという、小型SUVもあります。
南米や中国や新興国へ売り込むための車であり、何より世界的な小型クロスオーバーSUVへの人気の高まりを受けて世界戦略車になった、出世魚です。


実情は、どちらかというと欧州対策であり、日本市場はおまけでしかなかったのは明らかです。
ですがそれが功を奏し、日本でも無理のない車に仕上がっていました。

全体的にも、
 「アメ車は大らかで豪快だけど、その分大味で雑、燃費が悪い、壊れやすい、整備性も劣悪」
という長年に渡る固定観念を打破してくれる、質感の高さが窺えました。



その一方では、昔ながらのビッグブロック(大排気量、自然吸気、V型8気筒エンジンの、アメリカにおける通称)も揃えてエコブーストと共存させたり、本国では相も変らぬフルサイズピックアップトラックを発売したりと、定番を押さえた商品展開がありました。



それでも尚、日本市場における輸入車のシェアを独占することは叶わず、この度の撤退の決定。
現行後期型イクスプロウラーを、2015年10月31日に日本導入したばかりだというのに…。
マスタングの右ハンドル仕様も、今年上期の日本導入を控えていましたが、これも白紙撤回でしょうか…?

駆け込み需要で買ったとしても、正規輸入の強みとしての手厚いアフタサービスはこれからは受けられなくなり、それでもどうしても欲しい人は並行輸入で買うしかなくなります。
仲介業者を介するために今まで以上に割高になり、修理・交換用のパーツに至っては…。
今以上に希少でマニアックで高額になり、より一層ハードルが高くなります。

従業員にしても、自身の転職活動をしなければならず、仕事どころでは正直ないでしょう。




アラン=ロジャー・ムラーリーCEOは、撤退する理由として、「日本市場は閉鎖的」と、捨て台詞とも取れる言葉を使っています。
もし本気で言っているとしたら、ヘンリー・フォード一世が、草葉の陰から泣いているはずです。


ビッグ3、特にGMとクライスラーの傲慢な経営姿勢は、つとに有名です。

1980年代、アメリカでは日本車にシェアを奪われて、激しい日本車追放キャンペーンが打たれていました。
シェアを奪い返す車造りをせず、政治とポピュリズムに訴えかけて。
毎日のように日本車メーカーは出て行けとデモ行進を行い、日本車を破壊するデモンストレーションを行い、揚句はレーガン大統領を焚き付けてプラザ合意
ビッグ3に好意的な経済学者が、著作で軽く弱点を指摘して対策を提案したことを根に持ち、私立探偵に私生活を調べ上げさせて裁判に持ち込もうとしたことも。

それらを以てしても、日本車の快進撃を食い止めることはできませんでした。
国家権力に働きかけても、税や保険で優遇されても、アメリカ人によるアメ車離れは止まるどころか加速する一方で、にも拘わらず日本車よりも優れた車を一向に造ろうとしない。
目先の小さなプライドに固執したせいで、何度も何度も日本車に苦汁を舐めさせられ、にも拘らず一向に経験から学ばない。

アメリカ人「日本車最高」 米消費者の自動車信頼度 日本車が1~9位席巻
 (ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2011年10月26日)
アメリカで日本車が爆売れ
 (同、2013年8月8日)


そこへリーマン・ショックやアメリカ同時多発テロや世界金融危機などの逆境が続いたことで、ビッグ3は経営悪化の一途を辿り、とうとう破産。
その際も、自力では経営再建できず、結局は連邦政府による公的資金投入と政府主導で以て助けてもらった。
GMに至っては一時は国営企業にまでなった。


ソースが不明なので真偽のほどは図りかねますが、日米貿易摩擦で日本とアメリカの経済界が険悪だった頃、リド=アンソニー・アイアコッカがアメ車を売り込むために来日した際の逸話があります。
記者会見が終わり、ふと気が緩んだアイアコッカがぽつりと
 「こんなに良い車なのに、どうして日本では売れないのかなぁ」
と冗談交じりに呟いたとき、それを聞いた記者が
 「それは単に日本の顧客が欲しがるような商品ではないからでは?」
と返事をされて、一瞬で激高したとか。


些か話が長引きましたが、ビッグ3とはそういう企業。
アメリカの基幹産業であり、多くの労働者に仕事と給料を与えてあげている、だから国ぐるみで保護されて当たり前……そんな根拠のない特権意識が骨の髄まで染み付いている。

そんな中で、唯一フォードだけは常識があると、ずっと思っていました。
日本人としても、マツダが苦しい時期に助けてくれたという恩義もあります。
だからこそ、まるで後足で砂を掛けるかのようなムラーリーCEOの言葉には、その分裏切られた感が強いし、日本の車好きたちが猛反発している気持ちもよく分かります。




「ワン・フォード」をスローガンとして掲げる、今のフォード。
そこには、「苦しい今こそ、全従業員の心を一つに」という綺麗な意味合いだけが込められているわけではありません。
仕向け地ごとのニーズを汲むのはコストが嵩むとして、一つのラインナップを一つの仕様のまま、一つの拠点で設計開発し、世界共通で売るという意味での「ワン」でもあります。
即ち、「お客様が求める車造り」ではなく、「自分たちが売りたい車を売る。客のニーズなんて知ったことではない」ということ。
だから選べるボディカラーが極端に少ないし、グレードも単一。



「そりゃ離れるよ 若者は…」 日本の自動車税はアメリカの49倍 高すぎると話題に
 (痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2015年3月20日)


確かに、日本は、他国に比べて特殊かも知れません。
国土は狭く山ばかりで、道路は細く、駐車場は狭く、高温多湿で、市街地は信号や歩道や丁字路による短距離間のストップ・アンド・ゴーが頻発。
自動車に課せられる税金も、諸外国とは比べ物にならないほど割高であり、自ずと保有台数は限られる。
それがために家族で使えるミニバンや、低燃費に特化したハイブリッドカー、小型で税制の安い軽自動車が発達する。

そうでなくとも、世界中から絶大な信頼を得ている企業の、日本はお膝元。
トヨタは言うに及ばず、スバル、マツダ、ホンダ、日産、三菱、スズキ…。
錚々たる顔触ればかり、これでもかとひしめき合っています。
海外の車好きからはいかに羨ましがられているか。

或いは海外勢にすれば難しい戦いかも分かりません。




それでも、他国とは異なり、日本は輸入車に対する関税などないに等しいから、幾らでも挽回できるはず。
現に、ベンツ、アウディ、BMW、ボルボ、フォルクスヴァーゲンは、どこに行っても見掛けないときはありません。


まして日本人は、世界的に見ても、舶来ブランドが大好きな民族性。
 ・コカ=コーラ・カンパニー
 ・ペプシコ
 ・ドクターペッパー・スナップル・グループ
 ・スターバックス・コーポレーション
 ・タリイズ・カフィー・コーポレーション
 ・P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)
 ・フィリップ=モリス・インターナショナル・インク
 ・アップル・インコーポレイテッド
 ・HPインク(旧:ヒューレット=パッカード・カンパニー)
 ・アマゾン・ドット・コム
 ・グーグル・インク
 ・フェイスブック・インク
 ・リヴァイ・ストラウス(通称:リーバイス)
 ・ラングラー
 ・H.D.リー・マーカンタイル・カンパニー
 ・コンヴァース
 ・ナイキ・インク
 ・DCシューズ
 ・ニュー=バランス・アスレティック・シュー
 ・ゴールドマン・サックス
 ・カースコウ・ホールセール・コーポレーション
 ・トイザらス
 ・ボーイング
 ・ハーレイ=デイヴィッドスン・モーター・カンパニー
等々…。
中には日本限定モデルまで作って購買意欲を煽る企業も。
斯くの如く、アウェーとしてのハンディキャップを物ともしないアメリカ企業は、幾らでもあります。

日本ほど開かれた市場はありません。



要は、フォードは、売り方を誤ったとしか思えないのですよね。
CMを放送したり、新聞折り込み広告を刷ったり、テレビ番組とタイアップしたり、試乗会を頻繁に行うなどして、長らく染み付いたアメ車のネガティヴイメージを払拭する努力をしなかった。

日本で売られていたラインナップは欧州法人主導で開発した欧州向けが中心であり、その分欧州車的な雰囲気があったのだから、それを利用したプロモーションをすれば良かった。
「日本市場の閉鎖性」とやらに切り込むのではなく、既にシェアを占めている欧州車需要に食い込むことを目指せば良かったのです。
リンカーンブランドであれば、重厚で伝統を重んじるジャーマンブランドとは違う意味での高級感をアピールするなど(現にキャディラックは、先進性とモダニズムを主張している)、やり方はあったはずです。


ベンツに至っては、ミニバンを発売したり、アニメーションでPVを作ったり、『スーパーマリオブラザーズ』とコラボレーションしたり、最近もPerfumeをCMに起用したり、遂にはTポイントサービスに加入したりなど、とにかく話題を作ろう、売ろう、新規顧客を開拓しようという意気込みを感じます。
フォードは一度でもそんなことをしたときがあったでしょうか?
黙って座って待っていれば、客のほうからやってきてくれるとでも思っていたのでしょうか?


正直、ヤナセやマツダ・オートラマ店で売っていた時代のほうが、余程存在感がありました。


GMやクライスラーよりもディーラー数は多く、車自体の質も良いだけに、実に勿体無いことをしました。




TPPによって日本車市場はどうなることかと不安でしたが、それを目前にして思いもよらない出だしになりそうです。
Posted at 2016/01/27 23:59:12 | コメント(2) | トラックバック(0) | 政治、経済(自動車関連) | ビジネス/学習
2015年12月18日 イイね!

ガソリンは戦略資源

ガソリンは戦略資源世界最大の産油国アメリカが原油輸出解禁へ アラブ終了www
(ちゃんとめ!、2015年12月16日)





先日から国内ガソリン価格が安くなったとして、みんカラ内で話題ですね。
そこへ来て更に、安くなりそうな気配を感じさせるニュースです。


アメリカは元々産油国。
しかし安全保障上の観点から、国内で採れた石油資源を海外向けに販売することは、厳しく制限されていたといいます。
もっともそれだけでなく、アメリカは自動車大国だけに、わざわざ輸出せずとも、国内需要だけでペイできるという事情もあるでしょう。

それが近年では、採掘技術の発達によりシェールオイルが大量に採れるようになり、しかしそれはアメリカ企業が得意とする精製方法には向かないため、この度の輸出解禁となったそうです。




日本で売られている石油類は、中東産です。
原油に限らず、日本は元々天然資源の乏しい島国なので、海外からの輸入に頼るしかない。

正確には、新潟沖日本海をはじめ採れることは採れるけど、少量且つ採算が合わなさすぎるので、輸入したほうが遥かに安く大量に調達できる。
「これで日本も資源大国に!」と一時期話題となったメタンハイドレートが未だ実用化されていないのも、それが理由です。

日本でガソリン採れないの?
 (大艦巨砲主義!、2015年10月17日)




しかしアメリカのオバマ政権が弱腰であることと、中国共産党の半世紀にも及ぶ準備が整ったことが重なり、東南アジアの領海が中国の覇権主義によって脅かされています。
その中には、日本のタンカー航路も含まれています。

南シナ海 米に懸念伝達「航行の自由作戦だけでは不十分」 河井補佐官
 (大艦巨砲主義!、2015年12月15日)
南シナ海の中国「領海」内への米艦再派遣、年内はない 米当局者
 (同、同日)




或る日突然、何の前触れもなしに「お前は勝手に我が国の領海を侵犯した」と難癖を付けられ、折角運んでいた大量の原油をタンカー毎没収されてしまう……そんな可能性も、あながち非現実的ではありません。
現に、南スプラトリー諸島の公海にある珊瑚礁を埋め立てて、海軍基地を完成させたのは、間違いなくそのための下準備です。

何しろ中国は、日中記者交換協定(日中双方の新聞記者交換に関するメモ)によって日本国内では知られていなかっただけで、実は今までも周辺諸国でそんな揉め事をずっと起こしてきていたのです。
チベット、台湾、モンゴル、ウイグル、東ティモール、東トルキスタン、ウズベキスタン…。唯一、韓国だけが、生かさず殺さず。
日本だけが例外だと、なぜ言い切れるでしょう。


日本のエネルギー自給率は6%。
東日本大震災以降、原発再稼働が思うように進まない今、化石燃料への依存度は一層高くなっています。
1973年の第一次石油危機のときよりも、状況は厳しいと言わざるを得ません。

にも拘らず、海路を断たれれば、日本は孤立してしまいます。
そうなれば、第二次世界大戦前夜における、ABCD包囲網の再現です。
そして中国は、それを狙っている。日本をわざと怒らせて、堪忍袋の緒が切れるのを舌なめずりして待ち侘びている。

民主・枝野氏「海峡封鎖されて石油が止まる事が、武力攻撃を受けた場合と同等なんですか?」
 (痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2015年3月4日)





だから安倍晋三政権では、「自由と繁栄の弧」と称して、日本にとって生命線である海路を守ろうとしているのですね。
(勿論目的は他にも色々ありますが)


そんな状況が一変し、仮にアメリカからも輸入できることになれば、中国による牽制を気にする必要もなくなりそうです。
調達先や取引相手を複数確保しておくことは、安全牌として必要ですからね。政治だけでなく、ビジネスでも、進学でも、就職でも、あらゆる立場のあらゆる局面で。

そうでなくとも、中東産原油は、このままのペースで行けば5年以内に枯渇するという情報もあるほどです。
それも、原油そのものではなく、採掘資金が。
ドバイバブルなどと持て囃されていましたが、どれだけ放蕩経営していたのやら…┐(;´~`)┌

サウジなど中東産油国、5年内に資金枯渇か!?
 (大艦巨砲主義!、2015年11月23日)



もっとも、自分で言っておいてなんですが、中東よりも遥かに遠く、途中で休憩と燃料補給できる港も少ないので、実現の可能性は限りなく低いですがw
それなら中東を出発してオーストラリア経由で大きく迂回するほうが、遥かに現実的ですね。





この度のアメリカによる原油輸出解禁。
これは、同じく産油国であるロシアへの牽制が真意であるような気がします。
現在、IS(イスラーム国)への対応や、ウクライナ騒乱クリミア危機を巡って対立しているだけに。


最近では、中国も、原油やシェールオイルを産出・精製できるようになったというニュースもあります。
これは、遠回しに、世界中に中国への投資を呼び掛けつつ、アメリカを牽制しようという意図ですね。
何しろソースが、中国資本であるレコードチャイナからの発信だけに。

中国のシェールガス田、世界2位の規模に
 (大艦巨砲主義!、2015年10月23日)


そしてドイツも、それらと同様長らく反米的な歴史を持つ国であり、今は中国と蜜月関係。
世界では、アメリカと、それら反米勢力による、水面下の鞘当てが進行しています。
ロシアが日本に熱烈に石油や電気を売り込もうとしているのも、日本を懐柔しようとする作戦なのでしょう。

ロシア石油大手、本州向け電力供給を提案
 (大艦巨砲主義!、2015年11月7日)
日露パイプライン構想はプーチンの甘い罠?
 (同、2015年11月28日)
ロシア石油会社会長 新事業に日本参加を
 (同、2015年12月12日)




そこでアメリカは、原油の輸出解禁に踏み切り、原油価格の世界的な暴落を引き起こすことで、反米勢力を封じる作戦に出たと。
勿論アメリカとて無傷ではいられないものの、少なくとも基礎体力に勝るほうが持久戦や消耗戦には有利であり、自分たちならそれが出来ると踏んだのでしょう。

序でながら、昨日発表されたFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)による金利利上げも、その一環かと。
今年の初夏に上海株式市場が大暴落をしたのは記憶に新しいところですが、全ての事象には因果関係がある。
どちらもアメリカによる経済戦争です。

ブラジルで、人口の60%を追い詰める経済悪化が止まらない
 (DARKNESS DUA、2015年8月31日)
米利上げ前に世界中で大波乱 人民元、新興国通貨が急落 ジャンク債ファンド破綻
 (大艦巨砲主義!、2015年12月17日)
米FRB 利上げ決定 7年続いたゼロ金利政策を解除
 (NHK NEWS WEB、2015年12月17日)





今や原油は、単なる天然資源ではなくなり、戦略物資にまでなりました。
今や戦争は、戦場で銃弾やミサイルが飛び交うものではなくなり、情報や資源を用いて静かに交わすものになりました。

考えようによっては、第三次世界大戦は既に始まっているとも言えます。
それが、安くなったガソリン価格に表れているとも。

キリスト教vsイスラム教!ローマ法王が「第三次大戦」はすでに始まった!
 (軍事・ミリタリー速報☆彡、2015年9月15日)


戦争とは、他の手段を以てする政治の継続であり、
政治とは、他の手段を以てする戦争の継続である。

  ──カール・フォン・クラウゼヴィッツ
Posted at 2015/12/18 09:09:02 | コメント(1) | トラックバック(0) | 政治、経済(自動車関連) | ビジネス/学習

プロフィール

「「車種もドンピシャな東方Projectモチーフの隠れ痛車を捕獲!」特徴的な翼のデザインをスズキ・キャラのガルウイングで再現
https://option.tokyo/2021/07/03/104493/

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何シテル?   07/03 23:51
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