
前回の日記の続きです。
その後は、3月11日に発表・発売された、
スズキ アルトターボRSを試乗しました。
・スズキ新型アルト12月発売へ!アルトワークスも復活か?外見が大胆チェンジ!
(くるまン。、2014年11月19日)
・スズキ新型アルトターボRS MTは発売される?可能性などを色々と考察
(同、2014年12月31日)
・アルトターボRSの知っておきたい6つのまとめ
(同、2015年3月12日)
・アルトターボRSとコペン 0-100kmフル加速 結局どっちが速いのか?
(同、2015年3月23日)
・アルトワークス復活の可能性をターボRSの売れ行きから考えてみた
(同、2015年6月15日)
・スズキ「新型アルト」の燃費はなんと【37km/L】達成!【アルトワークス】も【15年3月】復活!
(Ethical & LifeHack、2014年11月22日)
・スズキ「新型アルト」は【アルトワークス】再来?【ターボモデル】&【ボディカラー】も判明?
(同、2014年11月29日)
・スズキ「新型アルト」:【アルトワークス系=ターボRS】復活へ【実車】公開→15年3月発売!
(同、2014年12月28日)
・スズキ「新型アルト」の【ターボRS】は【3/11】発売!攻撃的【デザイン】&【スペック】も公開!
(同、2015年1月23日)
・スズキ「新型アルトターボRS」の【内部資料】流出?燃費【25.6km/L】&【3月11日】発売確定!
(同、2015年2月25日)
・スズキ「新型アルトターボRS」価格判明:【現代版アルトワークス】は激安価格【131万円】~!
(同、2015年3月7日)
・スズキ「新型アルトターボRS」発表直前:【世界一のロボAT】搭載で【超軽量&超スポーティ】!
(同、2015年3月10日)
・スズキ「新型アルトターボRS」発売:【ターボ×5速AGS】搭載のスポーツ軽を【129万円~】!
(同、2015年3月12日)
・スズキ「新型アルトターボRS」試乗記①:【ターボ×AGS×軽量】=ドライビングプレジャー!
(同、2015年3月16日)
・スズキ、新型「アルト」を今月発売! ワークスは来年3月発売予定! 価格は78万5千円~
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2014年12月13日)
・スズキ 新型アルト、10年ぶりターボモデル復活! 『アルト RSターボ』
(同、2014年12月22日)
・新型アルトターボRS、4WD有、5AGSのみ 131万円程度の見込み
(同、2015年3月1日)
・スズキ、新型「アルト ターボRS」発売! 15年ぶりのターボ搭載車
(同、2015年3月11日)
・スズキ、東京オートサロン2015への出品概要
(autoblog、2014年12月25日)
・3月発売のスズキ「アルト ターボRS」について、開発担当者がいま話せること
(Car Watch、2014年12月30日)
・【東京オートサロン2015】スズキ、「アルト ターボ RS」など3台のカスタム軽自動車を展示
(同、2015年1月9日)
・"本格的な走りを多くの人に" スズキから「アルト ターボRS」ついに発売!
(同、2015年3月11日)
・【試乗記】スズキ、「アルト ターボRS」MTモデルがあってもよくないですか?:飯田裕子
(同、2015年3月19日)
・スズキ、軽乗用車 新型「アルト ターボRS」を発売
(スズキ四輪製品ニュースリリース、2015年3月11日)
往年のアルトワークスを受け継ぐ存在であり、軽スポーツカー好き・国産ホットハッチ好き・鈴菌感染者にとっての本命です。
同時に、二代目コペンやS660とも併せて、軽スポーツカーが揃いました。
今の時代に合わせて若干柔和な乗り味になり、暴力的なまでの加速性は鳴りを潜め、静粛性や燃費重視になりました。
ボディも通常の
アルトと同じ5ドアのみ。
変速機も、5MTではなく、
セミATのみ。
往年のアルトワークスを知る人には物足りないかと思います。
でもそこは、スズキとしてもそれを分かっているからこそ、敢えてワークスを名乗らなかったのでしょう。
またそれは、裏を返せば、何かのきっかけにワークスを復活させる気だけはある、という見方も出来そうです。
・
アルトターボRSがワークスを名乗らぬ理由 スズキの軽スポーツ、乗って分かった実像
(東洋経済ONLINE、2015年4月21日)
今の軽は高級化・高額化が進んで久しいですが、軽本来の安さと手軽さと質素さが、アルトの魅力。
ターボRSも同様に、現状発売されている軽スポーツカーの中で最も軽く、最も安いです。
これぞ1980~90年代ボーイズレーサーの復権です。

今回お邪魔した、
スズキ自販新潟 スズキアリーナ新潟南です。


こちらが試乗車。
駆動方式は4WD(ヒーテッドドアミラー標準装備、助手席シートヒーター標準装備、PTCヒーター標準装備、リアスタビライザー無し)、オーディオ未装着、バックアイカメラ装着(純正カーナビと連動)。
軽量衝撃吸収ボディー「TECT(テクト)」、レーダーブレーキサポート(ルームミラーの手前に単眼カメラあり)、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、ヒルホールドコントロール、アイドリングストップシステム、標準装備。
乾燥重量は720kg(FFは670kg)、燃料タンク容量は27L、最小回転半径は4.6m、JC08モード燃費は24.6km/L(FFは25.6km/L)、タイアサイズは165/55R15 75V、型式はDBA-HA36S-ASRZ-A【-AY】。
外装色はブルーイッシュブラックパール3。メーカーオプションのフード&ルーフデカール(チェッカー)、サイドデカール(同)、装着。
標準小売価格は\1,311,000、消費税8%込み\1,415,880。エコカー減税対応。
一見すると、通常のアルトに、エアロパーツとフォグランプを追加して、それらしい色で塗っただけのような見た目です。
しかし中身はスポーティ。
見た目はありふれた主婦の買い物車、しかし走らせると凄い。これぞ「羊の皮を被った狼」であり、アルトワークスのコンセプトです。
確かに、二代目コペンやS660にはスペックで負けており、加速性能や最高速性能では劣るといいます。検証動画も多く公開されています。
しかしスポーツカーで大切なのはスペックではありません。実際に運転して楽しいかどうかです。サーキットでさえも、フルチューンされた本格スポーツカーに対し、ありふれたコンパクトカーが余裕で勝つ場面が往々にしてあります。
アルトRSの場合は、圧倒的な軽さとフットワークの豊かなエンジンを活かし、小柄な体躯をきびきび振り回して走るのを得意とします。
それはすなわち、身体感覚の拡張を意味し、手足の延長としての運転が味わえます。そしてそれは、軽自動車全般に言えることです。
・軽自動車エンジンチューニングについての私なりのアドバイス
(ジムニー(JA22W)のページ、2014年4月24日)
・スズキも「新型ワークス」でホンダに対抗、軽スポーツカーブーム復活!
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年2月19日)
4WD仕様には、ヒーテッドドアミラーと助手席シートヒーターが標準装備。
何気に嬉しいですね。4WDを欲しがる人はどういう地域に住んでいるか、どんな使い方をするか、そこではどんな機能が喜ばれるかを、ちゃんと分かっています。
こういうさり気無い気配りが出来るのは、スズキらしいです。
ボディカラーはコスト軽減のためか、白・黒・赤の3色しかありません。
しかもボディカラーに赤を選ぶと、スポイラー類も赤で固定されているので、色が埋没してしまうのが難点です。
個人的には、アバルト風の白が本命だったのですが、黒も良いですね。
この黒は、
オトモビル・スィトホェン DS3(デエストロワ)・レーシングを意識したのでしょうか。
しかも、オプションデカールには懐疑的だったのですが、実車を目の当たりにすると、間延びした空間を程良く引き締めています。結構格好良い。
銀メッキされた
メガネガーニッシュが、ボディカラーのお蔭で強調されています。
通常アルトのフロントグリルのスリットが縦なのに対し、ターボRSのそれは横。



内装も、基本は通常のアルトと共通。
しかし色遣いをがらりと変えて、イメージを変えています。
真っ黒の中に、各種ベゼルやスティッチを赤にしており、凄味があります。その中でメーターだけが白く浮かび上がっており、且つスポーティな三眼式に。
どんなボディカラーを選んでも、内装色は共通。
変速機は、セミATである「
AGS(オートギアシフト)」一択。
キャリイで初市販化したAGSの、水平展開第一弾です。
・スズキ、軽トラック「キャリイ」に新トランスミッション「Auto Gear Shift(オートギヤシフト)」を搭載
(スズキ四輪製品ニュースリリース、2014年8月26日)
・スズキ、軽トラック「キャリイ」に新トランスミッション 「Auto Gear Shift」を搭載
(autoblog、同日)
・スズキ「キャリイAGS」軽自動車唯一のロボタイズドMT AT限定でも運転可能!
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2014年9月2日)
・アルトターボRSにMTがない理由が判明。なぜなら……
(clicccar、2015年5月16日)
・AGSとは?
(くるまン。、2015年6月15日)
・人気のアルトターボRSは、なぜMT設定がないのか?
(CarMe、2015年7月21日)
理屈の上ではMTを自動化しただけであって、ちゃんとマニュアルモードもパドルシフトも付いており、ATやCVTと同じなのは見た目だけ。
そもそも欧州製ハイパフォーマンスカーでは既に一般的。
と言いつつも、MT信者としては物足りないのも事実。
自分の意志で変速するのではなく、機械に変速させられている感がどうしても拭えませんからね。
このAGSは、変速ショックとそのタイミングが独特で、ATやCVTと同じ感覚で運転すると違和感があるといいます。

でも、これだけAT限定免許が普及し、日本においてMT車が売れない現実があるからには、仕方ないのでしょう。
今や一部の好き者と、田舎の高齢ドライバーくらいのものです、MT需要があるのは。
そんな中でも、たとえ裏技的な方法であってもMTを載せてきた、その英断をこそ評価したいです。
・
日本のAT車販売台数比率が99%という現実
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年6月2日)
しかし開発者によれば、MTを載せられるだけの空きスペースは確保してあるそうであり、売れ行きが良ければマイナーチェンジで或いは…?

後席も、通常のアルトと共通ながら、色が変わっただけでイメージが異なります。
前席同様、これでもかとレッドスティッチを縫い付けてあります。
シンプルでプレーンだったのが、随分厳つくなりました。
この後席と、ルーフの存在が、アルトRSの存在を唯一無二のものにしています。
二代目コペンやS660よりも敷居が低く、何より値段が安いので、軽スポーツカーへの入り口を気軽なものにしてくれています。

ショックアブソーバーは、専用チューニングされた、カヤバ製。
隙間からロゴが少しだけ見えます。
ホイールは、エンケイの
オールワン。
新たに専用品を開発するのではなく、既存品を宛がうのは、コスト削減なのでしょう。
タイアは、ブリヂストンの
ポテンザRE050A。
これは一般的な市販品であるRE050のメーカー納入用の型番であり、トレッドパターンや材質は全く同じ。
ブレーキは、前輪はベンチレーテッドディスクながら、後輪は一般的なリーディング・トレーリング(つまりドラムブレーキ)。
かつての平成ABCトリオを知り、現に乗っている身としては、ここも物足りないポイントです。
しかしここも、バネ下重量を軽くして機敏な走りを実現するためや、安く売るためのコスト低減といった目的があるのでしょうし、何よりこれだけ軽い車体には四輪ディスクブレーキは本来オーバースペックなのでしょう。
では運転してみます。
因みに、対応してくれた方は、
仁科百華に似た、すっっっっっごい美人!!(///∀///)
綺麗な女性を乗せて、好きな車でドライブするのは、男の憧れですね(^ω^)
……と思ったら、そそくさと後席へ
マタカ(´ω`;::....

・
【画像あり】電車でのおまえらwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
(暇人\(^o^)/速報、2013年1月23日)
飲み会でも、女性に限って隣に座りたがらないし、席の割り当てで隣になればこれでもかと離れられるし。
お店で買い物しても、絶対に目は合わせないし、手に触れないように釣銭を寄越すし。
キモヲタに相応しく、本気で避けられてます┐(´Д`)┌
二代目コペンやS660は、軽らしからぬ重厚な走りが魅力でした。
しかしこちらは、確かにターボらしく力強い出足と加速性ですが、主に軽快感ある走りを見せてくれます。その割には、ボディがふらふらすることはありません。
サスが硬めといっても、先の2台ほどに突き上げる感覚はなく、至って乗りやすいです。
先にも書きましたが、二代目コペンやS660ほど、爆発的な急加速もありません。
敢えて本格派を目指さず、あくまで日常域+αでのスポーツ性を目指しているのが判ります。成程、ワークスの名を名乗らなかった理由です。
でも、そういう部分こそが、先の2台との棲み分けが上手く出来ています。同じ軽スポーツカーといえども、目指す地平は全く異なります。
同じ「RS」を先に名乗っているスイフト・RSも、通常のスイフトよりもスポーティでありながら、スイフトスポーツほど硬派でもない、欧州車的な落ち着いたスポーツ性が持ち味だといいます。
僕含めて多くの人が期待した「アルトワークスの再来」ではなく、むしろスイフト・RSの系譜に近いのでしょう。
キャリイの頃から気になっていた5AGSも、ようやく体験出来ました。
確かに、機械的にはともかく、見た目はATやCVTと全く同じだから、そのつもりで運転すると拍子抜けします。
変速時に、一瞬どころか二瞬ほどニュートラルになり、再度ギアが繋がるとエンジンが唸りを上げてボディごと揺れます。その感覚はATやCVT以上です。
そういう場合は、これも既に散々言われていることですが、ニュートラルになった瞬間にフットペダルを少し緩めて、変速完了時にまた踏み直します。要は、MTと同じペダル操作をすれば良いと。
う~ん、でも、そういうことなら、益々MTが欲しいなあ…。
お店に戻ります。
元あった場所はかなり奥で狭いので、正面玄関手前へ。そこでも、車庫入れの体験として、敢えて駐車場の区画内へ停めさせてもらいました。
狭く入り組んで坂のある路地裏、高速で走れる国道8号線、街中の大通り、そして車庫入れと、一通り体験できました。こういうのは新潟市内だから可能ですね。試乗とは本来こういうものです。
それにしても、各社に言えることですが、バックアイカメラは、遠近が誇張されますね。
実際にはかなりぎりぎりでも、カメラ映像を見て「まだ大丈夫だ」と判断してしまう。それで益々際どいどころまで平気で行ってしまう。
ネット上ではよく「運転が下手だったり、流れを読まないドライバーに苛々する」といった声を見掛けますし、僕もそういうドライバーに遭遇してやきもきする機会は正直あります。
しかし、そういうドライバーは、或いはこういったカメラを始めとした安全装置に頼りきっているのかも知れません。それが傍目には、運転が下手に見えるのかも。
僕自身アナログな人間というのもありますが、やはりバックミラーと目視を基本としたいですね。
第二次世界大戦でのドイツ陸軍の戦車長も、キューポラから顔を出しての目視が原則でしたし(もっともそのせいで、敵狙撃兵の格好の餌食にもなったのですが)。
新旧スズキ軽スポーツカー並べ~♪ヽ(´ー`)ノ
奇しくも、同じストライプ入り! 同じ丸型二灯ヘッドランプ! 同じ赤黒ツートーンで、色反転!
アルトは現行の軽の中では低いほうですが、キャラはそれより更に低い。
カタログは、
村上店から既にもらっていたので、今回はなし。
お手軽な入門用としても、アルトワークスが懐かしい年齢層にも、家庭の事情で本格スポーツカーが買えない人にも、このアルトRSは打って付けです。
コストを減らして多くの人に軽スポーツカーを買いやすくしたいという思惑があるのでしょうが、その一環でエアロパーツの色数が赤一色なのが惜しい。
もし僕なら、この黒を基本として、エアロパーツやデカールや内装の赤と、ホイールを、橙色にしたいですね。


