オートマで乗るとカッコ悪いクルマ ワースト5!【女子のホンネ】
(clicccar.com、2011年9月22日)
やっぱりオートマのスポーツカーはカッコ悪い!【ただしトルコンに限る】
(同、2011年10月6日)
些か古い記事ですが、たまたま見付けたので。
この情報サイト、どうやらネット上では結構反感が多いようですね(NAVERまとめ、「
男をボロクソにこき下ろし毎回炎上の「女子のホンネ」シリーズまとめ」)。
このリンという記者も、女性の割に妙に車に詳しいし、一々喧嘩腰だし、古い専門用語ばかり出てくるし(MTのことを「手コキ」と言うなんて、20年振りに聞きましたよ。そもそも「手漕ぎ」の誤用では…?)、価値観とすら呼べない偏見だらけだし、ダブルスタンダードだし、極度に我が強いし、ツッコミどころが多い割になぜか自信たっぷりで「アタシ以外はみんなバカ」という態度があからさまだし、個人的な感情に基づく結論ありきで話すから第三者を納得・共感させるだけの理論とは無縁だし、男の悪口ばかり好んで書く割に自分が槍玉に挙げられると掌を返して怒る。
醜い人です。
でも、女性なら誰でも持っている内面を隠していないだけで、或る意味正直な人でもあります。
高潔とは無縁の正直さだけど。
内容はともかく、本題。
確かに、最近では、スポーツカーといえど殊更にMTであるべき理由などないのかも知れませんね。
技術が進歩したことで、多段式ATや
CVTが開発され、MT以上に操作は滑らかで、変速のロスはMTに勝り、MTに劣っていた燃費すら最近では良くなっている。
昔は低級グレードには必ずMTの設定があったのも、最近ではコラムシフトATしかない車種のほうが多い。
マークⅡ三兄弟だって、スポーティグレード「ツアラー」系には、必ずMTがあったのに。
MTはどんどん廃れていく一方です。今や商用車くらいでしょうか、全グレードにMTが標準装備なのは。
MT好きとしては寂しいですが、もはや趣味性以外にMTを選ぶ理由がなくなってきたのかも分かりません。
考えてみれば、F1だってATですし、その意味ではATとは由緒正しいスポーツカー向け変速機とも言えましょう。
今や世界のスーパーカーや、ハイパフォーマンスグレードに至っては、
セミAT(2ペダルMT)・マニュアルモード付きAT・パドルシフト付きCVT・
DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が主流です。
フェラーリの
F1マチック、ヌォーヴァ・アウトモービリ・フェルッチオ=ランボルギーニはセミAT、メルツェーデス=ベンツの
AMGスピードシフト、マゼラーティの
ガンビオコルサ、ポルシェの
PDK、BMWの
SMGやDCT、アウディの
S-トロニック(DCT)、フォルクスヴァーゲンの
ボルグワーナー製DSG(DCT)、アルファ=ロメオ・アウトモビレの
アルファTCT(ツイン・クラッチ・トランスミッション)、R35型GT-RはDCT、ランサーエボリューションⅩの
ゲトラグ製TC-SST(ツイン・クラッチ・スーパー・シフト・トランスミッション)、等々…。
それらは快適性や利便性を突き詰めたり、高齢者や初心者や女性にも運転できるためのATとは根本的に異なります。
有り余る駆動力を的確に効率良く地面に伝えるために、ATという道を選択したのでした。
手動操作はパドルシフトやモード切替スイッチに残るのみ。
スポーツ走行を極めれば極めるほど、MTにおける変速ロスが気になるので、技術革新によりATのほうが優位に立つのは、或る意味当然とも言えます。

一番印象に残っているのは、
三菱自動車工業 FTOの
INVECS-Ⅱですね。
ATだけどMT的な操作ができるとして、当時衝撃的でした。
FTOはどちらかというとスポーツカーというよりスペシャルティカーですが、それ故に新技術を盛り込めるジャンルでもあるのでしょうね。
個人的には、普及車やスーパーカーはともかく、一般庶民に向けられたスポーツカーくらいは、せめてMTを残して欲しいのですよね。
効率や利便性ではない、趣味性を謳う車なら、尚更変速機も同様なものが相応しい。
何より、程々にローテクで、路面状況や挙動に応じて思い通りに車をコントロールでき、機械を操っているという実感が強く抱ける。よって運転が楽しいのはMTだと感じるからです。
スポーツカーの魅力は、効率や合理性や速さやカタログスペックだけではありません。楽しさも重要な要素の一つです。そしてそれらはしばしば正比例するとは限らないのですから。
そうは言っても、MTはこれからは廃れていく一方であり、辛うじて残っても趣味性以外の存在意義はなくなっていくんでしょうねえ…。
車に興味のある人は、興味のない人に比べて圧倒的に少数派。更にその中でのMT派に至っては、数など推して知るべし。
メーカーとは企業であり、企業とは営利団体であって、伊達と酔狂で車造りをしているわけではない。
「ATとMT、どちらが売れるか?」を天秤に掛ければ、社会人である僕らに置き換えて考えれば、メーカー側の考えなど自ずと理解できるはずです。
MTが廃れていったのは、決してメーカーのせいでもなければ、AT限定免許証のせいでもありません。
とはいえ、みんカラに登録したことで知ったのですが、身体障害者の方や人並み外れて小柄な方でも、スポーツカーが好きな人はいますね。
そんな人々のためにも、AT設定のあるスポーツカーは、ありだと思います。だから「スポーツカーからATを一掃しろ」などと言うつもりはありません。
要は、ATとMT、どちらか片寄ることなく、バランス良く設定されているのが理想です。
現状はAT一辺倒ですが、スポーツカー、せめてスポーティグレードだけでも、MT
も選べる余地があると好ましいです。
Posted at 2012/07/26 14:46:39 | |
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