
春は別れの季節でもあります。
米ではホンダ「インサイト」は来年まで!?
(autoblog、2013年12月10日)
ホンダ「インサイト」の生産終了 米国での詳細
(同、2014年3月5日)
ホンダのハイブリッドカー、インサイトの販売が終了の見込み インサイトブランド自体が終了
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2014年2月10日)
【訃報】インサイト生産終了
(同、2014年2月27日)
ホンダのハイブリッドカー、インサイトの販売が終了の見込み インサイトブランド自体が終了
(乗り物速報、2014年2月10日)
ホンダ「インサイト」生産終了で【フィットセダン=City】発売!【CR-Z】も【新型S2000】に?
(Ethical & LifeHack、2014年3月1日)
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... ..:( )ゝ ( )ゝ( )ゝ( )ゝ インサイトは星になったのだ…
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それほど深い思い入れはないとはいえ、それなりに見慣れた車種が消えゆくのは、やはり寂しいですね。
本田技研工業 インサイト(HN-ZE1)は、一般的な5ナンバーサイズに、先進的な技術を詰め込んだ車でした。
低燃費を実現するというと、今では一般的であり、しかもあまり良いイメージは逆にないのも事実です。
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「ハイブリッド車は決してエコじゃない」と気付いた人
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年9月24日)
しかし初代は、未来的な内外装デザインと先進技術により、エコカーの貧相なイメージは感じられません。いえ、愛車として毎日のように乗っていればまた違うのでしょうが、少なくとも見た限りでは。
販売開始は1999年11月1日ですが、この頃には既に、後の
CR-Z(DAA-ZF1/2)などに続く未来的なイメージが窺えます。
日本で取り回ししやすく税制や車検でも有利な、5ナンバー。デザインも、往年のCR-Xを思わせる、3ドアハッチバッククーペ。そして最大の特徴は、後輪タイアハウスを覆い隠す、リアホイールスカート。
まるで、昔夢見た「未来のクルマ」が、子供向け図鑑からそのまま飛び出てきたかのようです。
流線型で車高が低くAピラーも寝かされているのは、見た目スポーティではあるものの、実際には燃費向上のために空気抵抗軽減を狙ったもの。
極め付けは後部車幅が前部よりも狭く、上下左右あらゆる角度から見ても、後ろがすぼまっている。当然リアトレッドもフロントに比べて狭い。
「低燃費を突き詰めるにはここまでしなければならないのか!」と驚いたと共に、当時はハイブリッドカーには先進技術の粋というイメージがあったこともあり、何ともエポックメイキングな車でした。
必ずしもヒット作にはならずとも、或る種のイメージリーダーとして、細々と生産は続いていました。

二代目は、実質的には、名前を受け継いだ全く別の車種と言ったほうが相応しい。
価格もこなれ、相変わらず手頃な5ナンバーサイズで、高級路線であったトヨタ自動車 プリウスに対するエントリーカーとしての位置付けでもありました。
初代よりも若干サイズは拡大し、後席用ドアが設けられ、今の時代に求められる実用性も。
しかし、プリウスは流石にお金が掛かっているだけあって、あらゆる面でインサイトよりも理に適っているといいます。
後席に余裕があったり、バッテリー交換が容易だったり、質感が高かったり、ガソリン車と遜色ない走りがあったり…。何より、海外販売を見越した、余裕ある3ナンバーサイズ。
ハリウッドスター達がこぞって愛車にしたのも、良い宣伝効果でした。
それだけに留まらず、更なる低燃費を目指しており、イメージアップに余念がありません。
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リッター40キロのプリウス、2015年発売へ
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年3月28日)
乗った感じも、「モーターを補佐するエンジン」という考えのプリウスに対し、「エンジンを補佐するモーター」という考えのインサイト。
普通のアイドリングストップと何が違うのか、実際に運転しても違いが判りにくいそうです。
エンジン屋としてのプライドが裏目に出た格好に。
似たようなハイブリッド特性を備える、スバル XVハイブリッドや、マツダ アクセラハイブリッドなどに見られるように、もう少し遅く生まれていて、且つスポーツ性をアピールすれば、それなりに正当な評価を与えられたかも知れないのに。
そのためのCR-Zではあるのでしょうが、こちらも販売は苦戦しているといいます。
個人的にホンダのプリウスキラーは、インサイトよりも、実は
シビックハイブリッド(DAA-FD3)だったと思っています。
更に追い打ちを掛けて、三代目プリウスは価格まで下げてきたことで、インサイトが有していた「庶民も買えるハイブリッドカー」という優位性も崩された。
そうでなくとも、プリウスと同じ普通乗用車・プリウスと同じ5ドアハッチバックというのがコモディティ化を招き、その中で敢えてインサイトを選ぶ理由が薄れてしまった。
まして今やエコカーはありふれた存在であり、+αの要素がないと注目されない昨今です。
もし低燃費であることが唯一にして絶対の正義であるならば、スズキ アルトエコはもっと売れているはずです。
・アルトエコが売れない (´;ω;`)
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2013年2月25日)
・リッター30km台の争い…軽の燃費「HV級」
(同、2013年7月26日)
・スズキ、「アルト エコ」がガソリン車トップの燃費35.0km/Lを達成!!
(同、2013年11月24日)

ところで、一年半前にホンダが発表した
フィットヴァリエイションの中には、往年のフィットアリアを彷彿とさせるセダンタイプがありました。
それは、新興国向けミドルセダンとして活躍しているシティの日本導入に、どうやらなりそうな気配です。
しかも、日本向けとしてハイブリッド技術を搭載して。
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ホンダ「フィット・セダン」は【8月】に発売延期?【ハイブリッド】専用?【ディーゼル】国内投入?
(Ethical & LifeHack、2014年4月9日)
もしそれが本当なら、
アコードハイブリッド(DAA-CR6)に対するエントリーカーとしてのみならず、インサイトの後継としての位置付けにもなりそうな気がします。
確かにプリウスには勝てなかったかも知れませんが、ホンダのハイブリッド技術を熟成するという使命を全うし、ひっそりと消えてゆくことを選んだのでしょう。
今は、ホンダもハイブリッド技術を水平展開しています。
コンパクトカーの、
フィットハイブリッド、フリードハイブリッド。ホットハッチの、CR-Z。ステーションワゴンの、フィットシャトルハイブリッド。セダンの、シビックハイブリッド(現行は北米専売)、アコードハイブリッド。クロスオーバーSUVの、ヴェゼルハイブリッド…。
そして未だ予想段階ではあるものの、
オデッセイや
ステップワゴンにも。
インサイトは消滅しても、魂を受け継ぐものたちにこんなにも恵まれたのだから、きっと幸せな最期だったはずです。