日本人は欧州を完全に誤解してる、とてつもなく好意的に誤解してる。
日本人と同じように誠実なんだと思ってる。
その誤解の解ける日が来るのが怖い。
──ドラガン・ストイコビッチ
車の排ガス試験で独仏英がロビー活動か?「抜け穴」要求文書が流出
(サイ速、2015年9月26日)
VWの排ガス不正は2005年頃からやっていた!?…米市場でGMやトヨタに勝てない焦りが発端か
(同、2015年9月30日)
トヨタ自動車、数年前からVWの排ガス性能に疑問を持ち欧州当局に取り締まりを要請
(同、2015年19月2日)
フォルクスヴァーゲン・コンツェルンの排ガス不正事件は、収まるどころか、尚も延焼中です。
アメリカだけでなく欧州でも、欧州だけでなく世界中でも、それこそ同じような不正を繰り返していた。
VW本体やアウディだけでなく、同じく傘下のシュコダ(チェコ)やセアト(スペイン)にも、同様の不正をさせていた。
クライスラーや三菱自動車工業へも、問題のクリーンディーゼルエンジンを供給していた。
それら問題の車種が、並行輸入などで相応の数も日本に入り込んでいたであろうことも、想像に難くありません。
・独フォルクスワーゲン、世界で1100万台に同様の問題か 排ガス不正操作
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年9月22日)
・フォルクスワーゲン「欧州向けも不正してたわ、メンゴメンゴ」
(同、2015年9月24日)
・独VWの排ガス不正、世界で1100万台規模 経営揺るがす事態に
(痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2015年9月23日)
・VW「ディーゼル不正問題」は【世界で1100万台】規模に...日本投入も影響必至?アウディ等にも・・・
(Ethical & LifeHack、2015年9月24日)
・VW「ディーゼル不正問題」で【日本市場での発売】も延期濃厚?傘下ブランドへも不正拡大中で・・・
(同、2015年9月26日)
・VW不正 日本国内に該当車、約230台が持ち込まれていること判明
(乗り物速報、2015年9月26日)
・VW排ガス不正、ナントEUが2年前に把握!欧州自動車業界全体がボロクソへwへ
(同、2015年9月28日)
・【レポート】ドイツ当局、国内にVWの排ガス不正車が280万台存在することを明かす
(autoblog、2015年9月29日)
叩けば叩くほど、埃が出るわ出るわ…。
正直、まさかここまでとは思いもよりませんでした。
そこへ来て、更なる衝撃ニュースが舞い込んで来ました。
俄かには信じ難いことですが、このVW排ガス不正、何とEUぐるみだったとのこと。
ドイツの外交官が、意図的に抜け道を用意するよう、アメリカへロビー活動をしていたといいます。
ドイツだけではありません。イギリスも、フランスも、一緒になって。
それも10年も前から。
成程、皆ずっとグルだったのですね。
だからトヨタがEU当局に調査を訴えても、誰も動かなかったと。
辻褄が合います。
流石は、オリンピックでもF1でも、日本人が勝つとルールそのものを変えて自分たちだけが有利になるよう仕向ける連中です。
黄禍論の時代から、欧米人たちは何一つ変わっていやしない。
(余談ながら、都市伝説レベルだった黄禍論を最も広めたのも、ドイツ人……ドイツ帝国皇帝・ヴィルヘルム二世でした)
確かに、VWコンツェルンほどの世界的規模ともなれば、一社だけの問題ではなくなります。
多数の国々に多数の関連企業と多数の従業員を抱えており、VW一社が少し不調になるだけで、付帯する企業がばたばたと倒産しかねず、街には失業者が溢れかねません。
遠く海を隔てた一匹の蝶の羽ばたきが、巡り巡って台風を引き起こすように。
そもそもVWとは、アドルフ・ヒトラーが懇意にしていたフェルディナント・ポルシェ博士を招いて創設した、国策企業として始まったのです。
だからドイツ政府としては、VWを支援する必要があった。
そこまでは解ります。
問題は、VWに発破を掛けるのではなく、不正を黙認し、どころか不正を手助けしていたと。
これが、
環境先進国の真の姿だったというわけです。
そういえばドイツ人たちは、ヒトラーに、第一次世界大戦の戦後賠償と不景気に苦しむ祖国を立て直してもらい、世界中の鼻つまみ者であったユダヤ人を隔離してもらい、VWやポルシェを一大企業にまで育て上げてもらい、アウトバーンを与えてもらい、ヒトラー肝煎りのテュープアインスを後生大事に愛用しておきながら、戦後はヒトラーの恩に報いるどころか全ての責任を押し付けて保身に走った。
そして現在に至るまで、ナチスに関するものはあらゆるものをタブーとし、自省も懺悔も再検証さえ禁じてしまった。
現在も、脱原発を唱えておきながら、その実原発を推進するフランスから電気を買っている。
シリア難民の受け入れを真っ先に表明しておきながら、「難民受け入れはEU全体の責任」と嘯いて、自分たちは真っ先に受け入れを拒絶。
一体これのどこが、「ドイツ人は真面目で固い」という評判になるのか。
むしろ合理主義ゆえに酷薄で冷血ではありませんか。
以前から、実は国ぐるみだったのではないかという疑惑がありましたね。
マルティン・ヴィンターコルンCEO(当時)は、
アンゲラ=ドロテア・メルケル首相と、個人的に親交がある。
それを抜きにしても、VWコンツェルンほどの超巨大企業ともなれば、当然に、財界のみならず政界にも強大なパイプと影響力があるもの。
そんな間柄であれば、政府関係者たちは、VWの不正を予め知っていたはず。
この事件は、VW一社だけの問題ではありません。
もはやドイツという国全体、EUの根幹を揺るがす、一大スキャンダルにまでなりました。
アメリカではディーゼルに対して審査がとてつもなく厳しく、どのメーカーもクリアできない。
マツダのSKYACTIV-Dだけが、辛うじて合格するかしないか。しかし大事を取って、敢えて本格参入は見送った。
そんな中で、一社だけが飛び抜けた成績で合格したとあっては、絶対に何かあると思われて当然です。
そもそも、競合他社にすれば、個人名義でライバル車を買ってきて、密かに自社のところでビス一本に至るまで徹底的に分解して研究するのも、当然の話。
その過程で知られざるものに触れたとしても、何ら不思議なことではありません。
・スズキ、フォルクスワーゲンとの提携解消へ
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年8月30日)
・各自動車会社はワーゲンの不正に気づいていたよね?
(同、2015年9月25日)
・スズキ、VW全株ポルシェに売却で367億円の売却益
(同、2015年9月27日)
おさむちゃんの「高い授業料だった」という一言には、色々なものが込められていそうです。
それよりも、同業他社よりは、VW関連会社からもたらされた内部告発なのかも知れません。
何しろヴィンターコルンは、顧客救済と信頼回復と会社再建に奔走するどころか、
「知らない」
「分からない」
「関係ない」
「一部の従業員が勝手にやったこと」
「俺は悪くない」
を連呼し、しかしその日の内に、退職金5850万ユーロ(日本円にして約78億6000万円相当)をもらって一人だけ逃亡した、
卑怯者です。
開発したボッシュのエンジニアたちにすれば、
「こちらはVWの仕様書通りに造ったし、試験用という話だったし、市販車には使うなと再三念押ししていたのに、今更何て言い草だ!」
と激怒したとしても不思議ではありません。
経営者にすれば従業員は使い捨ての消耗品でしかないのでしょうが、やはり人間なのです。
・
独ボッシュのソフトに不正改変なし、VWが独断で書き換えか
(乗り物速報、2015年10月9日)
VW本社内でもこの問題はとうに把握しており、役員会議の席で何度も何度も俎上に載せられましたが、その度に黙殺されたといいます。
経営トップたるヴィンターコルンが、尚更何も知らないはずがありません。
アメリカ当局への制裁金や、オーナーへの補償金だけでなく、株主たちへの賠償金も、VWは控えています。
もっとも、あくまで株価が下がったことが理由。
誰一人として燃費や環境や不正を心配してなどいません。
これが先進国の投資家たちの民度です。
・米国、VW訴訟相次ぐ 投資家による集団訴訟も
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年9月27日)
・独フォルクスワーゲン、全世界で1100万台リコール 改修費用は1台最大2万7000円
(同、2015年9月29日)
・【VW不正】アメリカで損害賠償の訴え相次ぐ、すでに30を超える訴訟 「車の価値が損なわれた」
(乗り物速報、2015年9月24日)
・フォルクスワーゲンのディーゼル車、米グリーン評価のリストから消える
(autoblog、2015年9月29日)
同じくクリーンディーゼルエンジンを扱っているというだけで、他の欧州車メーカーも疑いの眼差しを向けられています。
メーカーやファンにすれば風評被害もよいところだと言いたい気持ちでしょうが、EUぐるみとあっては、むしろ今すぐ潔白を証明する必要があります。
・VW排ガス不正で欧州自動車各社株も下落
(サイ速、2015年9月23日)
・BMW「X3」のディーゼル排ガスがEU制限以上との報道で株価急落
(同、2015年9月25日)
・トヨタ「不正制御は一切ない」 BMW供給エンジン「問題ない」
(同、2015年10月3日)
・【レポート】BMW「X3」にも排ガス不正の疑惑報道、同社は否定
(autoblog、2015年9月28日)
ディーゼルに関わる産業も巻き添えを食らい、収益と株価が絶賛下落中です。
・独フォルクスワーゲン問題でプラチナ相場が急落、「ディーゼル車離れ」を懸念
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年9月23日)
自動車とは、実用品や嗜好品というだけではありません。
その国の持つ工業力や技術力、生産力、経済力、頭脳の集大成です。
自動車とは、その国の国力を象徴する、バロメーター。
だからこそ、自動車産業が傾くと、関連業界に飛び火し、国そのものに危機が及び、僕ら国民生活にも斯様に影響が及ぶのです。
欧州の環境基準は、EURO6にして、ようやく日本の車検制度に等しいレベルにまでなりました。
ここ数ヶ月での日本市場へのクリーンディーゼル一斉投入が叶ったも、逆説的に日本の環境基準へも適合するようになったから。
それまでは日本車にとっては国際市場においては逆風でしたが、その間マツダは本当によくやってくれました。
・マツダ「法令を順守し、違法なソフトや無効化機能は一切使っていません!」
(ゆめ痛 -NEWS ALERT-、2015年9月29日)
・マツダ「違法なソフトウェア、ディフィートデバイスは一切使用していない」
(乗り物速報、2015年9月30日)
・マツダ、VW不正問題の影響で問合わせ殺到!「ホントにキレイなディーゼル」と声明へ
(サイ速、同日)
そういえば、EU当局に握り潰されていたとはいえ、告発の中の一つには、トヨタ発のものもありました。
VWの不正を暴いたカリフォルニア大学が使っていた装置も、日本の堀場製作所によるポータブル測定器でした。
・
世界揺るがしたVW排ガス不正、見抜いたのは堀場製の小型測定器 (2)
(Bloomberg.co.jp、2015年10月2日)
世界標準からは出遅れている、ガラパゴスだとして、自動車評論家たちからは何かと扱き下ろされる日本車ですが、日本の「ものづくり」は相応のポテンシャルを秘めているのですね。
汚い手段で一位になったとしても、いつか何かの拍子で足元を掬われるのでしょう。
結局、人間とは、真面目で愚直が一番だという見本のような出来事です。